☆  XIII  ☆
                                                                            03/08/13



製作/販売 Ubi Soft Paris  公式サイト
デモ仕様 79MB  シングルプレイ用Mapを2個収録
概要  原作はベルギーで出版されてヨーロッパ(主にフランス語圏)で人気のコミック。よって開発等の主導はEuroのUbiが行っている。タイトルはローマ数字表記で読み方は”Thirteen(13)”。主人公は頭部を撃たれて記憶喪失になった男で、自分を知る手掛かりは肩に彫られた刺青のXIIIの文字のみ。ニクソン大統領暗殺の罪を着せられて逃亡する彼は自分がアメリカのシークレット・エージェントであった事を知り、協力者となる仲間のエージェントと共にアメリカを裏から支配する巨大な組織との対決に巻き込まれるというストーリー。

 全8章37ミッションでMap数は50強程度。発売は10月下旬を予定。PS2, Xbox, GCとのマルチプラットフォーム開発。PC版独自の特徴はオンラインでのマルチプレイにも対応している点となる。
動作環境
HARDWARE 必要環境 推奨環境
CPU 800 MHz 1 GHz以上
MEMORY 128 MB 256MB
VIDEO VRAM 32MB VRAM 64MB
SOUND Direct X対応 32bitサウンドカード 同左
対応OS  98/ME/2000/XP
Direct X 8.1以上要


 現在のゲームとしては標準的なレベルの能力を要求してくると言える。描画システムの関係上Textureについては負荷が少ないが、Cel-Shadingを行う為にレンダリングのプロセスに関しては通常の物に比較して多段階の過程を踏むので重くなるようである。総合的には特に重さというのは感じられなかった。

 現時点での大きな問題点は2つ。一つはマウスの感度が変になる点で、これはSystemフォルダ内のUser.iniの中の[MouseX=Axis aMouseX Speed=6.0, MouseY=Axis aMouseY Speed=6.0]の数値を3.0等に変更する。次に起動するとSyncエラーでディスプレイがブラックアウトしてしまうケース。これは現状根本的な解決策は無いようで、ゲームの要求する画面のリフレッシュ・レート(同期周波数)が高いので起きるエラー。75Hz程度までしか対応していない液晶系の画面で起きるようだ。ビデオカードやモニタにもよるが、メニューにてALT+ENTERキーにてウインドウ化してやると起動可能になる可能性がある。他にはドライバを少し前の頃の物に戻すと良いという情報も。
GRAPHIC  グラフィックに関してはCel-Shading(3DのOnjectを2Dの様に見せる技術)という機能を使っているので、綺麗かどうかというのはちょっと難しい。ユニークという言い方が適当か。使っているのは新Unrealエンジン。

 表現は2Dなのでキャラクタは当然のっぺりした感じになるが、板みたいなObjectではなくてちゃんと厚みを持って表現される。影も形状に応じて正確に描画されるし、ライティングの適用もキチンと行われている。一方で爆発の表現や銃のマズル・フラッシュはコミック的な表現方法となっている。Blood系はコミック的な表現とはいえ、かなり派手な部類だろう。

 特徴的なのはコミック風に音声が実際の音だけでなくて擬音として画面にも表示される点で、ストーリー説明の吹き出し等もそれらしいフォントにて挿入されるようになっている。

  フルサイズ画像          
GAMEPLAY  基本的には通常のFPSと変化は無い。違う点はコミックスタイルでの描画という点と、主人公が超能力(Sixth Sense)を持っているという点になる。例えば何かイベントが起こる際にはコマが割り込んできてそれを知らせてくれるという演出が取られるので、自分の居場所からは見えない場所にて起きている事柄についてプレイヤーは直前に知る事が出来る(つまり対応の準備が出来る)。或いはGrenadeを投げた場合に、その爆発の瞬間が別のコマで表示されるので視界の外でもその効果を見て取る事が可能。また敵が出現するとコマとしてその位置が表示されて場所を教えてくれたりとか、倒した際に演出としてその死に方が連続したコマのアニメーションとして表示されたりという点は他のゲームでは見られない独自の要素である。
 それと壁の向こうの本来なら見えない場所に関してTap, Tapといった足音が表示されてその位置を知る事が出来る特殊能力を持っており、これはステルス系のミッションにて力を発揮する事になるだろう。

 基本的にアクション系のバランスでヘルスパック等も存在しているが、”The Military Base”のミッションではダメージ量も多くてあっさり死んでしまったりと、それほど敵の前に出て行って豪快に撃ちまくれるといった物ばかりではないようだ(The Beachの方はそんな感じだが)。スパイ物としてステルス要素も含んでいるそうで(死体を持って移動したり出来る個所もある)その意味で先を覗うのにLeanが出来ないというのはちょっと辛いと感じた。
 敵のAIはちゃんと物陰に隠れたり一時逃げたりとまともだが、一方でしばらく時間が経つと警戒を解いてしまったりといった面も見られた。反応は視界が良い場所では速いが、暗がり等ではちゃんと遅らせるような措置が取られているようだ(気が付くと頭の上に表示が出る)。

 全体的に想像していたよりはライトな感覚のゲームという感じで、この辺はコミックが原作という点やコンソール主導での製作作品という点が影響しているのかも知れない。通常のFPSに比較すると2Dの分リアルさが感じられず、銃を撃ったり敵を倒したりする感触に違和感を覚えるのは確かだ。
SOUND  全体的にちょっと軽い感じの音で、これはゲームのイメージに合ったものという意図なのかも知れない。BGMはなかなか良い物が使われており、戦闘時にはアップテンポに切り替わったりもする。
INTERFACE  非常にシンプルな作りで特に変わった点は無い。インタラクト出来るObjectにはアイコンが表示されるので分かり易い設計。ただある種の武器の呼び出しが数字キーでは上手く行かないのが気になった。問題点としてはこのデモではSaveが出来ないようになっており、”The Military Base”のミッションではかなり辛い事になる。キーにアサインするとQuick Savingのロゴは出るので(実際にはSaveされないが)、おそらく製品版では出来ると思われる。

 それとReadmeには書いてあるのだがHookの使い方が分からないと即死する可能性があるので一応書いておく。引っ掛けてぶら下がった後に右クリックにて徐々に下がって行く動作、左クリックを押すと手を離して次にクリックするまで落ちる、左クリックを押したままだと逆に上って行く動作となる。

 最後に”The Military Base”の方は起きる事が分かっていないと、Saveが出来ないのでかなり難しい為にCheatコマンドを記載しておく。User.iniを開いて使っていない適当なkeyにBeMyMonkeyとGodを割り振っておく(F11=BeMyMonkeyの様に)。ゲーム中にBeMyMonkeyを押すとCheatが有効になり、次にGodに割り振った方を押すとGod modeとなる。
感  想  グラフィックとそれを使っての演出は新鮮で面白かったが、ゲームプレイそのものは結構普通という印象。Cel-Shadingという要素だけでなく、GAMEPLAYにも捻りを加えるという話だったのだが、その辺の「仲間と協力してプレイするミッション」、「多数用意されたスパイ用Gadgetsの面白さ」といった要素が盛り込まれておらず、インパクトとしては薄かった感じである。後はこれまた非常に重視されている意外性に富んだストーリーというのも、この短いデモでは味わえなかった。

 ただAIも含めて作りはしっかりしている感があり、NOLF1の様な雰囲気もあって面白そうではある。Saveが出来るならば難易度もそれほど高くは無さそうだし、シンプルなアクションタイプのFPSとして楽しそうなゲームとなりそうだ。
 コミック風のコマの挿入の演出に関しては、もっと多数のバリエーションが有れば大きな利点となるだろう。また公開されているムービーを見る限りでは、グラフィックはデモよりも綺麗そうに見える。マルチプレイに関しては未知数だが、この辺も噂されるCoopが入ればポイントも高くなる。

 発売時期がどんどんずれ込んで話題作の多い時期になってしまったが、個人的な購入のランクとしては今回のデモでそれが上がったのは確かである。


 購入確率  70% (^_^)

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