☆ THE CLUB ☆
08/02/13
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製作/販売 | Bizarre Creations / SEGA 公式サイト | |||||||||||||||
デモ仕様 | 1.93GB シングルプレイ用 2マップ収録 | |||||||||||||||
概 要 | 制作を担当する英国のBizarre Creationsは、Xbox用のレーシングゲームProject Gotham Racingシリーズの制作で有名。既にGoldとなっており、北米では02/19にPC, Xbox 360,
PlayStation 3にて発売される。 ゲームのストーリーは多くの格闘ゲームと同様で、闇の組織"The Club"に集められた8人の男達が、それぞれの目的は異なるもののNo.1を目指して戦うという設定。 一般的なTPSとは異なり、ストーリーに沿って進行するシングルプレイを扱ったゲームではなく、ゲームセンターのアーケードゲームの様式を採り入れたハイスコアを目指す為のゲームである。8つのロケーションに設けられた49個のチャレンジに8人の異なった能力のキャラクタで挑み、ゲーム上の設定スコアをクリアすると共に、ネット上にて運営側が設けた600種類以上のランキングで上位を目指すのが目的となる。ゲームのデザインや狙いについて詳しくはUpcoming Gamesを参照してもらいたい。 このデモではプレイ出来ないがマルチプレイも含んでいる。8人までが参加しての対戦が可能。マルチプレイの仕様は全ての機種で同一だが、PCでは画面分割での対戦はサポートされない。 |
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動作環境 |
DirectX 9.0c以上要 必要環境の詳細は不明。ビデオカードとしてはRadeon X800以上とあるので、最低でもShader 2.0以上は必要と考えられる。その他は近年のゲームとしては低い環境にて動かせるゲームの様だ。 コントローラ対応だが、Xbox 360公式以外の物で正常に動作するのかは判らない。 このデモでは操作キーの設定が保存されない。 |
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GAMEPLAY | 上でも書いたようにストーリー性を持ったゲームでは無く、どれだけの高スコアを出せるかを競うゲームである。このデモにおいてはNemoというキャラクタのみが選択可能で、2つのゲームモードをプレイする事が出来る。視点は三人称固定でズーム視点が有るのみ。操作性は一般的なTPSと大きな変りは無い。 スコアに関してはそのゲームモードにもよるが、概ね以下の様な要素が関連してくる。 *選択した難易度 *倒した敵の数及び種類 *弾の命中部位。Headshot等でボーナス。 *攻撃の命中率。倒した時の敵との距離。 *特殊なアクションを含めて攻撃(ローリングして撃つ等) *時間制限のあるゲームならばクリア時間 *コンボでのKill 中でも重要となるのが最後の連続して倒すという概念で、途切れなく敵を倒して行く事で画面右上のコンボメーターの倍率が上昇して行く。この値を高く保つ事で敵一人当たりのポイントが高くなるので、ハイスコアを狙うには欠かせない要素となっている。なおこれはマップ内に存在する髑髏のマークを撃つ事(Skullshot)でも連携させられ、どれだけこれを壊せたかでクリア時のボーナスも変化する。逆に敵を倒せないで間が空くとメーターは段々と下降してしまい、再び上昇させるのに時間が掛かってしまう。 敵を倒す間隔を空けないとようにするとなると、敵の発生場所から次の発生地点までを短時間で移動する必要が出て来る。しかしキャラクタによって走る速さは異なるし、その持続時間(スタミナ)も異なっている。その為に敵の発生場所を憶えるのと、どこでスプリントを使うかという作戦が重要になってくる。敵を出来るだけ倒すのか、それともタイムを優先するのかの見極めも重要となるだろう。 また回復薬や弾薬はマップ内に置いて有るのだが、拾いに行くのがタイムロスとなるケースが多い。よって如何にして敵の攻撃を受けないようにしてヘルスを拾う回数を減らすのかや、弾を的確に命中させて消費量を少なくし補充回数を減らせるかも大事である。時間の掛かるリロードをどのタイミングで行うかもかなり重要となり、破壊力を持ったグレネードの使い所も考えないといけない。 つまりレースゲームのタイムアタックの様に徹底的にやり込み、極限までスコアを上げられるルートやクリアの仕方を考えて、そしてそれを実践するという点に面白さを見い出すゲームと言える。どの様なシステムが使われるかは不明だが、ネット上のランキングで上位を目指すというのがゲームを続ける最大のモチベーションとなるはずだ。一応難易度によってクリアとなる基準スコアが設定されていて、それを達成すれば別のマップがアンロックされて行くというストーリーモードの様な物は存在しているが、やはり他人とのスコア競争に比較すると魅力は薄くなる。 モードの一つ目はSprintと呼ばれるシンプルなモード。敵を倒しながら出来るだけ短時間でゴールまで到達すれば良い。Time Attackとの違いは、TAではカウントダウンされるタイマーが切れないように、敵を倒したりチェックポイントに達したりして常にボーナスの時間を獲得する必要が有るという点。よってSprintの方が、早くゴールしないとならないのに変わりないが、プレイヤー側のクリアの仕方の自由度は広いとなっている。 含まれているベニスのマップはかなり道が曲がりくねっているが、矢印が用意されているので迷う事は無いだろう。ただ最短ルートを考えたりするには相当やり込まないとならないのは言うまでも無い。 二つ目はSiegeと呼ばれる一種の耐久モード。指定された区域内に留まって、次々に出て来る敵から指定時間内を生き延びないとならない。区域外にヘルス等のアイテムは存在しているが、5秒以上離れると装着された爆弾が爆発してゲームオーバーとなる。こちらは引き気味で隠れてプレイすれば生き延びるのは難しくないが、目標スコアを達成するにはやはり敵を数多く倒さないとならないので、その辺のバランスをどういう風にするかという作戦が必要になってくる。 このゲームについては通常のTPSゲームとはそもそものコンセプトが異なっているので、評価するに当たってはまずはそこからハッキリさせないとならない。つまり「あくまでもストーリー性を持ったゲームがプレイしたい」という人には無用のゲームとも言えるが、そもそもデザインとしてそういう路線を狙ってはいないので、それを持ってこのゲームを否定する訳にも行かない。ハイスコアを狙っての徹底したやり込みが好みの人には好まれるだろうし、それを前面に推し出したゲームがTPS界には無かったので(クリア後のタイムアタックモード等、部分的にそういう要素を持ったゲームは幾つか存在する)、ユニークな存在として広く受ける可能性も持っている。 個人的には(最近はあまりやらないが)レースゲームはよくやったし、ハイスコアを競うという面白さも否定はしない。だからユニークなアプローチのゲームとしてちょっと面白そうかとも考えていたのだが、実際にプレイしてみるといろいろと問題点が感じられて大してプレイせずに止めてしまった。 理由の第一がスコアに関わる要素が多過ぎるという点。この手のハイスコア(クリア時間)を狙うゲームでは、それを達成するのにプレイヤー側が考慮する要素が少ない方が良いと思う。例えばレースゲームのタイムアタックならば、コースの形状を憶えて後はライン取りやブレーキング&ギアチェンジのタイミングに集中するといった具合で、それ程多くの要素が絡んでくる訳ではない。後はどこまでコントローラを精密に操作出来るかに掛かってくる。 しかしこのゲームではスコアを上げる為に考慮すべき要素が相当多く、それに加えて正確な射撃のコントロールも要求されてくる。つまりスコアの体系が複雑過ぎて、どこに焦点を絞ったら良いのかが分からずゲームに集中出来ないのだ。おそらく相当やりこんで来るといろいろとハイスコアを出す為の作戦が見えて来たりもするのだろうが、そこまで到達するまでのハードルが高過ぎるように感じられる。要するに「純粋に全ての敵を倒してゴールに到達するまでの時間を競う」とか、「スコアに関わるのはコンボの持続時間のみ」といった感じにして、プレイヤーが考慮すべき要素を少なくしてやった方が集中力が高まって熱中し易いと私には思える。 第二にFPSではなくTPSなのはともかくとして、プレイ全般の感覚が軽い。キャラクタの移動や銃撃に重量感が感じられず、ある意味では非常にゲームっぽいとも言える。また敵との戦闘も爽快感が無い。高度なAIを持った敵がランダムに動き回っては、プレイする度に変化が生じてしまってハイスコアに運の要素が入って来てしまうから、なるべく単純な動きにするというのは分かる。だが撃っても単に倒れるだけで達成感が無いというのは問題。本当に人の形の的を撃っているような感覚である。 他に細かな点では、マウスの感度が非常に高いという点も気になった。ゲーム性からして速い方が良いのは確かだが、最低にしても効き過ぎではないかというレベル。これは公式Forumを見た限りでは問題点として既に上がってはいるが、全ての環境で出るという訳ではない様だ。 |
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GRAPHICS & SOUND |
グラフィックスは最高設定にしても軽いという印象で、マップの雰囲気も空気感が出ていて結構好み。製品版にて同じロケーションのマップでも変化が付けられているのならば、更に高い評価を与えても良いだろう。ただ軽さを実現しているのはゲーム性からしてマップが小さいからというのが有利に働いていると思うし、大量の異なったテクスチャが用意されているという感じでもない。キャラクタのモデリングやアニメーションは大した事が無く、敵のバリエーションももっと豊富な方が理想的。 エフェクト系では走った時のモーションブラーが目立つが、今回の使用キャラが最高速だからなのか、効き過ぎて周囲が見え難くなるというのも感じられた。銃器系のエフェクトは見え易いようにする為なのか控え目である。 サウンドはEAX Advanced HDに対応しており、サラウンドではSP位置調整機能まで付いている。だが肝心のサウンドの方はかなり弱く、銃毎の音の変化はハッキリと判るのだが、とにかく音が軽過ぎて迫力が無いのが大きな欠点。 |
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感 想 | ゲームの見た目はTPSだが、一般的な物とはゲーム性が異なるので、プレイヤーによって好みが分かれるゲームなのは間違いない。個人的には思っていたよりもゲームのシステムに合わなかったので、少なくとも相当安くなるまでは手を出さないと思う。$49.99という価格で判断するなら 購入確率 20% (・_・、) |