☆ LOST PLANET: EXTREME CONDITION ☆
07/05/19
製作/販売 | Capcom 公式サイト Xbox 360版 日本公式サイト | |||||||||||||||
デモ仕様 | DX9用(372MB)とDX10用(388MB)の2種類が用意されている。 シングルプレイ専用で2つのミッションを選択してプレイ可能。日本語版デモも有り。 |
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概 要 | Xbox 360にてリリース済のタイトルのPC移植版。北米では6/26、日本語版は7/12発売予定。基本的に内容は同じらしく、マルチプレイ用のマップが追加されたり、サーバー検索画面が新規になる程度。360とのクロスプラットフォーム対戦(GFW
Live)には対応していない。 話題性としてはVistaのみがサポートするDirectX 10への対応を謳っている点で、他の注目作品の対応・発売が遅れている中、最初の対応タイトルとしてリリースされそうである。 時は未来、極寒の惑星に殖民しようとした人類はエイクリッドと呼ばれるエイリアン種族との戦争に巻き込まれる。そんな中徐々にエイリアンを抑えて移住を進めて行った人類だが、発見された資源を巡っての人間同士の争いも起き始める(こういったグループはSnow Pirates(雪賊)と呼ばれている)。主人公ウェインは記憶喪失という設定で、自分を助けてくれた雪賊の一つと協力しながら自分の過去を探って行くというストーリー。 |
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動作環境 |
DirectX 9.0c以上要(最新版 2007/04/10) SSE2(ストリーミングSIMD拡張命令2)対応のCPUが必須。ビデオカードはPixel Shader 3.0以上をサポートする物が必要となる(未対応ならUnsupported pixel shader versionというエラーが出る)。 DX10版の方をプレイするには、VistaとShader 4.0に対応したビデオカードが必要となる。 プレイ中にポーズが掛かってパフォーマンス低下の警告が出たりするが、これはOptionの設定で表示を切っても意味が無いようだ。また同じ設定でも出たり出なかったりするし、指示通りに下げて行っても消えないという報告も有り、どういうシステムで動いているのかよく分からない。 |
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GAMEPLAY | ゲームの操作性やシステムに関する説明やチュートリアルが無く、デモとしては不親切な部類。正直言ってこのゲームの内容やシステムがPCゲーマーにそれ程知られているとは思えず、重要な点を知らせないでプレイさせるのはアピールという観点からも大きなマイナスであろう。 *難易度設定は無い(製品版は4種) *セーブは行なわれない(製品版はチェックポイント式で、実際に書き込まれるのはミッションクリア時のみ) *一部を除いてオプション設定は保存されないので、起動する度に行なう必要が有る *照準の動きは3タイプから選択可能。フィックス(常に中央)が一般的なスタイルとなる。 *照準タイプの後の数字がマウス感度 *マウスの1,2が通常とは逆 *Autoaim設定有り *プレイヤーは徒歩とVS(バイタル・スーツ)での移動・戦闘を選択可能 *武器は同時に2種類まで所持(VSも同じ) *視点は徒歩状態の時にのみ三段階に切り替え可能(基本は三人称) 操作性では360の公式パッドに対応しており、やはりこちらを使ってのプレイを基本としているようだ。マウスとKBではやり難いアクションもあり、特に敵の突進を避けるような左右へのジャンプローリングはKBのみでは難しい。 特徴としてまず目に付くのはサーマルエナジー(TE)という概念で、熱源としてのエネルギーの意味になる。極寒の地という事でどこにいようがこのエネルギーは減少して行き、完全に無くなるとHPが減り始めて危険となる。またダメージを受けた場合にはこのTEからHPへと補填されるので、ダメージを受けるほど減りは早くなってしまう。よってこのエネルギーを確保しながら進めないとならないし、常に時間制限との戦いを強いられているというゲーム性にもなっている。エネルギー自体は倒した敵が落とすので、落ちたオレンジの固まりを拾えば良い。ただし時間を置いてしまうと消えてしまう。また途中に有るポストを起動する事でも補充が可能。なおこのポストはレーダーの役割も果たす。 これによって常に緊張感を持ってプレイ可能とは言えるが、逆に急かされるのでじっくり周囲を観察したりが出来ない。また危なくなったからといってすぐに補給可能な手段が有れば良いが、無い場合には最初からとか結構戻ってやり直さないとならないだろう。最初プレイした時はTEが少なくかなり急がないとならないバランスと感じたのだが(特に洞窟以降)、調べたら燃料タンクは破壊可能な大きなエネルギー源と知って(M1だとスタート地点の横2個とすぐ先に2個有る)、これを知っていれば最初のミッションは大分楽になり、このレベルならば許容範囲だろう(その情報が無いのは問題だが)。一方で2番目のミッションは寄り道していると厳しいという印象。 その他ではアンカーと呼ばれるロープを持っていて、これを発射して打ち込み高い場所へと移動したり、ぶら下がって攻撃したりが可能。使い方によっては面白そうだが、どこへでも打ち込める訳ではないので、探しているヒマが有ったら攻撃した方が早いように思えた(少なくともデモでは)。 アクションゲームとして見た場合、第一に気になったのが移動の遅さ。最初は雪の中を歩いているので遅いのかと思ったが、そうではなくてどこでも同じく遅いのでスピード感に欠ける。遅い事自体は別に悪く無いが、このデモを見る限りは大量の敵を撃ち撒くって倒すゲーム性らしいので、そういうタイプの物とは非常に相性が悪いというのは確かだ。せめて一定時間ダッシュ可能とかならまだ良かったのだが。 武器はマシンガン・ショットガンの他にミニガン(攻撃中は移動不能)、Energy Gun(弾数無限)、ロケットランチャーといった物が登場するが特別個性的では無い。破壊力という点ではGrenadeが目立ち、これは投げてから撃ってやるとより派手に爆発するので効果的な武器。だが全体的に敵の数の割には武器類がパワー不足というのは気になった。 戦闘も大半はシンプルに撃つだけという感じで、大型の敵だと弱点を狙うという変化は有るが単調。VSに乗り込んでの戦闘では若干爽快感は上がるが、その切り替えだけで長丁場を持たせるのは難しそう(基本的にゲーム性は最後まで変らないようだ)。敵を相手にせずに先を急いでエネルギーの減少を防ぐか、倒してその死体からエネルギーを確保するかは自由となっているが、そこに面白味も感じられない。使っていない操作キーも有るので戦闘面での追加機能が有りそうだが、大幅にゲーム性を変えるものなのかは不明である。 難易度的にはどちらも最後のボス戦が難しくなっているが、それ以外はTEさえ確保出来ていればそれ程難しくは無い、というよりもむしろ簡単になってしまっているのはマイナス点(製品版は難易度が高いという声が多いようだが)。何がシステム的に不味いのかと言うと、プレイヤーがTEを貯め込めるので、そうなってしまうとそう簡単には死ななくなる為に(特に雑魚敵相手には)緊張感が無くなる。しかし逆にTEの最大値を制限したり確保が容易に出来ないようにして、TEが無くなる程度まで追い込む回数を増やす様な調整をすると、今度は死に易くなって問題に。 一般的なゲームでは敵の強さと数に応じて定期的に回復薬を用意してバランスを取っているが、このゲームの何もしなくても自動的に体力(実際にはTE)が減って行くシステムだと、その調整をするのが困難である。大量に貯めさせないようにするには敵を倒した際に確保可能な量を減らす事になるが、そうすると危うくなった時に敵を倒しても持ち直せなくなってデッドエンド。一方で敵を倒した時の確保量を増やすと大量に貯金を持てる可能性が増すので、そうなった時にゲームが簡単になってしまうという問題が発生する。自動的に減って行くという要素をどうしても外せないのならば、何等かの別システムを採用するべきだろう。例えばTEの最大値は制限するが、代わりにプレイヤーがエネルギー源を携帯可能にして、危なくなったらそれを使ってTEの補充を可能にする。ただしその後一定時間は動きや攻撃にペナルティが与えられる等。 敵の動きにはそれ程スピードが無く、一気にこちらに向かって大群で攻めて来るという動きも見えない。巨大な敵は知能が低いのか、隙を見せて間を置く傾向にある。こちら側のスピードが遅いのに対する調整にも見えるが、双方が遅いので迫力不足になっている印象。 |
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GRAPHICS & SOUND |
注)掲載しているSSはDX9レベルで且つ最高設定の物では無いのをお断りしておく。 妙な解像度が多くて望みの物が出て来ないという問題が有るが、一度再起動後に見てみると増えたりもするようだ。各種設定後にはパフォーマンスのテストが可能なので、これでどの程度重いかの目安は付けられるようになっている。 見た目としては爆発のエフェクトが非常に派手なのが印象的。大量の雪が舞うシーンも綺麗に見える。敵の体表面のNormal Mappingの処理も行なわれているし、影の描画もちゃんとソフトシャドウでの表現になっている。ただしテクスチャ系は特別に高解像度の物を使っている訳ではない様で、インドアではちょっと粗が目立つ感じに。 それとモーションブラーのエフェクトが設定出来るのだが、衝撃を受けたりした時だけではなくて通常の(視点)移動でも効果が発生してしまう為に、プレイし難いので切ってプレイした。そうなると本来発生するべき箇所でも全く起きなくなるというマイナス面が生じ、この効果の効き過ぎという点は問題。 主人公のキャラクタのアニメーションは細かいし滑らかな部類だが、普通の敵は大して印象的ではない。 DX10ではどれだけ変るのかという点については、あちらのForumの意見を見ると目に見えて変るという程ではない様で、DX10版にパフォーマンス的な優位性が有るのかはともかく、DX10ならではの利点を売りにするには弱そうである。 サウンドとしては3Dの定位感は感じられるが、武器のサウンドに迫力が無いのが痛い。 |
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感 想 | PCに合わせてゲームプレイ要素を作り直してはいないようで、普段からPCの3Dアクションをプレイしている層をターゲットにしているのでは無さそう。製作サイドがPC版もこれで問題無いと考えているのか、調整するべきだがそこまでやるのは見込める販売数に対してコスト的に見合わないとしているのかは判らないが、多分後者ではないかと想像する。 販売のターゲットとしては、Xbox 360を持っていないがこれをプレイしたいと考えている人で、PCではMMOGとかはやっているので何とか動く程度のマシンは持っているという層なのだろう。そうだとしたらこのベタ移植でも良いのかも知れないが、PCを中心にアクション物をプレイしている人にはアピール度は弱い。後は早くDX10のゲームを試したいという人向けだが、大きな差が見られないとなるとこちらもどうなるか。 ユーザーの評価を見るとシングルプレイはともかくとしてマルチプレイは相当評判が良いようなので、それがデモでは試せないのは残念。PC市場で売るとなれば今後マルチプレイ用のデモを追加リリースする事は必須と思われる。 一つ可能性としてはModで改造が可能ならば面白くなるかも知れない。移動速度やTEのパラメータを変えたりが可能ならば、アクション性を高めるような方向で調整してやるともっと良くなりそう。 購入確率 20% (・へ・) |