☆ RALLISPORT CHALLENGE ☆
                                                                              02/11/21


製作/販売  Digital Illusions/Microsoft
デモ仕様 221MB  日本語版デモも有り    4コース4車種収録  シングルプレイ専用
 Hardware T&L対応でVRAM32MB以上のビデオカード要
概要  Xboxにて発売され、最も美しいグラフィックのラリーゲームという評判の高かった作品のPC移植版。要求スペック的にもかなりのもので、最低でCPU 733MHzで推奨はP4 1.4GHz以上、ビデオカードは上記が最低で推奨はGF3クラス以上のVertex & Pixel Shaders対応でVRAM64MB以上、CD3枚組でフルインスト2GBという仕様。海外では既に発売されており日本語版は12/6発売予定。
 基本的に内容はXbox版とほとんど同じという話。製作はレースゲームファンには御馴染みのDICE、ラリーゲームとしてはRally Mastersで有名。

 使用車やコースは選択出来ず、ランダムに選ばれた物を使えるだけ。ただコースが4つあるというのはかなりお得な仕様である。
GAMEPLAY  日本においては一般の人にはあまり知られていないRallyという競技だが、欧州ではF1と人気を2分するモータースポーツである。WRCという世界選手権を頂点として、各国にて国内選手権が開催されている。簡単に言えば1台づつが順に走るTimeAttack形式の競技で、数日間に渡って幾つかのコースを走りそのタイム合計にて順位を決定する(おそらく日本で一番有名なパリダカは全く別の類)。
 その意味からいうとこれはタイトルの”Rallisport”にもあるように、純粋なRallyのゲームでは無い「ラリーカーを使った通常のレースゲーム」というコンセプトで、ゲームのシステムとしてはSega Rally 2に近いと考えて良いだろう。Rally Mastersも現実に行われているラリー競技としては特殊な物を題材にしており(1on1や同一車4台の同時レース)、このゲームはその延長線上にあるとも言えるだろう。

 デモにて行えるのは同一コースを4台で同時に走って争うレース。車がラリーカーで路面が多彩という点を除けば普通のレースゲームと変わりない。どうもManual操作が選択出来ないようなのでオートマにて試走。

 ある程度Preview等にて話は聞いていたのだが、その通りのハイスピードレースが基本。かなり部分をTopギアで走れるし、コーナーでも大きく落としてという感じでは無い。路面によっては確かに滑るのだが、4台で走る事を前提としているので道幅がやたらと広く、またコーナーの数も少ないのであまりスピードを落とす必要が無い。車のフィジックスは完全なアーケード仕様という感じでは無いが、しっかり減速しないと曲がれないというシム面はゲーム性としてカットしているようだ。とにかくスピード感重視という味付け。またコースアウトした場合のペナルティも少な目で、ダメージによる性能低下もほとんど無いという印象。つまり多少失敗しても追い付けるというレース性重視の面も。
 ライバル車がいるので自由にコースを取る事が出来ずによくぶつかったり、抜く事が難しかったりする点はラリーとしては不満な点だが、ゲームとしてはこういうのも有りという所か。

 コースは周回とラリー風の物が2つずつ収録されており、ラリー形式のコースはある程度コーナーも多くなかなか面白い。周回の方はそもそもラリーに無い概念だし、コースも普通っぽくて今一つ。特にXboxではメモリの関係で仕方が無かったのだと思うが、これだけ1周が短いのはあまりにも雰囲気が無いので減点。
 AIに関してはやや疑問の残る出来で、妙に速いという訳では無いが遅れているとcatchupを使っているかのように追い上げてくる。平気で激突して来るし、コーナーリングの速度もリアルでは無いような。
GRAPHIC  噂通りにこれは凄い。特に風景グラフィックはこれまでのレースゲーム中最高の物だろう。グラベルやアイスバーンの表現は綺麗だし、木々の細かさも高いレベル。場所によっては写真の様にも見える。車のモデリングもトップレベルで、デカールも含めて非常に細かい所まで作り込まれている印象。車体への照り返しや周囲の風景の環境マッピングもサポート、特にリプレイ時にはより綺麗に映る。
 一方で砂塵は立つのだがやや抑え目。車体への汚れは付くのだがこれも派手では無い。破損個所はちゃんと壊れて表示されるが、ダメージグラフィックは固定されておりあまりリアルには壊れて行かない。車内の人間のアニメーションもあまり凝っていない。

 綺麗なだけあって結構重く、AI車まで画面に入っていると特にそれを感じる。走りに影響するほどでは無いが、時々カクついてしまう。綺麗なだけにギザギザが目立つのでアンチエイリアスを効かせたいのだが、GF3程度ではちょっとキツイようだ。

      フルサイズ画像             
SOUND  これは普通の出来。エンジン音に変化がさほど感じられないのが難点。余計なBGMが無いのはむしろ好印象だが。
INTERFACE  デバイスはKBからホイールまで使えて、DeadzoneとSensitivityの調整も可能。ただし車自体のセッティング関連は一切出来ない(製品版は可能)。視点はかなり多く使う物を予め決めて置けるという親切設計だが、ダッシュボード視点はサポートしていないのは気にする人も多いだろう。リプレイ視点は多いし早送りやスローも可能。製品版はもっと細かいのだろうが、一応デモに関しては特に問題は無し。
安 定 性  特に問題無し。問題点に付いてはMSらしいというか、非常に詳細なメーカー別のトラブルや互換性報告がReadmeとして添付されている。
感  想  まずレースゲームとしては面白いのでは無いか。4人までのマルチプレイをサポートしているという事で、対戦型のゲームとしても最適だろう(というかそれに合わせてゲームを作っているという感じも)。スピード感があるのも爽快で気持ちが良い。お手軽なレースゲームという感じで万人受けしそう。
 だがラリーファンからするとあまりにも本来のラリーとは掛け離れたゲーム性であり、ラリーゲームがやりたいという人にはSR2同様にお勧め出来ない。車による走りの差とかもあまり感じられないし、ギアチャンジを活用して走るという物でもなさそう。ラリー仕様のコースでのTimeAttackは面白そうだが、やはり道が広過ぎるか。このグラフィックで普通にラリーゲームを作ってもらいたいという思いがするのは確か。これは当初から予定しているのでいずれ買うと思います。

 (03/04/16) これはまだ買ってません。買いたいという気は変わってないですが。

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