☆ ROGUE SHOOTER: THE FPS ROGUELIKE ☆
14/05/27 更新 | 目次 HOME | |||||||||||||||
製作/販売 | Hippomancer Software 公式サイト STEAM | |||||||||||||||
デモ仕様 | 91.8MB Steamのアカウント要 | |||||||||||||||
概 要 | アメリカのインディーズ会社Hippomancerのデビュー作品。会社設立の経緯やこのゲームの成り立ちなどについては、情報が見付からずほとんど解らない。 製品版は14/04/25に発売済み。現時点ではSteamのみの販売で$9.99。 ローグとはコンピューターゲームの最初期に生まれたダンジョン探索型のRPGであり、その特徴を受け継いだゲームのジャンルを称して“ローグライク”と呼ぶ。日本においても自国で著名な「不思議のダンジョン」系のゲームという呼び名でポピュラーな存在である。このジャンルのゲームの代表的な特徴は以下の通り。 ・グラフィックスは簡素(オリジナルは単なるASCII文字で構成されている) ・マップを自動生成するのでプレイの度に形状が変わる ・アイテム類の配置はランダム ・セーブの概念は無しで死んだら終わりとなりコンティニューは出来ない(中断のみ可能) ・食料と空腹の概念を持つ 上記条件は絶対では無く、各ゲーム毎にいろいろとアレンジしたり新要素を加えたりして個性を出している。このゲームはタイトルにそのまま明記されている通りに、FPSゲームにおいてこのローグライクなシステムを採り入れた作品となる。既に同じSteam上にもそれぞれに違いはあるがParanautical Activity , Eldritchといった類型ゲームが存在している。 複雑なストーリーは特になく、通信の途絶えたヘリオス宇宙ステーションに何が起きたのかを探るのが目的。プレイヤーキャラクターは開始時にクラス(バックグラウンド)を選択する方式で固定ではない。デモだとソルジャー, 科学者, 囚人から選べる。 |
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動作環境 |
DirectX 9.0c以上要 必要環境が簡素で具体的な対応OSすら記載に無い。見た目としてはかなり低速のPCでも動きそうな印象。 パッチで修正済みと発表されているが、まだ“Out of Memory”のエラーは完全には修正されていない模様。どうやらメモリが4GB以下の32bitシステムだと発生する恐れがあるらしい(ユーザーメモリが最大2GBの制限あり)。解像度を下げたり、バックグラウンドのプログラムを停止させると治るといった情報も出ているので、メモリ不足(orリーク)が原因だと考えられる。開発側からもデモで試してから購入して欲しいというアナウンスが現在出ている状況。 |
BASICS | デモにはチュートリアルが収録されており、ゲームの基本的なシステムについてはほぼここで学べる。結構な分量があるがデモでプレイ可能なパートにおいては関係がない物が大半なので、ある程度進めたら本番のキャンペーンに切り替えてしまっても問題無い。 全100レベルでプレイの度にマップは自動生成。これを最後までクリアするのがゲームの目的となる。死亡した場合にはセーブ機能が無いので最初からやり直しとなるが、全てのステータスがリセットされる訳ではなく永久に保持される物も含まれるというシステムを採用している。ステータスはプレイ前に付ける名前単位(プロファイル)で管理される。 一定の間隔でセーフルームが設けられており、ここで買い物や修理等が行える。逆に言えば数レベルをクリアしないとセーフルームが無い為に、複数レベルを総合してのヘルスや弾薬管理が大事となる。自販機では弾薬, ヘルスパック, ツールポイント, レーション(食料)の購入、リペアベンチでは武器, アーマー, ツール類の修理が行える。当然ながら自販機ではお金、ベンチではツールポイントが必要になる。 アイテム類は壊れていくと性能が低下し、完全に壊れたら修理するまでは使えなくなる。また破損度が酷いほどツールポイントを費やさないとならない。レーションは1マップに付き3個を消費し、無くなると空腹でスローダウン&武器の正確性が落ちるというペナルティーが付く。 ゲーム開始時のインベントリーの装備用スロットは、アーマー3, 武器2, ブーツ1, アイテム3となる(デフォルト)。プレイ中にはレシピを基にしたアイテム合成, ハッキングアイテムを使ったミニゲーム, バックパックスロットとのアイテム交換等が可能。 プレイ中に獲得したXPが1000貯まるとレベルアップ。HPの最大値アップの他にPerks用ポイントが入手出来る。Perksは4つのカテゴリに分けられており、ポイントを消費して多種の能力をアンロック出来る様になっている。 保持されるステータスはマップ内にて「Intel」を収集し、それをポイントの形で費やしてアンロックする形になる。まずは新たなキャラクタークラス, レシピ, 敵の弱点をアンロック可能。キャラクタークラスは数十存在しており、それぞれに初期装備品が異なる。レシピはアンロックするほど合成可能なアイテムが増える仕組み。敵の弱点はおそらくだがクリティカルヒットが出易くなるとかそういう効果だと思う。もう一つは基本ステータスとなるHP, ダメージ, インベントリーの最大値を増加させられる。以降はそのステータスでゲーム開始出来る様になるという意味。 難易度は4種類。Intel収集によるスタート時点でのキャラクター能力のアップ、及びゲームへの慣れによって徐々に高難易度に移行していき、ランダムなマップにて繰り返しプレイを楽しむというデザインになっている。 |
GAMEPLAY | 難易度4種類だがデモはEasycoreのみ。クラスは3種類から選べて、初期装備や能力が異なる。プレイ可能なのは3レベル+セーフルームだけとなり、難易度も高くないのですぐに終わってしまう。 ・視点移動は水平方向だけで上下移動は無し ・ジャンプや屈み等の操作は無し。スプリントも無い。 ・右クリックで蹴りを出せる(威力はブーツによって変わる) ・オートマップでアイテム位置等も表示される ・レーダー機能有り ・FOVを設定可能(デフォルト90度) 移動はスリップする様な感じで高速であり、敵の方も移動は速い方。レベル内の敵を50%倒せば出口がアンロックされて脱出が可能になるが、XP獲得やアイテム収集の為には敵を全て倒して探索を行った方が有利。しかしそれだけ死やリソース不足に陥る危険性があるというデメリットを持つ。 グラフィックスは非常に簡素だが、ローポリゴンでは無く2Dスプライトを使っているのが特徴である。視点移動が水平だけ等のゲーム仕様からも、1990年代前半の疑似3Dを使用した古き時代のFPSを彷彿とさせる。よってこの点を気に入るかどうかがゲーム評価の大きな分かれ目となるのは確か。個人的にもその珍しいグラフィックスのスタイルに興味を惹かれたという面はある。敵のデザインはユーモラスな印象を受けるが私としては別に嫌ではない。 回復等の重要なアイテムがマップ内にも置いてあるのか(インベントリーに入れて持ち運べる物は存在する様だが), 弾薬や食料維持のシビアさ, 敵の出現数、等が難易度選択が一番下だけなのもあってこのデモだけでは掴み辛いのだが、おそらくローグライクというスタイルからしてクリアの難易度は高目なのではないかと推測される。 気になったのはマップがランダムと言うが構造が非常に単調で、単に直線通路を繋げているだけという印象。扉を開けて部屋に入ったりが無いので、最後までこれだとしたらリプレイ性はグッと落ちてしまう。 とにかくレベルが100も在ってリプレイ性を重視しているのだから、3レベルに限らずにもっと長く遊ばせて貰いたかった。これだけでは不完全燃焼という感じでゲームの実体も把握し難い。 |
GRAPHICS & SOUND |
画面はデフォルトが854*480(16:9)のウインドウ表示で、フルスクリーン表示, 二倍サイズ, ストレッチ表示などを切り替えられる。なおゲームプレイには関係ないが、少なくとも私の環境ではスクリーンショットが正常なサイズで撮影出来ないという問題があった(FRAPS他幾つか試したが同じ)。 スタイルは見ての通りに疑似3D表示を使用した昔ながらの物となっている。ローポリゴン形式とどちらが優れているとかではなく、この絵柄が気に入るかどうかになる。 サウンドも昔風で音質は悪い。それと種類が少なくて寂しい感じも受けた。 |
感 想 | インディーズ会社のゲームは資金的にグラフィックスに力を入れられないケースが多く、まともにリアル系に寄って大手と勝負しても敵わない。そこで敢えて低クオリティにしてグラフィックスの味で勝負というのはアリだろう。ランダム生成というのも多量のコンテンツを作成しなくて良いのでインディーズ向きである。 このゲームをお薦めするとすれば、ローグライクのゲームが好き or DOS時代の古いFPS風の物が好き、のどちらかに引っ掛かる人向けとなる。だが激しいアクションが嫌いな人には向かないだろうから、どちらかと言えば後者のFPSファン向けとは言えよう。個人的にはローグライクのゲームが好きな訳では無く、後者に惹かれてデモが有ったのでプレイしてみた次第。 結果としてこういう懐かしいのもアリかなぁとは感じたが、ランダムと言うにはマップが単純過ぎてそれ程購入意欲は湧かなかった。だが製品版のプレイ動画で武器やアイテムが多数出て来ている段階の物を見た後だとやや見直したという感もある。今は買わないがセールになったら買うかな程度の評価。 なお上で書いた様に購入意欲を湧かせる、もしくは購入の有無判断の為にはさすがにもうちょっとは遊ばせて貰いたい。その意味で採点からはそれを更にマイナスしている。 評価 40点 |
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