☆ CHROME SPECFORCE ☆
                                                                               05/07/10



製作/販売 Techland / Deep Silver       公式サイト
デモ仕様 335MB   シングルプレイのみ1個のミッションをプレイ可能
概要  2003年にChromeをリリースしているポーランドのTecklandからの新作。タイトルにChromeの名前が付加されているように、世界観は同じ設定のゲームとなっている。今回は宇宙を舞台に活躍する特殊部隊の一員となって、平和を乱す組織に対抗するというストーリーになるようだ。

 製品版はマルチプレイにも対応しているが、これはDMやCTF等の一般的なモードのみ(Coopは無し)とChromeとほぼ同じ内容に見える。

 既に地元を含めて幾つかの国では発売されており、英国では8月に発売予定。北米地域での予定は不明。

動作環境
HARDWARE 必要環境 推奨環境
CPU P3  1.3 GHz P4  2.0 GHz
MEMORY 256 MB 512 MB
VIDEO VRAM 64 MB
Vertex & Pixel Shader対応
VRAM 128 MB
Vertex & Pixel Shader対応
SOUND DX 8.0 compatible EAX
対応OS  98/ME/2000/XP
DirectX 9.0c以上要


 ビデオ関連ではPixel Shader 1.1を要求しておりGeForce 4MX系では動作しない。オンボード系のビデオも未サポートとなっている。基本的に2003年のChromeにて使用したエンジンをそれ程いじっていないらしく、必要環境は最近のゲームとしてはそれ程高くない。もし起動しない場合にはプログラムグループのメニューに有るSafe Modeを試してみて欲しい。

 オプションでNormalまでしか選べない物が何箇所か有り、実際の製品版でも同じなのかは分からないが、現時点ではそれ程重くは無い部類のゲームだろう。Geforce 6800GTにForceware 77.72の組み合わせにて動作には問題なく安定していた。
GRAPHIC  広大な地形を一度でロードしてしまうのと、リアルな草木の描画といった点を売りとしているが、やはり2年前の物がベースとなると現在ではインパクトが薄い。それとこのマップのみなのか不明だが、草木や建物が枯れた色合いのみで構成されているので非常に地味に見えてしまう。それでもアウトドアは空気感等結構リアルな感じで合格点は与えられるだろう。

 草木の出来は風で揺れるアニメーションが有ったりと引きの視点で見ていると良い感じなのだが、近くに寄ると草のグラフィックが一枚画だったり(DOS時代のゲームの様に、2Dの一枚の画がプレイヤーの位置に応じて真正面を向くように回転する)と欠点も存在している。

 対してインドアはテクスチャの質も大して良くなく、特に目立つ点が見当たらない。一般的にアウトドアはランダムにオブジェクトを配置しても問題無い(というかランダムの方がリアルになったりする)のに対して、インドアは細かな箇所までキッチリと作り込まないとリアルにならないという面がある。それ故に予算や人員が足りないマイナー会社では弱点となりがちであるがこのゲームもその一例だろう。

GAMEPLAY  デモのミッションではPointerと一緒に行動するが、特に指示が出せるでもなくスクリプトで動いているだけ(製品版でも指示が出せるとかでは無さそう)。なおPointerが死んでもゲームオーバーとなるので注意。

 I/F系は以前プレイしたChromeのデモと同じ。ログの保存機能や次のオブジェクトがマップ中に表示される等は親切な設計。FPSとしての仕様は、Leanは可能だが撃てない、移動速度は持つ武器によって変化、姿勢によって命中率が変化し照準の大きさが変化するタイプ、Quick Save/Load可能、という風になっている。

 ゲームの特徴としてはまずターゲッティングが或る程度オートになっており、照準が敵の近くに来ると赤に変化して居場所が分かるようになっている。草木が邪魔で敵が認識し難い箇所も有るので(敵には見えてしまうようだ)、これが悪いのかどうかは何とも言えない。

 次にスロット式のインベントリーを採用しており、ここに収まる範囲内の物しか持ち運べないようになってる。よって武器の数を増やすと弾薬や回復剤が持てなくなるといった戦略性が含まれている事になる。


 戦闘での重要な機能としてはDeus Ex風のインプラントが挙げられる。着込んだ特殊スーツの機能をONにする事により、「移動速度&発射速度Up」、「Powershield」、「スローモーション」、「カモフラージュ(透明化)」、の4つの能力を使用可能。複数同時もOK。使用にはエネルギーが必要であり、無くなった場合には敵から奪ったRechargerを消費して再充填をする必要がある。
 その他乗り物を使用可能になっており、今ではもう珍しくは無いがSF世界なので2足歩行型ロボット(Walker)を操作出来るのは面白い点だろう。このデモでも3種ほどのWalkerに乗り込んで戦う事が出来る。

 Normalでプレイしたが、フル回復可能なメディキットが敵から大量に奪える為に基本的には簡単なレベル。ただし敵が多く出たりWalkerとの対戦となると、特殊能力を使って戦わないと難しいというケースはある。バランス的にはスローモーションの能力が強力過ぎるという印象を受けた。後は武器を多く持つとスロットの関係でメディキットとRechargerが多く持てなくなり厳しくなるという面は持っている。


 問題点について以下に列挙。まず特殊能力を使えるという要素は良い点なのだが、これに特別なエフェクトが無い為に使っているのかどうか視覚的に分からないし寂しい。これは非常に気になった点。それと併せて武器のエフェクトにショボい物が多く、また銃器系は使用感が似たり寄ったりという印象。あとグレネードを投げるアニメーションが変で使いにくい。

 またマップが広いのは確かで、ローディングも最初を除いては速いというのは評価出来るが、進行は一本道でありその広さという要素を活かし切れていない。全部がそうなのかは断定出来ないが、もっとオブジェクトの達成に自由度が欲しいところ。
 AIについては初期配置以外はスクリプトにて湧いて出る方式を採用している。それ自体は別に悪い事ではないのだが、いざ登場した後にダイナミックな動きをしてこないのは問題点。大抵はABという2つの地点を行ったり来たりしながらこちらに攻撃を仕掛けてくるだけであり、障害物を移動して攻めて来たりとかが見られない。

 その他ではハッキングは神経衰弱のミニゲームというのもちょっと安易か。

SOUND  先に書いたように銃器のサウンドには改良の余地あり。EAXの効果もそれ程感じられなかった。

感  想  各種特殊能力が使えるという点は面白いと感じたが、上にも書いたようにその面白さを上手くアピール出来ていない。後は未来世界においてVehicleに乗って戦えるという点、特にWalkerを使えるというのは爽快感もあってプラスと感じた。

 だがそういった付加要素を取り去ってしまうと、後は非常にオーソドックスなFPSという感じでしかない。特殊部隊といっても仲間は単にスクリプトでしか動かないようだし、そうなると普通のFPSと別に変わらない事になってしまう。戦闘も淡々と進んで行くという印象であり、もしAIの動きが良ければそれでも楽しめるのだが、この出来ではすぐに飽きが来そうである。

 そうなるとマルチプレイの方に期待となるが、これもChromeとあまり変わらないとなると人が来るかどうか。こちらもデモが欲しいところである。現状では北米で売るにはValue価格帯でないと厳しいと思われる。


 購入確率 20% (;´д`)      人気は出ずすぐに値崩れ。その後安値で売られていたのを購入。

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