☆ TERRAWARS: NEW YORK INVASION ☆
                                                                              06/07/01


製作/販売 Ladyluck Digital Media / Tri Synergy        公式サイト
デモ仕様 408MB   シングルプレイ用マップ 4個 / マルチプレイ用マップ 1個  収録
概要  北米では7/3に発売予定となっており、その直前にリリースされたデモとなる。製作はフィリピンの会社で、会社のサイトに有る他のゲームは公式サイトも出来ていないのでこれがデビュー作ではないかと思われる。ゲームに関連する情報はほとんどない。
 アナウンスされてから発売までが短期間、PreviewやInterviewがこれまでに出ていない、価格が$19.99といった点からbudget game(廉価版ゲーム)の位置付けという可能性が高い

 プレイヤーは医学生 John Armstrong。地球を侵略に来たエイリアンと戦う為に軍に入隊した若者で、NYを舞台にして仲間の力を借りながら無数のエイリアンと戦うというストーリー。

動作環境
HARDWARE 必要環境 推奨環境
CPU Pentium 4 クラス -
MEMORY 256MB -
VIDEO VRAM 32MB -
SOUND DirectX対応 -
対応OS  2000/XP

 Readmeが付いていないので詳細は不明。Lithtech Jupiterエンジンで製作されており(No One Lives Forever 2, TRON 2.0等)、これ等のゲームではHardware T&L機能が必須となっていたが、このゲームではその辺についての記載はない。しかしノートPCを含めて広範囲のPCでプレイ可能という点を宣伝文句に入れているので、近年のFPSだと起動すらしないというレベルのPCでもプレイ出来る可能性は高いとは言える。
GAMEPLAY  まずこのデモは相当にボリュームが有り、シングルプレイ用のマップが丸々4個収録されている。更にそれぞれが結構長いので、2時間前後はプレイ出来るだろう。

*命中率は照準の開きで表現されるスタイル。走ったり連射すると大きく広がる仕様。
*Iron Sight採用。使用中は移動速度が遅くなる。
*リロード時間長い
*武器は実銃タイプのみ(エイリアンのSF武器の様な物は無さそう)
*スタミナの概念有り
*Lean可能
*武器の重量によって移動速度が変化
*ヘルスパックは持ち運び可能

 アクションFPSではあるのだが、敵の正面に出て行って真っ向から撃ち合うというスタイルのゲームではない。序盤だけかも知れないが、デモでは物陰からLeanして攻撃というのが基本スタイルのバランスとなっている。デモに出て来るモンスターのプラズマ弾が近距離で見て避けられるような速さではなく、しかも来る時は連射してくるので当たると一気に削られてしまう。更に敵の死亡アニメーション(緑色の気体化)や銃のエフェクトが重なって向かって来るのが見え難いという時も多々ある。

 銃のUpgrade機能を一つの売りにしており、敵が死んだ後に残すエネルギーを貯めて好きな時に使用可能。ダメージ・クリップ数・正確性の3項目を銃毎に4段階に伸ばす事が可能になっている。
 プレイヤー自身の能力もマップ内に存在するパワーアップを取る事で、Health/Armor/Staminaの最大値を上げる事が可能である。ただしこれ等はSecretの様に脇道に隠されている事も多い。

 最初のマップは武器の能力が低いというのもあって結構難易度が高い(Normal)。特にプレイヤーは海兵隊の一員という事で上官と一緒に行動するのだが(スクリプトで自動に動く)、彼らの援護を呼ぶ声に耳を傾けていると悲惨な事になる。彼等はスーパーマンの如きヘルスを持っているので撃たれようと実は大した事はなく、実際に援護が必要なのは自分の方という風になっているのだ。なので常に背後に位置して仲間に前線を任せ、隠れながら戦うというスタイルが中心になる。
 武器の改造が進んでくると敵を速く倒せるようになるので、それ程隠れなくても戦う事が出来るようになってくる。ただ厄介なのは固定砲台とスナイパーで、固定砲台は背後にGrenadeを投げないとダメージを与えられないし、スナイパーの弾はやはり高速連射弾なので上手く隠れて戦わないとならない場合もある。

 サウンドも関係してくるのだが、敵を撃っている・倒しているという感覚が弱いのはFPSとしてはいただけない。敵がやられた時のアニメーションも一種類しかないようだ。

 これだけゲーム時間が長いのに敵が3種類しか出ないのは大きな弱点。この辺はバランスも悪く、銃の改造によるパワーアップに敵の強さがついて行かないという感じにもなり、後半はかなり倒すのが簡単になってしまう感あり。製品版では多数出るという話だが、これだけ出し惜しむという事は全体でもそう数が多くないのでは?と疑ってしまう。
 AIについては一箇所に止まらずに結構動いてくるのは良いとして、知的な行動は見当たらない。それとこちらがLeanして覗くのを認識出来ないという問題を抱えている。

 マップは相当に広いが、一本道ではあるしコンパスに目的の方向は出るので迷う事はないだろう。逆にガラーンとした空間という印象が強くて、その分同じグラフィックの繰り返しが多く無駄に広いという感じなのはマイナス点。

 Quick Save可能でLoadが速いのは評価出来る。

 マルチプレイのCoopについては未検証。シングルプレイ用のマップはプレイ可能という仕様。(マルチプレイはMaster Serverが無いのでサーバー検索が出来ない。よって知り合い同士で無いと無理。一応製品版ではこれを修正するシステムをテスト中になっている)。

GRAPHIC  Jupiter Engineを使用しているとは言え、NOLF2やTRON2.0の様なレベルを期待してはならない。あくまでもグラフィックエンジンはツールであって、製作するチームによってそれを使って出来る物は変わってくるからだ。30-50人程度の経験の有るチームの作品と、少人数のチームの初作品を比較すべきではないだろう。

 キャラクタモデルの数が少ない上にモデリングの質が低く、特に女性隊員の顔は何か怖い。ポリゴンがやたらと重なって表示されてしまうのもプレイしていて気になった点。エフェクト系も最初から低スペックPCに合わせているという事からか控え目であり、Lithtech Engineで御馴染みのPerformance Optionには多数の項目が出て来るが、どれだけ有効になっているのか疑わしい。総合的に5年以上前のレベルと言える。

感  想  酷いと言えるまでの安っぽさは無いし、モンスターを登場させている点や(廉価版ソフトでは敵が人間以外なのは稀)、マルチプレイをサポートしているという点からも、一般的な意味でのValue Softに位置付けされる物では無い。とは言えクオリティが現在の基準からして低いというのも事実だろう。

 個人的な感想としては、モンスターを出すならそのバリエーションが大切であり、それなのにこれしか種類が出て来ないという点に一番の問題を感じる。マップの単調さは仕方ないとしても、それを感じさせないようにする為のモンスターの多彩さなのに、むしろその単調さに拍車を掛けてしまっている感がある。
 それとエイリアンに軍が立ち向かうという背景設定からしたらこのアクションとリアルさの中間を取ったようなゲームの仕様は間違っていないのだが、スーパーマン的な主人公の完全なアクションにしてしまった方が爽快感もあってまだ良かったようなという印象を受ける。

 それ程全体のボリュームが有るとは思えないし(廉価ソフトは6-10時間程度が通常)、Coopはまだ未知数で有るが、現状$19.99だと敢えてこれをという気持ちにはならない。同じく廉価で売られていたがModや新マップでそこそこCoopには人気が有ったLand of the Deadの様にツール系がリリースされるとなれば話は別になってくるのだが。


購入確率 10% (T^T)

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