INVASION
04/06/10
SCREENSHOT
<概要>
UT2003は同じUnrealエンジンとは言えそれまでのUnrealやUTとは異なった構造のエンジンで作成されており、UTの様にUnrealに登場するMapやMonsterをそのままImportしたりする事が出来なかった。或いは同じ新UnrealエンジンがベースのUnreal 2はキャラクタの作成及びアニメーションに独自のシステム(Gorem)を使用しているので、こちらからMonsterのデータを2k3に持ってくるという訳にもいかない。
それ故Monsterを導入してCoopを楽しむ様なゲームタイプの導入には困難が伴うという状態だったのだが、2k3発売後にリリースされたBonus
Packによって不完全では有るがUnrealに登場したMonsterが追加させられるようになり、それを使って遊ぶ新たなゲームタイプも付け加えられている。それがこのInvasionであり、対人戦ではない「プレイヤー
vs モンスター」形式のCoopゲームとなっている。
UT2004は2k3のコンテンツを全て含んでいるので、このInvasionもインストールすれば最初からプレイする事が可能である。これを書いている時点ではサーバー数は結構有るし、プレイヤーも常時40-80人程度はいるようなのでプレイする場所には困らないだろう。Coopスタイルのゲームとしてはこの人口は多い方である。
<VERSION>
2k3の場合にはEpic Bonus Pack 1(150MB)に収録されているので、これをインストールすれば自動的にメニューに現れる。2k3はV2199以上にUpdateされている事が必要。2k4では標準搭載となるので最新のバージョンにしてあれば問題無い。
<仕様>
特に厳密なルールが有る訳ではなく、「とにかく出てくるMonsterを倒すだけ」のゲーム。非常に原始的であり、正直言ってあまり練り込まれて作成されたモードには見えない。 注)2k3と2k4ではルールが変更されている(以下は2k4のルール)。
[基本ルール]
プレイヤーはLifeを1だけ持っており、倒された場合はそのRound(Wave)は復活出来ない。生き残っているプレイヤーでそのWaveをクリアすれば、次のWaveの開始前に死んでいたプレイヤーも復活する。この場合所持していた武器はリセットされるがAdrenalineはそのまま。生き残ったプレイヤーの装備はそのままで継続される。なお途中参加は可能だが、次のWaveが開始されるまではSpectatorとなる(死んだ後Reconnetしても復活は出来なくなった)。
[勝敗]
サーバーが設定したWaveまで生き延びればプレイヤー側の勝利となる(デフォルトでは16)。そのWaveクリア前に全参加プレイヤーが倒された場合はゲームオーバー。TimeLimitの設定は常に0なので意味が無い。
[Wave]
Waveと呼ばれる単位でMonsterがMap内に登場する。これには登場するMonsterの種類や数・強さ・持続時間をWave毎に設定可能で、16個まで指定しておける。開始Wave番号を選ぶと数字の順にそれが実行されていく仕組み。16を越えると自動的に次が設定される。
Waveのクリア方法はMap内の敵を全て倒す事になるが、一定時間(詳細不明)全滅しなければ次のWaveが開始される仕組み。
[難易度]
bot設定の難易度にて基本難易度が設定される。これはMonsterのスピードや耐久力に反映される。デフォルトはAverage。
[MAP]
使用Mapに関しては原則的にはDM用の物のみとなる。ただMapVote等を使えば他のタイプのMapでも使用は可能。
<SERVER>
Server側では巡回Mapの設定や、参加人数と最低人数(この数まで自動的にbotが参加する)の設定といった基本事項の他に、Invasion自体の設定をしておく事が出来る。Waveをどこから開始するかとか、それぞれのWaveの持続時間や出る敵の設定。これはSystemのUT2004.iniの中の以下の個所を変更する事でもう少し細かい設定も可能。WaveMaxMonsters=の値を減らせば同時に登場するMonsterの数を減らせる。
[SkaarjPack.Invasion]
Waves[0]=(WaveMask=20489,WaveMaxMonsters=16,WaveDuration=30,WaveDifficulty=0.000000)
Waves[1]=(WaveMask=60,WaveMaxMonsters=12,WaveDuration=30,WaveDifficulty=0.000000)
Waves[2]=(WaveMask=353,WaveMaxMonsters=12,WaveDuration=30,WaveDifficulty=0.000000)
WaveMask:ここは変更しない
WaveMaxMonsters
1)プレイヤー数が4以下の場合:
そのままの数(この場合16)
2)プレイヤー数が5以上の場合は設定数に対して以下の計算で少ない方の数値:
a.2倍の値
b.プレイヤー数/4を掛けた数値
12人の場合だと、16*2=32と16*(12/4)=16*3=48なので32
WaveDuration
持続時間。この時間内にMaxの数が倒されていない場合は残りが一気に出てくる。
WaveDifficulty
ベース難易度への修正値。0ならばそのままという意味。Averageの設定で1.0にすれば1個上のExperiencedとなる。1刻みではなく小数点で設定出来る。
Defaultの設定のままだと一回のWaveの時間が長いので切り替わるまでに時間が掛かる事になり、同じ敵が集中して単調になる可能性もある。また同じMapを1時間とかプレイする可能性も出てきて、Mapをいろいろと切り替えたいと考えるならば適した設定とはいえない。8人程度が最大ならDefaultでは後半のWaveはキツイという印象で、強い敵が大量に出た後のWaveは簡単にするとか、持続時間を短くするとかある程度の調整は可能だろう。
Friendly FireはOFFでないと厳しいし、Weapon StayはOnの方が良い。Translocatorは有りでも良いだろう。難易度はAverageからSkilled程度が無難。それとプレイして多かった意見としてはDragonflyに攻撃が当てにくく鬱陶しいというのが多かったので、これらFly系はチェックを外しておいた方が良いかも。
<GAMEPLAY>
まずMonsterはグラフィックはそのままという形で導入されているのだが、攻撃武器のアニメーションはUnrealの物が導入出来ないという事からか、2k4のアニメーションで代用されている。BruteやWarlordのロケット弾は2k4のロケットだし、SkaarjやKrallの弾はLinkGunの物等。またQueen,
Titan, Mercenaryがいないのは残念な点。
攻撃方法の変化に伴なって敵を倒し難くなっており、例えばSkaarjは弾の形状が変更されていて一気に来られると前が見えなくなる位の数を放ってくる上に、これに当たると弾き飛ばされてしまうので非常に厄介な相手になっている。またWarlordの弾も誘導型でこちらを追尾してくるタイプに変更されているのも厳しい。Bruteも集まるとロケットがUnrealよりも視認しにくく手強くなる。DragonflyやPupaeもマルチでは結構攻撃が当て難く、Healthが低い時は厄介。Gasbagも空間が高いMapでは嫌な相手である(下で戦っている時に上から攻撃されるので)。
普通のCoopと異なりプレイ中ずっと戦闘が続く感じになるので、常にハイテンションでのプレイとなりその点は面白い。死ぬと次の回まで待たないとならないが、それほど長時間(3分以上とか)待つケースはあまり無いし、あまりにも長時間連続してプレイでも疲れるので丁度良いかも。
協力要素も持ち合わせており、一人が空中の敵を始末しているなら他のプレイヤーが身近のPupaeやDragonflyを処理してやるとか、また狭い個所でのLink
Gunによる連携攻撃はかなり効果的である。HealthやArmor、Ammoをやたらと取り過ぎないというのも必要だろう。Adrenaline
ComboはやはりBooster(Healthの自動回復)が一番効果的。これをOnにしたら積極的に戦って、Healthの低い人が回復に努めるまで標的になるという事も必要になってくる。総合的にはCoopゲームとしては一応楽しめるレベルにはあると思う。
しかし結構いろいろと不満点も目に付く。先に書いたように単にモンスターを導入して敵と戦えるようにしただけで、バランス等について深く考えられた形跡が見られない。例えば強い敵が一気に出過ぎるというのは大きな問題点だろう。Skaarjが10匹以上にWarlordが8匹とか一回のWaveで登場するのはキツい。
また単純にDM用のMapを使っているだけなので問題も多い。多人数が参加すると全体のパワーは上がる筈なのだが、取れる弾薬や回復アイテムが個人レベルでは減ってしまう為に、人数分に比例してプレイヤー側が強くなるという風にはなっていない。特に回復系アイテムは相当取り難くなるので、ダメージの回復が難しくなる。かと言って人数が4、5人程度では絶対的な火力が足りないという感じになってしまう。InvasionではアイテムのRespawnが早くなるとかといった調整が全くなされていないのが原因。参加人数に応じて敵の数や強さが自動調整されるならば良いのだが、そういった機能は持っていない。
敵の出方のWave設定もバランスが良くない。難易度はAverage(下から2番目)のサーバーが多いのだが、これだと最初の方は簡単で物足りなく感じてしまう。しかしここを上げてしまうと後半相当厳しくなるという問題がある。後半立て続けに難易度が高いWaveが続くというのも難点で、死んでいたプレイヤーが復活して武器を集めようとする前に大量の敵に遭遇してしまう確率が高くなっている。
それとこのゲームをどういう風に考えるかという見解の相違もある。「あくまでも敵と戦うゲームであり、死んでしまったらそれはそれ。次のMapでまたやり直せば良い」というのと、「何が何でも生き延びてWaveを先に延ばすべき」という2つの見方が存在している。このゲームで生き延びようと考える場合、特にWarlordが出て来てからの後半戦では、出来るだけ敵が来れないような隠れられる高台にポジションを取るというのが基本となる(もしTranslocator有りの場合だと相当高い場所にまで上る事が出来る)。そこからFlakを落としたりとかLightning
Gunで狙ったりして、敵の攻撃が来たら身を隠してしまうというやり方で戦う。
実際の所WarlordやSkaarjが大量にいる場所に降りて行って戦うのは相当に難しく、確かに方法論としては間違っていないのだが、見方を変えるとこれはキャンプでもあり、卑怯な戦い方と捉えられるケースもある(そういうゲームでは無いだろうという意味で)。その為に降りて戦えと急かされたり、臆病者といった野次を飛ばされたりする事が有るのは覚悟しておかないとならない。時間切れ狙いで動かなくなった場合などにも、相当キツイ罵詈雑言を浴びせられたりやKick
Voteが始まる事がある。
私も死亡後にSpectatorで見ていて変に思うプレイヤーはいる。例えばロケータ有りの場合に「先に安全な場所に置いておき危なくなったら一時的に戻る」というのは誰でもやる常套手段であるが、ヘルスがMaxの199有る状態で下に降りて弾薬回収に行きちょっとでも攻撃されるとすぐに戻ってしまうという人や、極度に安全狙いで高台から降りようとせずに攻撃しようとする意思がほとんど見られない人など。
使用されるMapの条件としては、まず落ちて死ぬタイプや溶岩等の即死地帯が有るMapは使い難い(Skaarjの攻撃で大きく飛ばされてしまうから)。それと狭いMapもモンスターが固まってしまう上に逃げ場が無い点からあまり好まれない。よって元々のMap数が少ない2003の頃にはユーザー製の物が多くなっていたのだが、2004ではMap数も増えたので製品版収録物のみの巡回となっている場所も増えているようである。
Map巡回リストを見ると特に多くプレイされているのが、DE-Grendelkeep, DE-Osiris2, Goliath, Morpheus3, Phobos2, TokaraForest辺りで、その他Antalus, Asbestos, , Deck17, DesertIsle, Gestalt, HyperBlast2,
Icetomb, Inferno, IronDeity, Plunge, Rrajigarといったところ。
バランス調整を考えてネット上ではMutatorを導入しているケースも多く、以下の様な物が使われている。
*InstaGib
これは結構多く、サーバー横のアイコンでも使用しているかどうかが分かる様になっている。一撃で敵を倒せるので大量の敵相手にバランスが取れるようになる。ただこれは或る意味単調でもあるので(敵の体力が関係無いし、武器の使い分けが起きない)人によって好みが出るだろう。
*UT2004RPG
Fragに応じてEXPが溜まり、レベルが上がると好きな能力を伸ばす事が出来るというMutator。特殊アイテムといった物も手に入る。これも結構多くてサーバー名にRPGの文字が入っているのが普通。Invasionでは敵の強さに応じてEXPが上がるので、プレイヤー側を強くするという意味では有効な物である。
*Excessive Overkill
プレイヤー側を強くするのであればこちらの方が個人的には好み。ただしその分敵を強くしないとバランスが取れないので、その辺の設定が難しい所。またネットにおいてはかなり負荷が掛かるので、或る程度はパワーの有るサーバー、クライアント側は良好な回線でないと厳しいという欠点も。
Instant Action(ソロプレイ)でbotを入れて遊ぶ事も出来る。しかしUTのMonster
Huntと違って目的意識に薄いので、一人でプレイするには飽き易いと感じる。botも単純に真っ向から戦うか、プレイヤーをカバーするかになるので全滅の可能性も高い。なお指定に関わらず加わるbotの数は2人固定となっており、それ以上加えたい場合は開始後にコンソールからaddbotsコマンドにて導入する必要がある。
今後の希望としては以下の様な変更が設定出来るようになるとありがたいのだが。
※Mapを通してのLife数を設定出来て、その回数分は任意に生き返る事が出来る
※Waveに出てくるMonsterの組み合わせと数を更に細かく設定出来る
※初期ヘルス値の設定可能、適当なペースでRegenerateを設定可能
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