THE XIDIA

                                  02/11/13



  SCREENSHOT

  公式サイト




<概要>

 Team Pharanx製作によるUTのシングルプレイヤーシナリオ。以前Xidiaの名前でリリースされていたのだが、02/09月末に拡張版としてXidia Goldと名を変えてリリースされ直している。
 このGold版はオリジナルであるXidia:IncidentのバージョンUP版に加えて、全く新しいストーリーのXidia:Escapeという別編を加えた物。イントロ&アウトロのMapを加えると、それぞれ8個と9個というMap数からなるシングルプレイシナリオとしては巨大な物となっている。

 ストーリーとしてはLiandri社によって発見された鉱物資源の豊富な惑星Xidiaにおいて、その拠点であるOutpost Phoenixでの出来事を描いている。前編のIncidentの方はOutpostからのSOSによりやってきたUSMの部隊の一員Jonesの物語で、Escapeはそこで炭坑作業員として働いていた人物Spencerの物語。双方は独立しておりどちらからでも開始出来るが、やはりJonesの方からやるのが筋だろう。


<VERSION>

 まずUT専用でUnrealでは動作しない。それとV436にBonus Pack 1&4が必須である。

 Xidia Gold Final02/11/03リリース)の名前でumod(107MB)とNoUmodタイプが用意されている。以前のXidia Goldからのパッチは無くフルパッケージのみ。合計で300MB近いサイズなので一応空き容量には注意。それと同梱されているOldskoolのV239をインストールしていない人は、先にOldskoolの方を入れる事。


<システム>

 システムとしての新要素の紹介。

*HUDはオリジナルの物を使用
*Translatorのメッセージ履歴をホイールで見れる
*Headshotの威力強化。ただし自分にも適用される。
*ヘルスが30以下に落ちると視界が歪むようになり、落ちるに従ってスピードも若干減少する
*水中では銃器系は撃つ事が出来ない。またShockは自分に強大なダメージが返って来る。
*Jumpboots、FlashLight,ScubaGearといったアイテムは制限が無くなっている。

*Combat Assault Rifle(RTNP)が使える。2ndはGrenade。
*Stingerの仕様変更。弾は100発まで。
*Pulse Gunの2ndは壁にて反射する
*MinigunはChaingunに変更されており、撃つと視界が猛烈な勢いで揺れる。AmmoもAutomagとは別で100発まで。



<GAMEPLAY>

 注意:以下のレビューはGoldでの物であり、Map全体を修正したというFinal版では異なる点があるかも知れない。

 2つのストーリーはどちらもそこそこの長さを持っており、4,5時間程度は遊べるのでは無いかと思う。一つの特徴としてストーリーの展開を重視しており、Translatorのメッセージ量や会話の分量が結構ある。Translatorの方はスクロール出来るし、会話の方はTABにてコンソールを出せば確認出来るのでその点は問題無いのだが、謎解きに関わってくる部分が結構あるのでそこそこは読まないと詰まってしまう可能性がある点は書いておこう。
 キャラのモデルは両方とも選択出来ないで固定式。開始時にGoldを選択すると両方を続けてプレイ可能とあるのだが、これはそうはなっていないようである?(Incidentで一度終ってしまう)。ScoreはOperation Na Paliと同じ方式。

 このXidiaの最大の特徴、それは極端に高い難易度である。Unrealのシングルプレイシナリオを含めてもトップクラスの難しさであり、相当歯応えのある物となっている。難易度が高いというのは一つの個性ではあるのだが、ある意味プレイする人を選ぶシナリオかもしれない。難し過ぎて投げ出すとか拒絶する人も何割かはいるだろうという意味。その難しさの原因を挙げてみると、

※敵がShock RifleやFlak Cannonを持っている。また御丁寧にそれが集団で出て来たりする
※敵にカスタムタイプのモンスターがいる。特にGenome Warriorは脅威。
※ダメージをある程度受けると視界が歪んで動きが遅くなる
※敵が突然背後等に出現するという仕掛けが非常に多い
※ヘルスやArmorの量が極端に少ない


 Mediumにてプレイした感想だが、これは本当にキツイ。特にIncidentの最初の2つ(Outpost Phoenix、Mine)と、EscapeのRailroad,Genome,Beacon辺りは厳しい。中でもMineとBeaconは尋常ではないと言える。突き詰めるとその原因というのはヘルスがほとんど無いという点に尽きる。その為に敵を倒すだけでなくて、ダメージを受けずに倒さないとならないという条件付になるからだ。Unrealのシナリオ等を結構プレイしている人ならばBruteやMercenary、Krall程度であれば数匹いてもノーダメージで倒せると思う。しかしこのゲームではSkaarjやWarriorがほとんどであり、上記の様にShockやFlak、或いはRifleやPulseを使って来るのである。これらの武器からノーダメージで逃げて敵を倒すとなると非常に困難なのは分かっていただけるだろう。
 難しいゲームという意味には通常2通りあって、その個所の敵を死なずに倒す事自体が難しいケースというのがまずある。この場合死なずに勝つ事が要求されるので、勝った後にはヘルス等の補給が出来る場合が多い。Xidiaはこれとは違う2番目のタイプで、Map全編を通して生き延びるのが難しいというバランスで作成されたシナリオである。とにかく難易度Unrealではないかと思うくらいにヘルスがなく、一発でも攻撃を受けたらLoadしてやり直さないとならないという個所も結構ある。つまり何度やり直しても突破出来ないという難しさではなく、やり直して最小ダメージでクリア出来るまでやらないと進めないというタイプの難しさである。

 30を切ると視界自体に問題が出るので、「ヘルスが低くなっても残ってさえいれば次のポイントまで生き延びれる」という自信のある人も考え直さないといけないし、どうやってもノーダメージでは無理だろうという個所もある。ボスキャラに当る敵も、両方ともにMap数に比較すると多い3箇所も用意されている。その上(ラスボスを除けばだが)このボスキャラよりも通常面の方が難しいというバランスなのだ(ボス戦の難易度は他のゲームと変わらないので念の為)。よってQuickのみで行ってしまうと、どうやっても無理という個所に会った場合Mapのリスタートしか無くなるので、ある程度は定期的にSaveをしておかないとならない。或いはとにかくQuickでSaveを行い、ちょっとでもミスして予定外のダメージを受けたらLoadして納得行くまでやり直すという事になる(本当にそうでもしないと無理なMap有り)。ヘルスの場所がわかっていれば計画も立てられるが、初回ではわからないので慎重にならざるを得ないのだ。その意味で”憶えゲー”としての側面が強い物と言える。
 この難易度については「まあこういうのがあっても良いか」と思うが、難しいのは嫌という人はEasyでやるのを強くお勧めする(どの程度緩和されるのか不明だが)。ただし”やり過ぎ”と感じる所はある。まずこのシナリオでは突然敵が出現するパターンが非常に多く、これはその要素だけなら問題無いのだが、この難易度と組み合わせるとなると問題有りだ。とにかくダメージを防がないとならないのに突然出現されるとそれは難しく、その為に余計にLoadの回数が増える。言わば”憶えゲー”の要素がより強まってしまう。或いはヘルスが減ると視界が変な風になるというのもこの難易度では余計だろう。あまりにも凝り過ぎてこの点は失敗している印象。それとEscapeのラストの敵は強過ぎ(-.-) もしかして上手い方法か、どこかにSecretでBeltやSuperHealthがあるのかもしれないが、それが無いとするならばちょっと....。もしそうならもう前のMapからダメージを受けないようにやり直して、この難易度の高いMapをほぼノーダメージで乗り切り、最後の補給でArmorとHealthがMax近い値に持って行けないと勝てないのでは。何とかある場所にハメて勝てたが、勝負して勝てる相手とは思えない(私のその時のStatus:Armor50にヘルス50では)。

 ただその分普通のゲームでは物足りないとか、自分の実力に自信のある人には面白い作品だろう。これでゲームその物が詰まらなければ最悪とも言えるが、イベントは豊富だしボス戦もよく考えられており、総合的には大きくプラスと判定したい。



<GRAPHIC>

 Mapのデザインは非常にハイレベル。2つのシナリオは両者が裏表の関係でありそれぞれのにて共通する場所も多いし、また同じストーリーの中でも行ったり来たりが多い。更にONPと構造は同じMapがあったりもするから(作者の一人はONPにも参加しているので)Map数ほどはロケーションは無いのだが、それでも綺麗で壮大な構造の個所が多く、結構な数のシナリオをプレイしている私としても目を奪われる個所が多かった。ただしその分重い個所も多く、敵との戦闘時には問題になるケースもあるのだが。

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<SOUND>

 幾つかはオリジナルのBGMが取り入れられており、出来もなかなか良い。ただ会話のボイスは非常にショボイ感じである。またEscape編にて鼻歌を歌うのはどうにも。


<バグ関連>

*Ammoに取っても意味の無い物がある(隠し武器?)。それと設定ミスなのかStingerのAmmoが取れなくなるという事があった(Stingerのままなので)。


<総論>

 シングルシナリオとしての質は非常に高く、ONPと並んでお勧めの作品。UTはマルチのみだからという人も考える価値はあるかも(ONPも無料だし)。あまりの難易度にやたらとやり直さないとならずにゲームの流れが悪いと言う面は有るが、それを我慢してでもプレイするべきと思う。謎解きの難易度も高目なので、Translatorには注意するように。



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