☆ PRO EVOLUTION SOCCER 3 ☆
                                                                              03/10/29


製作/販売 Konami    公式サイト(現在無し)
デモ仕様 223MB  1ゲーム5分間の試合が 英・独・伊・スペインの4ヶ国から選択して可能
概要  日本ではPS2用ゲームWORLD SOCCER Winning Eleven 7の名前で発売されているサッカーゲームのPC移植版。このPro Evolution Soccer 3(PES3)はヨーロッパにおけるタイトル。既にPS2版PES3は発売済で予約のみで100万本を突破、このPC版は11月中旬リリース予定だが、サッカーの盛んな欧州においては注目度が高いタイトルとなっているようだ。北米ではWinning Eleven 7のタイトルで2004/Q1の発売予定。日本でのPC版発売は予定されておらず、これまでのKonamiの移植経緯からして(MGS, Silent Hill)可能性は少ないと思われる。
 ゲーム内容自体は全て同じ物と思うのだが、発売国によって収録されるチームは変化するはずなので、北米リーグ(MLS)を大きく扱いそうなUS版よりはサッカーファンならEuro版が良さそう。それと8人までプレイが出来るようなのだが、インタビュー記事によるとLANやインターネットでの対戦は出来ない模様。

動作環境
HARDWARE 必要環境 推奨環境
CPU Pentium III 800MHz Pentium IV 1.4GHz
MEMORY 128 MB 256 MB
VIDEO NVIDIA GeForce 3 or ATI Radeon 8500 NVIDIA GeForce 4, ATI Radeon 9600
SOUND DirectX 8.1 compatible 同左
対応OS  98SE/ME/2000/XP
Direct X 8.1以上要


 ビデオカードの必要動作環境が高い。これを書いている時点ではまだ3DFPSゲームでも存在していない、NvidiaかATIのDirectX 8世代(Vertex & Pixel Shader対応)ビデオカードしかサポートしていないゲームとなる。おそらくこれはコンソールからの移植において、旧世代のカードとの互換性を取るのが面倒という考えからの制限と思われる(それほどの販売本数が見込めないPC版において、DX8相当の機能を使わないで描画する為のプログラムを別に作成するのは採算が合わないといった理由)。

 それと対応OSは98SE以上で2K/XP推奨。これが原因なのか断定は出来ないが、Win98の私のPCでは問題が見られた。まず解像度を1024*768以上にするとゲームの動作がスローモーションになってしまう。時々カクカクするのではなくて一定で1/2程度のスピードで動いてしまうという意味(これはこれで練習には便利だったが)。次にゲームを終了してデスクトップに戻る際にフリーズしてしまう。これにはサウンドのアクセラレーションを下げてやり、画面設定を押さえる事で回避出来るようだが完全ではない。Win98の場合私の使っているAudigyのドライバは相当更新されていないのでこれが問題ではないかという気もする。ゲーム中は特に問題は無いのだが。

GRAPHIC  プレイ前のセレモニー等のイベントやリプレイシーンでのフルポリゴン表示(拡大)モードのグラフィックの出来は優れているし、選手の顔も確かに似ている人が多い。しかしこれは今のPCのグラフィック能力からすると驚く程の物ではないというか、或る意味この程度は出来るだろうといった感心止まり。PCサッカーゲームの定番となる新作、EAのFIFA 2004でもほぼ同じレベルだろう。

 このゲームの凄さは実際のゲーム中のプレイヤーの動きの細かさである。例えば今挙げたFIFA2004の場合だと、デモをプレイしてみて「なるほどアニメーションは良く出来ている」でお終いだったのだが、このゲームの場合は実際のゲーム中の動きに非常に近いレベルまで達しているのでつい見入ってしまう。モーション・キャプチャーでアニメーションは作成されていると思うのだが、ここまで徹底して再現するかという位ハイレベルであり、サッカーゲームは(久し振りに見たが)ここまで来ているのかと感心してしまった。
 例えばキーパーの動きは非常に細かく、1on1になった時の間合いの詰め方とかルーズボールの押さえ方、シュートに反応して手を伸ばして宙を舞い地面に落ちて転がるシーンなども実際の動きと全く同じと言ってもいいレベルまで再現されている。更にミスしてシュートまで持ち込まれた味方に怒って吼えるシーンとかまで用意されている凝り様だ。
 各キャラクタの動きも完璧とは言えないが(FIFA2004の方が良い部分もある)よく出来ており、ボールを追っていって出てしまった時のアクションとか直接ゲームに関係無い所まで作り込んである。特にシュートシーンのリプレイでのキャラクタのアニメーションの再現性はまるでTV中継と同じというレベルで、ヘディングシュートの時の体の反らせ方・足の上げ方、ボレーシュートのモーションとかもリアルだ。

 ゲーム全般を通じてTV中継同様の構成で進む点も雰囲気を出している。随時自動的にリプレイが入る他に得点シーンでは細かく設定を変化させてゴール・シーンを再生可能だし、ハーフタイム終了時には自動的にハイライト・シーンが流れたりもする。

 後は夜間スタジアムでは影の出来方も変化すると細かい点まで作られている。欠点としては若干ポリゴンが重なってしまう面が見られるがこれはしょうがないだろう。観客席は2Dの描画となっておりそれほど綺麗ではない。

         
GAMEPLAY  まず最初に書いておくと、デモでは1試合5分間設定のゲームをプレイ出来るのみ。しかしチームは4つから選べるし、選手やFormationも選べると自由度はあり、何より1試合終わっても強制的にデスクトップに落ちないのでそのまま連続してプレイが可能である。ゲーム自体はともかくとしてデモのプレゼンという意味ではFIFA2004に圧勝といった所。なお製品版ではチームのマネージメントといった要素が有るのだが、それに関してはここでは詳しく触れない。

 このゲームの良い所は或る程度操作が自動化されている点で、この手のゲームをやり慣れていない私の様な人間でもそこそこのプレイは可能。例えばデフォルトではペナルティ・エリア内とサイドラインでは自動的にクリア操作となる。一方で設定によっては特定の操作をした時のみクリアキックでその他はマニュアルでつなぐという風にも出来る。或いは操作プレイヤーの切り替えも完全マニュアルから自動(多段階に感度調整可能)まで調整可能。Formationもマニュアルで切り替えられるのだが、これを自動化する事も出来る。
 気に入ったのがDF時のプレッシャーボタンで、このゲームがオリジナルなのか知らないが非常に便利。敵を追う時にマニュアルでレバーを操作する必要が無く、プレッシャー1を押すと自動的に敵のキャリアに近付いて行って競ってくれる。そしてプレッシャー2押下だと自分以外の一番近い味方がボールを取りに行き、自分の操作するプレイヤーはパスの受け手に対して付いたりが可能。同時押下にて2人掛かりでプレッシャーを掛ける事まで出来る。スルーパスにしても味方が走り込んで来るのを見計らってスルーパスボタンで自動的にそちらの方向に出してくれるし、シュートもタイミングを合わせてボタンを押せば状況に合った物を出してくれるようだ。おそらくはもっと意図的な操作も出来るのだとは思うが、一応形にはなるレベルまではそれほど難しくない。
 反面シュート時のパワーバーの調整はかなり難しい。また敵のボールを奪うにはスライディング・タックルが有効なのだが、つい敵の背後に入った時にこれを押してしまって一発退場というケースが結構有った。それとデモにおいては気にならなかったがスタミナの概念も導入されており、ダッシュを使い過ぎると後半バテてしまうのでその辺も考えないとならないゲーム性。

 ボールの転がり等の動きは良く出来ている印象で不自然な感じは無い。それとこのゲームでは反則が有った時にちゃんとアドバンテージを見てくれる点にも感心。敵や味方のAIはまあ良く出来ているのではないか。特にキーバーは適当に上手いという設定で、超人的か奇妙な動きをするかというイメージだった昔のゲームからは随分と進化している。ただし難易度が上るほど上手くなって本物風になると思われるのだが、デフォルトの難易度3では私には相当厳しく、かと言って1ではまるで無能なので2でプレイするしかなく、これだとちょっとAIの動きが鈍いという感じもした。

 最後に付け加えておくと、各プレイヤーは20以上の能力パラメータを持っており、更に調子や怪我の状態といった面まで加味されている。よって或る操作を憶えてもそれが常にその通りに行くというゲームでは無く、その行為を行うプレイヤーがどういった能力の持ち主であるかまで考えないとならないゲームとなる。また自作のFormationから何から非常に細かい部分まで作戦設定を行う事が出来、Tacticalという面でもかなり深いゲームと言えそうである(自分は操作しない監督モードも有る)。更にはHome&Awayでの判定の有利不利、レフェリーによる判定の変化、天候による変化といった要素まで盛り込まれている。

SOUND  このデモでは実況音声はカットされている。また音声レベルの調整が出来ない。チャンスの時にちゃんと歓声が挙がるのは良く出来ている。

INTERFACE  KBでも可能だが基本的にはパッド操作だろう。しかし問題はこのゲームのデザインが上面4ボタン・背面4ボタンを基準として作成されている点にある。一方で私が使っているのは上面6ボタン・背面2ボタンのPCでのスタンダードタイプ。よって背面のR1,2 L1,2と上面のボタンを同時押しで操作する場合に、2つまでしか背面に設定出来ないので操作がやりにくくなるケースが出てしまう。

 それと操作の説明が詳しくないので具体的にどんな操作が出来るのかが良く分からない。例えばフリーキック等ではどんなボールを蹴るのか設定が出来るようなのだがそれのやり方が不明。またシュートの操作に関してもどうやって多彩な物を打ち分けるのかが分からず、遠距離からグラウンダーの強いシュートをどうやって打つのかとかが不明(ループは設定で可能だが)。それとアナログ・スティックもMoveとPassが有るようなのだが、ゲーム中は片方のMove以外は押した方向にパスを出すといった事は出来ない様な? 最後に各種設定は一切保存されないので起動毎に再設定となる。

感  想  細かい操作が分からないという点ではちょっと消化不良の感が残ったが楽しく遊べるデモだった。私が想像していたよりもサッカーゲームというのは進んでいるなというのが一番の印象。残念ながら試合時間が短いのでもっと長い時間でプレイしたいと感じた。Tactical面でも設定が多く非常に深いゲームという感じもするが、多くの部分は自動化出来るのでそれほど細かいマネージメントをせずともプレイは可能だろう(アーケード的な単なるサッカーゲームとして)。

 ゲームの少ない時期ならすぐに手を出したかも知れないが、これからしばらくはFPSでのゲームが数多く出るので何とも言えない事もあり.....


  購入確率 50%  (^。^)

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