MONSTER MADNESS

                                  02/05/29


<概要>

 かなり初期からある有名なModで、ゲーム中にUnrealのMonsterを呼び出す事が出来る。UT発売からしばらくの間は、単純にMonsterを出して攻撃して倒せるのが面白いという事もあったので人気はそこそこあったのだが、mutatorとしての構成がシンプルだった点や、UT用のシングルプレイMAPの登場、また他のオリジナル性に富んだMonster modの登場によって存在感は薄れる事に。

 V2.0からしばらくは更新が無かったのだが、最近になって正式版としてV3.0にバージョンUPして復活を図っている。






<VERSION>

 現在のバージョンは3.02。しばらく消えていた作者サイトも新たな場所にて再開されている。    作者サイト

 起動はMutatorにて選択する方式。


<設定>


 各種設定はModタブから行う。色の付いているのは3.0での新機能

◎最初に登場する敵の数
◎MonsterのHealth値
◎登場するMonster
◎全てのモンスターを倒したら自動的にMAPを切り替えるかどうか
◎倒した場合にRespawnするかどうか
◎MAPに合わせて出現数を自動的に変更するか
◎Radarの位置



 後はキーの設定に新たにレーダー関連の操作が追加されている。見れば設定で迷う点は無いと思うのだが、Progress LevelとNo Respawnにチェックを付けると、死んだ敵は復活せずに全部倒した時点でMAPが切り替わる事になる。



 以下は3.0での主な変更点。

*RadarをHUDに追加。ただこれはあまり役に立たない印象。デザインも悪い。
*Monster同士による戦闘が起きる点を軽減
*Monsterが武器やAmmoを拾わないように修整
*人間だけで無くBotにもより攻撃を加えるように変更
*Monsterが相手を積極的に探すようにAI変更
*Monsterの登場を0.5秒間隔にしてスタート時の重さを軽減(とはいえ最初は非常に重い)


<ルール>

 基本は指定した数だけのモンスターを出現させて、それを倒すとFragが入るという物。大型の強いモンスターを倒すと3Frag稼げる。特にどういう風に遊ぶという事は決められておらず、どのゲームタイプにも出現させる事は可能。
 一般的な遊び方としては2種類あって、DMやTDMに入れてプレイするというのが一つ。この場合普通に対戦相手のプレイヤーを倒してもモンスターを倒しても同じ1Fragとなるので、モンスターの種類や対戦相手の強さによってどちらを攻撃するのが有利かというのを判断して戦うという事になる。シングルのBot相手にしろマルチプレイにしろ、意味合いとしては一種のアクセントという感が強い。或いはMonsterのみを狙ってのフラグの稼ぎ合いとしても遊べる。次にMonsterのRespawnを止めてLevel変更をONにして、Monsterを狩る事を中心において遊ぶ事も出来る。つまり50匹なら50匹全てを倒した時点でMAPが切り替わるので、それをプレイヤー全員で目指すというプレイ方法である。

 これらが悪いと言う訳では無いのだが、問題はオブジェクトベースの面白さを加えたMonster Hunt、そして極めて激しいオリジナルの戦闘モードを持ったTallyHo!と言ったmodに比較して色褪せて見えてしまう点。更にOldskoolによってUnrealのオリジナル及びユーザーMAPがUTのインターフェイスや機能を使用して遊べる様にもなっているとなると益々存在意義が薄れる。昔はUTでモンスターを適当に出して倒したりするのが結構面白くて、それを簡単に実現してくれるMMは有用であったのだが、正直な所もう古いと言うか面白味に欠ける印象。
 しかし作者もこれではいけないという事なのか、新バージョンでは2.0の時には無かった新ゲームタイプが付け加えられている。Us against Themという物がそれで、これはモンスターを1チームとしてプレイヤーチームと対戦するというスタイルのゲーム。その他にもゲームスタイルに変更が見られ、その辺を中心に以下どの様に変ったのかを見ていこう。



<GAMEPLAY>

1.シングルプレイ
 まずはシングルプレイで遊ぶ場合について。Mutatorとして遊ぶ場合については一点ルール変更があって、ちょっと変った遊び方が出来るようになった。それはチーム戦のMAPで陣地がある物(CTF・AS)に関しては「MonsterのSpawnはRed:人間及びBotのSpawnはBlue」という風になった点である。これを使うと面白くなるのではと思ったのだが、ちょっと残念な事に若干の問題がある。

 例えばCTFのMAPにてこれを使うと、Monsterの密集するRedの陣地から旗を取ってくるというゲームとして遊ぶ事が可能になる。敵はこちらに向かって攻撃にも来るし、実際に旗を取ったりもする(持ち帰る事は出来ない)。相当数の敵を設定しておけばかなり旗を取るのは難しくなり、ある程度固まって行かないとならないのでなかなか面白味はある。問題は5vs5とかで開始するとRedに割り振られたBotまでがBlue陣地にSpawnしてしまう事。よってBlueの旗は簡単に取られてしまう。最初は「Monsterは旗を意図的には取りに来ない訳だし、これはこれでハンデとして面白いかも」と思ったのだが、その旗を持ったBotもMonsterは倒してしまうので、MAPとMonsterの数によってはほぼ持ち帰れなくなったりという事が起きてしまう。なのでTeamsizeも合わせて使ってみたのだが、これは人数を0にする事は出来ないのでRedには最低でも1人はbotが入ってしまう。
 ASについてはMonsterを倒しながら進めるのでMH風に遊べるのではと期待したのだが、これは残念ながら問題あり。Blueチームなので一度死ぬとDF側にSpawnしてしまうし、Spawn地点からテレポーターを通るタイプだとMonsterはこれを理解出来ないのでゲームにならない。それとObjectを守ろうという意図が無いので簡単にクリアできてしまう。更に攻守が変更されるとゲームに意味が無くなってしまう。

 新しく追加されたUs against Themだが、これはシンプルに遊ぶには便利と言うか指定したbotは全てBlueに入るので、今まで通りの出現したMonsterを全て倒すという遊びならば簡単に出来る。ただこれだとシンプル過ぎてインパクトが弱い。そこでこのモードでは全てのMAPを選択出来るようになっており、CTFやASのMAPならば敵の陣地へと攻める感覚で遊ぶ事も出来る。ただし選べるのはMAPだけであって、CTFやASとして遊ぶ事は出来ないとMutatorとして遊ぶ時とは逆の欠点が(・・;)
 更にシングルプレイ用のUnrealのMAPをも呼び出せるのだが、これは何故かMonsterがSpawnしなかったりとか、してもプレイヤーと同じ開始地点に出てしまうとか。Oldskoolを起動する際のMutatorとしても選択出来るのだがこれは動作しないようだ。Monster Huntと組み合わせる事も出来るのだが、この場合スタート地点にMonsterが出てしまう上に、彼らに攻撃されてもダメージが加わらなくなる。またこれら全て組み合わせる方法はかなりUTが不安定になるので注意。

 という事で結論としてはやはりTHやMHには劣るか。もうちょっとこのゲームモードを活かして遊べるやり方を工夫すればそれなりに面白そうではあるのだが。色々試して一番まともそうなのはCarry The FlagにMMをMutatorとして入れて、Teamsizeにて2vs8程度でやるとゲームとして面白くなる感じ。CarryTFだと旗をMonsterの中を持って来ないとならないし、旗を拾ったMonster(地面に色は付く)を倒して拾わないとならないので面白い。

2.マルチプレイ
 マルチ用に特別なゲームモードがある訳ではないのだが、マルチの場合だとbotを省く事も出来るので問題点が解消されるという面はある。例えば標準モードにてCTFのMAPを使えば、モンスターの攻撃を掻い潜って旗を取ってくるゲームとして遊べるたりもするし、Us against ThemもBotとやるよりは面白くなるだろう。


 総合的に見てMonsterのAIを修整している点は評価でき、もう一工夫あれば面白くなりそうではある。上に書いた欠点を克服する形のゲームを望みたい。CTFならばRed軍はAIプラスMonsterとして自分のBlueと対決出来て、Monsterはちゃんと自軍のbotには攻撃しなくなればOK。ASであればプレイヤーサイドのみの1Round勝負で、プレイヤー側をRedにしてくれればASとしてMonster相手に遊べるはずである(使えるMAPは限定されると思うが)。



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