BOTTOMLINE

[PROS]

◎緊張感のある戦いが短時間楽しめる
◎固まっている敵を一気に吹き飛ばす爽快感
◎使用武器セットが異なる二人でプレイ出来る
◎BGM
◎価格が安いのと無料DLCが予定されている




[CONS]

×緩急の変化が無いので単調
×敵の出し方に工夫や変化が感じられない
×敵の湧いて出る位置がプレイヤーのすぐ傍に重なる事がある
×Daydream(Easy)とInsomnia(Medium)の間に難易度差があり過ぎる
×最後のレベルが簡単過ぎる&ラスボスが弱過ぎる
×DLCの製作は予定よりもかなり遅れている




 バランス無視で敵を大量に出して、激しい戦闘を最初から最後まで繰り返させるサバイバル形式のゲームである。過去にValveはLeft 4 Deadのデザインにおいて、「テンションの高い激しい戦闘は確かに面白いが、それをずっと続けてしまうとプレイヤーには精神的な疲労が溜まってしまい、次第にそれが詰まらなさへと転じてしまう」として、レベル内でのゲーム進行に緩急を設けるべきであると唱えていた。これはその提言に反しレベルを通して大量の敵を出し続けるというスタイルになっており、当然その通りにプレイヤーを疲れさせる作りになっている。無限湧きで時間と共にそれが加速していくサバイバル形式のゲームほど敵の攻撃は激しくないが、そういった形式のゲームが短時間で終わってしまうのに比して、こちらは各レベルが長いので合計すると疲労度はやはり大きくなる。

 よって短時間プレイする分には緊張感があって面白味も感じられるのだが、レベルを通して見ると緩急の無さによる単調さは否めないし、1個のレベルをプレイした時点で「もう満腹」という風にもなってしまう。単体でプレイ出来るレベルが6個(DLCで+2個)入っているという感が強く、キャンペーンとしての繋がりの方もまるで味わえない構成である。


 敵が異常なほど大量に出現するのは、そういうデザインのゲームなので良しとしよう。しかし敵の配置やウェーブ毎の出現パターンが、十分に考えられずにいい加減に設定されているという印象で、単に大量の敵を漫然とスポーンさせている様にしか見えない。その辺の練り込み不足、若しくはテストプレイ不足が窺える所が、やはりModから始まった低予算プロジェクトの限界なのかと想わせる。

 前作のResurrectionではレベルサイズの巨大化とオープン形式という変化を付けてきた訳だが、今作ではそれをサバイバル形式という風にして独自性を打ち出してきている。この両者を比較するなら、試みとして上手く行っているのはこちらのRedemptionの方だと言えるだろう。PKの本来のゲーム性には合っているし、問題も比べるならこちらの方が少ない。それとこのサバイバルのゲーム性は人によってはハマる可能性があって、一部には高評価を得られたりもしそうである。


 お勧めとしては単純に激しい戦闘、特に他のゲームにおけるサバイバルモードが好きな人向きで、レベルの構成を味わって楽しもうとする方には向かない。ただ最初から$4.99だしセールではもっと安くなるので、シリーズのファンならば買って試してみても良いのではないか。後はCo-opが将来的に実現すれば多少は付加価値が付くだろう。

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