☆ SYBERIA ☆
                                                                             02/07/28


製作/販売 Microids/Dreamcatcher       公式サイト
デモ仕様 103MB   ゲームの冒頭部分がプレイ可能
概要  現在では数が少なくなった純粋なアドベンチャー・ゲーム。ドイツ・フランス・イタリア・スペインというのが現在のADV人気国であり製作本数も多いのだが、これが英語圏となるとU.K.ではそこそこ人気はあるものの、米国においては壊滅状態という感じである。そんな中Dreamcatcherは地道に米国にて欧州のADVを販売している会社で、今回は数十本を数えるそのラインアップ中でも話題性ではトップクラスの作品となる。米国では9月発売予定だが、初期出荷30万本というこのジャンルでは異例の力の入れ様である。既に欧州では発売済み。

 ゲームのライターはADVゲームAmerzoneの作者でもあるBenoit Sokalで、この人は漫画家としても著名らしい。
GAMEPLAY  あちらのサイトでの評判を聞く限りでは、ゲームのスタイルは昔ながらのADVゲームでストーリー重視型。ストーリーに絡んだ論理的な謎と、登場人物との会話やアイテムを使っての謎解きというタイプである。もう一つの主流であるMystタイプのパズル型ADVゲームを期待すると外れるだろう。主人公が女性でストーリー性が高いと言う事から一昨年のベストセラーThe Longest Journey(FunCom)との類似性を指摘する声も多く、今年のADVのベスト候補であるのは間違いないようだ。

 ストーリーとしては、主人公のKate Walkerがアルプスのある田舎町へと仕事の交渉にやってくる所から始まる。その地にある著名なAutomaton(からくり機械)の製作会社と依頼主の玩具メーカーとの合併話を締結するのが目的だったのだが、不幸にも到着した日に会社の高齢の女社長が亡くなったという知らせを受け取る。交渉を進めようとするKateだったが、遺言によると既に亡くなったものとされていた社長の弟が実は生きており、交渉権はその亡くなった弟Hansへと譲渡される事となった。Kateは交渉の為にフランスからヨーロッパを横断して、シベリアの地までHansに会う為の旅に出る事になる。
 ゲームの設定は現代ではあるのだが、かなりファンタジーやSF的な要素を組み込んだ幻想的な世界観のゲームとなっているようだ。思考回路を持った人形というのも登場するらしい。

 このデモについてはちょっと短過ぎて評価がしにくい。スムースに行けば30分程度で終わってしまうので物足りない感も強く、あくまでもゲームの操作系や雰囲気を味わってもらう程度である。ただそれでも全体から受ける第一印象は非常に良い感じで、落ち付いた印象の重厚なグラフィックは素晴らしい。
 ゲームの進行は非常にオーソドックスな造りだが、携帯を使ってゲームを進行させるという点は新規なアイディアと言えるかも。会話については適切な物を選択して進めるといったシステムではなく、ストーリーの解説と情報集めいう意味合いが強いようだ。
GRAPHIC  解像度は800*600固定で、640*480が多いADVからするとかなり精細な印象を受ける。しかしこのゲームの要求する仕様はADVゲームとしては相当高く、3Dのアクションアドベンチャー系並となっている。特にVRAM 16MB以上要・32MB以上推奨というのは他に無いのでは?

 高い性能を要求するだけあって画像のクオリティは非常に高い。アンチエイリアスモードも持っており、より精細なモードにする事も可能だ。木や石の質感なんかは明らかに通常の物よりも1ランク上という印象である。このデモではそれほど多彩なアニメーションを見せてはくれないものの、登場するキャラは平均して5万ポリゴンで製作されているそうで(これから出る最新のFPSゲームでも5000程度)、ポリゴンという感じがしないレベルである。
SOUND  ADVではBGMは非常に重要なのだが、それはこのゲームでも例外では無いようだ。ただデモにおいては目立った使われ方をしていないので何とも言えない。
INTERFACE  画面上の進める方向へはカーソルの形状が変化するので分かり易いタイプ。アイテムを使える場所もその意味のアイコンが出る。ダブルクリックで走って、右クリックでInventoryというのも標準的。特別な操作上の問題は見受けられなかった。

 ただ会話はキーワード式なのだが、そのログを取る機能は無いようでちょっとそこは気になった。
安 定 性  特に問題なし
感  想  話題性が高いだけあって期待通りのハイクオリティな作品となっている。The Longest Journeyと確かに似てはいるが、あれほど会話がヘビーで重要視されるという物では無さそうだ。この先のゲームのScreenshotを見ても良い雰囲気だし、既にプレイした人のリアクションもかなり良いので楽しみな作品である。


 (03/04/16) 購入。面白かったし想像していたよりもグラフィックは遥かに美麗。ただし現在2がアナウンスされているが、その2とのセットで一つの話という位置付けの様だ。これは大きな話の前半部という感じ。

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