☆ INDIANA JONES AND THE EMPEROR'S TOMB ☆

                                                                              03/04/16


製作/販売 The Collective / LucasArts        公式サイト
デモ仕様 224MB   シングルプレイ 3Map収録 
概要  オリジナルストーリーのインディー・ジョーンズ物。LucasArtsからは4作目(細かく言うと6作目)の作品で、1999年のThe Infernal Machine以来の作品となる。ゲームのタイプもその前作同様にTomb Raiderスタイルの3Dアクション形式を継承。製作のThe CollectiveはBuffy the Vampire Slayer(Xbox)のリリースで注目を浴びた会社で、この作品も同じエンジンにて製作されている。既にXbox版が数ヶ月前にリリースされており、それに次いでのPC版発売となる(こちらもリリース済)。

動作環境
HARDWARE 必要環境 推奨環境
CPU Pentium III 733 MHz Pentium III 1GHz
MEMORY 128 MB RAM 256 MB RAM
VIDEO VRAM 32MB以上
 Haredware T&L要
VRAM 64MB以上
Vertex & Pixel Shader対応カード
SOUND Direct X対応 同左
対応OS  98/ME/2000/XP
Direct X 8.1b以上要


 第一の注意点はビデオカードにHardware T&L対応を要求する点。よってゲームが動くPC環境はかなり限定される。ゲーマーならそれほど問題は無いが、メーカー製の箱売りPCを持っている人は比較的最近購入の物でも気を付けないとならない。サイズも大きいので回線の細い方は事前に確認しておいた方が良いだろう。こういったキャラクタ物では広範囲のユーザー層がターゲットという意味からあまりハードの要求を高くしないのが普通だが、このゲームについてはXboxがメインでPCにはそれほど力を入れていないという事と思われる。製作に出来る限りコストを掛けないレベルでXboxのエンジンをPC用にコンバートした為に、Xboxレベルの性能が必要となっているのだろう。

 ビデオカード毎のトラブル等の問題は詳細なリストが付属しているので、パフォーマンスに問題が有るという人はそちらを参照して欲しい。AntialiasingやAnisotropic filteringを使っていると問題が起き易いようだ。個人的にはパフォーマンスも安定性も全く問題が無かった。
GRAPHIC  ゲームの一つのハイライトと言えるのがこの部分。モデリングは凄いというクラスではないが、キャラクタのアニメーションの出来が非常に良い。インディー自身は勿論の事、敵の動きもダイナミックでそのパターンは非常に豊富である。アニメーションは滑らかで曲線的な動作も多く取り込まれている。
 Texture系も合格レベルでコンソールの物をそのまま使用という感じではない。あまり派手なエフェクトはデモでは見れなかったが、影もちゃんと表示されるし全体的に高いレベルだろう。ポリゴンがキャラクタ同士やオブジェクトに重なってしまう点は衝突計算の負荷を考えると仕方の無い所か。Vertex & Pixel Shaders対応のビデオカードならば設定をMaxにしても特に問題は無いようだ。

 フルサイズ画像          
SOUND  BGMは御馴染みのテーマ。こういったキャラクタ物の常としてサウンドには力が入っている印象。ちょっと低音が足りない気もするが合格点だろう。
INTERFACE  コンソールオリジンの三人称アクションというと、私にはバイオハザードの様なシーン毎にカメラ位置が固定というイメージが強いのだが、このゲームはパッドは勿論PC用にKB+マウスで操作可能になっており、WSAD等で移動、マウスでカメラ視点移動というのが基本。銃を撃ったりする時は一人称視点に切り替えられる。視点をマウスで自由に回転させられるというのはちょっと考えると便利なように思える。しかし実際にプレイしてもらわないとどの位変なのかが伝え難いのだが、ここが最大の問題点。
 通常は自分の後方に視点をしておく事で操作出来るが、これが位置によって勝手に回転してしまうのである。だからもし後方視点がやり易いと考えるならばその度にマウスを操作してカメラ位置を回転させないとならないのだが、通常時のマウス感度だと相当大きくしかもちょくちょく動かさないと常に後方には持って行けない。特に戦闘時にはわざわざそんな事をやっている時間も無いので、カメラ位置が変化したらその視点で戦うという風になる。ところが移動がキャラクタ基準ではなくカメラ基準なので、FPS(或いは後方固定式三人称)に慣れ切っているプレイヤーには甚だ感覚が掴みにくい。
 キャラクタを右にステップさせたいという時には常に右を入力すればそうなるなら分かり易いのだが(私には)、このゲームではキャラクタが向いている方向によって右に動かす時の入力方向キーが異なる。更にバックが出来なくて後方キーでは反転して逆を向いてしまう。だから反射神経が要求される戦闘シーンではかなりストレスが溜まる。例えば敵の攻撃から一時的に退避したい時につい癖で後方キーを押してしまい反転して背中を向けてしまう。「しまった」と思い体勢を立て直す為にそのままの向きで一時走って逃げる。それで振り向いて改めて攻撃だという時に、カメラ位置が回転してしまって前進に入れたキーが別方向に入力されてしまうといった事が頻繁に起きる(分かるだろうか?)。また壁際にスタックした時にカメラ位置がゆらゆらと揺れ動くので、ちゃんとした方向を向かせる事が出来ずに一方的に攻撃を受けてしまうという事も有った。

 もう一点。Map毎のAutosaveでゲーム中にはSaveが出来ない。これはデモの仕様なのか確認したが製品版でも同じ。操作性の悪さで死んでしまう事を考えると相乗効果でダメな点となってくるのは確実と言える。
 その他の面ではホイールで武器選択可能とか、親切なチュートリアルがゲーム中に出るとかは良い点、一方でAcitionとDrawキーの使い分けが混乱するのが悪い点である。
GAMEPLAY  このデモでは3つのロケーションにてオムニバス形式でその中のMap1個ずつをプレイ出来るのだが、これを見る限りでは非常に(戦闘)アクション寄りゲームという印象。Tomb Raider風のアクションによるルート探し要素も入っているが、こちらはそれほどシビアなタイミングを要求されず難しくは無いし、次の場所探しも比較的分かり易い。

 メインとなる戦闘アクションに関しては、グラフィックの項で書いたように非常に多彩なアニメーションで見栄えがする。こちらの攻撃パターンだけでなく、敵の攻撃によってのやられるパターンも多いのが凝っている点。連打でコンボ攻撃も出来るし、同じ攻撃でも繰り出す動作が多数用意されている(厳密に敵との距離等で決めているとかでは無さそう)。その意味で”魅せる”という点では出来は非常に良い。一方で自分で厳密に動作をコントロールしているという感覚には欠ける面があり、距離だけ調整して後は攻撃ボタンとガードボタンで適当にという感じも強い。
 
感  想  コンセプトとして「ヒーローの格好の良いアクションシーンを最大の売りにする」というのは別に悪い事では無いし、そういうゲームも有りだろう。またその観点からはこのゲームのクオリティは非常に高い。だが残念ながらそれを有効にする為に犠牲となっている操作性の悪さとSaveが出来ない点のマイナス要素が大き過ぎる。常に後方視点では見せられるパターンに限界が有って視覚的効果に大きなマイナスというのは理解出来るが、もう少しまともな操作性が考えられたのではないか。
 なお「もしかして今のコンソールではこういうのが主流で私の感覚が変なのか?」と思ってゲームのユーザーレビューなんかを見てみたのだが、ほとんどの人が「とにかくこのゲームはコントロールがダメ」という意見で一致していた事を書き添えておこう。

 デモはまあなんだかんだ言っても楽しめた部類。しかし製品版でもこのパターンの繰り返しみたいで一本道のゲーム性らしいし、リプレイ性が低い割にはプレイ時間も10時間程度。そうなると操作性から言ってもこれは買わないかな。デモの出来は60点くらいあげても良いけど。

 購入確率 10% (>_<)

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