☆ SECRET SERVICE: IN HARM’S WAY ☆
                                                                               01/12/25



製作/販売 FuN LABS / Activision Value
デモ仕様 88MB  シングルプレイが1MAP、マルチ用のMAPを別に一つ収録
概要  先日新たにスタートされたActivisionの別会社Activision Valueからのリリース作品。アメリカでは定着しつつあるValueソフトジャンルに大手Activisionも本格参入して来た訳で、この作品はその第1弾の内の一つ。他には「Alcatraz Prison Escape」や定番の「Ultimate Deer Hunt」と言った物もある。

 このゲームは通常のValue Softの$19.99という価格設定に対して$29.99という価格で売られており、ちょっと他の物とはスタンスが違う様だ。公式発表があったと同時に発売されており、多分全く事前には開発されていることがアナウンスされていなかったタイトルである。
  基本的にどんなゲームかと言うとタイトルの通りにVIPの護衛をするゲームである。Secret Serviceの一員として要人を警護して目的地点まで連れていったりと言った物になる。メンバー達を要所に警護として配置したり、或いは一緒に警護をさせながら行動したりというミッションもあるそうだ。
GAMEPLAY  まず最初の問題として、このデモでは要人の警護が出来ないという不可解な点を上げておこう。このデモで出来るのは単身救助を求めるためにMAP上のある地点まで到達すると言う物で、いわゆる普通の3DFPS調のゲームとなってしまっており、なぜゲームのメインの内容と関係無い物をデモとして採用するのか理解不能である。
 まあそれを言っても始まらないので取りあえずデモに関して言えば、確かにValue Softという感じはする。ただゲームは結構面白い要素を持っており、単なる安物という印象ではない。コンセプトや内容にはかなり良い部分があってそこはいいのだが、予算が足りなかったのか主にグラフィックがコンセプトについて行っていないという印象。

 ゲームは自分のキャラを選択してキャリアを開始。数々のミッションを武器やアイテムを選択した後にスタートさせる形式。ゲーム中には一切のSaveは出来ない様だ。
 このミッションでは目的は脱出なので、群がる敵を倒したり気が付かれずにすり抜けたりといった事で目的地に達するというよくあるパターンのゲームとなってしまっている。一般人はいるのだが、自分で誤射しても2人まではOKで敵が撃ち殺す分には関係無いらしい。難易度的にはやや難しく、Normalでは簡単に死んでしまうのでEasyでルートを憶えてからでないとキツい。

 このゲームの妙に凝っている所の一つは物理特性で、弾丸の貫通を正確に計算している。オブジェクトの表面を16種類に分けており、それぞれについて武器による弾速と距離から貫通時の減速とそれによるダメージの変化をちゃんと計算しているそうだ。実際にドアや箱等を撃ち抜いて敵を攻撃する事が出来る、というか自分にも当る。ただある程度撃つと壊れてしまうというのにはリアル感が無いという欠点もあるが。
 もう一つ机や椅子、箱と言った物を移動させる事が出来るのだが、この移動が引き摺って動かすのでは無くてちゃんと転がるようになっており、その描写がやけにリアルだ(ただしその分目的の場所には動かし難い)。これを使ってドアにバリケードを築いて敵の侵入を防いだりとか、銃撃戦での盾として使用したりする事が可能になる様である。

 シューティングとして見れば平凡であるが、一応Leanで先を確かめて不意打ちでクリアしていくと言うのが基本。そういう意味でステルスではあるのだが、この気が付くという面に関しては敵AIはあまり良く出来ていない。ただこちらに一度気が付くとかなりの距離を移動したりして追ってくる能力を持っており、突然背後から攻撃を掛けられたりという事も。銃撃戦では障害物があれば利用する事も有るし、全体的には普通の出来と言える。

 マルチプレイはデモでも可能なのだが、どうもこれはQaukeのような登録タイプらしくサーバーの検索が出来ない。かと言ってGamespyに未対応なので実質誰かと打ち合せないとマルチが出来ず、今回は検証出来なかった。
GRAPHIC  問題はここだろう。他に人とお金を使ったからなのか、あまり良い出来とは言えない。オプションではかなり細かい設定も出来るのだが、最高レベルにしてもそれほど大したグラフィックにはならないのが残念だ。特にキャラクタのモデリングとアニメーションが問題で、やっている気持ちを萎えさせる様な出来映え。ペナペナした印象で重量感が無く、本当に安物のゲームと言う感じになってしまっている。
 銃の発射エフェクトも寂しい感じだし、またParental Lockが付いている割にはGoreの表現はおとなし過ぎる。それも含めてテーマの割には重厚感が無いのが致命的か。ただ一つ、壁際で敵を倒すとちゃんと壁にもたれてズルズルと倒れて行くのはよく出来ているが.....

 MAP表示も見にくくもう一工夫あっていい所。それと怪我をするとアニメーションやエフェクトでそれを知らせると同時に撃ち難くなるというシステムは良いのだが、もうちょっとグラフィック的にちゃんとした物にして欲しかった。

 普通のマシンの人がターゲットという事からか、グラフィックは軽い。
SOUND  EAXとA3Dに対応。銃の音その物は普通と思うのだが、当った物によって変化する音質はいい出来。また音の位置表現はかなり優秀で、銃撃戦で自分の後の物にカンカンと音を立てて銃弾が当るのがハッキリと分かり迫力がある。
INTERFACE  メニュー関連はちゃんと力を入れて作ってあってValueらしくない? リアルさ重視という事からかアイテムを拾ったりするには専用のキーが用意されたりしているが、このデモでは特に煩わしさとかは無い。ただジャンプがやりにくく、飛び上がれる筈の部分に上がるのに何回もやり直さないとならなかったりする。

 問題点はドアの開閉が不自然な動きをする事と、オブジェクトを思った位置に移動させるのが難しいという操作性か。3人称にも簡単に切り替えられるのはリアルさから言うと不自然だが、この難易度だと必要なのでOKの範疇だ。
安 定 性  落ちるとかは無いし特に問題無い出来。マルチは未検証。
感  想  このゲームのアイディアは面白いし、またゲームの内容解説を見る限りは興味を惹かれるゲームである。コマンドによるAI操作の出来も含めて、そちらを試せるデモでないのが非常に残念。
 
 全体的にプロトタイプという感じで、正式に出すゲームの70%程度の完成度という印象。これをベースにして各面を充実させればかなり面白いゲームになったのでは無いか。他のValue系より高い価格設定なのだから、もっとグラフィックを主に改善して欲しかった所。実際Value Softにはちょっと勿体無いゲームで、ちゃんとしたゲームとして作成したら良いのが出来たのではと思わせる。

 AIとかがある程度の出来ならば考えても良いけど、ちょっと望み薄という予感がするね。滅多にValue系ゲームのレビューとかは出ないので探せるかわかりませんが、その辺情報を集めてみようとは思ってます。

 (03/04/16) これはレビューとかユーザーのリアクションとかはそれほど悪くなかった。ただ購入の優先順位が低い為に見送り。

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