TACTICAL OPS
ASSAULT ON TERROR
02/05/24
by Takamaru
<概要>
UTリアル系ModだけではなくUT全体からみても最大の人気を誇るMod。バージョンが1.0〜1.1のころはSWATという名前だったが、Sierra社の同名ソフトとかぶってしまうためにバージョン1.2からTactical
Opsに変更された経緯がある。
分類としてはリアル系に含まれるもののそれほどリアルにこだわっているわけではなく、現存する銃を使っている以外はシステムもシンプルであり、系統としてはCounter-Strikeに近い。また、UTなしでも遊べる単体版も発売されている。開発元のKamehan Studiosはもともとはインターネット上で集まった有志であり、単体版発売に合わせて会社組織化した模様。
<VERSION>
最新版は3.15でサイズは202MB、マップパックなどは特になくこれひとつではじめられる。単体版の初期バージョンは3.10でオンラインで遊ぶにはパッチを当てる必要あり。また、Texture
Fix Patchがリリースされており、以前3.15を落とした人や単体版のユーザーはこれも当てておく必要がある。現在リリースされている無料版には最初からこのパッチはあたっているので気にしなくても大丈夫だ。
当初は単体版にのみ新しい武器などを追加し、無料版との差別化を図ると言っていたのだが、リリースされてみれば無料版と単体版の違いは一部のマップが無料版にはないだけで、その他はまったく同じとのこと。ないマップもサーバに接続すればダウンロードできるので、無料版でも互換性に問題はない。
公式サイト
<システム>
さまざまな設定を簡潔にだが説明。基本的にシンプルであり、難しい点はない。
*MirrorDamage
味方を撃つとダメージが反射して自分に返ってくるようになる
*Explosions FF
手榴弾の爆発で味方がダメージを受けるか否か
*Allow Ghost Cam
死んだあとに自由に視点移動できるかどうか
*Min allowed score
TeamKiller対策として、ここで設定した数値以上スコアがマイナスになるとサーバからKickされる
*Enable Ballistics
弾丸が薄い壁を貫通したり、弾丸が曳航したりするようになる。見栄えはするが、サーバの負荷は増す
*Reduce Effects
チェックを入れると破片などが減ったりするようだ。サーバの負荷減少になる
*Disable real damages
武器のダメージが全体的に減る
*Disable IDLEManager
TOではCamper対策として一定時間以上動かずにいたプレイヤーは死亡するのだが、それをオフにする
あと独特といえるのは武器購入システムだが、Counter-Strikeをやった人にはお馴染みだろう。ラウンド開始前に与えられた金額の範囲内で武器を購入し、勝てば金は増えるし負ければあまり金は入らないようになっている。とはいえこれだと負けが込むとどんどん不利になるので負けつづけると逆に収入は増える仕組みになっている。ラウンド開始前に自動的に武器購入画面が出てくるので、ほしい武器をクリックして購入する。右上段のアーマー、下段の弾倉も忘れてはならない、特にアーマーは明らかに生存率にかかわってくるので。
<ルール>
DeathMatchやTeamDeathMatchといった分類はなく、マップによってObjectiveが決まっており、それをこなすObjectiveMatchのみ。現在以下のゲームモードがある。
*HostageRescue
特殊部隊側はとらわれている人質を全員救出地点まで連れて行くのが目的。人質は目の前でUseキーを押すと自分の後ろを付いてくるようになる。もう一度Useキーでその場に待機する。人質はたいていテロリストスタート地点の近くにいるため、救出はなかなか難しく敵殲滅のほうが先になってしまうことも多い。また、人質は地面に落ちている武器を拾って使うこともある。人質は救出するとかなりの収入になるので特殊部隊側は果敢に狙っていきたい。
*Bomb Plant
テロリストメンバーの一人にC4爆薬が渡される。定められた地点(赤色の十字が地面に書いてある)でC4を装備してFireキー推しっぱなしで設置、55秒後の爆発まで守りきればテロリスト側は勝利できる。特殊部隊側は設置を防ぐのももちろんだが、設置されてしまっても爆弾の上にたってUseキーを押しつづけることで爆弾の解除が可能。
*OICW
基本的にはTeamDeathMatch、相手チームの殲滅が目的だが、マップのある場所に秘密兵器OICWが置いてあり、テロリスト側はこれを奪うことで有利な状態にもっていける。特殊部隊側は最初から置いてあるOICWを拾うことはできないが、一度テロリストが奪ってその後落としたものなら拾うことが可能だ。
*Escape
脱出地点が指定されているチームはそこまで逃げることが目的。チームの過半数が脱出に成功しないと勝利にならないので注意。
<HUD>
右上上段はそのマップの残り時間、下段はラウンドの残り時間。右下に残弾数と残弾装数。左下の人型はアーマーを装備していると色がつく。アーマーは最初は緑色だがダメージを受けると消耗していき色が黄、赤と変わっていく。人型の下の数字は残り体力。
また、EscapeZone、HostageRescueZone、BombZoneにいると画面右中段にそのことを示すアイコンが出る。テロリスト側でC4爆弾を持っているときには左中段にそれを示すアイコンが出る。
<武器>
特殊部隊とテロリストとでは購入できる武器に違いがある。M60が値段の割に強くややテロリスト有利のバランスか。
サブマシンガン系列はかなり弾がバラけるために精密に狙うよりも思い切って接近したほうがいいが、ライフルはそこそこ当たるので遠距離からでも狙っていける。武器を撃つと照準はずれるが、それほど強烈なわけでもない。むしろマズルフラッシュと飛び散る薬莢がかなり画面を見づらくさせる。全体的に発射速度が速く、あっという間に弾切れになってしまう。銃のモデリングは丁寧、サウンドは確かに迫力はあるがやや平坦な印象。
<BOT>
とりあえず致命的なスタックはない。決まりきったルートしか通らないのでマップの有効利用の妙は味わえない。射撃は正確だが非人間的というわけでもなく、一対一の戦闘に関してならばよくできているのではないか。どうやらBot自身の感知能力はかなり低めに設定されているようで、何もせずに近寄っていくとかなり接近しても気づかれない。こちらが発砲するとそれを感知して応戦を開始するようになっており、Botにありがちな"明らかに人間を超えた反応速度で撃ってくる"という欠点をうまく隠しているといえる。
爆弾の設置や解除もちゃんとこなすが、人質の救出はほとんど期待できない。またこれはUTのBot全体にいえることだが、守りの概念が存在しないために守るべき場所ががら空きのことも多い。戦闘上手の戦術知らずといった感じで、TDMとして遊ぶのなら一人でもそこそこ楽しめるが、ObjectiveMatchとして遊ぼうとするととたんに面白くなくなる。まあネットワーク対戦を前提に開発されたModなので仕方がないといえば仕方がないのだが。
<GAMEPLAY>
リアル系とはいうもののプレイ感覚は元のUTに近いハイスピード・ハイテンション、プラス地形をうまく利用して戦う駆け引き、人気の高さもうなずけるModだ。操作系やシステムが簡素で、一般的なFPSになれた人ならばすぐに入り込めるだろう。
システムは簡素だが、このModの面白さはそのシンプルさにこそある。とにかくマップ中を駆け回り、撃ちまくる爽快感はなかなかのものだ。武器は版権の問題で名前こそ違っているが、現実に存在するものであり映画などでお馴染みのものも多い。アクション映画さながらの銃撃戦が楽しめる。
武器をラウンドの最初に購入して戦うというシステムだが、確かに高価な武器は強いのだが安い武器でも腕次第でじゅうぶん対抗できるようになっている。そこで高い武器を積極的に買ってつかうか、安い武器で頑張って強い武器を奪うのかを考えて戦わなければならず、これはゲームにスパイスを加えていると思う。負けが込んでくると救済のためにもらえるお金が増えるのもバランス調整としてよい。ただ、リアル(な雰囲気)とはあまりにもかけ離れたシステムであるのも確かだろう。
いちばん面白いのはマップを上手く使って戦うことだ。WinterRansomのマップを例に取ると、ビルの屋上がひとつのキーポイントとなっている。屋上からだと遠くまで見渡せ、また撃ち下ろせるために非常に有利になる。特に人数が少なくなってきたときなど敵を探すときは屋上から探すのが手っ取り早いのだが、それを逆手にとって相手を屋上に上らせ、こちらを捜すのに夢中になっているところを後ろから撃つなど。また、このマップではHostageRescueが目的なのだが、ラウンドが進んでお互いヒートアップしてくるとそれを忘れがちになり、人質の守りが手薄になっていることが多い。そこを狙って人質救出を決めたりすると爽快だ。
とはいえ、BotMatchだとこれらの醍醐味はなかなか味わえない。やはりこのModの華はネットワーク対戦だ。日本の常設サーバも存在し、プレイヤー数も多いため対戦相手には困らないだろう。
目次