GHOST RECON

                                   04/01/17



   公式サイト



<概要>

 2001年リリースのTactical Shooter。製作はRainbow Sixシリーズで有名なRed Storm Entertainmentで、屋内での近接戦闘(CQB)を扱っているR6に対して、広大なアウトドアでの戦闘をメインにしている。リリース時期がR6の新作が待望されていた頃だった為に、RedStormのファンからはアウトドアへの方針転換には否定的な見方も多く、マルチプレイでの人気はR6には遠く及ばなかった(R6が5,000人程度集めていたのに対して、ピークでも2,000人程度だったように思う)。しかしR6ではプレイしていなかった新規ファンの獲得や各種レビューでの高評価、R6では失敗したコンソール市場での成功等、総合的には良く出来たゲームと言えるだろう。

 日本での総合的なファンサイトとしてはGhost Recon Squadが存在しているが、現在はGR2に備えて休止中。しかしTopからのリンクにて様々な情報ページに飛ぶ事が可能である。ゲームプレイの雰囲気が知りたい場合は公式サイトのGR Video 2が一番良いと思う。




<VERSION>

 製品版は本体に加えてDesert Siege(DS), Island Thunder(IS)の2つの拡張パックがリリースされている。Ubiは日本代理店を持っている関係で、この本体及び拡張版2種共に日本語版が存在している。マルチプレイでは日本語版と海外版は相互に接続が可能。2つの拡張パックは本体のModとして扱われており、サーバーマシンにインストールされていてもModとしてOFFにしてやればそれを持っていない人でも接続が可能だ。当然サーバーがONにしている時はそれを持っていない人は入れない。出来れば両方共所持していたい所である。
 製品版のバージョンは現在V1.4で、拡張パックの有無に関わらず本体だけでもパッチでバージョンアップ出来る。気になるのはV1.4に上げた後にDSを落とすとどうなるのかだがこれは未確認。起動画面の右下にバージョンが出るのでそこで確認可能

※Desert Siege
 V1.2相当。アフリカを舞台にした8つのシングルプレイMap、マルチプレイ専用に5個のMapを追加。マルチプレイ用に新武器追加。マルチプレイには新モードも追加されているがCoopには関係無し。

※Island Thunder
 V1.3相当。日本語版の場合は自動的に1.4にバージョンアップされる。キューバを舞台にした8つのシングルプレイMap、マルチプレイ専用に5個のMapを追加。マルチプレイ&Quick Mission用に新武器追加。マルチプレイの新モードにはCoop用のDefendが追加されている。

 現在(03/12)では英語版の拡張パックはUS&UK共に入手がしにくくなっており(特にDS)、特定のミッションパックを探すのは難しいかも。今から揃えるならば全てがセットになったGold Pack(US)かComplete(UK)がお勧め。どちらも海外では$40前後、日本では6,000円前後で販売されている。本体しか持っていない場合は拡張パックを2個探すよりもこれを買った方が手軽だろう(値段もそう変わらないと思うので)。なおこれよりも前に出ていたGame of the Year版はDSのみがセットなので間違えないように。日本語版ではまだ拡張パックは容易に手に入るようだ。



<ルール>

 Coopにおける基本ルール

*Coopでは参加人数は9人まで
*全員がロビーに集まって装備選択をしてから開始され、一プレイ終わる毎にまたロビーに戻る形式
*一度開始されると途中からの参加は出来ない。ロビーで次の開始を待つ形になる
*兵士の選択はタイプと装備(Kit)によって分かれており、Skin等の選択は出来ない
*シングルプレイでの能力設定は存在せず、各パラメータは選んだタイプによって固定されている(Specialistも無し)
*制限時間に達するか、全員が死亡して復活出来なくなったら失敗となる
Friendly FireはON
*Respawnは最初の一箇所のみで移動はしない
*マルチではゲームのSave/Loadは出来ない
*予め登録しておいたテキストをワンキーで表示させる事は可能だが、ボイスでのコマンドは用意されていない

 ゲームの形式は3種類プラス、ISで追加されるタイプが1種類

※Mission:  シングルプレイと同様の設定でObjectを達成するのが目標
※FireFight: Map内にランダムに配置されるテロリストを全て倒す
※Recon:   InsertionからExtraction地点まで到達する
※Defend:  特定のポイントを守って、そこに向かって来るテロリストを倒す。全て倒し切れば勝利。


<INTERFACE>

 簡単な接続及びI/Fの解説。GRはゲーム内にサーバー検索機能を持っておらず、ubi.comに登録してそこのロビーにてゲームを探すという方法が提供されている。一般的にはASEの様な外部のサーバー検索ソフトを使用するか、サーバーの人のIPアドレスを確認して直接IP指定で接続するかになる。左はロビー画面のSSで、その右半分がプレイするMapやルールの表示及びチャット欄になる。まず接続すると左下段に名前が表示される。ここで自分の名前は英語版の人もいる事を考えると半角英数のみで付けておくのが無難。



 左下段が参加者一覧となり、それぞれの名前の右側のバーがPing表示(緑色で長いほど接続状態が良好という意味)で、その隣がReady表示(緑ならReady)。その上がSquad設定(ROSTERタブ)となっており、参加者はA, B, Cのどこか空いているチームをクリックして入る(3*3)。兵士の選択はSOLDIERタブをクリックしてから好みの役割を選び、その後用意された中から使うKitを選んでやる。これはそのMap中は変更出来ない。全て完了したら画面右に有るREADYをクリックして準備完了をアナウンス。なおSquad欄にある名前の隣の空欄は「そのグループ内で誰をリーダーにするかの投票」なので間違えないように。全員がREADYになるとカウントダウンの後にゲームがスタートする。Mapでは原則的に全員の接続が完了してからのスタートとなるので人によっては待ち時間が生じる。Missionタイプの場合にはクリアに必要な数のDemolition Chargeを持っていないとここでチェックが入るので、誰かがそれを装備し直して持って行かないとならない。一方で無いと困ると思われる装備に関してはチェックが入らない場合もあるので(例えば戦車が出てくるMapでの対戦車砲)、或る程度は事前の打ち合わせも必要だろう。それに関連して各人の選んだ兵士のタイプがロビーでは視覚的に確認出来ないのは難点である。

 ゲーム中はシングルプレイ同様のステータス画面にて各人のタイプや現在の状況を確認出来る(右SS)。COMMANDタブではこれもシングルプレイ同様にSquadへの指示が可能であり、Map上にWaypointを設定して移動の指示を送る事が出来る(この際隊員の画面上には進む方向を示すガイドが出る)。ゲームは成功/失敗のいずれの場合にも成績表示(AAR)が出た後にロビーに戻る。


<SERVER>

 このゲームの良い点は設定の自由度にある。多くのリアル系と呼ばれるゲームではガチガチのリアル設定にしかする事が出来ず、対戦形式のマルチではともかくとしてCoopにおいては不自由さを感じる部分があるものだが、GRではその辺の設定の大部分はサーバー側に任されているので、かなり幅を持った設定が可能である。



 Server設定は幾つかのタブに分かれており、最初の頃のバージョンに比べると見易くなっているし設定可能な項目も増えた。Game ModeはここではCoopのみを解説する。Difficulty(難易度)はシングルと同じ3種類で敵の数とSkillに影響する。TypeにてCoopのゲームタイプを指定。Arcade Modeにすると移動速度が上がって、よりダメージにも耐えられるようになる(ただそれでもアクションFPSほどにはならない)。
 AI Backupは9人に満たない時に足りない分をAIで補う設定。ただしこれは相当マシン及び回線に負荷が掛かるのでお勧めは出来ない。この場合全員がシングル同様に操作するキャラクタは(AIのみ)切り替えが可能で、死んだプレイヤーは生き残っているAIに乗り移る事になる。この場合RespawnはNoneでなければならず、それ以外だとグレーアウトして選択不可。
 GRではFriendly FireはON固定で、MAX IFFはこの時にどうやって敵味方の認識を行うかの設定になる。OFF(ユニフォームで判断)かReticle(照準)かName(名前表示)。Threat IndicatorはGRに組み込まれている敵の凡その位置の検出機能。これで正確な位置が分かる訳ではないが、リアリティを損なうとしてOFFにも出来る。その代わりにMapが広い為に敵が発見出来ずに時間切れの危険性も高くなる(数百m四方のMapで残った一人を探すのは大変)。CoopではONで問題無いだろう。Available Kitは使用武器制限。Coopでは特に設定しなくてもOK。

 Respawnタブでは細かく復活の設定が可能。Noneであれば一度死ねば終わりのリアル設定で、これだとゲームが終わるまで観戦者モードで待っているしかない。逆にInfiniteだと無限復活が可能である。Individualなら個人、Teamならばチーム全員分の回数設定をCountにて行う。個人の場合はその回数を使い切った人は入れなくなり、チームの場合は誰かが死ぬ毎に1ずつ減らされて0になったらその後は誰であっても復活できなくなる。
 MimmumとMaximum Timeは復活までに待たないとならない時間と、強制的に復活になるまでの時間。Invulnerable Timeは復活後の無敵時間で、この間はダメージを受けない代わりに攻撃も出来ない。Coopでは敵が復活地点近くに居る可能性がある時に、復活した途端に再度Killされるのを防ぐ意味で設けておいた方がいいだろう。

 Serverタブではパスワードや最大人数、観戦者モードの有無とゲーム中の投票モードの有無を設定。重要な点としてはAuto-Start Timerが有り、これは自動的にその時間経過後にゲームを強制的に始めてしまう設定。GRでは全ての人間がReadyを押さないとゲームがスタートしない仕様であり、誰かが押さないとロビーの状態で先に進まなくなる。Admin権限を持った人間がいるなら問題は無いのだが、Dedicatedにて公開している場合には押さない人間がいても強制的にスタートさせるようにしておいた方が無難だ。



<GAMEPLAY>

 まずCoopを抜きにしてもゲーム自体が面白いというのは強み(Coopは面白いというゲームに比べると)。ゲームの特徴であるリアルタイムでの隊員への行動指示をどう感じるかは人によって違うとは思うが、Coopでは各隊員を人間が担当するのでその辺の手間も無くなってチーム行動がより楽しめる。Coopのモードが3つ用意されているというのも大きい(ISのDefendを入れると4つ)。Missionにてシングルと同じMapをプレイする事が出来るのは当然として、敵との戦闘に焦点を絞ったFireFightや、ステルス行動を要求されるRecon、緊張感のあるDefendと多彩である。MIssionモードでの使用可能Mapもオリジナル15編に加えて拡張パックの8*2=16編と相当に多く、FireFight等ではこれに加えてマルチ専用のMapも追加して使う事が出来るので、全部併せると相当な数のMapにてプレイが可能である。Defendの様な後から追加されたゲームタイプでも、オリジナルのMapを使って遊ぶ事も可能となっている。それと2編の拡張パックはそれぞれに特徴的であり、本編とは異なったスタイルでのプレイが多くなっているのも単調さを感じさせない点からポイントが高い。

 そして先にも書いたようにこのゲームは非常に多彩な形態にてプレイが可能であり、そこがその他のリアル系FPSに比べて勝っている点と言える。「設定がリアルなんだからとにかく一度死んだら終わり」とそれを変更出来ない場合、慣れている人同士なら良いが初心者にはキツい。参加してみたらすぐに死んでしまって、後は延々他の人のプレイを見ているだけでは詰まらないだろう。この辺を割り切って「リアルでないといけないと考えるならそう設定すればいい」と、それを強制していない点が素晴らしい。
 無限復活では緊張感が無さ過ぎると考えれば個人及びチームでの回数制限を掛けられるし、この辺はプレイする仲間によってロビーで相談してその都度設定が可能だ。既に熟練している同士ならば制限時間を短くしてのミッションクリアにチャレンジとか、復活回数を減らして難易度Eliteのシビアなプレイとか変化はどうにでも付けられる。指揮官を設けてその人間がMapで指示を出してそれに従ってのプレイも出来るし、Squad単位での連携を考えても良いだろう。初心者が多くてもFireFightならばシングルでのミッション内容を憶えている必要も無いし、敵の位置がランダムなのでリプレイ性は高い。

 ネットコードも非常に軽い。Server側でRateの設定は出来ないのだが、一人当たり2,500から4000程度しか取らないようだ。サーバー用のマシンが遅いと戦車や雨の降るMapでは多少重くなるが、スタンダードな物ではUP512Kで対戦なら16人もOKという話。Coopは9人までなので、敵の数を考えるとやはりUP512程度有れば問題無いと思われる。

 このゲームはTactical系とアクション系の中間に位置しており、普段アクションFPSをプレイしている人でもCoopでの設定によってはそれほどストレスを感じないでプレイが可能であり入門用としてもお薦め出来る。最初はいろいろと問題の有ったAI関連も改善されており、敵はより障害物を上手く使うようになったし、Proneを多用してくるようにもなっている。命中しない限りは近くに銃弾が当たっても反応しなかった件は直っているし、こちらが動かないとGrenade Launcherを使って攻撃して来るようにもなったので手強い。



<問題点>

 ゲームの問題点としては、まず武器が表示されないので違和感が有るという人がいる点。これはまあ慣れれば問題無いだろう。それとMapが広過ぎる場合に復活可能でも追いつくのが大変というのはある。個人的に一番困るのは途中からはゲームに入れないという点。対人戦ならば一発で死亡が標準的なこのゲームにおいては途中参加は不自然というのは分かるのだが、Coopにおいてはこれは解除してもらいたい所。回線不良で落ちても再度入れないし、途中から来てゲームの残り時間が多かった場合に抜けてしまって他を探す人が多くなってしまうので(Coopでは何時終わるのかは確定していない)。後はチャットが読みにくく、更にボイスでの発声コマンドが出せないので、確実に指示を伝えたい時に困る。ただ今後のバージョンアップはもう望み薄だろう。


<MOD>

 Modの数は結構多く、新武器追加系が最も多い。中には定番となっている物もあるので、対戦系に参加するならば用意しておくべき物がある。Ghost Recon Squadにてその辺の情報は集められるだろう。Coopにおいても入れればまた変化は楽しめるのだが、ONにした場合は参加者全員がそれを用意していないとならないし飛び入り参加もし難くなる。もう遊び尽くしたので変化を求める者同士とかなら良いと思うが、無理には使わない方が良い。複数の物を重ねて使うと互換性の問題でエラーになる可能性もそれだけ高くなる。ただしServer Side Modと呼ばれる物であれば、これはServerのマシンだけが用意していればOKとなるので使用しても問題無い。

 ここではCoop関連に絞って数点紹介(全て日本の方が製作した物)。

FireFight Extra  FireFightでの敵の数を100人まで増加させる。Mapによってはスタート地点にも出現してしまうので問題有り。
Defend Booster  Defendでの敵の数を100人まで増加させる。またDefendの人数を27人まで可能にするUltraも同梱。
Team de Coop   27人でのCoopを可能にする物。オリジナル版とDS版がリリースされている



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