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シングルプレイは全12ミッションから成り、難易度は3つ(Recruit・Soldier・Command)から選べるという標準的なスタイル。難易度によって敵アイテムの入手率、敵の増援数、敵のArmorの固さ等が変化する。最初はキャンペーンを選択して順番にプレイするしかないが、クリアしたミッションはセーブデータに残り、新たに選択する事で難易度を自由に選択してリプレイが可能になっている。ゲームはこのリプレイ用に採点システムを採用しており、再チャレンジする際によりゲーム性を高める工夫がされている。ミッションの各成績は星の数で表され、1個が最低で5個が最高となる。
Level: 選択難易度。これはプレイ前に選んだ物でゲームプレイには関係ない。Commanndを選べば最初から5
Starsである。
Time: クリアまでに掛かった時間で、ミッション毎に設定されている(ただし見れない)
Secondary Mission: サブのミッションをどれだけクリア出来たか
Saved Games: 何回Loadしてやり直したか。5 Stars獲得の為には一度もLoadせずにクリアしないとならない
以上の成績を総合して最終的な評価がやはり5段階で出るというシステムになる。スコアを気にするかどうかはともかくとして、好みのミッションだけを難易度を変更して任意にプレイ出来るだけでも意味はあるシステムと言える。
ゲームのストーリーに関してはミッション間や随時挿入されるムービーによって説明&紹介されて行くという事で相当力が入っているが、内容そのものはそれほど捻った複雑な物では無く、割と普通の「敵を倒して人質救出」といった展開である。宣伝にもある映画的なムービーを導入してのストーリー盛り上げというのは確かだが、このストーリーと言うのは娯楽アクション映画のそれであって、凝ったストーリーの面白さで魅せるという類の物では無い。ただ主人公”Havoc”は非常に魅力的に描かれており、数ある3DFPSの中でもキャラの立った主人公と言えるだろう。
ゲーム内に謎解き要素はほとんど無く、指示に従って行動すればOK。謎解きよりもアクション重視のデザインである。指示内容もいつでも見れるし、そのオブジェクトの場所がレーダーでガイドされるので迷う事も無いはず。インドアのマップでは3種類あるセキュリティカードを集める事で、それに対応したドアが開いてゲームが進んで行くパターンがほとんど。くまなく部屋を探し回れば自然にクリアは可能である。
Normal (Soldier)にてプレイした印象ではクリアまでに掛かる時間は12-15時間程度と思われる。ただしこのゲームではメインのPrimary Objective以外はクリアするかどうかはプレイヤーに任されており、その点から言うとプレイヤーによって差が出るというのはあるだろう。ミッションによってはかなりの数のSecondary Objectiveが存在するし、また特にアナウンスされないBonus Objectiveも有るので(プレイヤーが自分で見付けてクリアする物)、とにかくゴールを目指すというプレイヤーだと時間的には短くなる可能性は高い。
難易度としては前半と後半とで極端に違う。前半は本当にEasyと言えるが、後半に行くにつれてどんどん難しくなる。特にラストミッションは相当な難易度である。付け加えておくとラストは「ここで終わり?」という感じでちょっと物足りなさが残った。
重要なポイントして言及しておかないとならないのは、このRenegadeは通常の3DFPSゲームと異なり一種の版権物である点である。版権物のゲームというのは3DFPSも含めて各種あるが(例えば代表的な物としてStar TrekやStar Warsシリーズ)、こういった物ではファンの要望に答えるために出来るだけ原作に出てくる要素を反映した内容になる。敵味方含めて登場するキャラクタはもちろん、ロケーションや乗り物、武器、世界観等は忠実にゲームに使用される。これは当然の事であるしファンにとっては良い事なのだが、逆にこれらをよく知らない人がプレイして面白いのかという問題は常に付いてまわる点でもある。
その観点からするとこのRenegadeも、オリジナルのRTSをやった人間が感じる「今まで俯瞰で見ていたゲーム内に実際に入り込んだような凄さ」というのは、当然未体験のプレイヤーには感じられないだろう。ただしゲーム的にはそれほど濃いストーリー&人物相関図がある訳ではなく、元々それほど個人として名のある重要なキャラクタも少ない。またこのゲームは独自のキャラクタを多用しているので、誰が出てくるかが重要となるキャラクタ主導型原作ゲームとは異なっている。近未来の地球という事でロケーションは特に指定されていないし、独自のSF風世界観という物がある訳でもない。武器や兵器はオリジナルの世界から持って来ているが、ほとんどは一般的な物であり元を知らないと理解しにくいという面もそれほど無い。
これらから言って知っていた方がより楽しめるのは間違い無いが、知らなくてもそれほどはゲームを楽しむ上でのハンデは無いと考えて良い。原作を遊んでいると知識面で多少有利という事はあるが、この辺はEVAのデータで補える。
マップに関しては8割方アウトドアで構成されており、広々としたデザインが印象的である。逆にインドアは終盤を除いては結構簡素な造りであり、グラフィックス的にもデザイン的にも平凡なレベルに終わっている。
通常時の操作性はほぼ普通の3DFPSゲームと変化無し。三人称との切り替えがあるくらいだ。この三人称では周囲を見渡すのには有利だが、やはり攻撃の狙いは付けにくく移動時に使う位となる。後は偶にハシゴの昇り降りをするケースがあるのだが、この時はUSEキーにて三人称視点にしないと上れない様になっている。気になったのはSniperでのズームIN/OUTがホイールだと遅くてやりにくく、これはKBに割り振った方がはるかに使い易い。
武器系統はグループ化されて保存されるHalf-Lifeスタイル。このゲームでは武器が多いので望んだ武器を一発で選ぶ事が出来ない為に少々操作が煩雑となる。リロードも長めで隙が出来易い。
HealthやArmorの数は全体的には相当多目で、特に前半は何故こんなに有るのか?と疑問に感じてしまうくらい存在している(取り切れない)。後半もそこそこは有るのだが、今度はダメージが入り易い割には配置バランスが悪くなる。置いていない激しく長い箇所が有ったかと思えば、突然取り切れない位大量に置いて有ったりとかする。
それとこのゲームでは死んだ敵の落とした武器やArmor、Healthが時間が経つと消えるというシステムを取っているのだが、この時間がかなり早い。弾薬の少なくなった武器やHralth等は確実に取りたいのだが、安全を考えて離れた位置から倒すと間に合わなかったりとか、敵が他に残っている場合はそちらを倒していると間に合わないので危険を承知で突っ込まないとならなかったりとか。また敵が落とすアイテム自体もランダムなのでやりにくい面もある。
多彩な車に乗り込めるのだが、これらのコントロールはアーケード寄りであってそれほどストレスは無い。ただし攻撃を受けている時にうまく逃げるのは結構難しいものがある(特に狭い場所では)。ステアリングはマウスとKBを選択可能。それと落ちているアイテム類はわざわざ車から降りずに拾える様になっており、これは非現実的ではあるが便利な仕様である。乗れる車には矢印が出るのでこれも分かり易い。
攻撃に関してはターゲットカーソルが赤くなればロックした事になるのだが、歩兵の様な小さな標的だと結構狙いにくい。また上下方向も普通のマウス感度だと狙いは難しいと言える。それと砲台を回転させて360度攻撃は可能なのだが、この場合は回転キーを押して操作を切り替え無いとならず、この切り替えも戦闘中だとややこしい。
ゲーム上ではHavocはEVAと呼ばれるミニコンピューターを装備しており、これによって様々なデータやミッション進行状況を把握する様になっている(なおゲームのインストール自体がこのEVAにアクセスした様にして進行するのもオリジナル作品と同じで、初めて見るとちょっと面食らうかもしれない)。通常のゲーム画面では小型のレーダーによりオブジェクトの位置を把握、また敵の体力を見られるのでこれは非常に役に立つ。EVAを呼び出すと画面が変わり、各セクションを詳しく見ることが出来る様になる。
このData Linkに関してはObjectiveについて達成状況や詳しい説明を見られるのは役に立つのだが、反面マップ機能は見にくくてあまりゲーム中役には立たない。その他乗り物系や敵に関する知識にもアクセス可能だが、この辺もC&Cをやったことがある者にはそれほど有用では無い感じだ。後はミッション前に概要解説画面が出るのだが、これはローディングが終了すると消えてしまう。結構重要なヒントが書いてあったりするのに、セーブからロードする時でないと見られないので不便である。
セーブに関しては何回でも可能。それとQuickSaveは出来るのだがちょっと時間が掛かるのと(3〜5秒)、一方のQuickloadは用意されていない。ただ2つ履歴を確保するという点は親切設計。またグラフィックス関連の設定にもよるのだろうがロードは結構時間が掛かる方で、同じマップであってもそこそこ長くゲーム上の難所だとちょっとストレスを感じる。
その他の問題点としてはObjective達成の判定が曖昧な部分が若干あり、例えばある場所に行く事で達成される種類の物だと、その建物に入っても特定の位置に行かないとフラグが立たなかったりする事もある。次にエレベーターの移動が物凄く早くて、すぐに降りないとドアが閉じてまた戻ってしまう。それとエレベーターを呼ぶにはその前にしばらく立っていないとならず、最初はこれが分からずに困った。他にはこれはEVAの元来の機能なのかわからないのだが、一度見付けて隠れた時に壁越しに相手の位置が分かってしまう事がある。
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