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PRIMAL HUNT
 2002/08にリリースされた拡張パック。製作はThird Law InteractiveKISS Psycho Circus, WWII: Iwo Jima)。動作にはAVP2が必要だが、インストールするフォルダやProfile等は全て別扱い。


 シングルプレイは3種族*3チャプターというサイズ。ストーリーは本編よりも前の出来事を扱っており、500年前に発見されたあるArtifactにまつわる3種族の話となる。このArtifactはAliensを近付かせない特殊な能力を持っており、500年前にこれを発見したPredatorはここを拠点として基地を築いた。しかしそれを壊すべく侵入してきたAliensとの戦いが起こり、この際にある出来事からその場の時間が凍り付いてしまうという事態に。そして現在、このArtifactを求めて探索を続けて来たCorporateのDunyaはこれを手に入れるのだが、その時に装置が作動して凍り付いていた時間が元に戻ってしまう。その後これを守ろうとするCorporate、取り戻そうとする500年の眠りから覚めたPredator、Artifactを破壊しようとするAliensの間に三つ巴の戦闘が起きるというもの。

 今回は本編では謎めいた女性として登場していたRykovの部下であるCorporateのDunya、500年前に存在していたAncient Predator、Predatorの遺伝子を持つPredAlienがプレイヤーの操作するそれぞれの種族のキャラクターとなる。

 マルチプレイではシングルプレイにも追加された新武器と機能(Predatorのマスクを外しての自爆とかも加わっている)、それと新追加マップで構成されている。

 グラフィックスやサウンド関連に拡張要素は特に無いが、若干表現が変化している点もある(PredatorのCloaking)。

GAMEPLAY
 AVP2から3種族共通して変化している点は難易度で、これは同じNormalでの比較ではかなりの難易度UPとなっている。当然本編はプレイ済みという観点からの難易度UPというのもあるだろうし、難易度が落ちたという批判に対する調整とも受け取れる。


<Corporate>

 プレイヤーが操作するのはDunyaで、彼女は謎の遺跡に存在する未知のArtifactの回収に向かうという立場。Motion Trackerは360度タイプに変更されているが、その分探知範囲は半減されている。新武器としてはDual Pistols, Remote Sentry Gunが追加。

 難易度はかなり上がっており、特にHealthとArmorの数が減っているのが大きい。クイックセーブが出来るのでAVP1ほど難しくはないとは言え、大きく減ってしまうと次の補給ポイントまで持たなくなり、ある程度戻って(最悪最初まで)やり直さないとならないだろう。特に最後のチャプターはどこで終わるのかを知った上でHealthの配分を考えないとならない位の難易度である(HelathとArmorが分かりにくい場所に有るので、これを取れないと更にキツくなる)。またこれは2番目のチャプターだが戦いにくい場所(逃げにくい)が有るのも難易度を上げている点の一つ。

 3つのチャプターは全てロケーションが異なっており、変化が付けられていて難易度としても手応えがある。しかし最初仲間との共同戦闘が有るのだが、これが期待させておいてスクリプトになっているだけで、その上FFで自分が死に易いという点。或いは最後のチャプターのラストでの戦闘において武器が非常にショボい上に、バグで倒せない場所にAliensがハマってしまうという問題があり白ける。それとこの武器は固定式のマシンガンなのだが、こういった武器はアクセントとしては良いがラストの戦闘にというのは如何な物か? 自分で動き回って敵と戦えないのは詰まらない。

 あまり新しさを感じさせない点もマイナス要素だが、戦闘が難しくなって緊張感が増加している分、総合的には出来は平均的とは言えよう。


<Ancient Predator>

 武器の違いはレーザーの弾を発射するEnergy Flechetteを備えている点。これはあまり威力は無いが連射が利く武器である。今回は敵の数がかなり増している上に、背後から襲ってくるというパターンも増え難易度は高くなっている。一度敵を一掃すれば完全回復はやはり可能なのだが、PHではその一回に出る敵の数が多いので、エネルギーを使い切っても倒し切れないというケースが出てくる為に難しい。

 残念ながらPred編はマップのデザインが工夫に欠けており面白くなく、また難しくなった点はまあ良いとして、一回区切りが付く毎にエネルギー充填→体力回復→再度エネルギー充填といった過程を繰り返さないとならない位の難易度なので、かなりその作業を面倒に感じるのも事実。


<PredAlien>

 基本的にはAliensと変わらないが、立って走った方が高速になっており、Pounceではより長距離を飛ぶ事が出来る。ただ背が高いので上方につかえる事が多いのが難点。よって狭い場所ではPounceで跳びかかりにくいという面がある。難易度はHealthの補給が出来ない上に強いSynthticsが多いので、この種族もまた相当に高い設定にされている。

 今回の3種族中では一番出来が悪いのはこのPredailen。まず第一にあまりに短過ぎる。他の種族が3-4時間程度なのにこれは2時間程度。そしてその内の半分程度をまたFacehuggerとChestbursterに使っているのは問題有り。ストーリー上仕方の無い設定なのだが、それなら全体の量を増やすべき。この幼体期のパートはステルスの上にタイミングが難しくてストレスが溜まるし、ある特定のタイミングで抜けられないとそのままクリアが出来なくなると思える個所が幾つか有って大きくマイナス点。その上いざPredAliensになってからも平凡な出来という風でガッカリさせられる。

BOTTOMLINE
 ストーリーとしてもオリジナルとの絡みがほとんど無い上に面白さに欠けており、ゲームプレイに特別に工夫がされているという感じでもない。全体の長さも短く、もうちょっと各種族を長くして欲しかった所。またゲーム全体に惑星土着の生物として3種類ほど新たな敵を登場させるという話だったのだが、平凡な造形でこれには失望させられた。全く登場の意味無しという印象。土から出てくる目障りな奴もいて鬱陶しいだけ。

 マルチプレイについても特に面白い要素が加わっている感じではなく、PHをOnにしたサーバーが盛り上がっている訳でもない。噂されていたCoopの導入があればまた違う評価になったと思うのだが。

 当初の販売価格は$19.99だったがこれでもどうかなという感想。大抵拡張パックというのは本編に比べると出来の悪い物が多いが、これも例外では無かったという事になる。セット品でもない限り特に手に入れる必要も無いと思うレベル。

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