☆ ELITE WARRIORS: VIETNAM ☆
                                                                                05/04/04


製作/販売 nFusion Interactive / Bold Games        公式サイト
デモ仕様 396MB   シングルプレイ用ミッション1個 & マルチプレイに対応
概要  これまでにDeadly DozenシリーズやLine of Sight: VietnamをリリースしているnFusionからの新作。今回はLoSVと同様にベトナムを舞台にしており、当時実際にトップ・シークレットのミッションに携わったSOG(the Studies and Observations Group - 主にGreen Beret)の一員として8つのミッションに挑む事になる。ゲームのアドバイザーには実際にSOGのメンバーだった人間を迎えている。

 製品は既に北米では$29.99にて発売されているが、マイナーなタイトル故に売っていない店も多いようである。なおこのデモのバージョンは製品版と同じという話(つまりパッチが出るまでは製品版も安定度等は同じレベルの意味)。

動作環境
HARDWARE 必要環境 推奨環境
CPU Pentium III 866Mhz Pentium 4 2Ghz
MEMORY 256MB 512MB
VIDEO Direct3D 9.0 compatible 64MB VRAM 128MB VRAM
SOUND DirectSound 8.0 compatible 3D 対応
対応OS  98/ME/XP
DirectX 9.0c以上要


 グラフィック・エンジンは同社のオリジナルの物をDX9.0用に改造したそうだが、目に付くようなアップデートはされていない。むしろグラフィックスのレベルの割には相当に重くなったという感じで、重いと感じる方は設定を落とした方が良いだろう。それとマップのロード時間が非常に長いので止まったと勘違いしないように。

 ゲームが始まってしまえば或る程度安定はしているが、セーブした時に落ちたのが一回。それとマップのロードが終わった後にデスクトップ落ちが数回有った。なおマルチプレイの接続時には解像度を800*600にしておかないと落ちるという情報有り。

GRAPHIC  多少キャラクタのモデルが良くなったようには見えるが、アニメーションの単純さは以前のゲームと変化無し。ベトナムの特徴である木々が茂っているという感じは出ているが、特にクオリティが高いとは言えない。それと今回は制作費の問題からか(Mod製作を簡単にする為とも言われているが)一人称視点での武器表示が省略されており(Ghost Recon風)、気になる人にはやりにくい仕様かも。Teen指定なのでBloodも無い。

 基本的に小規模な会社なのであまりグラフィックには力を入れられないという事で、その辺には期待しない方が良いだろう。数年前は大手に比べると頑張っているという感もあったが、ちょっと今回は新世代グラフィックの波に付いていけていない。
GAMEPLAY  基本的なシステムはこれまでの同社のゲームとほぼ同じ。Squadは4人編成で切り替え操作可能、隊員にはHold Fire/Hold Position/Follow Meといった簡単な命令が可能、メンバーは10種の能力パラメータを持つ、難易度の他にArcade/Realisticの切り替え有り、三人称と一人称の切り替え式、ヘルスパックでの回復有り、セーブ&ロード可能、携帯装備に重量制限等。異常な速さで這い回れる例のProneも健在。

 このゲームのユニークな点は、進行が2つのフェイズに分かれているという所にある。ゲームの基本画面は地図を表したマップであり、ここでプレイヤーはミッション遂行までの期限(日数)を与えられて、スタート地点と脱出地点及び行軍のルートを決定する。例えば遠方の地点は目的地まで日数は掛かるが敵に遭遇する率が低く、近場だとその逆。途中で補給ポイントに寄るという設定も可能。

 まずスタート地点に駒が現れて、移動速度をSlow/Normal/Doubleから選択すると駒がルートに沿って動き始める。当然Slowな程時間が掛かるが敵との遭遇率は減り、速いほど日数は減らせるが敵に見つかる確率は高くなる。一日移動すると休むかどうかの選択肢が出て、それに応じてまた選択を行っていく。ゲーム中にモラルのパラメータが表示されるのだが、おそらく無理な移動をしたりするとこれが下がって能力値が落ちるのではないかと思われる。
 また途中各種イベントも起きるようになっており、「兵士が怪我でミッション中能力値が減少」、「敵と遭遇したがステルス値が高かったのでセーフ」といった物が有った。自分で休憩や補給のコマンドを行う事も出来るようになっている(ただし減点対象)。

 そしてキャンペーンクリア後に出る成績に応じて勲章及び得点が与えられ、これはハイスコアを競うと同時に、製品版ではこれが高いほどメンバーのパラメータをより伸ばす事が可能となると思われる。日数を減らして速くクリアするほど高得点になるはずだが、それだけ危険度が増すしメンバーの能力も低下する可能性が有るので、その辺を考えて移動過程を考えないとならないというストラテジー面を持っている訳だ。


 この作戦画面にてミッションの目標地点に到達すると、マップが読み込まれて通常のアクションゲームがスタートする。このマップの中身は常に同一となるが、天候の変化が有って昼夜の変化や雨になったりも有り得る。それとその他に作戦画面での移動中に敵のパトロールに遭遇する事があり、この場合には小さなマップがその都度読み込まれて敵と対決になる。ここでは数人の敵を倒した時点でクリアとなって再び作戦画面に戻るという風になっている。最後に脱出地点に到達するとそれ用のマップが読み込まれて、そこでも敵と戦ってクリアとなるという構造。

 アクション面は概ねこれまでの作品と同様であり、Normal/Realisticでは結構死に易いバランス。AIメンバーは或る程度自分で動いてはくれるが、死なないようにするには上手く操作を切り替えたり前に出さないようにするといったケアが必要となる。
 変わった点としては、左クリックでフルオート・右クリックでセミオートという操作性、ズームキーにより肩越しの視点が選択可能、スペースキーにて上空からの視点となりここで隊員の操作が可能となるといった箇所。

 この会社の過去のエンジンでは敵AIの視界が草木を透過してしまうようになっており、それに加えて敵の感知能力が高いという点が問題視される事が多かった。その点今回は敵の感知能力が落とされており、撃たれるまではどこにいるのか分からないという理不尽さは減っている。その分近距離でも気が付かない事が多いという場面は増えているがこれは仕方が無いだろう。

 武器は相当に当たりにくくなっており、M16やCar15等のライフルをセミオートで狙っても中々当たらないというケースが多い。その反面Sniper Rifleは正確な上に殺傷率が高くてアンバランス。圧倒的に強いという印象でちょっと問題だろう。弾薬は少なくまたマップ中は自軍の武器は補給出来ないので、作戦画面で補給するか、敵の武器を拾ってやり繰りするしかない。

 ミッションのマップ自体は目標を連続して達成して進んで行くというスタンダードな物であり、特に出来が良いという物ではなかった。ステルスを重視したゲームという点もあまり感じられず。


 Coopについては重いしバグ有りとなっており未完成という印象。また単に同じミッション遂行用マップが出て来るだけという点も問題あり(シングルでの天候のランダムな変化が無い)。

SOUND  元々あまりサウンド面は強くなかったのだが、それは今回も同じという印象。ただ3DサウンドをONにした際に定位感がおかしくなるという問題は改善されているようだ。その一方でグレネードを投げる瞬間に止まったりと、サウンド発声には問題が感じられる。製作側も問題が有る場合にはデフォルトの2Dにしてほしいと記している。

感  想  作戦画面によるプラニングは面白いと感じた要素。欲を言えばもうちょっと多彩なイベント発生が欲しい所である。アクションの方は今までと大して変わらずという感じで、こちらはもっと進化して貰いたかった。ランダムな天候の変化は評価出来るが、肝心のシューティング面が変わり映えしない。予算が大して無いのは分かるのだが、銃の迫力や各種アニメーションには力を入れてもらいたい。

 8個収録というミッションも、それぞれにどの程度変化が付けられているのかになるだろう。このデモの様な如何にもベトナムというストレートな物は、既に多くのゲームが出ているだけにインパクトに欠ける。後は各キャラクタにパラメータが有るので、ライフルでの射撃が下手な隊員を使うと撃っても当たらないといった要素は好みが分かれる箇所となるだろう。

 私自身はCoop好きという事も有り、その方面で頑張っているこの会社を応援する意味でも製品版は購入すると思うが、Coopに興味が無いという方には残念ながら魅力に乏しい作品となりそう。よっぽどベトナム系のゲームに興味がある人でないと、全体的に廉価版の雰囲気が漂うこのソフトを購入する気にはならないだろう。個人的には同じ会社の物ならばDD2の方がお勧め。


 購入確率 90%  (*´ー`)      その後予定通りに購入

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