STORY |
AVP2は構造的に3つの種族を全てプレイした所で全貌が見えるという構成をとっており、ある程度それぞれの話は独立しているのだが、その種族のプレイではよく分からない点が他の種族をプレイしている時に情報として出てくるといった面が存在している為に、全体的には筋が分かり難い構造となっている。 それとゲーム開始前に与えられる情報が非常に少ない。私の持っているのは英語版だが、マニュアルはそこそこ厚いのにストーリーは勿論の事登場人物紹介等も無いし、公式サイトでもこの辺の言及はほとんど無い。おそらくはゲームの進行に従って徐々に判明していくという方式を採用したのだろうが、その為にかなり漠然とした感じでゲームは進んでいく印象がある。加えて全てプレイしてもハッキリとしない点も有って、この辺は次作への含みなのか意図的にぼかすという手段なのか何とも言えない。また各種族のミッション進行に時間的なズレがあって、全く同じ時間帯を全ての種族が行動している訳ではない点も混乱を招き易いと言える。 日本語版は無いし英語にしてもログが残らないので確認しにくい面もあり、終わらせてもストーリーがよく分からないままとなる可能性がある。そこでストーリー関連の簡単な解説を作成してみた。これは攻略(Walkthrough)ではないが、ネタバレ的な要素は当然含んでいるので、プレイ前にいろいろと知りたくない人は見ないでもらいたい。英語を追うのが面倒なのである程度の枠組みは事前に知っておきたいとか、終わったがよく話が見えなかったという人には役に立つと思う。ただしゲーム中の全ての集められるデータを隈なく探した訳ではないし、先に書いたように解釈の問題で若干は想像による部分も存在しているのを御了承願いたい。 |
序盤のゲーム関連情報 |
ここでは各種族の序盤で判明する事項を中心に、ストーリー進行において事前に知っておくと理解し易い点を幾つか解説する。若干のネタバレではあるが、ゲームの面白さを損なうほどではない範囲に留めている。 まずAlien編の中心となるのが研究所の所長であるDr.Eisenbergで、彼は表向き(政府に対して)はAlienに関する基本的な生態の研究及びその応用技術の開発をしているように見せて、実は人工的なHive(巣)を製作してAlienに関するもっと突っ込んだ、ある意味危険な研究を行っている。彼には会社の警備隊として持っている組織が存在しており(オレンジの制服)、これに加えてアンドロイドであるSyntheticsという兵士も部下にいる。Eisenbergの父はロボットに人間の神経情報を移植する技術の権威であったので、これはその応用の産物と思われる。 そしてPredator編の中心となるGeneral Rykovは過去にUSCMに属していた著名な軍人で、現在はWY社専属の武装部隊(Corporates)の長に就任している。Rykovは20年前に別の星で自分の部隊を未知の生物(Predator)に全滅させられた際に自身も大怪我を負ったという過去を持っており、破損した脊椎を人口の物に変えている。そしてその痛みとその時の恐怖によって精神を病んでおり、これに対処する為に違法薬物に手を出して定期的に注射しないとならない体となってしまっている。彼の腹心の部下として登場するのがIvan, Chekov, Dimitri、その婚約者である女性のDunyaである。彼とEisenbergとの関係はよく分からない面も有って、Eisenbergの警備隊に協力する精鋭部隊という位置付けと思われる。 Marine編の主人公でありプレイヤーが操作するHarrisonは、更新の途絶えた研究所に原因調査に向かう事となったUSCMの一員であり、その何物にも動じない態度からFrostyという愛称で呼ばれている。 EisenbergとRykovは協力的な立場にあるが、実際の所はお互い信頼関係には無いようで、特にゲームの時点ではある件(下記参照)で揉めている状況。その一方で原因究明と救助にやってきたMarineはお互いにとって招かれざる客であり、彼らを邪魔者と考える点では一致している。何故なら彼等に内部に立ち入られて状況を調べられた場合に会社の秘密研究が露呈してしまう危険が有り、それだけは何としても避けないとならないという事情があるからだ。 次に時間と位置関係の整理。施設の構造は一番の外郭にPOC(Primary Operation Complex)が存在していて、そこから長い連結用トンネルを通って本部となるPODに到達する。PODとは宙に浮いた状態の巨大な建造物で幾つかのセクションに分かれている。外部との出入りは巨大なエレベーターにて行う仕組み。 一番時間帯が早くスタートするのはAlienで、スタートはIncident(事件)と呼ばれるゲームの中心的な時間帯の半年前。最初の成長過程の1章がこれに当る。続いて2,3章はPOCへの攻撃という内容でこれは“7週間前”に当る。そして4章からIncidentに一致した時間帯となる。Predator編はIncidentの“6週間前”からスタートし、4章からIncidentに一致して進行するようになっている。Marineは最初からIncidentの時間帯でスタートするが、最初の地点がPOCの外となる一番の外壁部からになっており、ここからトンネルを通ってPODまで到達しないとならないので、他の種族と場所が一致するPODに到達するのは3章から。 状況としては6週間前の段階でRykovが狩りをしに来たPredatorを数匹捕獲に成功しており、彼はこの生物が自分を20年前に追い詰めた種族ではないかと確信する。そこで敵を知る為に捕らえた彼等のテクノロジーの研究をEisenbergに依頼して行っている。ところがEisenbergは単なる普通の生物の一種といった捉え方でPredatorに興味を示さず、Aliensの研究こそが重要と非協力的な態度である。この態度にPredatorを倒す事で過去の清算をする事が全てと考えているRykovは怒りを覚えており、両者の間には対立感が強まっているという状態。 |
ストーリー情報 |
ここから下はネタバレになる事項を含んでいる。以下は各種族別のストーリー解説というか注釈であり、反転させれば読める。それぞれ基本的に該当の章が終わってから読んでもらいたい。 <MARINE> 1.Unwelcome Guest(歓迎せざる客) オープニングムービーでは連絡が途絶えた原因を探りにLV-1201に向かう所からスタートするが、天候不良の為に輸送機が事故を起こして不時着を余儀なくされ、目的地より離れた施設の最外周部(POC)からのスタートとなる。最後のマップは分かれて行動していた別のチームの副隊長であるHall(女性)が行方不明になったのを、指示を聞かずにHarrisonが単身救出に向かうという設定。次のCollateral DamageはPODまでの連絡トンネルの部分で特にイベントは無い。 3.Betrayal(裏切り) ここでは冒頭でPODに到達したUSCMとEisenberg及びRykovが対面するシーンからスタートする。ここで状況を聞いたMarine側は援軍要請等の為に通信リンクを確保したいという申し出を行う。しかしこれは基地側の2人にとっては秘密を守る為には回避したい状況であり、それ故内部へ招かれたHarrisonはムービーの通りにRykovの腹心であるDunyaによって気絶させられて牢屋に入れられる事に(この件はすぐにMarine側には、HarrisonはAliensに襲われて死亡と報告されている)。 後は謎の声に導かれて脱出を目指す事になるが、この主はこの章では明らかにされない。なおここの途中で脱出通路を作る為にカプセルに入れられたPredatorを移動する事になるが、このPredatorがプレイヤーが該当編でプレイするPredである。それと最後の地点で複数の兵士と対戦する事になるが、Pred編の話からしてここにいる内の一人がRykovの腹心のIvanと思われる。なおこの最後のエレベーターの地点に入った時に、再度Dropshipを追って行くPredator編の主人公を見る事が出来る。 4.A Long Detour(長い回り道) 冒頭エレベーターでPODから脱出。ここで前章からリンクを取っていた相手は実は女性で(Tomiko)、彼女は同じ研究所に勤めていた兄が死んだのはEisenbergの秘密実験に関連するトラブルに巻き込まれたからに違いなく、その件を追求している事を告白する(おそらくHarrisonに取りに行かせたDiskがその情報なのだろう)。この後Harrisonは自分が死亡したと誤解している部隊に合流する為のルートをTomikoに指示されて進んで行く事となる。 7.Savior(救世主) ラストは詳しい理由の説明が無いので何とも言えないが、回収したデータから実験の真の内容を知ったTomikoは、その研究成果と巣食ったAliensの全面排除への道として自らと共に施設全体の爆破を選んだという話だと思われる。 <PREDATOR> 1.Hunt(狩り) 冒頭はRykovの20年前の映像。次は事件の6週間前の時点で、カメラに映し出された未知の宇宙船の検証に部下を派遣する所である。最初の方で警備員がいるアンテナの傍の地下施設の様な個所から大量の書置きの様な物が手に入るが、ここではAliensの集団に取り囲まれて身動きが取れなくなった飢餓状態の危機の件が書かれており、これはAliens編の内容と絡んでくる。 3.Interloper(侵入者) ここではEisenbergとの意見に新たな相違が起き始めている事がログに書かれている。Rykovは捕らえた彼らの研究からPredatorが高度なテクノロジーを所持しており危険な存在なので、この状態のまま殺してしまう事を提案している。しかし逆にEisenbergは研究結果が判明するにつれてPredatorに興味を持ち始めており、彼らを生かしたままで研究を続ける事に決定している。その成果の一つが他の種族編に登場するPredAliensとなる。 4.Unexpected Allies(予期せぬ仲間達) 冒頭は昏睡から目覚めるシーンから始まるが、ここでは自分を見下ろすAlien編の主人公のAlienと、自分の装置を動かしたHarrisonの姿を見る事が出来る。ここのログでは新たに捕らえたPredetor(主人公)が他の2体とは異なった装飾のMaskを装着していた事が書かれており、おそらくは高貴な身分のPredatorであり、過去に自分の部隊を全滅させた宿敵に間違い無いという結論を出している。Rykovの精神状態はこの辺から変調を来たしており、彼はこのPredatorを出来る限りの苦しみを与えて殺し、自分が20年間味わってきた苦汁を同様に味あわせたいと考えていた事が明らかにされる。 そしてここから先はプレイヤーは、マスクを追ってRykovを追跡して行くというストーリーになる(自らのマスクについては探知出来る能力があるようだ)。 7.Trophy(トロフィー) 最後の決戦に臨む前のRykovのログはDunyaに宛てられており、もし自分から通信が無ければそれは自分が敗北した事を意味し、その場合はPredを倒せるような兵器を製作してから奴らを倒すようにという指示が出されている。その為に自分が密輸で蓄えた金を引き出して使えという事も書かれている。ラストの画面には、その後複数の科学者が同時に攫われたという事件と、それを実行したのがIron Bearsと名乗るグループで目撃者の話ではリーダーは女性という事実が語られている。Iron BearsとはRykovが首領の秘密組織である事はゲーム中のあるログに書かれており、これは指示通りにDunyaがPredを倒す為に科学者を誘拐して、彼らに組織の金で対抗出来る兵器を作成させるつもりという意味だろう(AVP3への伏線?)。 <ALIENS> 1.Birth(誕生) 冒頭のムービーではある事件(9年前になるはず)にて、たった一人の生存者として発見されたEisenbergの映像が出てくる。ここのEisenbergの映像は不自然な感じだが、その意味は後に明らかになる。次のムービーではPOD5での事故の件(これはPrimal Huntで語られる)、そして政府組織がAliensの研究からの実用的なテクノロジーの開発を急ぐ圧力が掛かっている事と、そんな物には構わず自らの違法の秘密研究を推し進める事を指示するEisenbergが描かれている。 同じく冒頭では密輸船と思われる船に、Rykovの腹心であるDunyaがAliensの卵の入った貨物を渡しているシーンが描かれている。これはRykovが資金を稼ぐ為にEisenbergには秘密にして、勝手にAliensの卵を他の何物かに流していた事を意味する(ゲーム中には卵の数が合わないといったトラブル報告が有る)。 4.Vengeance(復讐) ここでは仲間を逃がす事になるが、その内のPredAliensはMarine編でHarrisonと対決する事になる。またカプセルに閉じ込められたPred編のプレイヤーにも遭遇出来る。 最後の方でEisenbergが迫り来るAliensの恐怖に幻覚を見るシーンが有り、ここで冒頭のムービーの意味が明らかにされる(詳しい状況説明はPred編の1章の施設のリポート書類に書いてある)。過去にEisenbergはAliensに封鎖された逃げ道の無い施設内で、生き延びる為に他の人間の肉を食べ血を啜って生き延びていたという意味になる。 5.Abduction(誘拐) ここでは女王をHiveから連れ出す計画と、それに絡んで連絡する通路を爆破して配下のAliensとの連絡を絶つという作戦が取られている。 6.Pursuit(追跡) 冒頭のシーンではMarineの輸送船Verlocを部下に襲わせて強奪し、女王を連れて逃げ出す作戦が語られている。 7.Freedom(自由) 一番最後のシーンで逆にAliensに囚われたEisenbergの映像が出てくるが、そこでの彼の血液は白色である。つまり彼はSyntheticだったと言う事。9年前の事件で受けたダメージから止む無く自らをそうしていたのか、その辺は謎である。 |