☆ MERCENARIES 2: WORLD IN FLAMES ☆
                                                                               08/10/02



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製作/販売 Pandemic Studios / Electronic Arts        公式サイト
デモ仕様 1.57GB    シングルプレイ用 ミッションを1個収録
概  要  2005年に発売されて高い評価を得た前作に続く続編。Xbox 360, PS3, PS2(内容が異なる)の他に今回はPCでも発売される事になっており、既に海外では発売済み。PC日本語版も予定されている。PandemicはPC用のゲームとしてはStar Wars Battlefront, Full Spectrum Warrior等を制作している会社。

 発売後のリリースとなったこのデモはシングルプレイ専用で、2人でのCo-opで遊ぶ事は出来ない。基本的にはオープンワールド系のゲームで、広大なマップ内をどういう風に動いても構わないという形式。陸海空にまたがる車両や兵器の数も多く、また物理エンジンによる派手で大規模な破壊が可能というのも売りである。


 ゲームの舞台はベネズエラに設定されており、主人公は金次第でどんな仕事でも引き受ける傭兵。その主人公は3人の中から選択が可能。5つの組織から自由に仕事を引き受けたり、逆に敵対したりしながら進めて行き、稼いだ金で自分自身の組織を設立する事も可能である。車両や武器を空から搬送して貰ったり空爆等の支援を要請したりも出来るが、全てに金が要るという世界。よって単にミッションをクリアするだけではなく、オプションとなる仕事もクリアして大金を稼ぐのも重要となる。

 
動作環境
HARDWARE 必要環境 推奨環境
CPU Pentium 4 (ハイパースレッディング)
AMD Athlon 64 X2
Pentium Core 2 Duo 2.66 GHz
AMD X2 4600+ 2.4 GHz
MEMORY Vista 2GB, XP 1GB 2GB dual channel DDR RAM
VIDEO VRAM 256MB
Shader model 3.0対応
GeForce 6800 GT / Radeon X1600
VRAM 512MB
Shader model 3.0対応
GeForce 8600 / Radeon HD2600
SOUND DirectX 9.0c互換 同左
対応OS  XP(SP3)/Vista(SP1)
DirectX 9.0c以上要


 OSはXP-SP2でも動作には問題無かった。公式を見るとトラブルが多い様なので幾つか拾ってみる。


フレームレートが低くて重い
 ビデオカードのドライバを更新。VsyncをOFF。Water effectsとShadowsの処理を低くする。

ワイドスクリーン
 4:3以外のアスペクト比には対応していない。設定から選択は可能だが、単に標準の画像が伸縮するだけ。同時に適切なFOV等を合わせるツールは有志が開発中とある。

起動しない
 フォルダの中のMercs2.iniを開いてやり、解像度を800*600, 1024*768等にして起動させる。起動したら望みの物に変更してテスト。もしLCD画面を使用しているのであればRefreshRate=60にしてみる。

起動時にメモリが足りないというエラーが出る
 binkw32.dllを以下の1.6bに差し替える。1.6B-Binkw32.dllを"binkw32.dll"にリネーム。
http://vogons.zetafleet.com/download.php?id=4693&sid=1b30affad850cd77e15f35757b376da6

設定のShader LevelがLowにされてしまう
 自分のビデオカードならば可能なはずであれば、フォルダの中のMercs2.iniを開いてやり、ShaderLevel=1 に設定して読み取り専用に設定する。

アンチエイリアスが有効にならない
 未解決。ドライバを更新しても駄目ならばビデオカードのユーティリティー側から強制的に行うしかない。



GAMEPLAY  このデモで選択可能なのは3人の中でMattius Nilssonのみ。彼の特徴はダメージからの復活速度が早い点。ミッションは製品版収録の物の一部を切り取ってエディットされており15分の制限時間あり。これはデモの時間制限ではなく、製品版にも同様の制限時間が設けられているの意味で、失敗回数に制限は無いし、一度クリアしたら紹介ムービーの後に再度メニューに戻って続けられる。(終わらせたいのならばAlt+F4)。
 難易度設定は無し(製品版では不明)。デモではセーブが不可にされているが、最初の目標をクリア後に死んだ場合、リプレイ時にはその最初の目標はクリアされた状態から始められる。

 いろいろと不満を感じたゲームなので先にその辺から。第一に車のカメラ視点。後方固定ではなく勝手に回転してしまうようになっており、マウスでの補正が追い着かない。運転中にマウスでカメラを回転させて周囲を見られるのは確かに利点だが、その代償としては大き過ぎる欠点。左右にドリフトさせてもそのままで、バックさせればカメラが反転してしまうので、その都度マウスを必死に動かして前に切り替えないとならない。一部の車はボンネット視点に切り替え可能で、この切り替えを素早く2回やれば即座に後方視点に戻せるのだが、それが出来ない車両の方が多い。
 私はキーボードでの操作だったが、車の運転もあまり思った通りには動かないという印象で、目的のルートに乗せるのに何回も切り返さないとならなかったりした。また障害物に突っ込んでスタックしてそのまま出せなくなるケースも数回有った。座席位置についても、誤った位置でUseしてしまい機銃等の別席に付いてしまった場合、一度降りてからドライバーの表示が出来る位置まで移動してやり再度Useしないとならないのも面倒に感じた。

 第二に車両系兵器の破壊力。戦車の様な特定の兵器以外は運転しながら機銃を使う事が出来ないので戦闘力が低くて面白くない。味方軍兵士の近くに行ってクラクションで乗せてやり機銃を使わせる事は可能だが、やはり自分で使えないのでは爽快感が大幅減である。また車両の耐久力が低い、或いはあまりにも敵の攻撃が激しくて持たないという点にもストレスが溜まった。最初のエリアでは乗ってちょっとスタックしてしまうと、切り返す間に戦車やら何やらに滅多打ちにされて爆発というパターンが繰り返される。よって実質運転しながら砲塔で攻撃可能な戦車を奪って使う以外に楽しめないバランスである。

 第三にオブジェクトの破壊。Havok 4.5を使用しており、橋・ビル・塔といった巨大建造物に到るまで破壊が可能になっている。これ自体は確かに派手で面白味は感じられるのだが、あまりにも呆気無く破壊可能な物も多く、重量の無いハリボテを吹き飛ばしているかの様な感覚を覚えてしまう箇所も。またぶつかってどれが壊せるのかは車両の種類によるらしく、正面からぶつかって行って良いのかが判り難いオブジェクトも多い。それと巨大な物を破壊するとその破片がぶつかって自分が死んでしまう事もあるので注意。

 第四にQTE。画面上に表示されるボタンを押すミニゲームだが、最初は表示されるアイコンの意味が分からず。これはキー設定画面に行けば書いてあるが気が付きにくいし、しかもESCを押してのプレイ中の設定からは見られない。そして車両によって表示されるキーの種類は固定らしく、簡単なのは良いとしても2回目以降は面倒なだけになる。また戦車を奪う際にジャンプキーを連打して敵と綱引きをするイベントになるのだが、ここで何回やっても失敗してしまう。切り分けの為にスペースキー以外のキーにアサインしてみたら、後は何回やっても簡単に成功するようになった。特別にスペースキーが接点断を生じるほどヘタっているとは考えられないし、バグなのか理由は謎である。
 これと関連して画面上に表示されるアイコンが粗くて意味が分かり難い。デザイン的にそういう風にしているのか知らないがフォントも同様。

 更にゲームのシステムにいろいろと分からない面が有る。一応ヒント機能は付いているが、マニュアル等を付けて「どういう事が出来て、それはどういう風に行うのか」の説明が欲しかった。例えば車両のハイジャック可能な位置は物によって異なるらしいが、Useの表示位置のはずなのにそれが出ないケースがあって理由が分からない。オイルマークの場所でUseキーを使えと出るのだが意味合いが不明。ヘリ等に乗っている時にロックオンされた場合の対応方法。戦車は堅いのだが、時々一気に大ダメージを喰うような攻撃を受けるのは何なのかが分からない等々。


 武器は2個を同時所持可能で、その他にはC4等の投擲系。体力は自動回復となり、結構一気に減らされたりというケースも多いが、一桁のHPからでも粘れる様な箇所も多くなっている。例えば戦車の砲弾をまともに喰らっても即死にはならずに、HPが2とかになって逃げるチャンスが与えられるようだ。メディキットや弾薬等のアイテム類はマップ内に置いてある場合も有るし、アイコンの出るオブジェクトを壊すと出て来たりもする。或いは要請して空から落としてもらうのも可能。

 照準は相当大きくいわゆるソフトエイムと呼ばれるタイプで、その中に入って赤くなればセンターに合っていなくても当たるという風になっており、非常にアバウトなのでFPSゲーマーからすると違和感が強い。逆にロケットランチャーは、正確に合わせないとオブジェクトを透過してしまうように見えて不自然な感も。しゃがむとズームになるという仕様で、通常でのズーム視点は用意されていない。他にはカメラの位置から自分に重なって照準の場所が見え難くなる事があるという点は気になった。スプリントは制限無く使用可能。

 対人戦の戦闘については、敵のAIが非常に単純で突っ立ったまま攻撃して来る事が多いので、通常の銃での戦闘にはあまり面白味は感じられない。反応が鈍かったり、全然違う方を向いていたりもする。この手のゲームでは兵器系での派手な戦闘が重視されているので、人対人戦が地味になってしまうのはある程度仕方が無いとは言えるが、もうちょっと敵の動きを人間らしくして欲しかった。一方でロケットランチャー、グレネード、C4等の数が結構多いので、その辺の爆破攻撃で次々に敵や車両を吹き飛ばせるのは爽快感がある。後はクラスター爆弾や空爆等の要請も制限付だが派手な破壊を行えるのは面白い点。

 敵は無限ではないが援軍が次々に湧き出て来るシステムとなっており、相手にせずに別のエリアへ逃げてしまう方が早い。逆にいろいろなアイテムを手に入れたければ、敢えて様々なエリアに向かって行って戦うという選択も出来る。また金を稼ぐには他にも破壊活動を行った方が有利となる。その辺のアクセスの自由度は確かに高い。ただこのデモのミッションはシンプル過ぎてあまり面白くないという感は受けた。

GRAPHICS

SOUND
 マップはそれなりに広いが、ちょっと離れるオブジェクトの描画が省略されてしまう事が多く、遠くを見渡すとスカスカに見えたりするのは欠点。双眼鏡を使って見ても同様に描画されないのも頂けない。地形データが多い分、テクスチャ等の精度がそれ程でもないのは仕方の無いところか。コンソール版でストリーミングの様な機能を使っているのかは分からないが、このPC版ではそういった機能は持っていないようだ。

 爆発のエフェクトや煙や粉塵のパーティクル表現は派手だが、それ以外には特に目を引いた点は無し。モデリングも主人公は細かいが他は使い回しが目立つ。いずれにせよグラフィックスの良さで見せるというタイプのゲームでは無いと考えた方が良いだろう。レーティングがTeenなので流血等のエフェクトがまるで無いのも寂しい。当たった時の血の表現程度は組み込んでもらいたかった。


 サウンドの3D効果は一応感じ取れるレベル。銃器の効果音は普通。問題は敵が喧しい点で、やたらと声を発して来るのでそれが煩い。

感  想  制限時間は15分だが、全エリアを回ったりしてリプレイすれば1時間は遊べるだろう。初回クリアまでの印象はかなり悪かったが、2回3回と繰り返してプレイし、ゲームのシステムが分かって来て操作系にも慣れて来るに連れて大分その印象は改善されて来たとは言える。

 ただし上にも書いたように不満点はやはり多く、想像していたよりは数段低い印象と言わざるを得ない。爆破は派手で楽しいが、これも長い時間のプレイで飽きが来ないかどうかが心配。また敵のAIが良くないので人対人の戦闘は詰まらなそうであり、そうなると車両での破壊行為が重要になってくるが、カメラ位置や自分で運転しながら機銃を使えないのは大きなマイナスとなる。
 徒歩状態だと敵の密集地では兵器や歩兵に周囲から滅多撃ちにされるので厳しく、かと言って乗り物で移動しながら攻撃も可能なのは戦車やヘリしかない。という風に自由度が削られている点はマイナス。あまりにもプレイヤー側が強いのも問題だが、この手の大量破壊系ゲームではもうちょっとプレイヤー側が死に難いようにしてストレスを軽減する方が良いように感じる。

 疑問点としては、幾つかプレイ動画を見てみたのだが、どうもこのデモのミッションよりは面白そうに見える物が多い。この手のゲームでは敵のAIのシンプルさから戦闘はアバウトになる事が多い分、ミッションの内容やそのバラエティさは非常に重要な要素になる。その意味でこのデモのミッションは実際の物の中の一部を切り取った構成だそうだし、特別にこれが詰まらないのだとしたらそこに希望は持てるかも。いずれにしろ現在の$49.99というフルプライスでは食指が動き難い。現段階での評価としてしては.....


 購入確率 20% (;´д`)

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