☆ DAMNED NATION REBORN ☆

15/09/03 更新 目次          HOME
製作/販売 Sinister Games       公式サイト      STEAM      INDIE DB
配布状況  2015/08/05にリリースされた Alpha V2.0 が最新バージョン。ゲームのリリース日は2015/02/12。

 更新頻度: パッチは頻繁にリリースされている。


 Kickstarterへのチャレンジは1%程度の達成率と大きな失敗に終わっている。

 デモは存在せず、早期アクセスで有料販売されているのみ。従ってプレイには購入が必要である。大手のダウンロード販売サイトの中ではSteamのみでの販売。価格は現在$12.99。セール履歴は50%オフが最大。既にバンドルにて売られた事もあり。

概  要  Sinister GamesはUKのインディーズ会社。個人で起ち上げた会社であり、現在でも人員は少ないようである。他社のゲーム制作に協力したり、Unity用の3Dアセットを販売したりしてこのゲームの制作資金稼ぎをしている。

 2013/06より最初の作品となるDamned Nationの制作に取り掛かる。これは何等かの理由により途中でストップしてしまうのだが、その後新たに生まれ変わった新規作品として開発が進められているのがこのDamned Nation “Reborn”という事になる。

 公式サイトが別のドメインへと移っているが、新旧含めて公式サイトには現在アクセス出来ない状態。

 現在のアルファ2.0からMac, Linuxにも対応予定とあるのだが、具体的にそれが実現されたという記載は見当たらない。


 舞台は遥かな未来。人体を改造するModのインプラント技術が発展していたが、それが暴走して人間を狂わせ世界は破滅の危機に瀕している。プレイヤーは僅かな生き残りとして他の生存者と協力し生き延びる道を探さないとならない。

動作環境
  必要環境 推奨環境
CPU Quad Core 3.4 Quad Core 3.7
MEMORY 2 GB 4 GB
VIDEO GeForce 8800 ULTRA/ Radeon HD 4870 GeForce GTX 970/ Radeon 290X
SOUND DirectX 互換 同左
対応OS  Windows 7/8/10
DirectX 9.0c以上要


 最高設定にして試したが、Windowsをしばらく使用した状態だった為かメモリ不足となりPCを再起動しないと動かせなかった。設定を上げるならメインメモリは推奨値以上の8GBは必要だと思う。


BASICS  基本はアクション・タワーディフェンスと呼ばれるジャンルのゲームで、防御用のタレット等を配置する他に、そのマップ内に自分自身も降り立って戦うという方式。三人称や見下ろし視点が主流のジャンルだが、このゲームはSanctumシリーズの様に一人称視点を採用している。


 幾つかのモードを用意しているが、まずは解り易い物としてFortify。これは旧版のゲームから用意されている物で、マップ内に三箇所防御拠点が有り、無限沸きする敵の攻撃からそれ等のHPが0にならない様に守り続けるモード。稼いだポイントにより防御壁を築いたりタレットの設置が可能。達成点数に応じて新しいタレット等がアンロックされる。

 次にクラシックTD。これは見下ろし視点による通常のタワーディフェンスであり、タレットを配置するだけで自分の操作するキャラクターでは攻撃出来ない。稼いだポイントでタレットを配置して一箇所の拠点を守りきればOK。クリアすると次のマップがアンロックされる。


 このRebornで大きく変わったのがキャンペーンモード。以下はこれからの実装予定を含めたその概要。

 基本は多数存在しているゾンビアポカリプス物と同様だが、プレイヤーの目的は生存者を見付けて助ける事と、彼等を守る拠点を築き上げる事とされている。この際に影響ポイントという概念が在り、ミッションを達成するほど、或いは助けた生存者の数が多いほどこれを獲得する事が出来て、その値に応じて築き上げる拠点のサイズや設置出来る建物が決まってくるらしい。またこのポイントはアクセス可能なタレット等のアンロックにも影響してくる。

 サバイバル物の定番としてリソース管理やクラフティングの要素を持つが、かなり簡略化されている部分もあってアクション重視の仕様。必要なリソースを集めて制作しないとならない点は同じだが、簡単に集められるメタルだけ有れば作れる物が大半だったりとシビアではない。或いはNPCから直に購入したりも可能。現在はまだ初期段階ではあるが、多種大量のリソース採取が必要, 多数のレシピ(制作手順書)の存在, 複数段階に及ぶ複雑なクラフティング, 非常に厳しい水や食料系リソースの確保, 武器&弾薬の確保が困難、といった良く見られる要素は無いと思われる。


 マルチプレイにも対応。こちらも現時点でプレイは可能だが実装されているモードはまだ一つだけ(TDM)。そして現段階では人を見付けるのが困難であろう。


・キーアサイン不可, マウス感度設定不可, 明るさ調整不可, サウンドボリューム調整不可
・難易度設定無し
・オートセーブ方式。F2で任意に出来る様に書いてあるが有効なのか未検証。

*一人称視点固定
*インベントリー画面は無し
*照準あり
*アイアンサイトあり

 なお現段階ではマニュアル類が用意されていないため、実際には可能な操作等を知らずにプレイしている可能性がある事をお断りしておく。

GAMEPLAY  モード別に感想。まずはFortifyから。画面上は選択可能なマップが3個有るのだが、実際にはある一つを選ぶと別の物に切り替わってしまうので実質プレイ可能な物は2つ。三箇所有る拠点を守るのが目的で、それぞれの拠点には武器(5種類)と弾薬がリスポーンするというシステム。どこか一つでもHPが0になるとゲームオーバー。

 それぞれの拠点は木々等が邪魔をして相互には見通しが悪く、離れた場所から敵を狙うには適していないし、また武器の命中率もあまり良くないという設定。更に這いずりゾンビは近くまで行かないと攻撃が困難である。攻撃を受けている拠点は赤く示されるので、それに対応して3つの拠点間を走り回って対応するという形になる。ポイントを稼ぐと防御壁やタレットを置けるのだが、得られるポイントが少ない為にそれを稼ぐ前に潰されてしまう事が多い。最初に少しポイントを持っていて事前に置ければ良いのだがそうなっていないので難しい。

 また安い防御壁を置いてまずは耐えようと考えたのだが、この防御壁を思った場所に置く為のインターフェースの出来が悪く、ある拠点を守ろうと置き場所を調整している内に他が攻撃を受け続けてしまう。そして削られたHPは回復出来ないので、後は危なくなった場所を重点的に守るしかなくなるが、そうすると別の場所が疎かになるといった具合。タレットを置いて守るゲームなのに、そのタレットを置くまでが大変というバランスになっている。最初はもっと簡単にして防御壁を築ける様にし、そこから敵の攻撃を激しくするという方が面白くなると思う。


 キャンペーンはNPCとか影響ポイントが実装されておらず、まだ初期段階という感じである。完成版でもこれだけ単純なのかは不明だが、リソースとして集めるべき項目も少ない。マップは相当な広さを持つが、どこに行っても出来る事は同じ且つ少な目なので、広さ=面白さには繋がっていない。

 初期装備はハンマーとツルハシで、これ等を使い分けて木々を切り倒す(Wood), 岩を砕く(Stone), 車を破壊する(Metal)により素材を集める。素材は破壊すれば自動的に獲得される方式。後はゴミ箱や車をサーチすると食料, 水, 燃料等が手に入る。現在用意されているリソースはこの6種類だけと非常にシンプル。なおスプリントするほど水や食料が必要になり、その水や食料はステータスバーが無くなると持っていれば自動的に補給される(無ければ死亡)。

 最初に建設するベースユニットは必要なリソースが多目に表示されるが、その他のクラフティングは単純化されており面倒な手順やレシピは用意されていない。例えば多種類のタレットが用意されているが、それぞれの組み立てに必要な異なるリソースを集めるのでは無く、ほとんどが単一素材であるメタルの分量だけで差別化されているといったシンプルなシステム。建造時もクラフティング画面を出して手順を踏むとかではなく、メイン画面上にてBキーを押して出て来るメニューから選択すればすぐにそこに設置される。なお現時点では中に入れるクラスの建物類は用意されていない。

 制限となるのはタレット類を動かす電力で、このゲームではタレットの弾数等が設定されているのでは無く、動かすと電力を消費するのでそれが無くなると停止するという風になっている(燃料も関係しているかもしれない)。発電機は幾つかの種類が在るのでそれに必要な素材を集めて建造。効果範囲が青いオーラ状に示され、その範囲内にタレットを設置可能となる。以上の様にクラフティングの概念は随分と単純化されている


 現行の仕様では敵を倒したりでXPが溜まって行ってレベルアップ。死亡しても無限に復活が可能で、その際にレベルに応じて初期装備が変化。途中でピストルを入手したが、もっとレベルを上げれば更に良い武器を持った状態でリスタート出来るのかも知れない。復活時には弾薬や基本ステータスも初期状態に戻るので、その意味ではかなり難易度としては緩い。ペナルティは電力値がやや引かれる事くらいか。実質タレットを置いたら終わりという感じで、敵のWalkerがタレットの前には無力に近いのでもうやる事が無くなる。

 まだ相当に未完成という印象が強く、そもそもの出来る事が少ないし、多数のタレットを設置して敵との激しい戦闘が楽しめるという状態でも無い。或いは天候のリアルタイム変化が実装されているが、現状ではどんな意味があるのか不明。バグ的な件では敵や食料となる動物類がオブジェクトや水を透過して移動してしまう。一部の柵などに対しては自分自身も同様。

 他に問題点としては設置物の置き場所調整がやり辛い。自由にどこにでも動かせる訳では無いために自分自身も動いて調整しないとならない。

 死亡時にメッセージが出ずにいきなりメインメニューに戻されてしまう。よって食料や水不足が原因の際は判り難い。それとその際に逐一メインメニュー用のデータを読みに行って戻されるのも無駄。後は解説文が消せないので邪魔というのもあり。


 戦闘の感想(キャンペーンとFortify共通)。敵は数タイプ種類はいるがWalkerと呼ばれるゾンビ系のみ。腕が無くてゆっくりと移動するタイプ, 這って移動するタイプ, 走って追い掛けて来るタイプ等々。いずれにしてもプレイヤーより高速では無いのだが、結構固くて銃器を持ってしてもある程度当てないと倒せない。ヘッドショットの概念はある様だが、それでも数発は必要である。

 システムとしてはまずステルスの要素が在り、見付かっていない状態ならば草の中に隠れられる様になっている。それと定番のバレットタイム(このゲームではタイムシフト)というスローダウンの能力を持ち、これはエネルギーが自動回復するので気軽に使用可能。ただし相対的に自分は速くならないのと、画面周囲が暗くて見辛くなるのでそれほど有用では無い。

 問題の一つ目はキャンペーンにおける近距離戦(Fortifyでは武器が多数在るので)。近距離武器の射程が非常に短く、相当近付かないと当てる事が出来ない。あまりにも当たらないのでそのタイミングを掴むまでが一苦労。更に普通だと敵の攻撃モーションをかわした瞬間に近付いて攻撃という方法になるが、その攻撃モーションと敵からの被ダメージが一致しないという大きな欠陥を持つ。つまり敵と接近するとその見た目の動き(アニメーション)に関わらずランダムにダメージを受けるという感じなので、どんな時でも接近は危険という状態。しかし実際には近付かないと攻撃出来ないので接近するしか無く、引きながら戦っても徐々にダメージを受け続けて死んでしまう為に近距離戦がまるで面白くない。現行バージョンでは先に書いたように死んでも特にペナルティ無しで無限に復活可能なのでストレスではないが、これは早期に解決しないと不味い点だと断言しておく。

 第二に敵のWalkerが弱い(上記の理不尽に殺されるという理由を除けば)。タレットを置いてしまうとそれで次々に倒されてしまうので拠点を防御する必要が無い。タワーディフェンスでは多種の敵が出現して、それに応じた多彩なタレットの設置を考えるのが醍醐味なのにこれでは詰まらない。タレットの方は沢山の種類が用意されているのに、一番弱い物を置けばそれでOKではしょうがないだろう。敵の種類を追加する予定があるのかは不明だが、少なくとも高速化するとか変化が必要である。


 クラシックTDもその敵の弱さが大きな欠点に。最初からポイントを持っているので幾つかタレットを置けるのだが、もうそれだけで終わってしまうと言うのかまるで敵が脅威では無い。何かゲーム側の設定が誤っているのではないか?と疑う位に簡単である。マップは4個あって順にアンロックされていくので、段々と難しくなるのかと思いきや最後まで一緒。敵を倒したポイントで更にタレットを増やせるのでドンドン易しくなっていくだけ。なお早送り機能があるが、それを常時使用しないとならない位に敵のスピードが遅い。


GRAPHICS
&
SOUND
 グラフィックスの設定項目は多い。変更すると画面上でリアルタイムに変化が見られる方式。最高設定にするとかなり重くなるが、そのクオリティはインディーズのゲームとしては上のランクに入る。ただモーションブラーは強過ぎ。リーダー格の人は3Dのモデラーらしく、それもあってか被弾時などの敵のアニメーションはなかなか良い。だが先に書いたように攻撃モーションが実際の攻撃と合っていないという大きな欠点はあり。


 サウンドは地味な印象で、もっと派手目にして音数も多くした方が良いだろう。

感  想  アクション・タワーディフェンスに若干のサバイバル系ゲームの要素(リソース管理, クラフティング)を加えたゲームと言える。サバイバル系のゲームには大量の素材集めが必要で、途轍もない数のレシピを持ち、クラフティング過程に凝っている物が多く見られるが、その辺は大分簡素化されている。確かにサバイバル系のゲームでも敵を撃退する装置の設置などは含まれるが、このゲームではもっと単純にタレット類を買えたり出来るのが特徴となる。よってサバイバル系におけるその辺の複雑さが好きだという人には受けないと思うが、反対にそれが面倒という人には好まれるチャンスがある。一般的なアクション・タワーディフェンスには素材集めの概念は無いので、その点を特色として差別化に用いるのも良いだろう。

 予定されているキャンペーンの要素をどこまで実装出来るのか判らないが、全部実装出来れば面白くなりそうな期待感はある。ただし敵とタレットのバランス設定は早急に治さないとならない所で、手応えのあるレベルの敵に対して多数のタレットで押収出来る様になれば楽しめそうである。キャンペーンのマルチプレイも実装出来るならばより理想的となる。

 全般的にはまだ未完成の感が強く、定価にてお勧め出来るほどの段階では無いという結論。全体のレビューも現状あまり良くないが仕方のない所だろう。


 現在の完成度: 早期アクセスから7〜9ヶ月で公式発売へと移行とあるが、メンバーも少ない様だしそれだけで作り込めるのかは疑問である。完成度としてはまだ半分も行っていないと考えられる。

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