☆ CODE OF HONOR 2: CONSPIRACY ISLAND ☆
                                                                                08/08/22




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製作/販売 City Interactive         公式サイト
デモ仕様 515MB   シングルプレイのみ収録
概  要  ポーランドに拠点を置くCity Interactiveが開発及び販売するFPS。やはり同社が制作・販売したCode Of Honour: The French Foreign Legionの続編となる。既に北米・欧州の双方で製品版が発売されている。

 City Interactiveは本社ポーランドの他にウクライナ等にも開発支社を持ち、欧州ではかなり知られた販売会社である。カナダやロシア等の別会社の制作したゲームの代理店としても活動している。ただし販売の中心がドイツ, ロシア, フランスといった国なので英語圏ではあまりメジャーではないし、またその扱うゲームもPCのバリュー系が多いので、その意味でも知っている人は少ない。だがゲームのラインアップにTerrorist TakedownシリーズといったFPSが多く、当サイトでも何度か採り上げたりはしているので、FPSファンには比較的認知度が高いとは言えそうだ。

 現在会社は急成長を続けているらしく、英国では新たにPinnacle Softwareと契約。これまでは入手し辛かった過去作を含めて、通販サイトにも同社のゲームが幾つか見られるようになっている。そして今年の夏から南北アメリカにも代理店を新設して販売に乗り出しており、このCoD2はアドベンチャーゲームのArt of Murder: FBI Confidentialと並んで、その南北アメリカ進出の第一弾に位置付けられるタイトルとなっている。

 マルチプレイの詳しい仕様は不明で、デモではプレイする事が出来ない。


 ゲームの主人公はThe French Foreign Legionに属するClaude Boulet。French Foreign Legionとは1831年に設立されたフランス外人部隊の意味で、フランスでは同国籍を持つ人間しかフランス軍に入隊出来ないので、こういった組織が存在するようだ。タイトルの“Code of Honor"(日本語だと“名誉の規律”とでもなるのだろうか)とは、同部隊に属する隊員達の誓いとも言える、何条かから成る規律の事。

 舞台はフランス領ギアナ。南アメリカ北東部でブラジルに接した場所に位置するフランスの海外地域圏である。昔政治犯などの流刑場所として刑務所が設立されていたデビルズ島(Devil's Island)が在る事で有名。その並びのやはり刑務所が存在していたロワイアル島ではフランス政府による秘密の研究が行われていたのだが、テロリストの襲撃により原子炉を人質に取られてしまう。この事件を極秘裏に処理する為に主人公を含む軍が派遣されたという設定。

動作環境
HARDWARE 必要環境 推奨環境
CPU Pentium 4 2 GHz -
MEMORY 512MB (Vista 1GB) -
VIDEO GeForce 5700 or Radeon 9700
VRAM 128MB以上
-
SOUND DirectX 9.0互換 -
対応OS  2000/XP/Vista
DirectX 9.0c以上要


*対応ビデオカード一覧
ATI Radeon Series : 9700, 9800, X600, X700, X800, X1300, X1600, X1950
NVidia GeForce Series : 5700, 5900, 6xxx, 7xxx, 8xxx

 最近の同社のFPSと同じく、使用されているのはJupiter-FX engine。バリュー系というのもあって、かなり下のクラスのPCまでサポートされている。しかしノート系ではまだ動かないマシンも多いかも知れない。一応このエンジンを使用したF.E.A.R.よりも記載された必要環境は高いので、それが動いていたとしてもこのゲームはどうなるか判らない。

GAMEPLAY

 マップは幾つかに分かれているが、実質デモの分量としてはそれ程長くない。

*武器は4丁まで同時に持てる
*しゃがみと左右へのリーンが可能
*スプリント可能
*グレネードは別キーで投げる
*ミニマップレーダー機能付きで目標地点が表示される
*Iron Sightへの切り替えが可能
*HPは自動回復で、ダメージを受けると画面が歪んで見えるようになる

 ちょっと変ったカバー・システムを採用している。障害物の陰に行くと上&左右方向の矢印が表示される所が存在しており、そこでUseキーを押しながら射撃ボタンを押すと、自動的に物陰から体を最小限に出してBlind Fireを行う。射撃を止めれば自動的に元の位置に戻る。狙いが付けられないので長距離での戦闘には向かない。

 メイン武器となるFAMASはスコープの切り替え機能を持っており、ダットサイトとスコープを付け替えられる。ただし切り替え完了までにはかなりの時間を要する。

 一つのゲームの売りとして、フランス軍が主役なので使える武器にはあまり他のゲームでは登場しない物が多くなっている。FAMAS, ERYX, PAMAS-G1, H&K, MP5。敵が使う武器ではFN FAL, Bizon PP-19, H&K G11, Mossberg 500。

 元になっているのはF.E.A.R.のエンジンだが、スローモーションの能力は持っていない。


 同社の同エンジンを使用したゲームとしてはTerrorist Takedown 2, Mortyr: Operation Thunderstormの流れを汲んでいるが、まず目に付いた違いは仲間が一緒に行動するシーンが多い点。French Foreign Legionは部隊行動をその規範とするそうで、それを考慮したデザインと思われる。見た感じでは一定量のダメージを受けると倒れてしまい、休むと再び起き上がるシステムのようだ。
 指示は出せないが自動的に戦ってくれるようになっており、飾りではなくちゃんと敵も倒せる。ただしNormalで試したのだが、プレイヤーが引いていると味方が結構敵を倒してしまうバランスで、頼りになると言えばそうなのだが、反面プレイヤーの活躍の場を奪っているという感も受けた。

 HPの自動回復の是非というのはそのゲーム内でのバランスの取り方次第だと考えるが、その点ではこのデモは大きな問題有り。敵のAIは一箇所に留まらずにカバーの場所を動いたりもして来るのだが、こちらに対して強引に突っ込んで来ようとはしない。よってダメージを受けても障害物に隠れて回復を待てば良いとなってしまい、緊張感も無く簡単である。要は「こちらが隠れたら敵は近くまでやって来る」、「敵の数と攻撃が激しく、カバーからの攻撃でも油断が出来ない」、「グレネードの様な攻撃を多く使ってくる」、「隠れられる場所が少ない状況での撃ち合い」といった要素を組み込まないと、隠れての自動回復が有効な手段になり過ぎてしまうという話。少なくともデモにおいてはその簡単過ぎるというのは大きな欠点となっている。

 AIはF.E.A.R.の物をベースにしていると思うのだが、このAIは広く動ける場所(ルート)を設けてやらないと活きないと感じる。お互いがこちら側と向こう側という両サイドに分かれて戦うというシーンが多く、そのエリアからは出て来ようとしないので、動いてはいるのだが狭い2点間を行ったり来たりしか行っていないように見えてしまう。広いルートを回り込んだりしながら攻めて来られるのが特徴のAIなので、その辺は製品版では改善されているのか心配である。

 銃の使用感にも問題あり。非常に撃っているのが軽い印象で、重量感や反動が感じられない。また命中率が良過ぎるというのも気になった。どの武器を使っても良く当たるという風で、使い分けの意義も大して無いように思える。また私は銃器のマニアでも無いので、変わった武器が出て来ると言われても特にそこには興味を感じない。

 その他は非常にスタンダードなFPSとなっており、ユニークな特徴や面白さを感じさせる要素も見当たらなかった。敵が大量で激しく撃ち合うアクション重視のFPSならばそれでもまだ良いのだが、こういうそんなに敵が出て来ないタイプだと飽きが来るのも早そうだ。進行ルートも一本道に見えるし、後はロケーションの豊富さで補うとかしか無さそう。

GRAPHICS

SOUND
 基にしているのがJupiter-FX engineなので、一般的なバリューFPSのイメージよりは上のグラフィックスとは言える。しかし各種グラフィックスの設定の多くはただ存在しているだけで、テクスチャの他はHighやMaximumに上げてもほとんど変化が見られない様に思える。オブジェクト類のモデリング精度も低く、2005年のF.E.A.R.に比較しても落ちると言わざるをえない。

 出血表現もかなり押さえ気味という印象。M - Matureのレーティングにしては物足りない。

感  想  同じ会社が同じエンジンで制作したFPSという点で、既に他のデモをプレイしている私からすると、確かにプレイ前から不安は持っていた。しかしこのゲームが最大市場である北米へのデビュー作に選ばれた物という事で、何等かの改善が見込まれるのかと望みを持ってプレイしたのだが、残念ながらそれは適わなかったようだ。先に挙げた2作品のデモをプレイ済みならば、特に試してみる必要も無いだろう。

 同社の多くのゲームは英国では定価£9.99(売価はもうちょっと下がる)で販売されており、これは北米でのバリューソフトの通常価格である$19.99レベルに当たる。しかしこのCoD2には定価£19.99が付けられており、この価格ではより売れ難くなるとしか思えない。

 米国ではさすがにその辺を考えたのか$19.99で売るようだが、それでも競争は厳しいと思われる。狙っているのはやはり米国でもバリューゲーム市場であるとは思うし、そこでならばそれなりのクオリティとしてある程度の売り上げは見込めるのかも知れない。ただ普段FPSゲームをプレイしているゲーマーにアピールするのは困難というレベルなのは間違いないだろう。

 $19.99でどうかと言われるなら以下の通り。半額以下にまで下って初めて検討するという感じか。マイナーFPSマニアにしか勧められない。

購入確率 10%  (ノヘ;)

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