☆ THE DARKNESS II ☆
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製作/販売 Digital Extremes / 2K Games   公式サイト    日本語公式    STEAM
デモ仕様 1.38GB(Steamからダウンロード)  シングルプレイ用のデモ
概  要  Top Cow Productionsから発売されている同名コミックスのゲーム化作品。既に2007年にThe Darknessが発売されているが(Starbreeze ABの製作。The Chronicles of Riddick: Escape from Butcher Bay等。)、Xbox 360, PS3のみの発売だったので、PC版はこれが最初の作品となる。製作はFPSゲーマーには御馴染みのカナダのDigital Extremesが担当。近年の仕事ではBioshock 2Homefrontのマルチプレイのコンテンツを作ったりしている。


 ※12/04/29追記

 良い方に予想が外れて、Steamから購入出来る海外版は日本語が選択出来る上に、残虐表現のレベルは海外と同じという事になっている。コンソールでの日本語版の規制内容Bulletstormの再来かと言うほどに酷い物になっているので、PC版を購入する事をお勧めしたい。


 処刑シーン集を集めたムービー(苦手な人は閲覧注意)



 太古の時代から存在する邪悪な闇の力ダークネス。その存在は力を具現化するのに宿主として人間を必要とし、それを受け入れた人間と共にそのパワーを発揮する事が出来る。主人公であるマフィアのボスJackie Estacadoもダークネスの力を宿す者の一人である。前作で一度はその力を封印したジャッキーだったが、彼の持つダークネスのパワーを狙う謎の組織ブラザーフッドに狙われ、再度その力を使って戦う事になるというストーリー。


動作環境
HARDWARE 必要環境 推奨環境
CPU Core 2 2GHz / Athlon 64 X2 4200+ 2.4 GHz Quad Core
MEMORY 1.5GB 2GB
VIDEO VRAM 256MB
GeForce 8600 / Radeon HD 2600
VRAM 512MB
GeForce 9800 GTX
SOUND DirectX互換 同左
対応OS  XP / Vista / Windows 7
DirectX 9.0c以上要


 プレイにはSteamのアカウントが必須。Nvidia PhysXのドライバ 9.11.1107以上要(インストールファイルに同梱)。

 この「PhysXのドライバのインストールが上手く行かない為に起動しない」というトラブルがあり、現在ではパッチが適用されている。もしパッチ以前にインストールしていて起動しない場合には、プログラムの追加と削除からNvidia PhysXを一度削除。その後ゲームを起動すると自動的にPhysXが再度インストールされる。

 その他では「音声からゲームは動いているようなのだが、画面が正常に表示されない」という件に対しては、オプションからウィンドウモードにしてみる, ビデオカードのユーティリティからの強制アンチエイリアス等を全てゲーム側の処理に任せる、という対策が出ている。

 それとZonealarmを使っていると動かないという情報もあり。シャットダウンさせてから、プロセス一覧にてISWSVCを止めてみる。

BASICS  最初の特徴はクアッド・ウィールディングと名付けられた攻撃システムで、ダークネスの持つ左右のデーモンアームと、ジャッキーが持つ両手武器の計4つを同時に使いこなして戦うようになっている。

 デーモンアームは左側がオブジェクトや敵を掴んだり投げたりする能力を持ち、敵を掴んで投げ飛ばす事で殺したりも出来る。オブジェクトによっては棒状の物ならば槍の様にして投げて敵を突き刺し、刃物状の物ならば頭部や体を切断可能。車のドアなどは持ったままでシールドしても使う事が出来る。(使用可能なオブジェクトは紫色に光る)。右側は強力な打撃攻撃を行い、攻撃方向を縦横に切り替えられる。また敵を一時的にスタンさせるのにも役立つ。

 火器はメインウェポンとなる大型武器を一つと、両手持ちの小型武器を2つ携帯可能。片手持ちにした場合には右クリックでアイアンサイトに、両手持ちの際には左右のボタンが各武器の発射ボタンとなる。


 武器で撃つか右打撃でスタンさせた敵, もしくはこちらに気が付いていない敵(オレンジ色に光って表示)は左のデーモンアームで掴む事が出来て、手元に引き寄せれば処刑を行う事が出来る。この時には1〜4キーが異なった処刑タイプとなり、それぞれに異なるメリットがある(ゲーム開始当初は一つしか選べない)。Health Excutionはヘルスの回復, Hitmanは弾薬の獲得, Powerはダークネスパワーのクールダウン, Demonicはダークネスシールドの発生。


 スキルツリーによる能力のアップグレード要素を持つ。敵を倒す事でエッセンスを吸収出来て、それをマップ内に点在するTalent Shrineにアクセスする事でポイントとして消費し、様々な能力を自由に選択して獲得可能というシステム。Bulletstormの様な感じで敵の倒し方によってポイントが異なり、単に倒しただけでは低い点数しか入らないので、上記の処刑などの残虐な殺害方法を積極的に狙って高ポイントを稼ぐのが重要となる。スキルツリーのTierは5種類。ゲーム途中でのリセットも可能だが、ペナルティが発生するので全てのポイントは返ってこない。

 Executions  実行出来る処刑のタイプに関する能力
 Ground Pound  デーモンアームに関する能力。刃に変える, 投げた敵を空中で停止させる, ダークシールドを作り出す, 投げたオブジェクトを爆発させる, ブラックホールを作り出す等。
 Gun Channeling  銃にダークネスを憑依させる能力。弾のダメージ増加, オブジェクトを透過して弾を発射する, オートターゲッティング等。 
 Swarm  ダークスワームを飛ばして、敵をスタンさせたりダメージを与える能力
 Combat Belt  銃器の性能を上げる能力。クリップ内弾薬数増加, 爆発弾モード, リロード速度のアップ等。


 ヘルスの管理は自動回復+ブロック方式。4つのブロックがヘルスを示し、ブロック単位でならば一定時間ダメージを受けなければ回復するが、一度全部消えてしまったブロックは自動回復しない。失ったブロックの回復にはEat Heartという能力があり、殺した敵の紫色に光る心臓をデーモンアームで掴んで捕食する事で1ブロック分回復出来る。(デモでは途中から使える様になる)。或いはHealth Excutionの様に実行する事でヘルスの回復を行える能力もある。注意点として心臓の捕食は死体が消える前に行わないとならないのと、捕食時にエッセンスを得られるのでヘルスがフルでも全て喰った方が有利である。


 ダークネスのパワーは強い光があると使えないという制限があり、明るい所ではヘルスの回復さえもストップしてしまう。よって明かりを見付けたら銃で早めに破壊しておく事が大事となる。

 ダークネスのパワーに必要なエネルギーのメーターの様な物は無いが、使用後に能力によって異なるクールダウンの時間が必要となる。この時間を短縮する能力も獲得は可能。このデモではまだ該当する能力が使えないという事なのか、クールダウンの時間を示すメーターの類は確認出来なかった。


 ジャッキーにはダークリングとよばれる邪悪な存在が付いており、彼が戦うのをいろいろと手助けしてくれる(敵に跳び付いてスタン状態にさせたり等)。これはプレイヤーの意志で呼び出すのではなくて、スクリプトで自動的に出て来るという設定の様だ。居場所は障害物を通してでも見る事が可能。ただ特殊能力の中には自発的に彼を使える能力も含まれている。


 デモには収録されていないが、製品版には“Vendettas(血の復讐)”と呼ばれるCo-opが搭載されている。これはシングルプレイのキャンペーンとは別に用意されたキャンペーンCo-opで、シングルプレイのストーリーの裏で起きていたJohnny Powell(ダークネスの研究家である奇人で、ジャッキーのアドバイザーでもある)に関連する事件という設定となり、本編とストーリー上の関連性は持っている。

 登場するキャラクターは4人で、それぞれが異なるダークネスパワーを持つ者達となり、彼等とブラザーフッドとの戦いを描いている。日本人で使用者の生命エネルギーを吸い取る刀の使い手Inugami, 特殊な銃を用いるガンチャネリングの能力者でイスラエルの女性エージェントShoshanna, ブードゥー魔術を使うニューオリンズの医師JP Dumond, スコットランド人でブーメランの様に斧を使うJimmy Wilson。

 制作者側からは4人のキャラクター設定にはダークコメディーの要素が多分に込められているとあり、例えばJimmy Wilsonはスコットランドのサッカー狂でアルコールが大好き。ブラザーフッドと戦う理由も彼等が大嫌いなイングランドの関係者だからと考えているから。彼の特殊能力は複数のダークリングを召還出来る事だが、彼自身はそれを酔っ払っている時に見える幻覚だと思い込んでいる。

 このVendettasは最大で4人までが参加可能。ボリュームはどの程度なのか不明。ソロでもプレイ可能だが、AIのパートナーとして別のキャラクタは登場しない。またCo-opでは仲間を助け起こせるので、ソロでは不利となる模様。その他にHit Listという単体ミッションが用意されているが、こちらはオンラインCo-opでないとプレイ不可な物も含まれている。


GAMEPLAY  先に断っておくと、私は前作についてほとんど知らないので変化についての比較は出来ない。

*難易度はVery Easy, Easy, Normal, Hardの4種(デフォルトはEasy)。何時でも変更が可能。
*チェックポイントセーブ。ただしこのデモでは一度終了するとリセットされてしまう。
*ビデオやサウンドの設定は保存されない。操作設定は保存される。
*ゲーム中の一部のムービーはSpaceでスキップが可能

*カバーシステムや左右へのリーンは無し
*銃の発射モード切替は無し
*照準は移動や連射で広がる。屈みでは変化しない。
*敵に照準が合わさると赤くなる
*スプリント可能。スタミナの概念は無いようだが、遅い上にブラーエフェクトが掛かる。
*弾薬は敵が落とした武器から自動で回収出来る。武器交換も可能。
*コントローラー使用可能。オートエイム機能あり。


 4つの武器を操るというシステムを採用しており、デーモンアームは左がQキー, 右がマウスの中央ボタンにアサインされている。個人的にはCMBをリロードにしたいので右をEにアサインしたが、操作性については大きな問題は無し。右のデーモンアームはキーを押しながら縦方向or横方向にマウスを動かして攻撃方法を指定するという方式なので、これが少しやり辛いと感じるくらいか。しかしこのゲームに関しては明らかにコントローラーでの操作の方がやり易いとは思う。

 デーモンアームは設定でオートエイムを切っている状態でも自動照準が働く様で、掴んだオブジェクトなどはわざと外す位置に投げても近くの敵に命中する。その意味では銃よりも優位。逆に意図しない近くの物を掴んでしまったりもある。それと微妙なタイミングの問題なのか何等かのルールがあるのか判らないが、敵を掴んで処刑しようと思ったらすぐに投げて殺してしまったりも発生する。


 銃の照準は結構大きめだが命中率の方はそこそこ。動いていると大きく広がって当たらないし、カバーに隠れたりリーンは出来ないので、ある程度オープンな場所へと出て立ち止まっての撃ち合いになる。しかし被ダメージがかなり高目で(Normal)、ヘルスのゲージはあっという間に減らされてしまうというバランス。よって車のドア等を掴んでシールドにするのは有効な手段。ただし難易度が高いのかというとそうでもなく、途中でEat Heartの能力を得れば死体の心臓を喰って回復出来るようになるので相当楽になる。


 ちょっと意外だったのはデーモンアームに想像していた程の能力の偏りが無いという所で、武器攻撃の方にも重点が置かれている。デモでは処刑によって30ポイントが獲得出来るが、銃でもヘッドショットすれば20ポイントなのでそれ程劣る訳ではない。スキルツリーで獲得出来る特殊能力もガンチャネリングを始めとして銃器関連の物が数多く、育て方によっては銃器メインのキャラクタとしてもプレイ出来そうな印象である。この自由度はリプレイ性を高める意味でも面白そう。

 また心臓を喰って回復可能とは言っても、デーモンアームの射程距離に入らないとこれは使えない。そして敵の集団に接近するのは被ダメージが高くて危険という設定なので、まだ生き残りが数人居る場所へと心臓を喰いには行かれない。そこで中距離以上ではカバーで回復しながら銃を使って敵を倒し、敵が減るか全滅した所で回復の為に死体に近付くという戦法が有効になるという風に、銃器での戦闘無しでは突破は難しいともなっている。


 ダークリングがどこまでゲームに絡んでくるのかは不明だが、途中で勝手にノンビリと休んでいたり、いきなり屁や小便をたれたりとキャラクターとしては面白い存在である。ユーモア担当として設定されているようだ。


 残虐表現はこのデモではまだ一部だけの様だが、デーモンアームで体を縦に引き裂いたり, 体を喰い破ったり, 投げたオブジェクトで首や胴体を切断したりと確かに過激な部類。だがその残虐性を抑える為に、処刑の方法などは自由に選べずにランダムな物が選択される様になっている。

GRAPHICS

SOUND
 エンジンは自社制作のEvolution Engineを使用。そしてこのゲームでは原作がコミックスという事から、独特なコミック調のシェーディングや、ノワールスタイルのライティング表現を用いているそうだ。特に服や顔の表現が独特である。

 個人的にマイナス評価なのがこのグラフィックスで、技術的にはどうだか知らないがこれは私の好みではない。設定として暗い場所が多くなるのと合わせて、黒潰れの様になって汚く見える箇所が多く、このタッチはムービーシーンとかに限定して普通のグラフィックスでやった方がずっと良かったのではないかと思える。(原作コミックスがこういうトーンだというなら仕方ないが)。明るさ調整も指示通りに設定したのでは暗過ぎるという感あり。


 ドルビーデジタルのロゴがあるが、サラウンドにしなくても3Dサウンドに対応している。

感  想  銃器と魔法(超能力)の組み合わせで戦うといった物はそこそこあるが、他の物理的な攻撃方法を組み合わせて使うという設定はユニーク。銃器とデーモンアームの連動はデモだとあまり上手く行かなかったが、これは慣れてくれば大丈夫そうだし、特殊能力が増えたりすれば更に幅を増すだろう。両者のどちらに重きを置くかについての自由度が高そうなのもポイントが高い。

 製品版を購入する上でのポイントの一つ目は敵のバリエーション。このデモでは雑魚の人間しか登場しないのでその点では正直言って面白くない。どうやら製品版では弱点となる光を放つ武器(orフラッシュバン)を使って来る者や、ダークネスの力を使える特殊な敵が登場するそうなので、その辺で戦闘にどれだけ変化を付けられるのかに期待。

 次にレベルアップによる変化とゲームバランス。説明は読めるが具体的にレベルアップでどの位プレイ感が変わるのかは解らない状態。こちら側がレベルアップで圧倒的に強くなってしまうというのは不味いが、大して爽快感がアップしないというのも同様に良くない。

 そしてCo-opのボリュームと面白さ。各キャラクタにスキルツリーの様な物が用意されているのかも重要で、これが無いと単体のキャラクタを使っているうちに飽きる恐れがある。


 評価 75点

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