☆ GLOBAL OPS: COMMANDO LIBYA ☆
11/11/02
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製作/販売 | Spectral Games / bitComposer Games 公式サイト | |||||||||||||||
デモ仕様 | シングルプレイ用のマップを2個収録 663MB | |||||||||||||||
概 要 | 制作のSpectral Gamesは2009年設立のポーランドの新興会社で、Medal of Honor: Allied Assault, Men of Valorの制作に関わった2015社や、Necrovisionの制作メンバー等が集まって作られているらしい。代理店はドイツのbitComposer Games (S.T.A.L.K.E.R.: Call of Pripyat等)。ただしここはあまり大手では無く、特に北米地域では弱いので、同じドイツが本社のKalypso Media(Tropicoで有名)と提携して、北米地域の配給はKalypso Media USAが行う事になっている。 既にゲームはドイツで9月に発売されており、他のエリアでも10月末に発売済み。現在リテール版はあまり多くの店で取り扱われてはいない様だが、Steam他の大手ダウンロード販売ショップで販売中である。発売時の価格は$29.99。 PCのみでの発売。相当マイナーな作品である事は確かだが、一応発売側の立場としてはバリューゲーム扱いという事では無いようだ。ほとんど知られていないタイトルではあるが、偶然にリビア情勢が大きなニュースになっている時期なので、宣伝という面では運が良かったと言えそう。 このデモはシングルプレイのみでマルチプレイは含んでいない(製品版にはある)。特定のDRMは使用していないので単体で動作可能である。 1968年に北極圏でB-52Gが墜落。原子爆弾を搭載していたのだが、その内の一つが見付からぬままに終わる。そして2011年になり、ロシアのマフィアがこの原爆を発見して回収。そしてこれを米国と対立するリビアへと売りつける事を計画する。プレイヤーは特殊部隊の一員として、この原爆を取り戻さないとならないというストーリー。 |
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動作環境 |
DirectX 9.0c以上要 トラブル関連は情報が少ないので現状ではどの程度多いのか不明。それ程高速のPCを必要とはしない様に思える。 大きな問題として、このゲームでは操作キーの設定がオプションからは出来ない。またマウスのセンシも変えられない。PC専用のゲームでなんでこんな事になっているのか解らないが困った仕様ではある。それと製品版ではチュートリアルとかマニュアルが在るのだと思うが、このデモではそもそも操作キーのガイドが無いので、何がどの操作に当たるのかすら解らないという状態である。 設定する方法は \My Documents\My Games\GlobalOps-CommandoLibya-Demo\GO_Game\Config 内の GO_Input.ini を開いて自分で書き換えるしかない。 |
GAMEPLAY | まずは上記の様にキー操作が解らないので判明している分を書いておく。WSADで移動。RMBでズームモード。Spaceでカバーに張り付く動作を行うが、通常時は[移動キー+Space]でローリング動作も可能。EがUse,
FでMelee, RかTMBでリロード, Gでグレネード。武器は1と2キーで選択となり、4だとグレネードを投げる。 その他に設定ファイル内を見るとCrouch動作があるのだが、これはどうやら背の高いカバーに付いた時にのみ可能な様だ。RMBとは別に設けられているZoom操作については、おそらくスナイパーライフルを持った時のみ使えるのだと思う。それとスプリントキーが効かないので困っていたのだが、デモの最後に来て偶然に発見した。W+LShiftに加えてSpaceを押下するとスプリントになる。 デモはどちらもミッションの一部と思われるマップを2つプレイ可能。両方足してもあまり長くはない(20〜30分位)。どちらでも選べるが、最初の物をクリアすると自動的に2番目のマップに切り替わる(装備持ち越し)。 *三人称視点固定 *武器は2つ携帯可能で、マップ内で他の物と交換出来る *カバーシステムを採用。カバーの陰からRMBで身を乗り出して撃てる。 *乗り出さないで撃つとブラインドファイア *グレネードは4個まで持てる *難易度は3種で途中での変更は不可 *チェックポイントセーブ方式 基本的にAIとコンビでプレイする方式らしく、相方が指示を出したりする事が多い。その相方は無敵設定なので助け起こしたりする必要は無い。命令指示操作も無しで勝手に動くが、プレイヤーが目標を達成するまでは先に進まない様になっている。 ゲームの進行はイベントによって進められるCall of Duty系のゲームだと思われる。方向指示系のガイドやミニマップは無いが、進行方向に迷うことは無いだろう。ただ最初のマップがある程度自由にルートを取れたりとちょっと変わってはいる。 UE3を使用しているカバーシステムの三人称シューターといった点からGears of Warが連想されるが(ダメージを示す髑髏マークも一緒)、実際にプレイしてみると「うーん....」という感じに。まず第一に重厚感が無く軽い、もっと言うならショボイという印象。エフェクトとしてもサウンドとしても銃撃の迫力が足りない上に、グラフィックスのクオリティが低いのでCoDシリーズの大幅劣化版の様になってしまっている。特に敵に攻撃が当たっている感が乏しく、単なる薄い血煙のエフェクトなので離れると判らず、被弾時のリアクションも足りない。よってある程度当てると突然倒れて死ぬといった具合。Matureのレーティングらしいが、ゴアや流血の要素も一切無し。 次にこれはデモのマップ選択が不味かったという可能性はあるけれども、単に湧いてくる少人数の敵と戦うだけの繰り返しと恐ろしく地味である。これには難易度がMediumだと簡単で緊張感が足りないというのもあるだろう。 そして一番の問題と言えるのがAI。カバーに隠れる能力はあるのだが、考え無しにカバーに付くので位置的にはこちらから丸見えだったりする。そして撃たれても動かない傾向にあり、そのまま死ぬまでカバーに張り付いている。接近してもこちらに気が付かないケースも在り、目の前に居るのに反応が無いという事も起きる。後はオブジェクトに向かってスタックしてしまったり、こちらに向かって突進して来たまま自分の前を通り過ぎてしまう事もあった。 相棒のAIも相当に問題あり。射線の判定がおかしいらしく、壁を通して当たらない敵を延々と撃ち続けたりするのが一つ。次にカバーの位置選択が変で、同じカバーを挟んで敵と向かい合うというのがよく起きる。更には前の方に強引に突っ込んで行って敵をMeleeで皆倒してしまう(無敵なので)なんて事態も発生する。 ゲームの中で面白い要素としてカバーの破壊というのがあり、木のカバーは普通に撃って壊せるし、コンクリートでも最初から持っているLMGやグレネードで壊すことが出来る。なので敵の隠れているカバーを壊したりが可能だし、自分のカバーも安全では無いという設定になっている。 ところがAIがこれを認識出来ない為に、その特徴が上手く機能していない。カバーが破壊されていてもそこから避けない事が多いので簡単に倒せるし、破壊されて役に立たないカバーに平気で張り付いてしまう。味方AIも同じなので、壊れているカバーに隠れてお互いに向かい合い、完全に相手が見えているのに透明なカバーから身を乗り出して撃ち合ったりという間抜けなシーンが見られる。 最後に戦闘の特徴としては、被ダメージの表現に周囲を赤くするのでは無く、中央部に髑髏のマークを表示して赤くするという方式を採用している。よってダメージを受けていても比較的視界は見易いのだが、引き際のタイミングは慣れないと掴み辛い。ただダメージを受けていても動作にペナルティが無いのと、Mediumでは結構耐えられるバランスなので易しめ。 銃の集弾率はそこそこだが、一定以上離れると相当に当たり難くなるので、カバーを使って敵に近寄らないとならなくなっている。当たっていないのか敵が硬いのかは不明だが、次々にヘッドショットで敵を倒していける様なバランスでは無い。一方でショットガンは接近すればかなり強い。 即死攻撃のMeleeは強いが、逆に接近すると三人称視点故に銃では狙いが付け難くなり、また敵からの近接攻撃で殺される恐れもあるという風になっている。 |
GRAPHICS & SOUND |
Unreal Engine 3を使用しているが、言われなければ判らないという低レベル。解像度以外の設定が無いという時点で嫌な予感はしたのだが、まあ5年前のゲームと言っても誰も疑わないだろう。描画エンジンがどれだけ優れていても、ちゃんと作り込まないと駄目だという事例に相応しいゲームである。 静止画やトレーラーを見た時点ではそれ程酷いようには見えなかったのだが、実際にプレイするとテクスチャの精度の低さ, キャラクタモデルの粗さ, アニメーションの奇妙さ, エフェクトのショボさ等、全般的にクオリティが低い。 グラフィックスが全てを決める訳では無いが、こういったCoDタイプの軍事アクションだとそのクオリティの低さがゲームの質に与えるダメージは大きいので、もうちょっと何とかならなかったのかと思える。 |
感 想 | 偶然リリースされたばかりのデモを発見して、その後トレーラーを見てそこそこ面白そうではないかと考えてプレイしてみたのだが、トレーラーに騙された感は否めない。酷いというまでには至っていないが、2011年の今アクションゲームの市場に挑むにはこれでは力不足なのは明らか。パッチでグラフィックスやサウンドのクオリティを高めるだけでもかなり改善されるとは思うのだが、金が掛かるパートだけにそれは難しそう。 製品版に比較してこのデモが地味というのはありそうだと思うのだが、それにしても基礎的な部分に問題が多い。それとマルチプラットフォームでPC版が冷遇されるならまだ解るが、PC専用でグラフィックスのオプションが無く、キーの設定すら出来ないというのはどういう事なのだろうか。 製品版でのシングルプレイは全9ミッションで4〜5時間程度のボリュームという話。マルチプレイはあるのだが、サーバーブラウザが無いというこれもまた無茶苦茶な仕様だそうで、実質直IPでしかプレイ出来ないとなるともう駄目だろう。コンビプレイなのにCo-opが無いのも痛い。これで$30という価格設定では成功するのは無理だと思える。 デモを出して購入前にクオリティを確認出来る様にした姿勢だけは褒められるが、正直言って購入者を減らすだけに終わりそうだ。昔のゲームをプレイすると思ってやればそれなりに楽しめるかもしれないが、それには値段が大きく下がることが必要になる。 評価 30点 (近年ダウンロード販売を中心に極端に安い価格でゲームが手に入り易くなったというのもあり、特に欲しくないゲームでもつい買ってしまうというケースが増えたので、「購入確率」での評価が適さない状況になってきました。そこでここからは純粋にデモにおける点数評価という形式に変えたいと思います)。 |
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