INFILTRATION

                       02/05/01


                   by Takamaru







<概要>

 リアル系と呼ばれるModの中でもUnreal時代から開発が続けられている歴史のあるMod。武器を変更するだけではなく、複雑なシステムを採用して徹底的にリアルにこだわった作りが特徴。


<VERSION>

 最新版は2.86でサイズは73MB。手動インストール版、Setup.exe付属版、手動インストール版を分割してダウンロードしやすくしたものの三種類が公開されている。
 ただしこれだけではトレーニング用マップ以外インストールされないので、専用マップで遊ぶ場合には別にマップパックを落とさなければならない。
マップパックは1〜3とすべてを集めたFull版があり、それぞれzipとSetup.exe版が用意されているためダウンロードは少々わかりづらい。Full版は161MBとかなり巨大。マップパックを落とさなくてもUnrealTournament付属のマップで遊ぶことはできるが、雰囲気を楽しむためにもできれば落としたほうが無難だ。

 なお次バージョンの2.87が開発中であり、マシンガンなどが導入されるようだ。   公式サイト


<システム>

 まずInfiltration独自のシステムから紹介

*Stamina & Bulk
 Infiltrationでは、武器はメニュー画面から好きなものを選択する方式で、Creditsを消費して武器を購入する形になる。Credits自体はたくさんあるのでその気になればあらゆる武器を持つことも可能なのだが、アイテムを持てば持つほどBulk値が上がり、ゲーム中でのスタミナが低くなってしまう。スタミナが低いと長時間走れなくなるなどの影響が出るため、火力重視の重装備で行くのか小回り重視で行くのか考えなければならない。Bulk値は30程度に収めるのがよいようだ。

*Movement
 Walking、Jogging、Sprintingの三種類がある。通常はWalkingで足音は小さく、スタミナも徐々に回復する。Movementキーを押すとJoggingに切り替わり、スタミナを消費して移動速度を上げることができる。Movementキーを押しっぱなしにするとSprintingになり、移動速度はいちばん速いがスタミナの消費量も大きくなる。スタミナが低くなると命中率にも影響を及ぼすため、むやみに走るのは考え物だ。また、Sprintingの状態からは止まろうと思ってもすぐには止まれないことにも注意する必要がある。

*Leaning
 体を傾けて物陰から覗き込むことが可能。歩いたり走ったりすると自動的にLeanは解除される。

*Prone
 前進キーをすばやく二度押すとスタミナを消費してすばやく伏せることができる。Proneキー、または後退キーの二度押しだとスタミナを消費せずにゆっくりと伏せに移行する。伏せた状態では特殊な当たり判定が生じ、例えば伏せたまま向きを変えようと思っても、箱などに体がつかえていると向きは変えられない。
伏せた状態で移動はできるが、動きながら発砲はできなくなっている。また、立ち上がるまでに時間がかかるのでむやみに伏せることはできない。

*Weapon Control & Aiming
 Infiltrationでもっとも特徴的なシステムがこれで、普通の状態では照準は表示されず、そのまま撃っても弾はかなりばらけるようになっている。AltFireキーを押すことで銃の照準を覗き込むような格好になり、この状態で狙って撃つことになる。StrikeForceのように照準を覗いている状態で移動速度が低下することはないが、銃が画面の下半分をふさぐようになるため視界は悪くなる。

*Breathing
 立ったままの状態だと照準が呼吸に合わせてゆっくりと上下に揺れるようになっている。走ったりするとゆれ幅は大きくなるが、スタミナが高ければそのぶん回復も早い。また、AltFireキーを押しっぱなしにすることで一時的に揺れ幅を最小にすることもでき、スタミナの値が高ければ高いほどその時間は長くなる。

*Weapon Collision System
 武器はそれぞれ長さを持っており、武器が箱などにつっかえると方向転換できなくなる。その場合は後ろに下がったり、武器を持ち上げるか下げるかしなければいけない。


 キーの割り当ては特に迷う点はないが、Activate Quick Actionキーだけはわかりにくいので説明。画面右にQuick Actionの文字とともにナイフや手りゅう弾のアイコンが表示されており、このキーを押せばその武器に切り替わるようになっている。Activate Quick Actionキーで切り替わる武器はQuick Action Menu内のSwitch Quick Action Weaponから変更することができる。持っている武器の弾が切れたときにとっさに武器を持ち替えることをイメージしたようだが、なくてもなんとかなる印象。




<ルール>

 メニュー画面にはかなり手が加えられているが、中身自体は基本的にUTのものをそのまま継承しており、悩むところは少ない。


Base Skill: 階級が表示されているが、要するにBotの強さ
Loadout: Loadout画面で設定した装備を選択する
Reinforced: ラウンド中で復活できる回数
Team:別画面で編成できるBotのTeamを選択可能

 ゲームモードは通常のUTと同じくDM、TDM、CTF、Assault、DOM、LMSが選べるほか、Coopモードが存在する。マニュアルに書いていないのでよくわからないのだが、一人で起動してみたところBot全員が味方扱いになったのでUnrealのマップを呼び出して遊べるようだ?

 MutatorはすべてUTのものが使用可能。







次にLoadout画面


 Creditsのぶん武器を購入可能。Bulkについては前述の通り。Saveでこの装備を保存する。Activateを押してやらないとゲーム中で反映されないので注意が必要だ。
























<武器>

 多数あるが詳細は割愛。武器ごとに反動と威力が違うのだが、それほど大きな差は感じられない。どの武器でも3発当たればほぼ死亡なので、威力の差を感じている暇がないと言ったほうが正しいか。そうすると威力は高くても反動の大きい武器より反動の少ない武器のほうが有利になってしまい、若干問題ありだ。一部の武器にはレーザーサイトやグレネードランチャーなどのアタッチメントを装着することが可能になっている。Weapon Collision Systemで武器が物につかえるようになっているのは前述したが、長物のライフルと拳銃との差がほとんどなく、これは改善の余地ありだ。



<BOT>

 ルーチンを改造してあるのか、積極的に攻めるようにはなっていないようだ。敵が近くにいれば伏せたり、ひとりで突出しないなどの考えは持ち合わせているよう。ただ、命中率が明らかに人間よりも正確で、人間対Botだと見つかった時点でほぼ一方的にやられてしまう。積極的でないことが災いして両者スタート地点付近をうろうろするばかりでなかなか戦闘に入らないことも…。オフラインで遊ぶのは厳しい感じだ。


<GAMEPLAY>

 Mod自体はUnreal時代からあり、UTでも精力的にバージョンアップが重ねられてきたためにプレイしたことがあるという人も多いだろう。しかし最近TacticalOpsStrikeForceの陰に隠れてしまいあまり話題を聞かなくなってしまったことも確かだ。今回プレイしてみたわけだが、正直なところあまり高く評価することはできなかった。
 ゲーム中はとにかく死にやすい。StrikeForceやTacticalOpsなどはリアル系とはいえそこそこ弾を受けても戦えるようになっていたが、これはほんとうに1〜2発受けただけで死んでしまう。
 システムが煩雑なのも問題ありだ。照準を覗いた状態から射撃するという発想は良いのだが、肝心の照準の作りが雑で狙いにくさばかりが強調されてしまっている。角を曲がろうとするたびに武器がコツコツつっかえるのもストレスがたまる。

 特殊部隊系ゲームは操作は複雑ながら敵と出会うまでの緊張感、有利な場所を取る知恵、相手の動きの読み合いの駆け引きが面白く、そのあたりが詰めてあればもっと面白いModになったと思うのだが、InfiltrationはUTに特殊部隊系ゲームのシステムを導入してなおかつUTのようなスピーディーな撃ち合いをさせたがっている感じで、残念ながら面白さが消化されているとはいいがたい。やるとしたら広大なマップ、もしくは作りこまれた室内でゲームモードにも大幅に手を加え、じりじりと戦線を支配していくようなゲームにしてしまったほうが良いと思う。現在のシステム偏重の姿勢では複雑で死にやすくストレスがたまるという特殊部隊系の悪い点ばかりが目に付いてしまうといわざるを得ない。今後もバージョンアップは続けていくようだが、ちょっとこのままでは新規ファンの獲得は難しいように思う。

 また、マルチプレイをしようとサーバを探してみたのだが、まるで数が少ない。満員のサーバはなく、10人程度が集まっているサーバがぽつぽつとあるだけで活気は感じられない。Reinforceが0のサーバで狭いマップに当たったりすると楽しむ暇もなく死んで1ラウンドが終わってしまうので問題ありだ。All Seeing EyeでもOthersの項目に入れられており、とてもではないが流行っているという感じは受けない。

<HUD>

 右上の人間の下に表示されているバーが体力でなくなると死亡。その下にはReinforcedの文字とともに復活できる残りの回数が表示される。右中段には現在の姿勢が表示され、その下のバーは上段がスタミナ値で下段がBulk値。左中段にはQuickActionキーで切り替えられる武器、下段は現在選択中の武器が表示される。


<MAP>

 Full版のマップパックでAssault2個、CTF3個、DM21個のマップがインストールされる。どれも実際の町などをイメージして作られているが、StrikeForceのマップに比べるとやや劣る印象。ユーザーマップはそこそこ数が出ているようだ。



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