DOOM 3
                                 05/05/13


  公式サイト


<概要>

 これまでのシリーズではサポートされていたCoopだが、今回の3においては恐怖をテーマにしたゲーム性へと変貌を遂げた為に、Coopはそれにそぐわないとして排除されてしまっていた(とは言えXbox版には有るのだが)。
 そのD3においてCoopを可能にするのが、Last Man Standing Coop Mod(LMS)となる。元々FPSにはLast Man Standingとして知られるマルチプレイのモードが存在するのでちょっと混乱するが、これは本来の意味でのLMSとは異なったスタイルのゲームとなる。WindowsとLinuxに対応しているがMac版は未サポート。

 このModはシングルプレイ及びマルチプレイで遊べるLMSモードと、D3のシングルプレイをそのままCoop可能にするCoopモードの2つから成り立っている。
 LMSモードの方は専用のマップを使ってプレイする物で、参加者が倒すのはモンスターなのだが、勝敗は各人の獲得したポイントで決定するという対戦モード。とにかく大量に敵が出てくるのでこれまでのDoomに近いプレイ感覚となっている。その中には幾つかのモードが有って、Progressiveはオブジェクトを達成しながら進んで行くというUnreal TournamentのModであるMonster Huntに近い物があり、こちらもCoopタイプのゲームとして期待は出来る。ただし現時点では収録マップが少ないという問題あり。よって詳しい解説は省かせてもらい、シングルプレイのCoopの方に絞って書いていく事にする。


<VERSION>

 現在のバージョンはbeta 0.3となっている。なおDownloadするのはMultiplatform版の方が安全な様だ。Windows版は初期にエラーが出る物が出回っていたので、それが残っている可能性がある。

*Doom 3は最新バージョンへと上げてから適用する(現時点ではV1.1)
*インストール(解凍)はDoom 3のフォルダの下であり、baseフォルダの下ではない。lms_beta3フォルダ(Multiplatform版の場合)がDoom 3フォルダの下に出来る。
*他のModが入っているとマルチにて同期エラーが発生する可能性があるので外しておく

 問題は拡張パックRoEをインストールしてしまうと本体がV1.2になってしまい、このModがプレイ出来なくなる点。このModに限らず本体のみとRoEをインストールした物ではマルチプレイが出来ないようになっており、これはV1.3にて解消されるようだがそのリリース時期はまだ不明である。内部をいじってコンパチにする方法は有るのだが、結構ややこしいのでお勧め出来ない。この点が原因でこれを書いている時点ではLMS Modでプレイしている人間は少なくなってしまっているのは残念。


<仕様>

*参加は4人まで
*難易度はシングルと同じ4種で、これはVoteから随時変更可能
*復活地点は進行に応じて移動するが、一箇所のみなのでTelefragになる可能性あり
*モンスターの出現数は変化無し。ただし参加人数に応じて自動的に耐久力が調整されるようになっている。
*Friendly FireはOn固定
*マップの切り替えやリスタートはVoteメニューから簡単に行える
*マップが切り替わると所持品はリセットされる
*武器やアイテムは一定時間でRespawnする
*ムービーは飛ばす事が出来ない
*BFGは無し

 後は敵の死に方がラグの軽減という理由から変更されている。通常は死亡アニメーションの後に粉の様に砕けて消えるという風になっているが、このModではそのまま動き続けて徐々に消えて行くというスタイルにされている。よって死亡判定後の消えかかっている状態の敵の攻撃には当たり判定が無い。
 武器関連ではDouble Barreled Shotgunを採用。またMachinegunも精度が上がっている。Plasma Gunは改造型が存在するが、これはLMSモードのみのようだ。

 起動は専用のショートカットから行う形式(lms_beta3.batを起動)。サーバーブラウザも独立しているが、起動したサーバーが見えなくなる等の問題が残っている。Dedicatedでの起動も可能である。


<バグ関連>

*Spawn箇所からクライアントが動けなくなる事がある
*復活時にそのすぐ先に武器を用意している場合があるのだが、連続して復活すると後のプレイヤーが取れない事がある
*復活時のSpawnが現時点よりも前になってしまう箇所有り
*PDAが開けなくなる事がある。また過去のマップの物は参照出来ない。
*テレポーターが正常に作動しない事がある
*橋を掛ける場所は一回しか作動しない
*HellのSoulcubeを奪うボス戦にて、クライアントからはSeekerやボスその物が見えなくなるという現象発生
*ラスボスはSoulcubeが無いので倒せない
*カメラを通じてコード番号を知る箇所では、カメラが作動しないので番号を事前に調べておかないと進めなくなる
*Message Overflowでクライアントが落ちる事がある

 その他有名な物として敵が反応しないという問題があり、これはdoomconfigの中のseta ui_team "Blue"をRedにすれば直る。botが特定のプレイヤーのみを攻撃してくるというのもこれが原因ではないかと思われる。


<GAMEPLAY>

 Coopのネットコードに関しては敵が一度に沢山登場する訳ではないので、国内同士の様なPingが良好な状態であればそれ程問題は無いようだ。ただしLMSモードにおいては敵が大量に出るので問題有りかも知れない。テストにて問題を感じたのはHellでクライアント側に大きなラグが発生してしまう点。特殊な描画をしているからといった問題なのかどうか原因は不明である。
 マップの進行に関しても致命的な問題といった点は感じられない(ラスボスは倒せないが)。現段階でこの出来は上々なレベルと感じる。スタックした場合にもリスタート及びスキップが簡単にVoteから出来るのも便利。ゲーム自体は非常に長いので、最初から最後までを一回のセッションでというのは難しいだろう。

 ゲーム性はややシングルとは異なっている。敵が固くなっているとは言え数は同じというバランスを考えての事なのだろうが、供給される武器や弾数が少なくなっている。BFGは無いようだし、RocketやPlasmaもあまり見掛けないという仕様。更に新マップスタート時には武器はリセットされてしまうので、新たにマップ上に置いてない場合にはパワー不足に陥ってしまう事に。それと武器のRespawnにはやや時間が掛かるので、待っているよりもそのまま味方に合流する方を選ぶというケースも少なくない。よってピストルやマシンガンの様な基本的な武器を使って多人数でそれをカバーするというパターンが結構多くなるというゲーム性である。武器が多くなるのは終盤に入ってから。

 またFFがON固定なので戦いにくいという面もある。元々マップがCoopを考えて作られていないので狭い箇所が結構有り、そうなると後ろの人間は攻撃をしにくくなる。敵の周囲を囲むというパターンでも、上手く配置を考えないと味方に当たってしまう可能性が高くなるという風になっている。よって後ろの人間はライトを照らす係になるとか、ロケットやGrenadeは注意して使うといった配慮が必要になる。

 人数が増えた分光源が増えるという事からグラフィックは重くなるので、製作側はグラフィック系の設定を落とす事を勧めている。特に影はOFFの方が良い様だ。

 以上攻撃力が弱いので勝手に一人で進んで行くのは難しく、協力し合って進むには面白いCoopとなっている。シングルプレイ以上の撃ちまくりを期待する人には向かないと思うが、これはこれで優秀な出来と言えるだろう。ただ敵の数を増やすというのはネットコードの面からも難しいと思うが、もっと敵を増やすというモードも有ると更に楽しくなると感じる。それと絡んでFFをOFFにする設定も欲しい。人数的にはRoEでは8人に対応するようになったが、この広さでは4人が限界かも知れない。

<SERVER>

 チートに関してはautoexec.cfgを作成してやり、seta com_allowConsole "1"seta net_allowcheats "1"を設定してやれば可能になる模様(未確認)。なおこれを設定しておかないとクライアント側がShadowをOFFにする事が出来ない(Cheatと見なされてしまう)。クライアントのRateはDoomconfig.cfgにおいてseta net_serverMaxClientRateの項目で設定する。



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