☆ DIE HARD : NAKATOMI PLAZA ☆
                                                                               02/02/14



製作/販売 Piranha Games /Fox Interactive /Sierra
デモ仕様 86MB   4MAP収録
概要  元々はHalf−LifeのModとして趣味的に作成されていた物で、開発中にクリアしないとならない版権の問題でFox映画とコンタクトを取っていた所、その内にいっその事製品版として出さないかという話になったそうだ。その後Fox自体はゲーム製作関連から手を引いたために、それを受け継いだSierraからからのリリースとなっている。

 ゲームは当然の事ながら原作のストーリーを踏襲しており、それに幾らかのオリジナルな膨らみを加えた物となっている。映画の主要な人物は全て登場するし数人は声の出演もしているらしい。

 このゲーム最初は正統なリテール版3DFPSかと思っていたのだが、その後の様子を見るとValue Softなのか?という風に考えていた。Value系ソフトというのは通常情報関係が非常に少なくて、一般的なゲームサイトでもValueという事で扱いがほとんど無い。このゲームもまた3月発売という割にはここまでの露出量が極端に少なくて、価格も通販サイトでは$29.99と微妙な線であり、何とも言えない感じでここまでは見ていた。
 今回明らかになった実際の扱いは、メーカー側ではValue Softであるとは言っていないが、やはり作りはそれなりというレベルの物のようだ。コアな3DFPSファンを狙っているというスタンスでは無く、一般的なゲーマーや単純に原作映画のファンといった層をターゲットにした作品といえるのではないか。
GAMEPLAY  まず一見して確かに最新の3DFPSのレベルには達していないが、Value特有の全体から漂う安っぽさ、ゲームのやる気を削ぐような安易な造り、というものは感じられない。それなりにちゃんと作成されていると言って良いだろう。それほど大きくは無いものの遊べるMAPは4つ収録されているし(製品版は38収録)、デモとしてはボリュームも結構ある方だ。
 ゲームの内容もMAP毎にゲーム性を変化させて単調にならないように工夫してあり、銃撃戦だけで無くアクションもいろいろと要求される様になっている。所々でイベントとして簡単なストーリー解説のムービーも流れると演出にも結構凝っている。

 Normalでプレイしたのだが、このゲーム結構難易度が高い。まともに撃ち合うとすぐに死んでしまうバランスで、回復薬もそれほど用意されていない。よって壁の角からLeanを多用したりうまく敵を誘い込んだりして戦わないと厳しい。しかし最初のMapでは急がないと爆弾が爆発してしまうし、屋上でのMapは戦闘中にニッパーに持ち替えて”作業”をしないとならずにかなり厄介だ。それとスタミナバーがあるので自由に走る事が出来ず、回復するまで待たないとならないこともある設定。
 敵もキッチリ頭を撃たないとなかなか死んでくれない様で、結構倒すのにマシンガンを撃ってしまうと弾切れの危険性もある。敵が落とした銃を拾う事は出来るが、敵はトリガーで発生するのでヘルスが低い時は迂闊に動くと危険でもある。更にかなり頻繁にReloadしないとならないので、つい敵と撃ち合い中に切れてしまうという事もよく起きる。クリアまでには何度か死んでパターンを憶えないとならないタイプのゲームであると言えよう。

 敵はあまり頭はよろしくないが、壁からちゃんとLeanして撃ってきたりするし、転がってこちらを惑わすような真似もしてくる。しゃがんだりとかして当りにくい様にしたり、物陰に逃げ込んだりも行ってくる様だ。通常こちらの居場所にやってくるので迎え撃つ形にするのが理想だが、入り組んだ場所ではどこから来るのか分かりにくく不意打ちを食ったりする事も。
GRAPHIC  エンジンにはValue ゲームでは定番の初代Lithtechエンジンを使用(ライセンス料が安いらしい)。やはり最近の物と比較すると見劣りするのは否めない。グラフィック設定も一昔前の物を見るようで、普通のマシンでも動くよう軽さ第一という感はある。

 敵のアニメーションは結構凝っているのだが、滑らかさには欠ける印象。ただしキャラクタのパターンはかなりの数が用意されている感じで評価できる点。なお血は派手に出るが死体は負荷を避ける為かすぐに消えてしまう設定になっている。
SOUND  これは弱点かもしれない。映画物となるとここは重要と思うのだが、残念ながら武器を含めてそれほど迫力は感じられない。BGMは映画と同じ物なのか記憶に無いので不明。セリフは多くて面白いと思うのだが.....
INTERFACE  操作性は基本的な3DFPSの物。3人称視点は用意されていないようだ。IFも開くドアや何かが出来るオブジェクトの時はカーソルが変わるので分かり易い。動きも特に変な所は感じられないし、まともな部類と言えるのでは無いか。

 気になったのはAlways Runが無い事で、イザという時にShiftを押しながらでないと走れないのはちょっとやりにくい。Saveも5つしかスロットが無いようだが、製品版では5つは少ない気がする。Load時間が非常に早いのは好感が持てるのだが。

 最後にReadmeには書いてあるのだが分かりにくいニッパーの使い方について。これは手に入れた後、Sidearmのピストルを選択してから武器選択(マウスホイール等)で選択出来る。右下画像がニッパーになったらクリックで持ち替え。その後カーソルが変わる部分にて使用出来る。それとZippoは使う所があるのでアサインしておこう。無線は自動のようだ。
安 定 性  安定はしているが、メニューの文字が潰れて読みにくい個所有り。製品版では様々な問題点は解決するとかいているが。RadeongだとHUDが正常に読めないというトラブルが有り、これは最新ドライバにしてプロパティ上でAlternate Pixel CenterをONにして(再起動)やれば直るそうだ。
感  想  想像していたよりはしっかりと作り込んである印象で、様々な変化を付けて単調にならないようにしている点も好感が持てる。それとデモでは未使用らしいのだがモラルメーターという物が存在しており、これによって味方警察(SWAT)・人質・テロリストのリアクションが変化するという要素も盛りこんでいるらしい。グラフィックは今一つであるが、原作のファンならばデモを試す価値はあるだろう。

 ただ値段が$29.99というのは高い様な気も。全体的な長さは確認出来ないが、10時間程度で終わる長さでこのクオリティだと、$19.99で結構クオリティの高い物が出て来ている中ちょっと高い印象。思い切ってこれも19.99で行けばもっと食指の動く人がいたかもしれない。3DFPSファンからすると他に遊びたい物が無いとかでないと、敢えてこれという選択をする意味も無さそうだ。売れなければ値はすぐに下がる世界なので、急いで買う事も無いだろう。


 (03/04/16) 購入せず。あまり売れなかったようで、現在は他のゲームとのセット物として廉価販売されている。

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