☆ BLACK DEATH ☆
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製作/販売 Darkworks / 未定        公式サイト 
デモ仕様 346MB シングルプレイ用。一つのマップをプレイ可能。
概  要  フランスのDarkworksが開発中のサバイバルホラー。同社は過去にAlone in the Dark: The New Nightmare, Cold Fear等の制作で知られる。今回のリリースは正確にはデモでは無くプロトタイプとされており、まだ完成予定時期も未定で発売されるプラットフォームも決まっていない。もっと言うなら代理店も決まっていないので、発売されるのかどうかも定かではないという段階である。とりあえずユーザーのフィードバックを集めて今後の参考にする為に、かなり開発早期の段階だがリリースしてみたという話の様だ。

 現時点ではミラーサイトが少なく、公式の他だとGamepron等から落とせる。これを書いている時点ではV1.01版と、旧版に対するパッチがダウンロード可能。


 アメリカ北東部の都市を謎の黒い霧が覆い尽くし、大半の人々が昏睡状態に陥ってしまうと共に、一部の人間がミュータント化して他の人々を襲うようにもなってしまった。プレイヤーはこの混乱の中を生き延びて、霧の発生した原因を突き止めないとならないというストーリー。

動作環境
HARDWARE 必要環境 推奨環境
CPU Intel Core 2 Duo -
MEMORY 1 GB 2 GB
VIDEO VRAM 512MB以上 -
SOUND DirectX 9.0c 互換 -
対応OS  XP / Vista / Windows 7
DirectX 9.0c以上要


 ビデオカードの詳しい条件は明らかにされていない。操作はXbox 360コントローラーに対応(他の物は未検証)。

 先にプログラムグループ内のセットアップを起動してグラフィックス系の設定を行う仕様。ただし詳細な設定項目は存在しないので、パフォーマンスに問題がある際には、アンチエイリアシングやV-syncの設定を切るように指示されている。

 初期のトラブル系はパッチで修正された模様で、公式掲示板にはV1.01での大きな問題はまだ見受けられない。


GAMEPLAY
*適切な明るさ調整機能あり(ロゴは見えるがミュータントは見えないレベルに左右キーで調整)
*このデモでは操作キーは変更出来ない
*武器スロットは4個(交換出来たりするのかは不明)
*アイテムを持っている人間や拾えるオブジェクトはハイライト表示される
*難易度はNormalとHardを用意。Hardだと敵の出現数や動き方(速度等)も違ってくる。
*スプリント動作が可能。ジャンプはあるが屈みは出来ない。
*回復はアイテム方式。ダメージが蓄積すると周囲が赤くなると同時に心音が激しくなる。
*治療は携帯している回復薬をUseキー長押しで注射する。敵の攻撃等でキャンセルされると適用されないので注意。
*チェックポイントセーブ方式(ただセーブ地点が判らない)
*ローカルでの実績機能を持つ


 ゲームの戦闘について。戦闘時に右クリックで突き飛ばしが可能であり、接近してきた敵を遠ざけてから撃つという攻撃が行える。それとレンチや拳銃のようなダメージの低い武器の場合には、一定量のダメージで敵が膝を着いて停止するので、そこで近寄ってアイコンが出たらフィニッシング・ムーブを決めてトドメを刺す。これにはスペシャルもあるのだが、発動条件は判らなかった。

 敵に接近されると掴まれる(Grab)が発生し、右クリック連打で突き飛ばせないとダメージを受ける。それと黒い霧を纏っている敵には、飛び掛かってきた所をカウンターで合わせて霧を消し、その間に攻撃しないとダメージを与えられない。なおこのデモのラスボスは単純に一定以上のダメージを与えてやり、近寄ってフィニッシング・ムーブで倒せる。

 単体の敵相手ならばどうという事は無いのだが、2体3体が同時に襲って来るケースではかなり難しくなる(特にHard)。敵の移動速度や左右への回り込みは結構速く、逆にプレイヤーは後方へはスプリント出来ないので避けるのが困難。また囲まれると回復薬を打ち込む時間が取れなくなるという問題もある。フィニッシング・ムーブ要らずのショットガンを使うのが一番簡単だが、それほど弾は多くないので温存しておく必要あり。或いは後述の特殊兵器を使用するかになる。拳銃等だと倒れた所に近寄ってフィニッシング・ムーブを決めないとならないので、他の敵が居るとやり難くなる(ダウンした敵が回復するまでの時間は長いが)。


 次にゲームの持つ特徴を順に述べる。第一にプレイヤーは霧の漂っている場所ではガスマスクを装着しないとならない。これにより視界が大きく制限されてしまう。装着は自動でMetro 2033の様にフィルターや破損の概念は無い様だが、敵にGrabされるとガスマスクを外されてしまう事がある。一定時間内に落ちているのを見付けて装着しないと死亡。

 第二に弾薬製造の概念を持ち、5種類の化学物質を混合して多彩な効果を持つ物質を作る事が可能である。何等かの形で弾薬製造の処方箋(混合比率)を発見すると、持っている5種の成分を混ぜてそれを作り出す事が可能になる(分解して元の成分に戻す事も出来る)。制作した物質はスペシャルウェポンからスプレーの様な方式で噴射して使用。ただしデモでは敵を石化させて砕く物だけしか作れない。

 第三にこのデモでは体験出来ないが、敵を倒すのではなくミュータント化を治療する物質も制作が可能である。5種類の成分の中には治療薬も含まれており、おそらく自分の治療用に使うか、感染者を治すのに使うかという選択肢があるのだと思われる。それで進行に何かしらの変化をつけるという意図なのだろう(エンディング, NPCの態度, 治すとアイテムをくれる等)。

 第四に霧のコントロールの概念。同じ場所で霧が晴れたり発生したりが起きる様になっており、詳細は不明だがそれをプレイヤー側で(一部は)制御も出来るという事らしい。上記の銃で霧を晴らす成分を制作出来るとかかも知れない。


 デモにおけるゲームプレイの感想としては、敵が速いのでアクション性も高く、スローペースのサバイバルホラーという感じでは無い。弾薬はそこそこあるので、近距離打撃戦に頼らないとならないという風でも無かった。回復アイテムも結構手に入る設定である(特に終盤は。ただし合成材料としても使えるという観点から数が多いというのはあるだろう)。特にHardにするとアクションゲームとして相当難しくなるという感じで、ジリジリと迫って来るゾンビとの対戦の様な恐怖感を狙った物では無さそうだ。或いは「逃走やステルス要素を含んだ、主人公が対戦に弱いという設定のゲーム」でも無いと思われる。

 ホラー要素としては深い霧とガスマスクによる演出が良く出来ている。数m先の周囲すら見通せないので、かなりの恐怖感がある。霧が突然音を立てて噴出したり、倒れているミュータント(撃たない限りは起き上がらない)が突然唸り声を挙げたりとビックリさせるような演出も含まれている。逆に霧が晴れている場所ではホラー要素が薄れ、普通の戦闘ゲームの様になってしまう感は否めない。

 
GRAPHICS

SOUND
 プロトタイプという事もあって、グラフィックスについてはあまり良いとは言えない部類である。深い霧の表現はまあ良いとして、エフェクト系に目立った所は見当たらない。テクスチャも高精度では無いし、敵のアニメーションも滑らかでは無い。

 キャラクタのモデリングも粗く、特に感染者の外見が同じなのが不自然に感じられて大きなマイナスになっている。しかしここはいずれL4Dの様に男女含めてバラエティに富んだスキンが用意されるであろう。


 サウンドは3Dに対応している。BGMは特定のシーン以外では鳴らない方式だが、ゲームのテーマに対しては合っていると思える。武器のサウンドは迫力が足りない。こちらもまだプロトタイプなので評価に含めるには早計である。

感  想  今後大きな修正が加わる可能性もあると言う事で、現時点ではまだ評価の難しいゲームである。これが発売直前の製品バージョンから取り出したデモだったら問題だが、先は長いので改善に期待は出来るだろう。

 ただし直すべき点はまだまだ多い。戦闘の感覚ももっとリアリティが欲しいし、敵の種類や動き方もバラエティさが必要。グラフィックス関連も大幅なクオリティアップが要求されてくる。

 狙いとしているゲーム性も今一つ掴めなかった。主人公が弱いサバイバルホラーという訳では無いみたいだが、Dead Spaceの様に派手なアクションホラーというタイプでも無さそう。確かに個性は感じられるが、それが大多数のユーザーに受けるのかどうかはまた別問題であり、どっちつかずの中途半端なゲームになってしまう恐れもある。多彩な用途に使えるケミカルウェポンと、黒い霧のゲーム内での扱いでどれだけ面白さが生み出せるのかが鍵になりそうだ。

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