☆ GUISE OF THE WOLF ☆
13/05/16
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製作/販売 | FUN Creators 公式サイト | |||||||||||||||
デモ仕様 | 570MB V2.0 ゲーム序盤をプレイ出来る(平均プレイ時間は30−45分とされている) | |||||||||||||||
概 要 | 人間と狼男の姿を切り替えながらプレイする、制作者曰く、“Horror Mystery
Action Adventure”。FUN Creatorsは2011年に設立されたNYのインディーズ会社でこれが第一作目(平行して制作中のゲーム有り)。他に別のインディーズ会社へのアドバイザー的な仕事も行っている模様。 制作チームは4−5人ほどだそうで、現在最終段階に入っており発売は近いとされている。価格は$9.99〜14.99を想定。販売サイトにはGamersgate, Greenmanといった名が見られるが、Steam Greenlightでも投票を募集中。 シングルプレイ専用。デモは公式以外にatomicgamer等からでも落とせる。 舞台は17世紀のUhorsko(ハンガリー王国)。主人公で錬金術師のドミニクはある城から、周辺に出没している狼男とその軍勢を倒す為の薬を開発して欲しいという依頼を受ける。だが城へと向かう途中で彼自身が狼男に噛まれてしまい、その呪いで月の光を浴びると狼男に変身する体となってしまった。彼は自分自身の命を救う為にも、敵の狼男を倒す薬を開発しないとならない。 |
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動作環境 |
DirectX 9.0c以上要 現時点では公式に掲示板が無いのでトラブル情報等は不明。操作はXbox 360コントローラーにも対応。 インストール時にフォルダを選択可能だが、そこには一部ファイルのみが含まれたフォルダが作成されるだけで、ゲームのコンテンツは C:\FUN Creators にインストールされてしまう。今時C:に強制インストールという仕様とは考えられないので、インストール用パッケージ内のフォルダ設定が誤って指定されているのではないかと思われる。 サウンド再生に問題がある場合には、同梱されているOgg Vorbis DirectShow codecをインストールする。 デモとは言え作りには問題が感じられ、まず解像度を指定する方法が無い(開いて書き換えられる設定ファイルがどこかに在るのか不明)。グラフィックス関連の設定も一切無し。 次にマウス感度が設定出来ない。操作キーも変更不可で、例えば屈むがCtrlなのでやり辛い人は困るだろう。(私自身は感度と屈みの操作はマウス側のユーティリティーから設定した)。さすがに製品版でもこれらの設定が全部不可能という事は有り得ないと思うが(もしそうなら掲示板等が炎上する可能性大)、完成が近いとされるゲームのデモならば設定可能項目を増やすべきだろう。 |
BASICS | ゲームの基本システムを解説。一番の特徴は人間と狼男の切り替えが発生する点で、ドミニクは月の光を一定量以上浴びると呪いで狼男に変身してしまう。ただし多くの場面ではこれを避ける事が可能であるし、むしろ狼男に変身する事を利用して進めていくゲームともなっている。 人間の状態では、マップ内の探索, ドアの解錠やスイッチ類の操作, 各種薬の調合, 発見した文書類からのストーリーの理解, 他の人間との会話等が行える。この人間の状態では敵とは戦えない為に、その軍勢に出くわした際にはステルスで身を隠してやり過ごす必要が出て来る。その他では呪いが掛かっているので幻覚が見えたりするという症状も発生する。 特に重要なのが探し出した原料を使って作成するポーションで、治療, 狼への変身の抑制, 狼への変身時間を延ばす, 敵の狼を寄せ付けない, 会話時に有利に働くチャーム等を調合可能。最終的には自分を噛んだ敵の親玉を倒すポーションの作り方を発見しないとならない。 狼に変身すると、ジャンプ力の増加で人間では到達出来ないエリアに行かれる, 高速で走れる, 敵と戦える, 金網や木のバリケードを破壊可能といった能力を使えるようになる。能力は月のエネルギーが尽きるまで使えるが、その光の届かないエリアでも城のガードや一般人を殺す事でエネルギーを得て変身状態を持続出来る。 他の違いとしては狼男の状態だとある種のトラップに引っ掛かると死亡してしまう。逆に人間の状態では一般的なトラップや火で死亡する。また狼男の状態では落下ダメージを受けないが、逆にその重さの為に人間でないと壊さずに渡れない橋も存在している。 広大なエリアを用意しており、進行に連れて各所がアクセス可能になっていくが、その中で脇道等を自由に探索可能という要素あり。直線的に進めば5〜7時間程度の内容だが、これはプレイヤーがどれだけ探索するかによってかなり延びるらしい。ストーリーの内容は見付けた文書類の数が多いほど深く知る事が出来るようになっている。NPCとの会話は総当たり方式ではなく、選択肢によってアイテム入手の可否など若干の変化が生じるシステム。マルチエンディングを採用しておりリプレイ性を持っている。 |
GAMEPLAY | 技術的な面で問題点が沢山あるのでそこから。第一に上で書いた様に設定可能な項目がサウンドのボリューム程度しかない点。 アイテムはインベントリー画面を開いて選択し、それを持った状態で対象に向けて使用するという一般的な方式なのだが、インベントリー画面にてオブジェクト名が表示されない(最初に見付けた時に出るだけ)。それとインベントリー画面を表示する操作キーを指定出来ないので(IかESC)、閉じたり開いたりがやや面倒(すぐに押せる場所にアサインしたい)。それと持ったアイテムを解除するのは右クリックだが、インベントリー画面上で押すと他のアイテムが全部消えてしまう(おそらくバグ)。 キー(鍵)の使われ方がバグらしく変である。最初に貰ったキーは、それを使って開く扉で自動的に使用される(手に持つ必要無し)。ところが二番目のキーは自動的に使用されず、それが原因で一時詰まってしまった。一応選択して持った状態でも試したが開かず、行く所が無くなって再度試してみたら、今度は持っている状態で開く事が出来た。ところが二回目のプレイでは逆で、最初の扉はキーを持たないと開かず、二番目の別のキーで開く扉はそのまま開けられてしまった。 一部の(曲線型の)階段を登る際に引っ掛かってしまう。これに気付かないとは思えないので、エンジンの仕様として直せないのか? 中でも酷いと感じられたのがエリア切り替え。例えば最初はアウトドアからスタートするのだが、非常に狭いにも関わらず2つに分かれておりロードが発生してしまう。初回のアクセスではHDのランプが点くのでデータを読んでいるのが判るが、前のエリアに戻る際にはランプは点かないのにやはり画面が真っ暗になって時間が掛かる(何等かの処理をしている様子)。次に城内に入るが、最初の部屋から出るのにこのロードが入り、隣の部屋に入るのにもまたロードという始末。エリア自体は狭いので部屋の内部データも一緒に読み込んで問題無いレベルのはずだがそうなっていない。更にこの待ち時間が2,3秒程度ならばまだしも10秒位待たされる。使用しているエンジンで制作された他のゲームを(多分)プレイした事が無いので、エンジン性能の限界なのか、それとも単に制作者の技術が低いのか何とも言えない。 肝心のゲームの中身の方だが、視点は一人称視点固定でこれは狼男に変身しても同様。操作としてはスプリントと屈みが可能で他に特に変わった操作は無し。やるべき事は主人公自身が日記形式で記載し、更新されると画面上に羽根の印が出るようになっている。難易度選択は無し。オートセーブ方式を採用。 アイテム類は取るとインベントリーに収納され、使い終わると自動的に消える。捨てる操作は無いので、大量のアイテムの中でどれを持ち運ぶかをマネージメントするといった要素は無さそうだ。Use出来たりする場所はアイコンが変わるのでハッキリと解るが、入手可能なアイテム類は光ったりしないので見逃す恐れがある(画面が暗いと特に)。アイテムを実際に手に持てるという事は、適切なアイテムを持った状態でUseしないとならない箇所が在るはずだが、先に書いた様に自動的に選択されるのかが曖昧であり、ここはハッキリと統一するかルールを明確にしておくべきであろう。 会話はそのインターフェースが体験出来る程度。ボイス付きではあるが、表情の変化は無く単純な口パクのアニメーションがあるだけ。 根本的な問題点はデモとしての出来が良くない所。狼男に変身する事は出来るのだが、デモはそこから少しで終わってしまう。W + Shift + Left Mouseによるジャンプアタックが体験出来る程度で、他の特殊能力や敵との戦闘シーンは体験する事が出来ない。ネタバレしないようにさわりを体験出来るのみのデモと謳われているが、売りとなっている部分が体験出来ないのでは実質デモとしての意味を成しておらずマイナスに働く可能性が高い。例としてバレットタイムの様な特殊能力を使ってプレイするのがメインのゲームにおいて、その能力を獲得した時点でデモが終わってしまうとしたらどうだろうか? プレイしたユーザーに買いたいと思わせるのがデモの役割の一つであり、その観点からすると完全な落第点である。謎解き要素や薬の調合もここでは体験出来ない。 |
GRAPHICS & SOUND |
制作エンジンには3D Gamestudioを使用。wikiによるとライセンス料が非常に安価であり、また開発が比較的容易なため、教育機関での実習用や研究成果のプレゼンテーション用等で良く使用されている物だそうだ。制作者のコミュニティに採用ゲームの一覧があるが、聞いた事が無いゲームがほとんどで、アマチュアの無料ゲーム制作などに良く使われている物と考えられる。 ゲームのグラフィックスは製品版のクオリティを示した物では無いとされているが前世代(2005年以前)レベルという印象。中世風という共通項からDark Messiah of M&M (2006)を連想したが、7年前のこのゲームの方がずっと綺麗である。おそらくエンジンが安価なのでその辺の限界という話なのだろう。付け加えると何故かオブジェクトの中でバレルだけが体を透過してしまうという現象あり。最新の記事を見るとセルシェーディングにグラフィックスを書き換える事にしたとアナウンスされているが、このクオリティであればその方が良さそうである。 |
感 想 | 内容的に面白そうだと思ってデモをプレイしてみたのだが、期待レベルよりも三段階くらい落ちる内容にガッカリ。他に並行開発しているゲームが有ったり、既に幾つかの販売サイトと契約済みという点から、結構資金的にもしっかりとした会社なのではと想像していたが違ったようである。 グラフィックスが古いとか開発者のレベルが低くて技術的に問題があるとかは、アドベンチャーゲームとしての謎解きや自由探索による変化のクオリティ等とはさして関係がないので、今後も製品版が出てからの評判を見たりと一応フォローを続けるつもりだが、アクションがメインのゲームだったらこの時点でスッパリと切り捨てている。 アルファ版の段階とかならまだ解るが、発売が近いとされる状態でこれでは希望薄。他の会社のアドバイザーをやる以前に、自分達が教えを請うた方が良いのではというのが率直な感想。 評価 20点 |
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