☆ ALPAGES: THE FIVE BOOKS ☆
15/08/08 更新 | 目次 HOME | |||||||||||||||
製作/販売 | Genom Games 公式サイト STEAM INDIE DB | |||||||||||||||
配布状況 | 2015/06/29にリリースされた Pre Beta 1.1 (866MB) が最新バージョン。現在のダウンロード先はGamejoltのみの様だ。 更新頻度: 2回更新済み Steam Greenlightにエントリーされて、既にGreenlitに到達している。 |
|||||||||||||||
概 要 | Genom Gamesはフランスのインディーズで現在は個人で運営されている。だがこのゲームと平行して現在AZI : ALIENS ZOMBIES INVASION, Showtime 2073といったゲームも制作中(しかもこの両者もGreenlitに到達済み)と、個人とは思えないレベルで精力的に活動している。 ニュースを辿るとこのAlpagesはDesuraにて早期アクセスを開始する予定だったが、Desuraの運営元が倒産してしまい現在活動が止まっている状態なので、Steamに切り替えて販売する方向になったようだ。 Alpagesとはフランス語で検索すると牧草地・高山といった意味になる。 Windows, Mac, Linuxに対応予定だが、現時点ではWindows版のみしかリリースされていない。 スペイン異端審問時代に、5冊の強力な黒魔術の書と共に生きながら焼き殺された魔女が復活を目論む。その復活を阻止しようとする一人の神父が、復活の為に必要とされる再生された5冊の魔術書の処分を目指す組織(Order of Five Books)を起ち上げて活動してきた。しかしその協力者達の中で既に生き残っているのは主人公の神父Lucのみ。彼は現在フランスの片田舎に存在するという5冊の魔術書を見付け出して処分し、最終的には魔女の復活を阻止しないとならない。 |
|||||||||||||||
動作環境 |
詳細は明らかにされていない。私の環境では特に動作が不安定といった問題は無かった。 |
BASICS | 最初にゲームのトレーラーを観てから、他の2本のゲームが高速アクションなのを知り、てっきりこれもその路線だと考えていたらちょっと違っていた。ホラーとは名乗っていてもそれはアクションホラーの意味合いで、具体的に言うならPainkillerのフォロワーだと思ったのだが、現時点でのゲーム性はそこまでアクション寄りでは無い。だがその一方でサバイバルホラーと呼ぶのも変であり、公開情報等を見る限りではまだこの辺りのバランスは煮詰まっていない様である。つまり今後のユーザーからのフィードバックにより変化して行くと思われる。 ゲームは5冊の魔術書を探す形で進められる。その際に書物を一冊発見して取る毎に(処分毎に)、その本の属性に付随した悪魔とその軍勢が出現するというシステム。それ等を全部倒すとボスの魔女との対決となる。デモにおいては広大なマップ内に魔術書が散らばっている設定だが、完成時にはマップ単位でストーリーを持って進められる形式になるのかもしれない(各マップに一冊ずつ魔術書が有って、ラストに中ボス戦が用意されているというスタイル)。 ・キーアサイン不可, マウス感度設定不可, 明るさ調整不可, サウンドボリューム調整不可 ・難易度設定無し ・セーブ機能無し ・字幕は無し オプション設定は用意されておらず、ESC押下で終了してしまうので注意。 *一人称視点固定 *インベントリー画面は無し *照準無し *スプリント, ジャンプ, 屈み(Ctrl)が可能 *フラッシュライトは常時オン設定 プレイ開始時にキーボードのタイプ指定(Tキー)を行うようになっている。 |
GAMEPLAY | 現在のバージョンを5冊の魔術書を全部集める形で魔女を倒してクリア出来るのかは不明。マップが広いのでやり直しを含めれば結構長時間プレイ出来る。だがセーブ機能が無いので死ぬと最初からやり直しになってしまう上に、最初の語りやチュートリアルをスキップ出来ないので面倒(その都度1分半位掛かる)。 プレイヤーは広いマップ内に放り出されて、その中を探索して5冊の魔術書を見付けるのが目的となる。マップは平原の様になっているが、それぞれの魔術書が在る場所毎に別のテーマでデザインされているらしく、片田舎という同一のアウトドアエリアとは言え景観に変化は一応付けられている。 最初に渡される武器はショットガンと十字架で、進行に応じて弾薬やこれ以外の武器が手に入るのかは未確認。ショットガンは物理的な肉体を持つ敵相手(真っ赤な牛や鹿)に、十字架は魔力系の敵相手に使う様に区分されている。ショットガンは弾数が250発と多いが連射能力が低く、またスプリント中やリロード中は撃てないという制限あり。対して十字架の方は振りが遅いし、相当近距離でないと効果が発揮出来ないという難点を持つ。 魔女はゲームの開始時点からランダムに現れる設定で、全ての魔術書を集めるまでは対抗手段がなく逃げるしかない。その他の中ボス&軍勢はどの魔術書を取ったかではなく、どれであっても取ったら最初がテディベア&サイコ, 二番目が馬に乗った黙示録の騎士&真っ赤なゾンビ等、出現順の方が固定されている。 総じて攻撃には爽快感があまりない。それだけならまだ良いのだが、どちらの武器も敵に命中しているという感覚が薄くてここは改善の余地在り。アクションFPSと呼ぶにはスピード感が無さ過ぎるし敵の攻撃が理不尽。敵の赤い動物は単純に突っ込んで来るだけの弱い相手だが、ランダムに湧いて出る上に足音が聞こえないので突然背後からぶつかられて吹き飛ばされるケースがあり鬱陶しい。悪魔系の敵は十字架で倒すのが基本だが、ショットガンでも効果のある敵も居るようでハッキリしない。そして十字架で倒すには近付かないとならず、敵の移動が速いので接近すればこちらもダメージを喰らってしまう。 バランスを見てみると、回復はランダムに出現する薬草を取って行える為、危うくなったら逃げ回って回復に努める事でかなり粘れる。問題は2つ目の魔術書を取ってからは敵が増える事で、十字架を使って倒すには攻撃速度が遅過ぎて且つこちらの受ける被ダメージは大きめなので囲まれると簡単に殺されてしまう。逃げようにも悪魔系の敵はこちらを追尾してくるので数が増えると逃げ切るのが困難。それと魔女の出現が突然な上に、出現した瞬間に近くに居たら即ダメージを受けてしまう為、走って移動中に正面に現れると避けようがなく高ダメージを受けてしまう。同様に馬に乗った騎士が突然こちらに体当たりを喰らわしてくるのも音がしないので厄介。全体としてセーブ不可の現行バージョンでは魔術書を取る毎に難易度が上がり過ぎという感を受けた。正確に言えば難易度が高いのは結構だが、PainkillerやSerious Samの様に「プレイヤー側がキビキビと動けて武器も存分に撃てるが、敵の数が多くて強いので難しい」という設定なら良し。だが「プレイヤー側の動きが鈍重で攻撃力も低く、更に敵が増えるとその攻撃をかわしようが無いので難しい」のはストレスになるので止めて欲しいという話。 反対にサバイバルホラーとしてみるなら、ホラーという感覚が薄過ぎて全然怖くない。現在のバージョンだとクリアには戦闘を捨てひたすら逃げ回って魔術書を回収するという作戦しかないが、それが怖いのか?言われると単に面倒なだけという感想。もっと弾薬を少なくするとかプレイヤー側を弱くし、それに応じて敵も少なく弱くする方が良いだろう。後はランダムに突然大きな音と併せて映像を画面に出すという古臭い手法を使用しているが、そんなものを繰り返しても効果は見込めない。 その他の気になった点。 ・HUDのヘルスが数値表示だがこれはバー(ゲージ)の方が咄嗟のケースで読み取り易い ・数多くの建物の中に入れたりするが、サイズが小さくて屈んだりしないと動き難い状態になったりする ・敵AIは壁等にスタックしたりが結構見られる ・物理エンジンが変な感じで、敵に衝突すると突然空高く跳んだりが発生 |
GRAPHICS & SOUND |
Unityを使用しており、グラフィックス設定はランチャーにて6段階から選ぶ形式。グラフィックスはエフェクト系を中心にインディーズとしては上位レベルとは思わせるが、赤の出血(ダメージ)エフェクトが見辛くて非常に邪魔な点, 動物を含めた敵のアニメーションが粗いといった欠点も目立つ。 サウンドは場面にマッチしない様な変な物も含まれているし、3Dサウンド対応だが定位がおかしいというケースもあった。 |
感 想 | 開発が進めば面白そうだなという感触はあるが、現行バージョンではアクションとしてもサバイバルホラーとしてもどっちつかずで中途半端である。片方のファンを捨ててでもどちらかにもっと寄せたゲーム性にすべきだと感じる。個人的にはPainkiller路線にして貰いたいしその方が面白くなりそうに思うが、それには武器の種類を増やしたりして爽快感を増す方向へと舵を取らなければならない。少なくともプレイヤー側が対抗しようがない位に弱い点は早目に改善して欲しい所。 現在の完成度: この広大な一つのマップを使う方式であるならシステムの骨格部分はもう出来ている事になり、後は敵の種類を増やしたりの拡張がメインとなるので、ある意味もう半分位は出来上がっていると言っても良い。当然完成度を高める為にはより時間が掛かるだろうが、予定通りに8月中に早期アクセスとしてもうリリースされる可能性はあると思う。 |
目次 HOME |