☆ BLACK THE FALL ☆
14/06/27 更新 | 目次 HOME | |||||||||||||||
製作/販売 | blackthefall Team 公式サイト STEAM INDIE DB | |||||||||||||||
デモ仕様 | 31.5MB ver 0.2.50 | |||||||||||||||
概 要 | ルーマニアのブカレスト芸術大学に通っていた2人の発案による横スクロール系アクションゲーム。現在は4人のメンバーで制作しており、まだ会社を興している段階ではないし、チーム名も決まっていない。 PC, Mac, Linuxでリリースされるが、スマートフォンにも対応予定あり。既にSteamのGreenlitに到達しており、発売予定は2014/Q4となっている。 Square Enix Collectiveに投稿して71%の賛成率を得ている。 これはスクウェア・エニックスがクラウドファンディングサイトとして著名なIndiegogoと提携して始めた企画。審査を通過した作品を特設サイトに掲載して評価を募集。そこで良い成績を収めた作品をIndiegogoにて資金募集に掛けるという物。 デモはIndie DB等から落とせる。Unity Web Playerに対応しているので、Linux以外ならば公式サイトからブラウザ上でのプレイも可能である。なお今回レビューしている0.2.50は二番目にリリースされた現時点では最新のデモなので、古いバージョンの方を誤って落とさないように。 主人公のBlackは全く記憶の無い状態で目覚めるが、周囲の世界はまるで見覚えの無い奇妙な世界であった。その中を探索や戦闘で生き延びながら自分がここに居る理由を探っていくといったストーリーらしい。その辺はほとんど説明が無い為、或いはまだストーリーを詳しく構成していない段階とも考えられる。 |
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動作環境 |
DirectX 必要環境等は明らかにされていない。制作にはUnity 4.3.4を使用。2Dメインだし関連サイト等にトラブルの書き込みも見当たらないので安定度は高そうだが、もし動かない場合にはUWPにてWEB上でプレイするとかになるだろう。 まだ制作途中の段階なのでバグが多い事は制作側も認めている。ハシゴを上ったプレイヤーが高所にてそのまま水平移動出来てしまったり、四つ脚で犬風の敵が主人公に重なって張り付いてしまうといったトラブルに遭遇した。 |
BASICS | モノクロで描かれた世界の独特な雰囲気を重視しており、奇妙な現地人(モンスター)の存在など異世界を舞台にして構成されている。社会主義から民主化された母国ルーマニアの影響が強く、社会主義時代の風景やイメージをベースにして、監視装置や巨大機械が建ち並ぶダークな印象の世界を作り出している。ゲーム中にナレーションやセリフ類は無し(よって字幕も無し)。おそらくゲーム全編に渡ってこのビジュアルオンリーのスタイルではないかと想像される。 デザインが奇抜で何をする為の物なのかが解らない機械や建物が散見され、その意味で奇妙な感覚を覚える世界である事は確か。ゲームが進むと全然別のデザインとなるエリアが順次登場するらしいので、製品版では更にユニークな世界観を持つゲームとして期待が出来そうである。 様々なアイディアがまだ未実装の状態で、集めたアイテムを用いてのクラフト要素や、パワーアップ用のポーション, 一緒に連れて歩けるペットなどは体験出来ない(I/F画面は一部作られている)。 他にはランダムに変化する天候により各モンスターの行動が変わるというシステムもあるが、これもデモには含まれていない模様。 基本は横スクロールのアクションだが、プレイヤーにはステルスのオプションも与えられている。白い外形が表示される場所でアクションを行うとその場所に隠れられて(ただし敵に発見されている状態では不可)、この状態ならば画面上にて敵は主人公の前か後ろを3D風に通り過ぎてしまう。これでやり過ごして背後から奇襲しても良いし、そのまま見送って先に進み非戦闘で切り抜けても良い。大量に敵が居て戦闘が困難なケースではステルスが有効になったりする様である。なお死ぬとその場所に墓が作られ、リトライ時にそこに隠れられる様になるというシステムが導入されており(墓は複数作られる)、難所での救済措置として使われるのだと思われる。 武器類は多彩な物が用意される予定で、特殊な弾薬をクラフトしたりも可能。なお破壊力が高い物ほど大きな音を立てるので、周辺の敵が一挙に集まって来てしまうというデメリットを持つ。そこでサイレント武器で気付かれないように殺しながら進むという風にも立ち回れる。一本道だがクリア方法としての自由度は高いというデザイン。 |
GAMEPLAY | 5つのセクションをプレイ可能。デモとしては長い方で1時間程度はプレイ出来る。 ・チェックポイントセーブ方式。ゲームを落としてもクリアしたセクションから選んで再開出来る。 ・難易度設定無し ・明るさ調整は出来ない ・ズームイン/アウトは自動で行われる(プレイヤーはカメラを動かせない) キー設定はランチャーから可能だが、他のUnityのゲーム同様にそれがゲーム内でちゃんと適用されるのかは未検証。そもそもゲーム内で使うキーで一覧に載っていない物もある。 Shiftでスプリント, Wでジャンプ, スペースバーでアクション, ホイール&数字キーで武器チェンジ。右クリックで構えて左クリックで攻撃。説明には無いがRキーでリロードを行う。慣れの問題だが、スペースバーを使える構成だとどうしてもジャンプする際にWキーではなくスペースバーを押してしまう。 ポーズボタンが画面上に見えているのだがどうやってポーズを掛けるのか解らず。ESCがポーズとあるのだが、これを行ってもゲーム内世界の時間は止まらない。 弾薬類は箱の近くでアクションを実行し蹴り壊して取る。だが立ち位置を微調整しないとならないケースがかなり在った。敵の死体の近くでもアクション実行で何か拾う作業を行うが、このデモではまだ何かを拾ったりは無いようだ。 デモは最初のエリアらしいが、それだからなのか戦闘は全般的に簡単。弾が多いのでわざわざステルスでやり過ごさずに、いきなり戦ってしまっても勝ててしまう。敵自体も移動が遅くて怖くない物が多い。 それでも戦闘は面白く、その理由は部位破壊とゴア要素。敵とその命中部位によってリアクションや効果が異なっており、小さな範囲を狙って撃つという楽しさを持っている。細い敵の頭を撃つと物理エンジン(もしくはアニメーション)によって体が回転しながら吹き飛んだり、太った敵なら体を撃つと腕が1本ずつもげていく。或いは足を吹き飛ばすとそのまま這ってこちらに近付いてきたりと良く出来ている。吹き飛び時の赤いエフェクトも派手で、その他が全てモノクロだけにより印象的。 そして急所部位だと一発だが、それ以外だと何発も当てないと死なないので、上手く当てられないとこちらまで到達してしまうという焦りが生まれる。(デモの武器はリロードが遅いし、マガジン内の弾数も少ない)。このデモだと敵がそこまで強くないので攻撃を受ける事は滅多に無いが、敵の攻撃を一発受ければ即死設定なので、もっと敵がこちらの武器に対して強くなれば、やって来る前に急所に当てないとならないというスリリングな展開になる事が予想される。 進行の為のパズルも用意されている。単純にスイッチを押していけば良いとか、動く装置をタイミングを見計らってかわすとかの一般的な物もあるが、中には初見では何をすれば良いのか判り辛い物もあった。スイッチにしても多数有る場合には順番を守らないとならず、その説明等は一切出ないので最初はバグで押せないのかと勘違いしたりも発生。失敗即死タイプもあるので、戦闘が簡単なだけに死亡回数はパズルのクリアに失敗してがその数倍は多くなるだろう。単純過ぎて解法の面白味が無いとか、単に解り難いだけとかで、このパズル要素の方はそれ程出来は良くないという感想になる。 |
GRAPHICS & SOUND |
アスペクト比は4:3, 16:9, 16:10に対応。窓化も設定に含まれている。クオリティはUnityなので起動前のランチャーで設定する方式。2Dだけに設定でどの程度変わるのかは未検証。 背景は細かくアニメーションしていたりと凝っており、雨のエフェクトなども良い出来だと感じられた。対して主人公のアニメーションなどはもっと多彩で複雑であっても良いのではないかと思える。上でも書いた様に命中やゴア&出血表現は優れている。 BGMはNine Inch Nails風の重いノイズ系の物で個人的には好み。効果音系は少なくて静かである。 |
感 想 | 奥行きの無い2DではFPSの様に狙って撃つ楽しみが少ないという先入観があったが、その予想を見事に覆してくれた作品。部位破壊とゴア要素がとても良く出来ており楽しめた。ボリュームもあるし良いデモだと言える。 モノクロの世界観も悪くないし、あまり良くなかったパズルの出来の方も製品版では改善される可能性がある。問題は未実装の機能が幾つも在り、それの導入により大きくゲームバランスやプレイ感が影響を受けそうなので、まるで違う物へと変貌してしまう危険性も持っているという点。 未実装要素の多さ。そしてメンバーも少ないので、資金集めが成功しないと完成はまだ結構先になりそうな気がする。とりあえずは急がずにじっくりと完成度が高い作品にして貰いたい。随時デモを更新していく様なので、大きく変化したらまた試してみたいと考えている。 評価 80点 |
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