☆ PRINCE OF PERSIA: THE SAND OF TIME ☆
                                                                              04/02/08



製作/販売 Ubi Soft       公式サイト    発売中
デモ仕様 240MB    シングルプレイ用のMapを4つ収録
概要  昔からのゲーマーの方はご存知と思うが、Prince of Persiaはゲーム史に名を残す著名な2D横スクロールアクションゲームである。1989年にApple IIにて発売されて以来、家庭用ゲーム機を含む多数のプラットフォームに移植されて大ヒットした作品で(画像はAmiga版)、以後2, 3(D)と続編が作成されておりこれが4作目。製作の中心はオリジナルからの作者であるJordan Mechner氏が務めている。

 ヒット作にありがちな話だが、最初の作品以降はそれ程注目されず、特に3Dに関してはかなり低い評価に終わっていた。しかしこのSoTは昨年末にPS2, Xbox, GC, PCといった全てのラインアップにおいて非常に高い評価を受け、2003年のベストアクションゲームの座を結構な数のゲームサイトにて受賞するほどの成功を収めている。例えばGameRankingComの集計を見ると、PCを含む全機種において全てのサイトの評価を点数化したポイントで平均90%越えという稀有な成績をあげている
 私自身も好みのスタイルのゲームでは無いとは言え、読んだ多くのレビューで全体のボリュームが短い(10時間程度)点以外はベタ誉めといった感じだったので、ちょっと気にはなっていたタイトルである。

動作環境
HARDWARE 必要環境 推奨環境
CPU 800 MHz Pentium III 1.2 GHz Pentium 4
MEMORY 256 MB RAM 256 MB RAM
VIDEO GeForce 3, Radeon 8500以上 GeForce 4, Radeon 9500以上
SOUND DirectX 8.0 compatible EAX
対応OS  98SE/ME/2000/XP
DirectX 9.0b以上要


 Windows 98は動作対象外(一応警告は出るが動いた)。ビデオカードはVertex & Pixel Shaders必須であり、Geforce 4MX系では動作しない。オンボード系ビデオではほぼ全滅か。やはりこの手のゲームのセールスの中心はコンソール市場であり、PC用にShader機能を使わないようなレベルの描画エンジンを新しく作るのは採算が取れないという事なのだろう。

 ゲームパッドについてだがThrustmaster Dual Analog controller以外はサポートしていない為に、接続しているパッドによってはBindが上手く行かなかったり、キーボードの設定画面にて変な状態になったりするようだ(この辺にもPC軽視が窺える)。

 私の場合は設定をMaxにしても特に重いという感じも無く、落ちるといった不安定さも見られなかった

GRAPHIC  グラフィックについては全体的に高水準であり、コンソールとの平行開発物によくある「Textureが使い回しで粗さが目立つ」といった欠点は無い。特にキャラクタのアニメーションについては細かい上に滑らかであり見所の一つだろう。オリジナル作品も、それまでのレベルとは一線を画したリアルで滑らかなアニメーションで話題となったゲームだったが、そのメイン要素はちゃんと継承されているようだ。Rewind等の特殊エフェクトも良く出来ている。

 ただし特別に凄いという感じではなく、あくまでトップレベルの中の一つというランク。PC版だとこのレベルなのかは良く分からないが(キャラクタのアニメーションに関してはコンソールの方が得意)、インパクトを感じるという程の出来ではなかった。

        
INTERFACE  コントロールに関してはKBで行ったが、やはりパッドでプレイするタイプのゲームというのは感じた。連続ジャンプの個所等はKBではやりにくい。

 操作性が悪いか?と言われると、個人的には上手く行かない個所も多いので良くないとは思うが、この手のゲームが多いコンソール・ゲーマーに取っては特に問題無いのかも知れない。例えばこのゲームはCamera Orientedの操作系な為に、普段そういうゲームをやらない私にとっては咄嗟の時の操作感覚が掴みにくい。つまりキャラの動きが画面に対しての方向キーの動きになっていて、尚且つカメラの位置が突然変わったりするので、それに合わせて方向キーを動かしてやらないとならないゲームとなっている。よって操作がキャラクタ基準のゲーム(前進キーを押すと常に前に行く)をやり慣れている人に取ってはやりにくいだろう。常時後方視点にLock出来る操作が有ると良かったのだが。まあコントロール性に関しては事前にこんな感じだろうという予想が有ったので、それと比べると特に酷いといった印象は受けなかった。
 カメラについては全体を見通せる物と一人称の物が用意されており、周囲の観察には役に立つ。後は途中で挿入されるムービーは謎解きの重要なヒントとなっているので見逃さないように。

 Saveに関してはチェックポイント式で、自動的に区切り毎に保存される仕組み。ただどこでSaveされたのかはハッキリと分からない。注意点としてデモでは進行がSaveされないので、途中で終わらせてしまうとまた最初のMapからになる。
 それとゲームの操作に関しての記述がReadme等に無く、ゲーム中にガイドを出す事が出来るといっても不親切に感じる。HUDの意味とか知らない人には分かりにくいだろう。
SOUND  基本的にサウンドの音質は良いが、剣での戦闘の音は迫力不足。EAXによるポジショニングは普通の出来というか、こういうカメラ切り替え式のゲームではあまり生きないだろう。。BGMはそれらしい物が掛かっているが特に耳には残らなかった。

GAMEPLAY  ゲームは基本的にアクション・パズルのパートと戦闘のパートから構成されている(デモにおいても4Map中2:2)。ちなみにPoPは2つの点から有名なゲームであった。一つがそのグラフィック、もう一つがその異常とも言える難易度である。しかしその伝統は今作では(読んだレビューの通りに)緩和されているようで、ゲームの序盤という事もあるのだろうが難易度はそれ程高くないという印象を受けた事をまずは書いておこう。

 アクションのパートは即死系の個所があまり無く、またそういう個所は比較的簡単になっている。逆にアクションが難しい個所は失敗してもダメージを受けない所が多いとか調整されているようだ。簡単なキー操作で自動的にアクションを行ってくれる場所も多くて、シビアなタイミングを要求されるという場所はほとんど無い。キー操作で行き過ぎての落下についても一応淵で止まってくれるので親切。全体的に「これがあのPoP?」という感さえ受けた。ただどこをどうやって進むのかというパズル性は持っている。

 戦闘のパートはあまり面白くないというか、バラエティに欠けるし問題も多い。どうしても適当に切り付けるだけという風になってしまうし、コンボ攻撃は存在するが武器が固定なので可能な攻撃方法も限定されてしまう。敵を倒しただけではダメで、その後止めを刺さないとならないのでその辺を考えて戦わないとならないという面は有るが、それが戦闘を面白くしているかというとそうでもなく、むしろ面倒にしているという気もする。中ではVaultingが威力も有って見た目的にもカッコ良いが、ちょっとこれだけでは弱い。敵もスローで単純だしAIとしての出来も良くない。この辺はもっと頭の良い敵が出てくれば良いのだが、そういうゲームでは無いようだ。

 ゲームの大きな特徴として存在するRewindの能力は面白い。これはアクションに失敗した時や、戦闘時に死んだとか大きなダメージを受けた時に使える能力で、最大で10秒間時間を巻き戻す事が出来る。Rewindキーでやり直したいポイントまで戻してやってキーを離すと、再度そこからゲームが再開されるという能力。無尽蔵には使う事は出来ないが、なかなか良く出来た機能と言える。

 以下私がレビュー等にて読んだ内容を含めての若干のデータ。

*敵と正対した状態でJumpする事で、敵の上を飛び越えて背後から大きなダメージを与える事が可能(Vaulting)
*どんな水であれ飲めば体力を回復可能。ただし武器をしまっていないとならないようだ。
*右クリックで攻撃をBlockし、そこからカウンター・アタックを出せる
*白いサークルは戻せる時間の長さを示し、4つの砂袋はRewind一回に付き一個消費される
*砂袋の横に出る三日月はPower Meterで、これが溜まるとDaggerで各種特殊攻撃が出せる(デモだとFreezeを確認)
*砂袋は倒した敵及び、Map内に有る特殊な砂(白く光る)にDaggerを刺す事で回収
感  想  そこそこ面白そうとは思ったが、絶賛されるほどのゲームには正直言って見えなかった。これはもう私がこういったタイプのスタンダードなアクション・パズルのゲームに、あまり興味が無くなっているからかも知れない。ちょっと正統派過ぎて引っ掛かりを感じないというか、惹き付けられる物が無かった。同じタイプのアクションでも世界観が独特とか普通ではないゲーム性とか、そういう要素が有るゲームの方がプレイしたくなる。

 現在の$39.99-49.99の価格だと買わないと思います。安くなったら考えるかも。


  購入確率 40%  (~_~)

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