☆ NEED FOR SPEED: UNDERGROUND ☆
                                                                              03/11/12


製作/販売 EA Games       公式サイト
デモ仕様 224MB    レースモード2種(2コース)収録でマルチプレイ可能
概要  NFSシリーズはアーケード系レースゲームとしては長い歴史を持ち、またその間第一線での人気を保ってきた数少ない物と言える(ライバルだったTest Driveシリーズは続いてはいるがすっかりマイナーに)。また別の側面から見ると、(特にアーケード系)レースゲームが続々とコンソール市場への転向を果たして行く中で、PC市場に残された数少ないレースゲームの一つともなっている。
 今作Underground(UG)はシリーズとしては7作目に当たり、これまでで最も大きな変貌を遂げた作品となっている。今までは主に欧州系のスーパーカーで明るく開放的なコースを走るというイメージだったのだが、今回は夜間の公道違法レースにテーマを合わせている。それ故レースモードもDrag RaceやDriftといった特殊な物が追加されており、ライセンスカーも日本車が多くなり、これがあのNFSなのかと思ってしまう位だ。

 ゲーム性での一番の変化はStyleポイントというシステムになる。レースで金を稼いで車をグレードアップするという要素は勿論導入されておりこれは別に珍しくも無いが、それ以外にStyleというポイントがレース中に獲得出来るようになっており、これは言わばパフォーマンス・ポイントとでもいう物で、レース中にドリフト・ショートカット・ハイジャンプといった”魅せる行為”を行った場合に加算される。つまり公道での観衆有りのレースという事で、速いだけでなく如何にカッコイイ走りを見せるかが重要な要素として組み込まれているのだ。言い換えると、それでタイムは遅くなっても派手な走りを見せてアピールする事も必要なゲームとも言える。
 このStyleポイントを使って車のパーツを購入可能で、これらは大別してBody, Rims, Accessories, Paint, Decals, Vinylの6部門からなり、更に細分化されて車の各部を非常に細かくデコレーション出来る(このパーツにもメーカー純正の物が用意されている)。そしてこういった改造が多く高価なほどReputation(評判)ポイントが上昇し、この値(最大で5☆)がレース後のStyleポイントに掛けられてボーナスとなる仕組み。この改造は単に車をどれだけカッコ良く見せるかという要素であって走りそのものには何の影響も与えないが、このReputationが上がらないと参加が出来ないレースも有るそうだ。

 なお今回もPC+コンソール3機種でのマルチプラットフォームでのリリースとなるのだが、ゲームの内容は原則的に同じ物となっている。前作Hot Pursuit 2ではシリーズ最高傑作と評判の高かったPS2版とはPC版は違うゲームで悔しい思いをしただけに(タイトルは同じだが中身は別)、統一性が戻った事にはホッとしている。既にGoldで北米では11/17発売予定。

 
動作環境
HARDWARE 必要環境 推奨環境
CPU Pentium III 700Mhz -
MEMORY 128MB (256MB Online) -
VIDEO VRAM 32MB以上 -
SOUND DirectX compatible -
対応OS  98/ME/2000/XP
Direct X 9.0以上要


 推奨環境は特に記述無し。サポートするビデオカードは、ATI Radeon 7500以上, Intel i865, Matrox Parhelia, NVidia GeForce2 以上, SiS Xabre 400。

GRAPHIC  ここ数作PC版のNFSのグラフィックはそこそこというレベルだったのだが、今回はグラフィックに力が入っており高いレベルの仕上がりとなっている。周囲のObjectのレベルアップは当然として、夜間走行という事からメインとなるライティングのエフェクトが非常に綺麗。高速走行時にはライトが流れる様に見える効果が取り入れられており、また濡れて光っているかの様な路面の反射も美しい。懐かしいMoterheadで有名なモーション・ブラー効果も導入されていて、高速で走行すると周囲のObjectが流れてブレて見えるようになる。更にニトロ・ブーストで加速するとObject自体がハッキリ見えなくなるといった効果で高速走行感を演出しており、この辺の出来は見事。
 車体についても反射効果を細かく設定可能で、Maxにした状態でのエフェクトは綺麗である。Environment Mapping(周囲の景色の映り込み)はどの程度完全に行っているのかは分からないが、適当に用意された物を貼り付けてそれらしく見せているのではなく、ちゃんとリアルタイムでの映り込み処理が行われている。

 後は一部しか出てこないが観衆のアニメーションのクオリティも高いレベル。全体的にクオリティの割には動作は軽い印象であるが、ジャギーが目立つ感もあって、この辺はFSAAの設定と重さとの兼ね合いとなって来るだろう。
 問題はコンソール版と異なってPCでは使用しているビデオカードがPCによって異なる為に、その能力によってONに出来るOptionが限られてしまう点。Shader系処理を使用しているOptionは対応していないビデオカードでは使う事が出来ないので、そうなるとグラフィックのインパクトは大きく薄れてしまうのは否めない。

               
GAMEPLAY  従来と基本的なプレイ感覚に大きな変化は無い印象。視点は3種類(後方&バンパー)しか用意されておらず、インカーやボンネット視点は存在していない。これは弱い点といえる。逆にグラフィックのグレードアップによって、前作HP2での大きな弱点とされたスピード感の無さが改善されているのは大きい。特にバンパー視点での走行は怖さを感じる位だ。
 走行感は完全なアーケード仕様であり、あまり細かな車のフィジックス計算は行われていない様に見える。まあこれはそういうゲーム性なので特に問題ではないだろう。アシスト機能も単純化されている。ただ幾らぶつけてもダメージが全く無いというのはちょっと残念という気もする。こういった公式ライセンス物では「使っても良いが車体が壊れる様な扱いはしてはならない」という規制が有る事が多いという話だが、そういった関係で出来なかったのかも知れない。

 一般的なレースの方はショートカットが有ったりジャンピング・ポイントが有ったりと従来通りだが、公道レースという事から一般車が走っていたりするのが特徴。これまでの様に普通に走行車線を走っているとかなら影響が少ないが、交差点で横から飛び出して来たりするので影響が大きい(規則性は有るようだが)。
 新モードとなるDrag Raceは単純に短距離の高速性を競う物ではなく、或る程度の長さ(30秒前後)の直線コースでのレースとなる。ポイントの一つは当然ながら如何に上手くシフトアップするかであり、これのタイミングが重要となる。またコースは直線ながら横から車が出てきたり障害物が有ったりという設定となっており、この位置とタイミングを憶えておくのも必須である(ぶつかった瞬間にゲームオーバー)。このモードの面白い点は、一人だけで走るならば単なるタイミング勝負の憶えゲーとなるのだが、4車で同時に走るのでコース取りの要素が出てくる事にある。このタイミングでこの障害を抜ければ良いと思っていても、その瞬間にその場所に位置取りするには他車を押し退けておかないとならない。よってニトロの使い時と、他車のかわし時が関わってくるので結構難しいゲームとなっている。

 AI車はかなり強引にライン取りをしてくる印象で、他車との位置判断を細かく行うのではなく、決まりきったコースを通るように設定されているのかも。ただ結構ミスをしているのが見受けられるのはリアリティという観点からは良い点。気になったのはリプレイが無い点で、これは製品版にも無いのか未確認。

SOUND  BGMは前作での好評を受けて、今作でも多数のミュージシャンから提供された曲を使用している。一般的な効果音の質もなかなか良いのではないだろうか。

INTERFACE  まずデモは設定が保存されないという風になっており、その都度あわせてやら無いとならない。それと一回毎にデスクトップには落ちないが、その分宣伝文句が繰り返し表示される仕様。また私の環境ではパッドの設定画面がちょっと変な風になった。

感  想  今作は従来のファンからは賛否両論有るようだが、個人的には新たな試みとして面白いのではないかと感じている。もし好評だった場合に、このままの路線で今後も行くとなるとちょっとアレだが、たまにはこういった変化球のゲーム性でも良いのではないだろうか。主役の車種が代わってしまって興味が薄れたという人はいるとは思うが。

 ストーリーモードの導入もあるそうで実際のゲームがどんな感じで進んでいくのか不明瞭な点も多いが、グラフィックに見所も多いし購入はすると思う。


購入確率 80% (^。^)

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