ALIEN SWARM

                                 04/10/17


  公式サイト


<概要>

 Mod製作チームであるBlack Cat GamesからのUT2004用のMod。シングル&マルチプレイ対応で、マルチプレイは8人までのCoopが可能である。 ここはThieveryNightbladeの製作も行っている有名なチームである。

 ゲームのベースは映画Alienシリーズを思わせるもので、施設に巣食ったAlienをMarine(海兵隊)が倒す為に戦うというスタイルなのだが、トップダウン・ビューを採用しているのがユニークな点となっている。4つのクラスに分かれたチームで協力して戦う事から、ゲームセンターからゲーム機にも移植されてヒットしたガントレットを連想させる部分も多い。

 Modは大きな成功を収めており、2k4のEditor's Choice Editionにも代表的なModとして収録されている。


<VERSION>

 現在V1.2(125MB)がリリースされている。UT2004の3204 Patch以上要。基本はumod版(.ut4mod)でのインストールになるが、上手く行かない場合にはNon Umod版も用意されている。

 インストールは3204バージョンからの専用フォルダにインストールするタイプで行われ、UT2004のCommunityメニューから選んで切り替えるか、\UT2004.exe -mod=AlienSwarmというショートカットから起動を行う。



<BASIC>

 ゲームのモードはシングルとマルチ共通であり、シナリオに沿って進むCampaignと単独で個々のMapをプレイするSingle Mission Modeの2つ。違いはシングルでは最大で4人編成なのが、マルチでは参加人数に応じて最大8人まで参加が可能な点。キャンペーンは当初7個のマップから成っていたのだが、V1.2にて更にOrtegaキャンペーン(マップ6個)が追加、また単独でプレイ可能なマップが2個追加されている。ユーザーによるマップ製作も行われており、公式サイトのForumからDownloadが可能である。

*Single Mission
 最初から全てのMapを選択可能。各隊員の能力は固定で、選択した難易度はそのまま適用される。Mapの切り替えは管理者がその都度終了後に行うかVote Menuから行い、切り替えない限りは同じMapが繰り返される。

*Campaign
 順に沿ってMapをクリアしていく方式で進む(分岐選択は可能)。各隊員は4つの能力パラメータを持っており、ミッションから生還した隊員は得たポイントを好きな能力に割り振って最大で5段階までUPさせる事が出来る。難易度選択はMapではなくてキャンペーンの難易度を表しており、後半に行くほど難易度は高くなる(同じ難易度を選択しても、キャンペーンと単体Mapでプレイする時には難易度が異なる)。
 「大きな怪我を負った隊員は1回休まないとならない」という設定はプレイヤー(マルチならばリーダー)が指定可能。死亡した隊員はReviveさせられるが(V1.1から)、それまでに獲得したポイントはリセットされてしまう。ミッションが失敗した場合には同じ物をRestart、成功した場合にはSaveして先に進むかを聞いてくるので、再度チャレンジするか先に進むかを選択する。全員生きていれば別に問題無いが、隊員が数人死んでいる時には獲得ポイントがリセットされてしまうので考え所となる。


 隊員は全部で8名用意されており、クラスはExplosive, Heavy Weapon, Medic, Techの4つ(各2名)。構成は自由だが同じキャラクタを重複して取る事は出来ない。装備品は空きスロット分をクラス毎に装備可能な物の中から選んでやる。

SKILL 解    説
Explosive  スタンダードな戦闘タイプの兵士で、M42 Assault Shotgun(通常のパワーアップタイプ)を使用可能。また炎で防火線を張るProximity Incendiary Mineを使う事が出来る。
Heavy Weapon  自動照準を備えたAutogunを持つ事が出来るクラスで、大量のBug相手には最も強力。常に前線や後方でカバーを担当する。
Medic  6回使用可能なMedical Satchelを所持出来る。回復力はSkillのレベルによって変化し、最大の5ではParasiteを治療可能である。戦闘力は一番低い。
Tech  唯一Hacking Tool無しでHack可能なクラス。22A7-Z Rifleを使う事が可能である。またレーダー機能で敵の動体探知を行う事も出来る。

 なおゲームにはTutorialが付いており基本的な操作はここで学べる(これをクリアするとゲームにInsaneの難易度がUnlockされる)。



<MULTIPLAY>

*死亡したら終わりでそのセッションは復活は出来ない
*死亡後はSpectatorとして観戦モードになるがChatは可能。特殊カメラモードも使用可能である。
Marineの選択画面では8人のキャラから選択するが重複は不可。Selectが出ないキャラは他の人が既に選んでいる。
*サーバーに途中から入る場合(特にキャンペーン)、他の人が使っている(育てている)隊員を取らないようにすべき。皆が選んでから余ったのを取るのが良いだろう。
*装備を選んで準備が出来たら右上のReady押下。ただし遅いとホストに強制的に進められる可能性も有る。
*途中死亡者が多くなってこれは無理だとなった場合、キャンペーンで死亡者が出た場合にはLeader権限でRestartされる事も多い
*ミッション終了後に成績が出るので、ここでは見終わったら右上のReadyを押下(Leader権限で強制的に切り替えも可能)

*4人以下の場合には誰かが複数の隊員を切り替えて使用可能
*ロビーでは相談が可能なので、内輪のCoopであれば十分に検討して装備等を決めるべき
*公開サーバーでもロビーでは他のメンバーの装備を見る事が可能なので、ダブらないようにする事も出来る
*途中から入った場合には次のセッションまでは観戦のみ

Friendly FireはON固定
*Fキーにアイコンでのメッセージ機能が設定されており、ヘルスやAmmoの要求、また自分の現在の装備を知らせる事も出来る
*死亡者のアイテムは床に落ちる
*レーダーはTechの物が表示されるので、Techから離れると表示は消えてしまう
*Techが死亡してHacking Toolも無い場合(クリア不可となった場合)にはRestartを促すメッセージが表示される
*最後に或る地点に脱出の為に集合するタイプのMapでは、その地点に全員が集まる必要がある



<GAMEPLAY>

 まずトップダウンの視点については、一定以上の周囲が見えないというやり難さはあるが慣れればそれ程違和感は無い。高度の感覚が変ではあるが、アクションとして難しい操作を要求される部分もほとんど無い。ただ敵が高速なので自動照準ではない場合には狙うのは結構難しいゲームである。全体的に非常に暗い場所が多いのも特徴で、敵の姿が補助の明かり無しではよく見えない箇所も多い。グラフィックとしてはそれ程印象的ではないがサウンドは結構凝っていて、例えばドアを破ろうとするBugの音は怖さの演出という面で優れている。

 先にマルチプレイの感想を。どれも長さ的には内容が分かっていれば5-10分程度とそれ程は掛からない。取り合えず単独Mapモードにて難易度がEasyであれば、内容が分からないMapでも繰り返しプレイする事で憶えながら進めて行って、最終的には4人チームで全員生還は全てのMapにて果たせた。しかしながら到底Easyといった感じではなく、非常に難しいModであるのは間違い無いだろう
 マップの内容を知っている人間が集まって連携出来るならばEasyでのクリアはそれ程難しくなく、特に単体マップモードでは7,8人集まれば簡単とも取れる。しかしどうやってクリアしたら良いのか分からない人間が多数集まった場合には、Easyにおいても相当難易度は高い。マルチプレイにおいてはこれ以上簡単な難易度が必要とは言わないが、クリアの仕方を確かめる為の易しいモードが用意されていても良かったと感じる。
 これが単体マップでのNormal以上、或るいはキャンペーンになると更に難易度が上がり、6-8人程度のサーバーでも成功率は低く(Mapによって差は有るが)、特に全員生還は高難度になっている。

 このゲームの難しい点は、まず第一にBugの数とFriendly Fireにある。四方八方から大量に襲って来たりして乱戦状態になると、自分が攻撃を受けるのは勿論の事、つい味方に当たってしまう事も出てくる。効果的な武器として火炎放射器とMineが有るのだが、双方味方も炎に巻き込んでしまってFFしてしまう可能性が高く使い方は難しい。FFのダメージが50%以上軽減されているEasyではまだマシだが、Normal以上ではダメージが大きいので深刻な問題となる。
 次に小さなAlien(Parasite)に攻撃されるとInfested(感染)となり、連続してダメージを受けるようになってしまう。Easyにおいては半分程度のHPの減少で回復はするのだが、Normal以上では一気に体力が減らされて死んでしまう事が多い。これはMeidcが治す事も可能ではあるが、連続して何回も治療するのは限られたMedical Satchelの使用回数を減らしてしまう事になるので先行きが辛くなる。もしレベルが5のMedicがいればすぐに治せるのだが、単独Mapモードではこれは不可能。更に感染者が死ぬと体内から新たなParasiteが複数出て来るので、Teamkill覚悟で殺してしまった方が良いケースも有ると難しい。
 相談・治療・弾の受け渡しのタイミングも難しい。止まっていると敵がやって来てしまう可能性が有るし、安全地帯というのはそれ程存在していない。Bugの出るのが無限の箇所も有るので早く駆け抜けてしまった方が良い場合もあるが、あまり急ぎ過ぎると連続して発生のトリガーをONにしてしまい、一度に多くの敵を相手にすることにもなってしまう。

 まとめると各人(少なくとも半数程度)が必要な装備と用意すべき隊員編成、Mapの内部構成を把握しておかないとならず、皆が協力しないとEasyでもクリアは困難である。ただその緊張感が面白さを生んでいるのは確かであり、難しい分上手く行った時の達成感も大きい。TechがドアをHackingしているのを全員でカバーしたり、全員で敵から退却しながらドアを抜けてから素早くWelderでドアを溶接して敵の侵入を防いだり、退却用のヘリを呼ぶ前にSentry Gun等を設置してやり、後は到着を待つ間に湧き出る大量のBugとの対決になったりといったアクションは非常にスリリングである。
 皆で協力して出来るだけ死なないようにして進まないとならないといった点からもCoop向きであり、クラス制なので単なるアクション物よりも団結して行動しないとならないという面白さも持っている。Parasiteの扱いが厳し過ぎる点を筆頭に難易度が高いのは難点だが、Forumでは改善案がいろいろと出ているのでこれも今後は改善されていくのを期待したい。

 Mapは様々な別ルートが有ったり、アイテムが存在する必ずしも開ける必要の無い部屋が有ったりと完全にリニアではない。またユーザーMapの製作も既に開始されており、Map数が増えて来ればより面白くなるだろう。


 シングルプレイに関しては問題が多い。4人編成の操作切り替え式で自分以外のキャラクタはAI操作となるのだが、AIは基本的な事しか出来ないので難易度が高過ぎるというのが最大の問題点。細かい命令がコマンドとして出せる訳ではないので逐一切り替えて操作しないとならないが、敵が常にそれを待ってくれる訳ではない。特に乱戦時は自分のキャラで手一杯でヘルスの回復等が遅れてしまう。Followコマンドで走っても壁等の出っ張りに引っ掛かって付いてこれずに一人残されて死んだり、自分の周囲に固まってしまって自分が動けなくなってしまうケースもよく起きる。フォーメーションの指示も出来ないし、ヘルスを持っていても自分で回復も出来ない。
 Easyであっても進めるのは相当に困難であって、特にキャンペーンは死人が出しにくいだけにより難しくなる。何よりMapを憶えようにも途中でSaveも出来ないし、Easyにしても先に進むのが困難という有様。まずはマルチプレイにてMapの内容を把握し、次にSingle Missionにてクリアをして、それからキャンペーンという風でないと先に進めるのは困難だろう。問題はマルチプレイの難易度をそのままシングルにも適用しているという点であり、残念ながら現時点ではシングルプレイのみという方にはお勧め出来ないModである。



<TIPS>

*人数が4人ならば各タイプを1人ずつが基本。TechとMedicは最低1人は要。
*火炎放射器は最もFFの可能性が高いので、最前線か背後といった一番外周部でカバーに当たる
*Autogunは強いので最前線で戦うのに向いており、道が分からない人が取ると前に出にくくなるので注意
*Medicは隊列の内部に留まって治療を優先する
*Medicに治療してもらう時は止まって動かないようにする(動いてしまうとMedicが自分自身を治療してしまう)
*Medicは治療対象者の右上の画像部分を右クリックして治療可能であり、この方が間違いが無い

*Ammo Bagは右クリックのメニュー、或いはショートカットキーから様々なタイプのAmmoを落とせる(Grenadeは補給不可)
*Ammo Bagを持った人に或る種の攻撃が当たると、Bagが爆発して無くなってしまう
*Sentry Gunは非常に強力だが使い所が分かっていないとならない。よってMapを知っている人が持つのが一番良いだろう。
*Laser Mineは攻撃を当てると壊せる
*能力差があるので、ジャンプして段差を登れるかどうかは隊員によって異なる
*Welderで開けられるドアは再度溶接して一定時間敵の侵入を防ぐ事も出来る

*Stimを使うと周囲の時間が遅くなったように見えるので、敵が多い場所で使うと効果的。これは全員に適用される。
*アイテムが有る部屋は無理に入る必要は無いが、弾が無くなったりしてこの先は無理となったら取りに戻るしかない
*Bugの色は変更可能
*隊員の名前だけでなくプレイヤーの名前も表示可能



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