☆ BROODRAYNE ☆
                                                                               03/01/26

製作/販売 Terminal Reality/Majesco
デモ仕様 168MB   1つのミッションをプレイ可能    公式サイト
概要  PCゲーマーにはNocturne(1999)で御馴染みのTermainal Realityからの新作。その後Blair Witch 1やその他のジャンルのゲームの開発は有ったものの、3Dアクションのオリジナル作品としては久し振りの作品であり、またNocturneと同じくダークなイメージの作品として注目されていたゲームである。既にPS2・GC・Xboxといったコンソールでは昨年の10月にリリース済であり、PC版は予定では3月リリース。日本版の予定は現在無いようだ。

 ストーリーは1930年代が舞台で、Vampireと人間の合いの子であるRayneがその特殊な能力を活かして、特殊部隊のエージェントとしてナチスの謎の計画を暴く為に戦うという物。Nocturne同様に年代も場所も異なった幾つかのエピソードによって構成されている。
動作環境
Hardware 必要環境 推奨環境
CPU  733 MHz Pentium 4 2.53GHz
MEMORY 128MB 512MB
VIDEO VRAM 32MB GeForce2 or Radeon VRAM 64MB以上
 GeForce4 Ti 4600クラスのカード
SOUND Direct X対応 Sound Blaster Audigy
対応OS  98/XP (MEに関しては記載無し)
Direct X 8.0以上要


 上記を見ても分かるように非常に高いスペックを要求するゲームであり、特にビデオカードに関してはVRAM64MB以上無い場合は640*480程度の解像度で無いとダメという事らしい。不用意に設定を上げると仮想メモリ不足で落ちるというケースがある様なので、この場合は設定を落とすしかないだろう。製品版ではHDDの容量が2GB必要。明記されていないがおそらくはHardware T&Lが要るのでは無いかと思われる。Voodooでは正常に動かないし対応の予定も無い。
 動作上は不安定な面は感じられなかった。  
GAMEPLAY  事前にあまり予備知識を持たずにプレイしたのだが、ちょっと想像していたのとは違っていたという印象。残念ながらそれも悪い方に.....。或る個所が物凄く悪いという面は無いのだが、良くない点が多数有るという感じである。

 まず単純と言うか、攻撃が一本調子になり過ぎ。一応ある程度の攻撃動作は用意されているのだが、基本的に敵の方に向いていれば自動的に切り付けるし、銃は全て180度の方向ならばAutoaimである。大雑把に敵の方を向いてクリックし続けるだけという印象が強い。個人的に一番気になるのは自分が操作しているという感覚に乏しい点。Bladeで切り付けるアクションパターンは幾つか有るが、それは選択ではなくて自動的に出るだけ。格闘ゲームの様にキーの組み合わせによるコンボとして出せるならば自分で操作している感覚が味わえるがそれが無い。Berserkモードでもそれは同じである。RuneBlade of Darknessみたいに特殊攻撃が用意されていないのは痛い。銃を撃つのもAutoaimだし、武器の選択しか自由度が無い。
 それに関連してキャラの移動スピードが非常に速いのも気になった。単に速いのが悪いというのではないが、ここまで速くなるとその時々の戦略よりは単純な攻撃に重点が置かれてしまう。常に動く事で敵の弾が当たり難くなるという設定と、移動しながらジャンプで側転とか動作パターンはあるのだが、あまりにもゲームが速いのでこれらを考えて出すといったレベルでは無くなってしまっている。適当にキーをガチャガチャ押して動いて、後は近くにきたらAutoaimに任せて攻撃というパターンになりがちである。速くしているのはハイテンションのアクションを味わってもらう為なのだろうが、もっと遅い方が面白いのではないかと感じた。

 次にバランスが非常に変(総じて簡単)。時間を遅く出来るモードがあるのだが、Max Payneと違って使用時間に制限が無い。よってピンチになったらこれを使う事でゲームがかなり簡単になる。また幾らでも敵を捕まえて血を吸い体力回復が出来るのもゲームを簡単にしている。しかもこの吸血の間に同時に銃を撃って攻撃出来るというのはやり過ぎでは無いか? 一応敵を殺してしまうとダメなので上手く弱らせてという戦術は組み込んであるのだが、今度はこれが高速の滅多切りのゲーム性とマッチしていない風でチグハグ。またこのアドバンテージを相殺する為に敵が大量に出てくるという設定なのだが、これによって更に単調さが目立つ羽目に。

 暗い雰囲気は好みだしセクシーな主人公の造形はなかなか良いと思うが、あまりにも主人公にパワーが有り過ぎてNocturneに有った恐怖感、独特の雰囲気といった面は感じられない。それとこのデモでは謎解き要素は無いし単純に敵を倒すだけ。Map自体のデザインも平凡で面白味に欠ける。
GRAPHIC  グラフィックは綺麗な部類では有るが、特別凄いといった印象は無い。主人公がUpになった時の服の質感とか、Aura Modeになった時の壁のBump Mappingなんかは目を惹き付けられるが、ゲーム全体では暗いせいもあってそれほどとは思えなかった。私の環境では上のAuraにしない限りは重さは目立たなかったが、これだけのスペックを要求するならばもっと綺麗でも良いのではという気はしないでもない。
 キャラのアニメーションも多彩では有るが目を見張るほどのレベルではないし、特徴の一つであるGoreに関してもそれほどの事は無く、確かに血は相当出るが表現としては残虐さは感じられない。体が派手にバラバラになるようなシーンがBloodLustの時しかないのも弱いか。体の吹っ飛ぶのを描画する物理計算エンジンが適用されていない点も残念。

 このMapだけでは何とも言えないが、この3月に出るゲームとしてはグラフィックを売りにするのは厳しいかも。
SOUND  これは弱い。どうもAdvanced HDに対応しているような記述があるのだが、ゲーム内で3Dを選んでも効いている様には聞こえなかった。動きが速いというのも有るが、音の定位感や移動間或いは場所による反響の違いといった点の出来も目立った個所無し。
INTERFACE  基本動作一覧

*マウス左でBlade攻撃、右で武器、後はEキーでBite(噛み付き)とHarpoon(チェーン)
*敵にBiteする事で体力を回復可能。離れるにはSpace(Jump)。死んでいる敵では出来ない。
*Bite状態にて敵が立っているならば盾として使用出来る。寝ている状態では無理。
*敵が周囲にいない状態でBiteキーを押すとチェーンを投げる(Autoaim)。押したままで捕まえた敵を引き摺り寄せる。
*Jumpした状態でBiteキーにてチェーンを使って敵を攻撃する
*Jumpキーを2回押すと錐揉みのキックを繰り出す
*武器はlight guns, heavy guns,specialの3種切り替え。Specialは[ で落ちている物と切り替え。
*Bloodlust meterがFullになった状態でCapsLockを押すとBerserkモードに入る
*Berserkモードでは攻撃力がUPしアクションも変化する。敵の体もよりバラバラに吹っ飛ぶ
*2キーでExtruded Viewモードになる。一人称視点のSniperモードで前進/後退にてズーム。この間は移動できない
*3キーでAura Senseモードになる。敵のオーラの色で状態を知る事が可能。赤ならばこちらに気が付いていないか弱っている状態。
*4キーでDilated Perceptionモードになる。時間がゆっくりと進む。

 ゲーム中にはSaveが出来ないが、これは製品版ではどうなのか不明。
感  想  既にリリースされている各コンソールのレビューでは75点平均程度で、貶している所はほとんど無い代わりに大きく持ち上げている所も同様にほとんど無いといった感じである。何本か読んだ限りでは(このデモからも感じられるのだが)、アクションが繰り返しで単調になりがち、アクション・アドベンチャーの内の”アドベンチャー”の部分である謎解きに関しては少ない、リプレイ性は非常に薄い、といった点が多くのサイトで欠点として挙げられている。その分高速なアクションとしては楽しめるという事になるが、これに関してはそのゲームと好み(感覚)が合わないとどうにもならないといった面があり、その意味からするとこれはちょっと私の感覚には合わないという感じがした。

 後はMapが面白いかとか、他のMapでのモンスター系の敵との戦闘とか(巨大ロボットに乗って戦うシーンも有るそうだが)がどうかという事になってくるが、ちょっとストレート過ぎるかなという印象。特にNocturneの様な一種独特の雰囲気といった物が薄く、設定はダークでGoreは凄いが「ゲームから受ける感覚」は普通というのが痛い。もっと濃い物を期待していただけにかなりのランクダウン。


 購入確率  20% (;´Д`)

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