次の頁     TOP

GAMEPLAY
 全て終わった後に見直してみるとEisenbergとRykovのキャラクタ造形、及びストーリーはなかなか面白く出来ていると思うのだが、それをバラバラに3つの種族の話に情報として入れている事で、実際のプレイ中には漠然とした印象が付き纏ってしまうのは残念。

 全体合計では標準的だが、それぞれの種族単位ではプレイ時間が短いのもストーリーを活かす意味では弱点となっている。個人的にはストーリーは確かに評価するが、それと併せて各種族の根源的なプレイの面白さの方を追及して欲しかった。例えば一番不満を感じるMarine編では恐怖を感じるような要素が欲しかった所。

 AIはそれほど重要視されないゲーム性だが、敵の人間はもっと賢い方が良いし、Alienが時々障害物に嵌ってしまう点は大きな欠点。敵の出現にランダム性が無くなったのも寂しい点である。


 問題点としてはBrightnessの調整がオプションから出来ないという事になっており、これは大きな欠陥と言えるだろう。元々暗い個所が多いゲームなので特に気になった。

 それとマップの切り替え等でロードすると所持武器の弾薬がリセットされてしまう。クリップ内に入っていた弾が全て空になってしまうという風になり、一度選択してリロードしてやらないとならない仕様であり面倒。同様にAlienだと基本的に座った状態で行動するのだが(その方がスピードが速いので)、ロードされると立ち上がった状態に戻されてしまう。

 

GRAPHICS
 今回は製作がMonolithという事で、当然ながらNOLF同様にLithtechエンジンを採用している。バージョンはNOLFより上のTaronと呼ばれる物。

 発売時点でもそれほど凄いという印象のグラフィックスではなかったが、現在見る限りではやはり旧世代という感は否めない。前作AVPに比べるとキャラクタのポリゴン数とかには格段の進歩が見られるのは確かだが、NOLFで使われているバージョンと想像していたほど大きな変化が感じられず、悪いという事は無いがインパクトという面では弱い

 まずテクスチャの質があまり高くなく、Maxにしてものっぺりした感じでクオリティがそれほどでは無い。またインドアのグラフィックスに使い回しが多く単調な印象。それと武器や爆発等のエフェクトも若干地味な感じを受ける。またBloodは出るしGore(四肢がちぎれ飛ぶ)も有るのだが、その表現に関してはアッサリし過ぎな感も(またすぐに消えてしまう)。暗い場所が多かったりもするので多少綺麗さという面では損をしていると思うが、それでも期待していた程では無かったという感想。

 良い点としては今回は広大なアウトドア面が存在しており、その出来はなかなかのもの。またMarineのShoulder Lampの暗闇での光線の照らされ方や、各種族のVision Modeのエフェクトの出来は明らかに良くなっている。Alienのやられた時のアニメーションの細かさも増している(ただパターンはそれほど無い)。後はAliens画面上に大量に発生してもfpsの低下が見られない点は優秀である。


 後は個人的な意見になるが、根本的に(少なくともこのバージョンの)LithtechエンジンはAVPに合っていないと感じる。つまりエンジンの選択段階で失敗しているという意味で、今回はゲーム性の充実を目指してMonolithを指名した時点で使うエンジンは決まってしまった訳だが、そこに問題があったと言えると思う。

 具体的には「暗闇での影の描画」, 「オーガニックな表現」, 「金属の反射感」といった要素が非常にゲームの雰囲気を出すのに重要と思うのだが、これらにLithtechエンジンは適していないように見える。影の描画はMarineでのプレイ時に恐怖感を演出する上で効果的と思うのだがほとんどそれは見られない(Onにしても効果が薄い)。Alien自体の表現やHiveといった場所でのオーガニックさ(生体的なヌメヌメした感じとでもいうか)が感じられないし、またChromeといった設定は出来るがAlien等の金属的な光沢感の表現の出来も悪い。総じて言うと生体的な(生々しい)感覚が画面上のキャラクタから感じ取れない。ついでに人間のモデルもカリカチュア(戯画)された感じがあり、イメージ的にゲームのテイストに合っていないように感じられた(逆に言うとNOLFはゲーム性とグラフィックスの持つテイストが見事にマッチしていた)。他の部分の出来を多少犠牲にしてでも、これらの表現力に優れたエンジンを選択或いは作成するべきではなかったかと残念である。

SOUND
 各種効果音に関しては基本的に映画の物をそのまま持って来ているという事で質は高い。前作より音質も向上しているし、歩いた場所の反射音の違い等細かい部分も考えられている。だが前作はサウンド製作にCreative自らが力を貸しており、SB LIVE!にも製品版が同梱されるという位の良い出来であったが、今回はそのEAXに対応しておらずグレードダウンという感はある。その代わりにMiles Sound Systemを使用しており、フォルダを見る限りはEAX用のdllは存在していない。ソフト的に3Dサウンド効果は有るのかも知れないが、ハード的には対応していないという事でここは弱点となっている。

 武器のサウンドに関しては低音をブーストしてあるようで重い音にはなったが、もう少し迫力があってもいい感じだ。BGMはDirect Musicに対応しており、敵が出ると戦闘用のBGMに切り替わるシステム。全体的にアンビエントな感じで雰囲気はあるが種類が少ないのが難点。

MULTIPLAYER
 全体のバランスを考えて調整しただけあって、これはかなり出来が良い。新モードは人があまりいないという事もあって盛り上がりに欠けるが、TDMやDMだけでも楽しめるはずだ。それぞれの種族にて幾つかの異なったクラスを選択出来る点も幅があって面白い。勝ち負けにこだわらずに、自分の好きな種族を使って遊びたいなら非常に面白いゲームと言える。


 2008年に会社の消滅に伴ってマスターサーバーが停止されている。しかしProject "Savior"という有志のプロジェクトにより、別のマスターサーバーを使ってのマルチプレイがまだ続いている。

      次の頁     TOP