☆ THE SHADOW OF ZORRO ☆
                                                                              01/12/08



製作/販売 In Utero / Cryo
デモ仕様  60MB。英語版でのプレイ。
概要  タイトルを見て御分かりの通り「怪傑ゾロ」をテーマにしたゲーム。怪傑ゾロは1920年に小説としてスタートし大ヒット。その後映画化だけでなくTVドラマやアニメとしても人気を博した作品である。正式ライセンスも取っており、TVや映画シリーズで有名な脇役陣も総登場という物らしい。
 発売元のCryoはフランスの会社で、ADVゲームの配給元としては現在世界最大クラスの所である。このゲームはたまたまそのCryoのサイトをチェックしている時に見付けたもので、グラフィックが綺麗なのでちょっと気になっていた作品。他国語版が先に出ていたのだが、先日英語版のデモもリリースされた。

 ゲームは基本的にアクション・アドベンチャーに属する物でPS2とPCの同時開発。パッドでの操作を基本としたゲームとなる。スタイルとしては盗賊としてのステルスと、剣術家としてのフェンシングによるアクションをミックスした物である。
GAMEPLAY  まず最初に書いておくと、このゲーム何か”変”である。オリジナリティを出すという意味でユニークなゲームを作るというのはどこでもやっている事だが、そういう物は理解出来る範囲内での”変”というゲームが多い。しかしこのゲームは製作側は真面目に正統な物を作成しているつもりらしいのだが、どこかピントがずれているという印象。我々とは異文化圏からのゲームというか、不思議な感じのゲームである。ゲームに関して突っ込んだ解説がある訳では無いので詳しい内容はわからないのだが、取りあえずこのデモから判断したゲーム内容を以下に述べよう。

 目的はMAP上にある宝やアイテムを集めて進んで行く事で、その際に見張りや敵に対してステルスで切り抜けたり戦ったりしていく。基本的には3人称視点で移動するが一人称にして辺りを見るのは可能(銃を撃つ時は一人称)。体を屈めたり歩きにする事でステルス性を増すことが出来る。障害物を利用したりして隠れて動いたり、背後に回ってチョップを食らわして声を立てさせずに気絶させたりと、この辺はオーソドックスな造り。
 ちょっと拍子抜けしたのは戦闘部分で、これは純粋なアクションでは無くてキーのコンボ入力による物となっている。戦闘モードに入ると4つの方向のマークが並べられるので、表示された順に時間内に該当するボタンを入れると攻撃が成功となるシステム。失敗すると相手の攻撃となる。どちらかが下段のメーター一杯にダメージが溜まると終了し、この戦闘で負けるとゲームオーバー。

 まず変なのはそのゲーム性で、敵を殺さないという主義からなのか敵を完全に倒すことが出来ない。戦って勝ってものびるだけで再び起き上がって来る。だから必要な敵だけ倒して目的を達成してそこから逃げるという感じになってしまうのだが、次々に起き上がって来るのを繰り返し倒したりとか逃げ回るかになってしまうので非常に変な印象。次に敵のAIが妙で、出来が悪いのは確かなのだがその悪さ加減が凄く変だ(うまく説明出来ないのだが)。バグっているかの様な予測出来ないような動きをしたりとか、こちらを追っている時の動きが読みづらい。
 後は全体から漂う雰囲気も変だ。真面目にシリアスなゲームを作成しているのはわかるのだが、どこかガスが抜けている様な奇妙さが存在している。それと戦闘シーンで決着がついた後にそのまま戦闘シーンが終わらずに、にらみ合いが続いた後に画面が突然戻って相手が倒れているというのも奇妙な見せ方(センス)に感じた。

 カメラは切り替え式だが自分で回転出来る個所も多いし、障害物に入ると透明化したりと比較的まともに出来ている。
GRAPHIC  敵のキャラはそれほどでも無いが、主人公ゾロの動きはかなりリアルでいい感じを出している。結構各種動作のモーションが細かく作られているし、アニメーションも滑らかだ。マントのなびく描写も良い。戦闘シーンも自分では動かせない訳だがその分アニメーションは綺麗。実際の試合をモーションキャプチャーしているそうだが確かに動きは良い。

 それほどテクスチャは細かい訳ではないのだが悪くは無い。ライティングも綺麗だし影の付き方もリアル。
SOUND  敵の声が変。これは向うの言葉なのだろうか? いずれにしろ気が抜けるというか何と言うか、出すタイミングも変な感じだ。他はまあまともなのだが。
INTERFACE  まず最初に戦闘時のコンボ入力がわからずに困った。KBではそれぞれの方向キーを押せば良いのだが、パッドだとどれがそれに当るのかわから無かったので。実はこれはReadmeにある並びがKBと対応しているのでは無くて、パッド上の配置がそれを意味しているのだ。私のパッドでは綺麗に並んでいる訳ではないので最初気が付かなかった。つまり[Y:上、A:下、B:右、X:左]となる。

 メインメニューも変。洒落ているといえばそうだが、ゲーム中にアイテムを取る度にここに戻されて、そこからゲーム選択に移動してContinueというのは面倒。Saveはお尋ね者の張り紙の前でしか出来ないが、この位の難易度ならばそれほど苦では無いと言える。

 通れる場所は色が変わるので親切(青くなるか、鍵が無いならば赤くなる)。ただある程度進んだ所で進める所がわからなくなってしまったが.....
安 定 性  フリーズ等は無し
感  想  ゲームその物はしっかり作られている印象を受けるし、シリアスなゲームという感じはする。ただセンスが妙である。面白いか詰まらないかという以前に、やっている間中その変さ加減が気になって仕方が無かった。物凄く変なんじゃ無くて、微妙に変なのが余計に気になる(^-^;

 ゲームとしてはストーリー重視という事なのでその辺の面白さはあるのかもしれないが、ちょっとこの戦闘システムでは飽きてしまうという印象が強く、またこのAIではステルスも楽しめるという感じでは無い。よってパス。ただ世の中には変なゲームもあるんだなという事で楽しませて?もらったのでそれほど悪い印象は無い。


(03/04/16) 確率0%の通りに購入せず。あちらでも出たのか分からない位話題にならなかったと思う。

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