SERIOUS SAM II

                                  06/11/03

  公式サイト

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<概要>

 Coopファンには既に御馴染みのSerious Samシリーズの新作。製作は同じくCroteamになり、新しいSerious Engine 2にて製作されている。国内代理店としてはサイバーフロントが担当。海外ではPCとXboxにて発売。

 シングルプレイ&マルチプレイに対応したデモもリリース済。2個のマップを収録しているのが新しい物で、別に古い物が存在しているので注意。

 製品版においてはマルチプレイはCoopとDeathmatchに対応している。



<VERSION>

 現在2_070パッチがリリースされている。現在のバージョンは起動画面右上に表示されるようになっており、マルチプレイ接続時に自動的にUpdateが有るかを検索するシステムを採用。異なるバージョン間での互換性は無い。


<仕様>

*最大で16人をサポート
*シングルプレイを最初から最後までプレイ可能。ムービーも再生されるがクリックで飛ばせる。
*難易度及び敵の耐久力はサーバー側で設定可能
*Respawn時はそのエリアでの予め定められたHP・武器・弾約を持って復活する
*Secretの武器を取っていた場合、死んでも持った状態で復活する事も有るようだ(未確認)
*使えるキャラクタのモデルは8種類。これはプレイ中でも変更可能。
*一人称と三人称は切り替え可能
*VehicleやTurret関連はシングルプレイに比較して最大で4人分まで自動的に増える(場所によっては変化無し)
*全員が各アイテムを取れる設定でもSerious Damage等のSecret系は一人しか取れない
*chatキーはパッチで追加されている(初期はコンソールを開かないと出来なかった)
*現在の参加プレイヤーの状態は右上に表示される(パッチで修正)
*デモを取る事は可能。しかし自分がサーバーを建てている時には上手く行かない(環境によるのかも)


 大きな変化としてはLivesの設定が最大でも10となり、これまでの様に無制限にする事は出来ない(これまでもLives制限は可能だったのだが、使っているサーバーは見た事が無い)。シングルと同様に1万点毎に1UPするというシステムで、これが無くなるとゲーム(そのマップ)に参加出来なくなる。ただしCoopでは他のプレイヤーの得点も一部Bonusとして分け与えられるようになっており、これは死んだ状態でも加算される。よってLivesが0でも待っていれば1UPとなる可能性はあり、そうなれば復活が出来る。おそらくReconnectしても問題ないとは思うのだが未確認。

 それと今回は敵を倒し切らなくてもゴール地点に到達するとマップが切り替わってしまう箇所が増えているようで、突然次のマップに飛んだりする事もしばしば。


<CLIENT>

 クライアントの回線種別設定は、Optionではなくマルチプレイのメニュー画面の一番下に有る。

 まずブラウザの表示形式がXboxに合わせているらしく、文字が大きいのもあって詳しい情報を一画面で見る事が出来ない。またFilter機能は持っているが、これはその都度リセットされてしまうという困った仕様

 それと事情は分からないのだがGamespy Arcadeに対応としておきながら、その登録ゲームには入っていないのでゲーム上のブラウザからアクセスするしかない。これと関連性があるのか不明だが、サーバーのリストにて取得する情報が一部更新されておらず、Pingが0として表示されてしまう事も多い。このPing 0サーバーを含めてアクセスしようとすると「既にセッションは終了している」となって接続が出来ないケースも多い。この様にサーバー・ブラウザは現状使い勝手は良くなく、問題を抱えていると言わざるを得ないだろう。


<SERVER>

 当初大きな問題となっていたDedicated Server未対応については現在では対応されている。今回はVote機能を装備しており、ServerがONにしていれば各人がメニューから呼び出しが可能。マップのRestartやNextが可能なので、途中バグ等でスタックしてしまった時に便利になった。

 次に困るのがサーバーを非公開にする事が出来ない上に、画面上から設定可能なパスワード機能も持っていないという点で、内輪でプレイするには不便である。現状でのパスワード設定のやり方としては Content\SeriousSam2\Sam2.ini ファイルを開いてやり、 net_strConnectPassword = "password"; のpasswordの部分にパスワードを記載しておく(デフォルトでは空欄)。
 クライアントからは同様の記載をSam2.iniに行っておくか、或いはプレイ中にコンソールからこのコマンドを打ち込んでやっても良い。

 内部のiniの関連では、クライアント一人当たりの割り当てバイト数もどのパラメータで管理しているのかハッキリしていない。

 Extra Enemy Strength(基本的な耐久力のUP)とEnemy Strength Per Player(人数が増える毎にどれだけ耐久力を増やすか)はこれまでと同様に設定が可能。Infinite Ammo(弾数無限)やアイテムが各人個別に取れるのかも設定可。一方でRespawn in Placeや復活後の無敵時間設定は無くなっている。

 これまでListenでは可能だったCoop中のSave機能は削除されている(ただ今回はマップが短いので、やり直す苦労は少なくなってはいる)。Kickはプレイヤーのリスト表示画面から行えるようになった。開始マップはシングルプレイにて未プレイのUnlockされていない物は選べないが、これはそれ程問題とはならないだろう。


<バグ>

 シングルと同様にForsaken CompoundやPrisonといったマップにて、扉が開かずに進行が出来なくなるという問題が発生している。

 これは環境によるものか不明だが、私の環境ではサーバーを建てている時に限りEAXを使用すると落ちてしまう事が多かった(シングルプレイでは全く問題が無い)。ただこれはデモの時点での話なので、製品版ではどうなのかは分からない。取りあえず切った状態では10数時間プレイしてもサーバーのダウンは一度も無しと安定していた。


<GAMEPLAY>

 今回は7エピソードで全42マップとなっており、これまでの作品の長いマップを幾つかに区切った様なスタイルとなっている。マップのローディングは相当速いのでその辺のストレスは無い。設定や人数にもよるが、最初から最後までを難易度Seriousでプレイするとなると7-8時間程度は掛かると思われる。

 今回は複雑に動く敵、特に飛行系の敵が多いのでラグについては心配していたのだが、この辺りについてはそれ程の問題は無いようだ。Pingさえ良ければほとんどストレスは感じない。Pingが300程度でもプレイは一応可能なレベルであり、ネットコードに関しては合格点を与えられる出来

 Livesの制限に関しては反対の声も有るようだが、個人的には緊張感を与える上で面白い機能と感じる。簡単には死ねないという状態でのプレイというのと、復活出来なくなった仲間を助けられるという両面から見て。確かにデフォルトの3で難易度が高いと厳しくなるが、難易度がSeriousでも最大の10も有れば十分間に合うという印象。問題が有るとすれば以下。

*EnemyStrengthPerPlayer(参加一人当たりの敵のHP増加)がデフォルトで50%となっており、アメフトやヘリ大量発生の箇所等が厳しくなる
*失敗即死のジャンプ等の箇所でラグが有ると立て続けに失ってしまう場合あり。ただこの場合には他のプレイヤーに任せれば復活地点は移動する。
*敵が固くて強力武器の弾薬補給が出来なくなった場合、自爆して復活を繰り返すしかない
*難易度が高い場合で時間制限の有るマップ。特にBe Quick or Be Deadはかなりシビアである。


 ゲーム性に関しては概ねこれまでのSSと大きな変化は無い。しかし公式Forumでも多くの人が言っている事だが、私もこのSSIIの一番の問題と感じるのは、敵の同時出現数が少なくなったという点である。別に少ないという訳ではないのだが、物凄く多いという印象を受けないのも確か。Normalでシングルをプレイした後にSeriousでCoopをしてみても、明確に敵の出現数が違うというインパクトを受けない。多く出る事は出るのだが順に間をおいて来るのでそれを感じない場所が多いし、またこれまでの様にHarpyやKleerが50,100といった数で出てくる箇所も無い。それともう一つのトレードマークでも有った広い場所での戦闘は確かに有るが、こちらも全体におけるその割合は減少しているという印象である。

 これまでの様にSeriousでEnemy Strength Per Playerwを25%程度が適当と思うのだが、これだと敵の数が少ないせいでやや物足りなさを感じてしまう。かといってデフォルトの50%の状態だと、ある種の敵(魔女・アメフト・ピエロ等)が固くなり過ぎて厄介という印象に。Xboxとのデザインを共通化したのが失敗という声も多いのだが、少なくとも大量のポリゴンを同時に表示するという点では家庭用ゲーム機は優れており(メモリが少ないので数多くの異なった敵のモデルを同一マップで使うという点は不利だが)、Xboxのビデオ能力不足が原因で敵の出現数を少なくしたとは思えない。むしろ最大Coop人数が4人までなのでそれに合わせてSeriousでも莫大な数は出なくなっているとか、autoaim採用なので敵が画面上に密集する位に出ると不味いとか、敵の行動パターンを複雑にして且つ物理エンジンを採用した分、数が多くなるとビデオではなくCPUの処理が追い付かないという方がありそう。或いは「今回はより広い層にアピールする為にバランス調整を行った」という結果がこれなのか。いずれにしろ失望させられた箇所である。

 その他問題点とされているのが、今回はSerious Bombが比較的多くなっている点。個人的にはそもそもSBはCoopには要らないと思うのだが、これをOFFにする事が出来ないので、意図的なのかプレイスタイルなのか知らないが乱発するプレイヤーが入って来るとゲームが無茶苦茶になる。場所によってはRespawnの時点で所持しているので、使用>自殺>使用という行為を繰り返してゲームを壊してしまう事が可能になってしまっている。
 また敵を固くする代償として弾数無制限に設定したいと考えても、SBもこの適用を受けてしまうという問題も。オウム爆弾も強力なので、尚更弾数無制限はゲームのバランスを崩してしまうという難点を抱えている

 Vehicle類はアクセントとして面白いが、Coopで台数が増えると強力過ぎるという感は否めない。耐久力を低く設定できるようになるとバランスが取れると思うのだが。なお乗れなかった人は押してやれば同じ速さで移動させてあげられる。


<総論>

 上に書いたように少ない敵の数を増やせるようなMod、或いは改造されたマップのリリースが期待される。約束されていたSerious Editor IIのリリースは相当遅れており、まだユーザーマップはほとんど存在していない状態。

 ただマップを改造するといってもその形態は3通りある。一番の理想はServer side modという形態で、サーバーだけが変更されたデータを持っていればOKというシステム。次は「敵出現変更Mod」とでもしてサーバー及びプレイヤーが全員持つ必要が有るというModスタイル。これは変更されたデータのみを配布し、既存のマップデータに変えて使うという風になる。最後は内部のモンスター出現設定等を変えた改造マップ自体を配布するという形式で、マップとその内部の設定データを分離出来ないならばこうするしかない。問題はこの方式だと配布用のデータが巨大になる可能性が高いという点(全マップを収録する事になるので)。

 現時点でも確かにCoopは面白いが、これまでにSSシリーズを遊び尽くして来たファンには物足りない内容となっている。取りあえずはいち早くEditorによるMod環境を整えてもらいたい。後はサーバーのブラウザを含めた改善。どうも今回は販売元の意向なのか、発売がやや早過ぎたのではないかというきらいもある。



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