☆ THE CLEARING ☆

15/08/23 更新 目次          HOME
製作/販売 UndeadScout       公式サイト      Facebook      INDIE DB
配布状況  2015/06/18にリリースされた v0.92 (3.24GB) が最新バージョン。Indie DBからダウンロード出来る。

 更新頻度: 現在の物は2回目のリリース版

 Steam Greenlightには登録されていない。

 基本無料。気に入ったら寄付をお願いしたいというリリース形式。

概  要  UndeadScoutはポーランドのインディーズ会社。これが初の作品となる。クレジット等によれば5〜7人程度で構成されているようだ。

 自らこのThe Clearingの事を第一作目ではなく“ゼロ作目”と呼んでおり、寄付の意味合いは正確には把握出来ていない。ゼロ作目の意味は、このゲームは自分達の能力を示す為に製作したプロトタイプの様な位置付けで、現在は別に真の第一作目となるタイトルを制作中だから。ただし当然制作には資金が必要であって、そこで寄付して欲しいという事の様である。つまりこのデモ的な作品を気に入ったら、次の作品の為に寄付をして欲しいという要求。だが一方で「このThe Clearingへの要望や意見があったら寄付して欲しい」とも書いてあり、リクエストによってはその金をこのゲームのバージョンアップに利用するという考えも持っているらしい。なお寄付を募ってはいるのだが、現在公式サイトが改装中でそれが出来ないという状態。今はFacebookを公式サイト代わりに使用している。

 プラットフォームはWindowsのみ。


 人気作家Stan Gretshの遺体がサンフランシスコの墓地で発見される。体内からは複数の覚醒剤の痕跡が検出された。彼がそこで何をしようとしていたのかは判明せず、周囲には「自分の新作の件で出版社の人間と会う約束がある」と言い残していたのだが、その新作の原稿は探しても発見されなかった。その息子で同じく小説家を目指しているDylanは、届いた請求書からモンタナ州に父親が使用していた小屋が存在している事を初めて知る。彼はそこへ訪れて父の生前の痕跡を探ろうとするのだが、そこで待っていたのは父にまつわる暗黒の秘密だった。


動作環境  公開されていない。制作はUnreal Engine 4。以下幾つか遭遇した問題を挙げておく。

 私の環境ではランチャーにて設定した解像度が適用されないという件が発生していた。仕方がないので実行ファイルとなる TheClearing.exe のショートカットを制作し、そこのリンク先を \TheClearing\TheClearing.exe -resx=1920 -resy=1080 -fullscreen の様に変更。ランチャー起動後にランチャーのスタートボタンでは無くこちらのショートカットを実行するようにした。変えたいならこれの数値を自由に編集すれば良い(もし強制的に窓化したいならば -windowed を付ける)。

 主にジャーナルを音声再生した際にだが、ゲーム画面(ウインドウ)からフォーカスが外れてデスクトップカーソルが表示されてしまう。クリックすると元に戻るが頻繁に発生するので面倒。

 金庫にアクセスするシーンがあるのだが、ここでは金庫のズームアップ画面が固定視点にて表示される。この視点がズレてしまって金庫全体が見られないので操作出来ないというトラブル発生。再度ロードするまでは何回やり直してもダメだった。

BASICS  ジャンルとしては“Exploration Game”と制作側はコメントしている。一応書いておくと「探索ゲーム」とはDear Esther辺りから広まりだしたジャンルで、“Exploration Game”ほどポピュラーではないが“Walking Simulator”と言う呼び名もかなり浸透して来ている(個人的にはしっくり来ない名称だが)。これはゲーム世界内の探索を重視した作品の意味で、戦闘やステルス等の一般的なゲームプレイ要素が全く無いか、或いは非常に希薄な物を指して使われ、世界の中を歩き回って「そこで何が起きたのか」といったストーリーを堪能する事をメインとしている。ただしハッキリとした定義は曖昧であり、謎解きやルート探しをしながらストーリーを味わうのならばアドベンチャーゲームで、その謎解き要素が希薄だったら探索ゲームという事になるが、その基準はどの程度なのかとなると定かでは無い。制作側が自分でどう呼んでいるかに因るといった感じ。

 この作品には敵に襲われたり戦闘したりといった要素は無く、若干の謎解きやルート探しが含まれる程度。一般的に言うならアドベンチャーゲームであり、主に残されたノートを読んでストーリーを味わうという形になっている。


・キーアサイン不可, マウス感度設定不可, 明るさ調整不可, サウンドボリューム調整不可
・難易度設定無し
・字幕あり

 メインとなるキャビン(小屋)の出入り時にローディングが発生し、その時のみ進行状況がセーブされる。よってセーブしたい場合には意図的にこのローディングを発生させないとならないのはスマートではない点。


*一人称視点固定
*インベントリー画面は無し
*照準無し
*ジャンプ, 屈みの操作は無し。スプリントは途中から可能になる。

GAMEPLAY  イントロでは林の中から始まるが、ゲームプレイはほぼ父親が暮らしていた小屋の周辺で展開される。基本的には父親の残した書面を読んで何が起きたのかを知っていくという形で進められ、敵と戦闘したりやステルスで隠れたり、或いは何物かに追われて逃げたりという様な事は起きない。


 謎解きはある意味難しい。何を解決すれば良いのかが解ればそこからは大して難しくないのだが、「次に何をしろ」という目標を参照する機能が無い為、その何をすれば良いのか?を探して彷徨うという状態が発生する可能性は高い。私もクリアまでに2時間以上掛かった。

 照準はその対象物を指すと変化するという設定だが、非常に小さな丸のカーソルが同じく小さな二重丸に変わるというシステムなので判り辛く、照準の形が大きく変化するという方式の方が良かったように思える。また探し出す対象物はほとんどが書面なのだが、これが背景に溶け込んで判り難いという問題もあり。アイテム探しのアドベンチャーゲームだとゲーム性を高める為にあえて判り難くするというケースは多々あるのだが、このゲームに関してはここまでする必要は無かったのではないか。そこを難しくしたかったと言うのであるならこれでも良いが、大抵の探索ゲームはストーリーを追わせる事を最優先して謎解き要素は薄くする(プレイヤーが途中で詰まらないようにする)のが普通なので、そういうスタンスであるなら現在の設定はもっと簡単にするべきだろう。


 無限使用のランプを所持しているのだが、小屋の中は暗くてランプ無しではほぼ何も見えないという設定。電源スイッチは各所に在るのだが、これで室内に電灯を点してもほとんど前が見えない。モニター側で明るくしてみても同じなので意図的にそうしていると考えられる。余談だがその設定から、最初にランプが手に入るシーンでそれが置いてある玄関から入らずに裏口から入ってしまった結果、中が暗くて何も見えないしドアノブが何所に在るのかも判らない為に動けなくなるという状況に陥った。それとランプが相当不自然に大きく揺れる様になっており、その揺れのせいで前が見辛いと感じさせる時もある。

 歩きはかなり遅い設定で、途中からスプリントが可能になる。しかしこれが問題で、普通の道であってもやたらと引っ掛かってすぐに止まってしまう。外を移動する際には道伝いに移動するのが基本になるが、その道が岩でデコボコしているからなのか特に多く発生するのでストレス。むしろ別の場所を探して移動した方が速い。

 マップを参照可能だが自分の位置を表示する機能は無し。実質ある一箇所で利用するだけの存在である。ジャーナルは入手した書面を後に参照出来るので便利。ただ番号等が付いていないので全体でどれだけ見付けているのかは判断出来ない。


 この手のゲームでは文章が主体だけにその量は多いのが普通だが、想像していた程全体の文章量は多くない。内容としてはホラー系になるが、最後まで終えてもあまり明確な内容把握は出来なかった。理由としては書き手の父親が麻薬を常用しており、書かれている内容が霊的な存在による心霊現象なのか、単なる麻薬に起因する当人の見ている幻覚なのかの判別が付け辛いというのが主。ネタバレになるのであまり詳しくは書かないが、自分のタイプした内容に憶えが無いとか、何物かに監視されていると言った記述が幾つも出て来る。

 内容の不気味さという点では良く出来ており、「正常な人間である自分を悪霊のような存在が襲ってくるので怖い」といった内容ではオリジナリティに欠けるが、自分が正常なのかどうか判別が付けられない様な出来事が自身に起こっていくという構成で、定番のパターンでは無い所が新鮮で面白かった。人間の精神の暗黒面とか、ちょっと違った意味での怖さを感じさせる作品である。


 敵が襲って来ないのでその意味での怖さは無いが、雰囲気としての怖さは十分に出ている。幻覚エフェクト等の演出はほぼ無いし、見た目として怖いオブジェクト類もほぼ無いのだが、それだけに限定的に発生するイベントが不意を突くような形で効果を生んでいる。この辺はなかなか上手いという印象を受けた。

GRAPHICS
&
SOUND
 グラフィックスの設定はランチャーから行える。ロケーションは一つだけなのでバラエティさには欠けるが綺麗な部類と言えよう。こういった雰囲気ゲーではグラフィックスは重要となるが、如何にも何か出そうな不気味な小屋の中を探索しているという感じが良く出ていると思う。

 ランプによりリアルタイムで影が描画されるのは綺麗だが、一方で揺れるランプがオブジェクトとの接触判定を持っておらずに干渉してその中に入り込んでしまうので、壁等に近付き過ぎると壁の中にランプが入ってしまい灯りが無くなるというケースがあるのは欠陥。


 ドキュメント類を読む際にボイスがちゃんと用意されているのは良いところ。ホラー効果音系は全体的に少な目だが、要所で効果的に使われており水準は高い。

感  想  もうちょっと「実際には何が起きたのか」を解り易くした方が良い様に感じるが、ハッキリしない故の気持ち悪さという効果も否定出来ないのでそこは難しい所である。一般的なホラーゲーム好きの方には実質何も起きないので勧められないが、この探索ゲームというジャンルのファンの方には推薦したい出来栄えである。これよりももっと完成度の高い新作を作るという話だがこの会社は期待出来そう。


 現在の完成度: 既に完成しているが、将来的にバージョンアップ(v0.92を1.00にするとか)や内容の拡張が行われる可能性は残っている。

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ヒ ン ト  答えは反転表示。


*ハンマーの役割
 斧の代わりにはならない様だし、そもそも使える物なのかが判らず。とりあえず使用しなくてもクリアは出来る。



*次に何をしたら良いのか判らない
 ほとんどの進行はメインの小屋の中で行われる。隣の物置小屋は発電機のスイッチを入れるだけの役目だし、家の周辺のアウトドアに何かアイテムが落ちているとか、何かしないとならない場所が存在するとかではない。別の離れた場所へは終盤に訪れるだけで、それは小屋の中で金庫を見付けた後である。よって何をしたら良いか判らないのなら、小屋の中に何か見落としが有るという可能性が高い。



*地下室の鍵の掛かった部屋
 ここはゲームの最後に来る場所。つまり最初に手に入る鍵は小屋の別の場所で使う物である。



*金庫の番号
 開ける為の3つのダイヤル番号を示すコード(書類)と、そのコード解読用の写真の両方を見付けていないとならない。ジャーナル内に“Code”という情報が2つ必要。片方は小屋の中。片方は離れた場所の建物に有る。



*別の場所への移動方法
 川向こうの建物への移動時はマップを使う。地図に従って二箇所の橋に行った後にマップを良く観察してみよう。なおどのタイミングで地図に描き込まれるのか、或いは二箇所の橋でのフラグ立てが必須なのかは不明。