☆ ARMED AND DANGEROUS ☆
                                                                            03/12/22



製作/販売 Planet Moon Studios / LucasArts    公式サイト
デモ仕様 167MB    シングルプレイMapを2個収録
概要  2000年のベストゲームの一つとして著名なGiants: Citizen Kabutoを製作したPMSの新作。PMSは元々MDK(1997)を作ったShiny Entertainmentが前身であり、今回の作品では元のメンバーが全員集合している。

 ストーリーは圧政を敷く独裁者に反抗する盗賊団Lionheartsの活躍という物。リーダーRomanの他、爆薬の専門家である炭鉱夫Jonesy、自我に目覚めた紅茶好きのロボットQ1-11、頭のおかしな鬱病の魔術師Rexusの4人が巻き起こす珍道中?を描いている。これまでの作品もそうなのだが、ゲームの一番の特徴はそのユーモア、普通に可笑しい類いではなくブラックでひねくれた、或いはドタバタ系の大騒ぎ、が全編を貫いている点になる。彼らは英国のソフトハウスであり、モンティ・パイソンに非常に強く影響を受けているというのがその理由。
 インタビュー等でも受け答えには面白い(或いは無茶苦茶)な物が多かったりする。例えば「何故今回はLucasArtsからのリリースなのか?」に対して、「LucasArtsは昔からユニークでユーモラスでオリジナリティに溢れるAdventureゲームを多数リリースしており、これは我々の理想とするゲームのコンセプトと一致する。それにLucasといったら映画の世界でも有名であり、大ヒット作である”スター何とか”をリリースしているというビッグな会社だからね」。または「ゲーム内の台詞はどうやって作成するのか?」には、「担当のTimがまず台詞を製作する。それを読んだ他のメンバーやLucasの連中が直すべき個所を書いたノートを渡す。それを読んだTimは一切直さずにそのまま最初の物をゲームに組み込む。こうやって皆の力であの台詞が出来上がるという訳さ」といった具合。

 ゲームはこの12月にPCとXboxにてリリース済。シングルプレイ専用でマルチプレイには対応していない。

動作環境
HARDWARE 必要環境 推奨環境
CPU Pentium III 1GHz Pentium 4 1.5GHz
MEMORY 256 MB RAM 512MB RAM
VIDEO VRAM 32MB  Hardware T&L対応 VRAM 64MB  Hardware T&L対応
SOUND 100% DirectX 9.0b compatible 同左
対応OS  98/ME/2000/XP
Direct X 9.0b以上要


 Hardware T&L対応カードが必要という事で要求性能は高い方。ただこの冬のゲームではもうこの条件が一般化しつつあるというのを感じる(特に大衆向けにより幅広く売りたいと考えているであろう会社からこういった物が結構出ているという点には)。一つ注意点としてはデモはインストールされると500MB以上のサイズになる。
 トラブル関連については詳細なTrouble情報が添付されているので、何か有ればそれをまずは参照してみるのが良いだろう。どうもモーションブラーをONにするとパフォーマンスに問題が出たりする可能性があるようだ。また高解像度においてはかなり重くなるという事が書いてある。

GRAPHIC  Giantsの物を改造したAmityville II: The Possessionエンジンを使用。ゲームの特徴とマッチさせた、同時に大量のキャラクターを画面に表示させるのを得意としている。物凄い綺麗という程ではないが、軽いし安定しているという印象。Giantsのグラフィックは当時先進的であって高い評価を受けたが、それから比べると想っていたほどには進歩していないという印象も受けた。
 SSを見て分かる様に表示が横長のワイド画面になっており、これは映画的な見せ方という意味合いなのか、ゲームのコンセプトに沿った物なのか(横方向に視界が広い)ちょっと分からない。

GAMEPLAY  ゲーム自体は徹底したアクションを基調としており、Giantsに存在していた様なストラテジー要素は含まれていない。ミックスジャンル型ではなく、(ストーリー重視の)シンプルなアクションゲームとして製作されている。しかしゲームの構造は相当にGiants(メッカリンのパート)に似ており、同じ会社の製作というのがハッキリと分かる。
 プレイヤーは主人公のRomanを操作し、他のメンバーはFollowかHoldの2種の指令だけで操作する。味方はHPが0になるともう動けないという風になってそのMapからは消える仕様。武器やアイテムはスロット制限が有るので全てを持ち運ぶ事が出来ず、これ等はMap中に有るPubにて購入及び交換が可能。

 基本的には大量に発生する敵に対して撃ち捲くるというゲーム。それに絡んでMap中の多くのObjectは破壊する事が可能となっており、爆薬の缶等派手に吹っ飛んだりするが面白さの一つとなっている。これには今流行りのHavok物理エンジンを一部使用している。ゲームは三人称視点だが敵にピッタリ照準が合うとカーソルの色が変わるので分かり易く、敵への狙いを付ける動作やキャラクタの動き自体には特に問題は感じられなかった。弾薬やヘルスは敵が落とした物を拾うシステム。
 2つ有るMapは最初がやけに簡単であり、一方で2つ目は相当難易度が高い。2つ目は空中や遠方からMortarの砲撃が有り、しかもこの砲撃が相当な破壊力の上に爆風範囲が広い。これに加えて地上では相当な数の敵が出る為にそちらの相手もしないとならず、そうなると砲弾が視界外から飛んで来るので避けようがないといった具合。これにはかなりフラストレーションが溜まった。しかし今作ではGiantsの最大の問題点と言われたSaveが無制限に可能になっており、まあ許容出来る範囲だろう。難易度を選ぶ事も可能になっている。

 このゲームの大きな売りは武器のユニークさで、デモにおいても何種類かそれ等を体験出来る。地中を潜って敵を食い殺す鮫を発射するLand Shark Gunや、地面に取り付けて天地を引っくり返し”天に向かって”落下させた敵を元に戻して地面に落とすというtopsy-turvy bomm等。こういった要素プラス敵の数も多いのでゲームには爽快感が有る。
 しかし正直な所ちょっとシンプル過ぎると言うか、この調子で最後まで通すのは単調と感じるのも確か。好みの味方キャラに操作をスイッチさせられる訳ではないし、また彼等はほとんど自動操縦であってあまり頭もよろしくない上に、個人別に命令も出せないのでTacticalな要素も薄い。結局当てに出来るほど強くないので、頼りは自分だけといった感じでチームでの戦闘という面白さが出ていない

 ユーモアに関してはこのデモに含まれている物も含めて幾つかムービーを見たが、相当に面白い物が揃っているという印象。

SOUND  サウンドは音質も良くクオリティは高いと思うが、PCでは3Dサウンドには未対応の様なのは残念。キャラクタのボイスは個性的で良く出来ていると思う。

INTERFACE  ムービーを含めて字幕表示が可能。ただ表示がゲーム画面に重なったりと変に感じられる(見難い)個所も有る。Saveはミッションに付き一箇所だけであり、自動更新機能も付いているので思わぬ個所でSaveされてしまう事も。

感  想  これまでの所はゲームサイトのレビューは概ね好意的であり高い点数を取っているが、それを受けてプレイしてみたら期待していた程では無かったというのが感想。ただ肝心のストーリーについてはこのデモでは味わう事が出来ないのは考慮すべきだが。ノンストップの派手なアクションに焦点を絞ったという事だが、もう少し他の要素を入れてバラエティに富んだ物にしても良かったのではないか。その毒の感じられるユーモアには強く惹かれるものもあるが.....。

 製品版は5時間程度で終わってしまうようで、難易度は確かに4つ存在するがさほどリプレイ性が有るようには私には感じられないし、これも弱い点と思う。マルチプレイも無いので広がりも無い。このデモをプレイする分には面白いと思うしお勧めもしたいが、製品版となると疑問符がついてしまうゲームである。


購入確率 30% (-.-)

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