☆ URU: Ages Beyond Myst ☆
03/11/19
製作/販売 | Cyan Productions / Ubi Soft 公式サイト | |||||||||||||||
デモ仕様 | 112MB シングルプレイ専用 | |||||||||||||||
概要 | Myst, Riven, Exileと続くシリーズの新作。Uruとは”City”の意味。初代からの固定ファンが多数存在しており、現在のADVゲーム界においては、売り上げや(一般ゲーム界への)露出度では別格とも言えるゲームである。今作は発表当時からマルチプレイに対応という事で論議を呼んだ作品であり、この課金式のマルチプレイのパートが成功するのかどうかはこれを書いている時点では何とも言えない状況である。最初はマルチプレイの方に相当な力を入れるという感じだったのだが、そのシステムが既存のファンへのリアクションが良くなかったという事からか、実際の製品版は「ちゃんとした一本のシングルプレイ用ADV」に加えて、その後「料金を支払ってマルチプレイでも遊べる」という形態にて発売されている。プレイにオンライン接続が必要とか、シングルのパートはオマケ的な存在、といった構成では無い。 なおまだ未稼動のマルチプレイのパートは不明瞭な点も多いのだが、シングルプレイとは別に製作された世界にて友人同士や知り合った仲間と一緒に謎解きをしていくゲームとなっており、コンテンツは順次追加されていくシステム。ただし世界は"Book"毎にClosedであって、一応MMOGではあるのだが謎解きの速さを競ったりといった要素は導入されていない。或るホストが作成したBook内にはパスワードを知っているプレイヤーしかアクセスは出来ないという平行世界なので、解こうとしていた謎を他の知らない人間に先に解かれてしまうといった事は起きない仕様。 若干ゲームに関するデータ。この作品はシリーズにおいては外伝的な位置付けの作品であって、設定に関連性はあるが従来のシリーズ作品とは別系統のゲームである。Myst IVに当たる作品は別にプロジェクトが存在している。MAC版に関しては現時点では未定。 |
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動作環境 |
Direct X 8.1b以上要 厳密にそうなのかは未確認だが、最低環境に「NVIDIA GeForce 1, 2, 3, 4, or FX; ATI Radeon 7000-9800」とあるので、Hardware T&L必須と考えた方が良いだろう。 上記の様に要求するシステム環境はADVゲームとしては飛び抜けて高くなっている。普段3Dアクションゲームをプレイしている人には何時の時代かと思われるだろうが、現在発売される多くのADVゲームの必要環境は「P2 300MHz, 64MBメモリ, 4-8MB程度のVRAMで3Dアクセラレーションに未対応のビデオカード」程度である。おそらくは望むクオリティを出すにはこの程度は必要という事からの決定とは思うのだが、旧型マシン(或いは一般家庭に存在するレベルのPC)でADVゲームを楽しんでいる多くのファンには厳しい仕様とも言える。逆に見ると現在のADVゲームのファン層を考えた場合、売れ行きに相当な影響が出るはずであり大胆な決定という風にも取れる。 |
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GRAPHIC | グラフィックに関しては設定をMAXにすればかなりのレベルとなり、これは想像していたよりも良い出来だ。ちなみに大半のADVゲームがプリレンダーの2D背景にこだわるのには理由がある。第一に予め専用CGマシン等でプリレンダーされた画像の方が遥かにクオリティが高く、そしてその方が表示する際にPCにパワーを必要としないからである。3Dポリゴンの世界にしてしまうと確実に質は落ちるし、更にその中で一定のクオリティを出すにはそれなりのビデオカードが必要となってしまう。そんな中でこのUruは3D世界にも関わらずクオリティの高いグラフィックを提供する代わりに、必要環境に見られるように相当なレベルのPCを要求してくる。私はここまでバーを上げてくるとは考えていなかったので、グラフィックが3Dなのにここまでのレベルとは考えていなかった。 次にグラフィックはその世界を表現する要素そのものとするADVゲームも多く、そうなると各人のPC能力によって画質が変化してしまうのは問題であるという考え方がある。2Dの固定解像度のプリレンダー画像ならば差は原則的に生じないが、3Dにしてしまうとクオリティが変化してしまうので、作り手が”Art”として作成した世界がそのまま伝わらないという危険性が出てしまう。例えば画家が写真撮りの画集を作る時に、色合いが正確に伝わらないとか印刷が悪い物でも良しとは考えないというのと同じ。よって3D環境には移行したがらないのだ。 この面でもゲームの描画エンジンは優秀であり、グラフィック環境を最低に落としてもその変化を最小限に押さえているという印象だ(フレームレートは分からないが)。確かにMAXの物を見た後では画質の劣化はハッキリしているが、最初に最低環境でプレイを始めても大きな失望は無いだろう。 なお3DグラフィックのクオリティはADVゲームとしては高いが、3Dアクションゲームとしては中の上程度か。これはエンジンの限界なのか、これ以上上げては問題が有るという理由からかは定かでない。欲を言えばTextureのクオリティがもっと高いと良かったのだが。 問題点としてはクリッピングのエラーが有ったり、最適化に問題が有るのではと感じさせるくらいにメモリを消費してしまうのは難点。それと場所によってはかなり暗くて、Brightnessの調整が難しい点も気になった。 |
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GAMEPLAY | ゲームの大きな変化としては、一人称視点から三人称視点の世界へと変化を遂げた事が挙げられる。従来のプリレンダーされた2D画像をスクロールさせたりする方式ではなくて、ゲーム内のObjectが3Dのデータとして存在していてその中を自由に動き回れるというシステム。realMystと同様だが、このUruでは作成した分身での三人称も可能である。これによって実際に世界の中を自分で探索しているという感覚が大幅に増している。グラフィックの項でも書いたように静的な2Dプリレンダーに比べるとクオリティは落ちるが、その反面生きた世界という雰囲気が出ているのは強みだろう。 ゲーム内の操作キャラクタは性別を初めとして非常に細かく体の各パーツを選択及び調整する事が可能となっており、機能制限されているデモにおいてもかなりのカスタマイズが可能である。目・肌の色や体型・年齢等多くの項目はアナログ式に変化させられるので、2人として同じキャラクタは存在しない。 今回は5つの時代が用意されていて、それぞれの時代にはいつもの”Linking Books”を通じて移動する点は同様。このデモではその拠点となる現代においてBookの有る場所に到達するまでをプレイ可能。ゲーム性は基本的にこれまでの物と変化はないようだ。私は個人的にはこういったMystタイプの”パズル型”のADVゲームは好みではないのだが、実際に自分のキャラクタを操作して謎を解いていくのでちょっと新鮮なプレイ感覚はあった。後は操作にジャンプが有ると聞いていたのでどうなるのかと思っていたのだが、そのアクション自体は簡単であって、またそれが出来ないと進めないという作りではないようだ。 パズルは難易度も適当で或る程度の時間は楽しめるだろう。普段ADVゲームをプレイしない人がこういうのを面白いと思うかは何とも分からない。目的は裂け目の一番下にある手形を作動させてBookの場所に到達する事。ヒントとしては、「その為にはタペストリーに描かれた手形全てに触れないとならない」、「トレーラーの傍にいる男は進行に応じてヒントをくれる」。詰まった方にはこのページの一番下の方にヒントを書いておくので参考にして欲しい。 |
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SOUND | サウンドは環境音とかも細かくて良質。ただこれもマシン性能によって設定を落とさないとならなくなる必要が出てしまうのは難点だろう。 |
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INTERFACE | デモの問題点はその操作性とカメラアングルにある。マウスとKBを併用してプレイ可能なのだが、慣れるまでにかなりの時間を要する。また慣れた所で決して良い操作体系とは言えない。一人称と三人称とを上手くシチュエーションによって切り替えてやらないとならないし、Objectが反応するのかどうかは体の向きによって変化してしまう。また場所によってはカメラ位置が勝手に切り替わってしまうようになっており、自分が回転させた後にゆっくりと更に回転したりするのは困りもの。 Save方式も不満。今回は全ての世界においてデモのようなタペストリーを順にONにして行くという手順は変わらないらしく、その過程がSaveされるのみの様だ。つまりプレイヤーが任意で行うSaveというのは存在していない。 最後にSubtitleはサポートされていないようなので注意。SSなんかを見るとNPCとの会話要素もあるようで、英語が苦手な人には問題がある可能性あり。ただ現状では日本語版のアナウンスは無い。ubiは日本代理店もあるので期待は出来るだろう。 |
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感 想 | 好みのタイプでは無いとはいえ一応作品は全て所持しており、現在未クリアのままのExileに比べるとこちらの方が面白そうな印象である。高い必要環境や完全3D化に関してファンからは不満もあるだろうが、こういった変化はマンネリ化を防ぐ意味で非常に良かったのではないかと感じる。やはり3D世界を自由に動きまわれるというのは大きい。 すぐではないが、これはいずれ買うでしょう。ただマルチプレイという試みに関してはどうなのか疑問も多い。 購入確率 70% (^.^) |
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※ デモのヒント(ネタバレ) ※
*手形の描かれた7つのタペストリーが存在し、それらを順にONにしていく事で最後の入り口の手形(穴の一番下でタペストリーでは無い物)が作動するシステム。段階的に次の手形をONにしない限りは、他の物に何回触っても同じ段階が表示されるだけ。
*手形の中で最初から触れる物は4つだけで、後の3つは何等かの手段で発見しないとならない。
以下は反転させて見て下さい。最初から見えている物に関してはどういう順番なのかハッキリしないので省略。見えていない3つに関してはこの順番でないとならないのかは不明。
1.最下層に降りてから奥側の垂れ下がった木の橋を上る。その後反対側に渡り、垂れ下がった橋を上り、開いた扉から中に入り、隣の部屋に行って(扉が閉じていて窓から中が覗ける部屋)レバーを解除する。
2.上に戻り、風力発電機から伸びる長い棒を押して回転させる(押す向きあり)
3.トレーラーの背後に貼られた手形を見逃しているならONにする
4.地下に下りて象形文字の描かれた部屋に入り、ドアのSWの近くに描かれた4つの記号の並びを、反対側の青いSWが中心に有る物に同じ様にセット。その後真ん中の青く光る個所を押すと女性のホログラムが登場して新しいタペストリーを貼るのでそれをON。
5.足で踏んで作動させる水汲み装置の場所に行って上側から作動させて下に桶を下ろす。その後下に降りて桶に付けられた手形をON。
6.ホログラムの部屋に行き、扉を青いボタンで閉める。その後隣の部屋から出て今閉めた扉の前まで行くと扉にタペストリーが貼ってあるのでON。