☆ DARK DECEPTION ☆
15/08/23 更新 | 目次 HOME |
製作/販売 | Glowstick Games 公式サイト STEAM INDIE DB |
配布状況 | 2015/02/09にリリースされた DarkDeception_Kickstarter_Demo (346MB) が最新バージョン。デモは公式サイトから落とせる。なおサイトの記述では最後のアップデートが14/08/15とされているのだが、現在落とせるデモの中のファイルはもっと新しい為、その実行ファイルの日付をここでは更新日としている。初期にはUnity
Web Playerを使用したブラウザゲームとしてもデモが配布されているが、こちらは更新されておらずバージョンが古い。 更新頻度: 少なくとも2回アップデートされている 2014/07にIndieGameStandからアルファ版が早期アクセスとして既に$9.99にて発売されている。マップをデモ版よりも多い2個収録しているが、現時点での中身が確認出来ないのでバージョンの方は不明。このレビューで使用しているのは無料デモバージョンの最新版だが、それよりもシステム的には古いバージョンである可能性もある。 Steam Greenlightにエントリーして、既に2014/10にはGreenlitに到達している。だがSteamでの販売はまだ行われていない。 Kickstarterには2回挑戦してどちらも失敗している。一回目は反応が少ない為に途中で中断。二回目は目標額を下げて臨んだがダメ。その後indiegogoにて目標を $1,000と大幅に下げたがこれもまた失敗に終わっている。 |
概 要 | Glowstick Gamesはサンフランシスコの二人組のインディーズ会社。とは言え両人は既にベテランの制作者で、EA Sports, Riot
Games, Microsoft等の会社で働いていた経歴を持つ。このゲームは現在3人体制で制作されているという話。過去にモバイルゲームを出しているが、これはこのゲームの制作資金を稼ぎ出す為で、クラウドファンディングが失敗に終わったのでやむなく手掛けたという事だそうだ。 インディーズゲームの紹介サイトで良く採り上げられたりと話題性はあるし、実況プレイ動画における人気も高いのだが、クラウドファンディングにおける資金集めはサッパリというパターンの一つ。そしてしばらくニュースが途絶えていたのだが、沈黙を破って有名な代理店との契約に成功したという報告が出ている。よって資金集めにも目処が付いており、製品版としてリリース出来る事はほぼ確実になったという状況。 ただしこういったケースで良くある話なのだが、代理店の意向でそれがどこなのかを今公開はする事は出来ないし、新しくなったバージョンについても口外出来ないという風になっている。また価格についても代理店が決めるので我々からは返答出来ないとしている。確かに代理店の確保はおめでたい事ではあるのだが、その代理店の意向でやたらと発売が延びるというのも発生しがちな件であり、実際に情報公開の方は、「E3((6月)前には公開して新バージョンも展示予定」 → 「Comic-Con(7月)にて公開出来そう」 → 8月になっても情報なし...といった具合である。 対応機種はWindows, Mac, Linuxの他に、PS4, Vita, Xbox One, Wii-U。モバイルでもリリースされる様だ。この辺は代理店との契約がどうなっているかにより変更されている可能性もある。情報公開時には新しいバージョンのデモがリリースされる模様。それとOculus Riftに対応しており、これはデモにおいても対応済。 設定としては破滅に瀕して絶望的な状況に追い込まれた探偵が、最後の望みとして魔法のリングの開放に手を出してしまう。それは1930年代に活躍していたが突然姿を消した有名女優Helen Bierceに関わる品物で、彼女についてはその後も物騒な噂が囁かれていた。闇の世界の住人である彼女に助けを求めた主人公は、窮地からの脱出と引き替えにある契約を結ぶ事になる。 |
動作環境 | 現時点ではWindows版のみ。必要動作環境は公開されていない。制作はUnityが使われている。 解像度の設定は無し。フルスクリーンとウインドウの切り替えにはAlt+Enterを使う。 |
BASICS | とりあえずどんなゲームなのかを解り易く言うなら、一人称視点でプレイするパックマンである。元々は2人だけの会社なので制作に時間の掛からないモバイル用ゲームを作ろうという話になり、システム的にシンプルな物としてパックマン風のゲームを思い付いた。そのアイディアが発展してPC等でプレイ出来る普通のアクションゲームとなったそうだ。 ホラーを題材としているが、スローテンポで進行するタイプのゲームでは無い。高速なアーケードアクションだが、敵との突然の遭遇にはビックリさせられるという要素をホラーとしている。 マップ数は全部で12面を予定。それぞれが題材としているロケーションと、その中でプレイヤーを追って来るモンスターが異なっている。ゲームの基本はパックマンと同様で、その迷路の中を駆け回りながら通路に敷き詰められている紫色の“Soul shards”を全て拾い集めればクリア。正確にはこのゲームでは、全部集めた後にスタート地点に戻ってソウルの破片と引き替えに像からリングを入手しそこから脱出しないとならない。 製品版で搭載予定の機能について。まずRPG的な成長要素を用意。クリア時の成績に応じてポイントが稼げる様になっており、それを消費して特殊能力をアンロック可能。能力は移動速度アップ, ジャンプ, シークレット箇所探知, 敵の位置把握等。 敵の種類はマップ毎に異なり、それぞれに能力や追って来る際のAIに変化が付けられている。悪魔の人形, ゾンビ, ピエロ, ロボット, ミノタウロスなどで、全て主人公の見る悪夢から採られている。 ゲーム自体はシンプルだがちゃんとしたストーリーを用意。担当のMike LeeはUbisoftにてGhost Recon, HAWX, End War Onlineなどを担当した人物。BGMの方は多数の有名ゲームを手掛けているSoundelux Music Groupに依頼。 これは確保予算に因るとしているので現在どうなっているのか不明だが、各マップのランダム(自動)生成機能を組み込むとしている。 マルチプレイモードも搭載未定。ソウルの破片を奪い合う対戦モードが挙げられている。 ・マウス感度設定可, サウンドボリューム調整可。キーアサイン不可, 明るさ調整不可(設定はあるが有効にならない)。 ・字幕あり ・セーブ機能は無し 一人称視点固定。初期のデモではスプリントやジャンプが出来るのだが、今回の最新バージョンでは出来なくなっている。 |
GAMEPLAY | デモに収録されているのは1マップのみ。最初のホテルマップにて、刃物を持って追い掛けて来るクレイジーモンキーを相手にする。マップの構造には特に変わった箇所も無く、文字通りにパックマンの迷路の中に降り立ったかの様な感覚でのプレイとなる。ただしマップサイズはかなり広く、相当数の破片を集めないとならない。予備ライフ数は3個で、これを全て失った状態で次に死んでしまうとゲームオーバー。デモにはスコアによる1UPの要素は無い様だ。 さてパックマンを一人称視点でプレイする様なゲームと書いたが、実際には根本的に異なっている要素も在る。第一に敵の位置がマップ上に表示されない。よって俯瞰視点で敵の動きを見ながらプレイするオリジナルとはプレイ感覚が随分と違ったものになっているという印象を受けた。これはXPによる特殊能力のアンロックで可能にする事も出来るらしいが、敵の位置が判ってしまうと「突然敵に遭遇してドッキリさせられる」というホラー要素が消えてしまうので出来なくて当然と言えば当然のデザインである。 そしてこのシステム故に袋小路での詰みの恐怖は常に付きまとう。横道の無い閉鎖通路に入り込んだ際に、その両側から敵に来られたら逃げ場が無くアウトである。俯瞰表示でも起こり得る失敗だが、敵の位置が正確に判らないだけに理不尽さはこちらの方が大きい。ただ特殊能力としてテレポートの様な物が用意される可能性は高いと考えられる。 第二にHUDにミニマップが表示されない。旧デモ版では自分の周囲のミニマップと残ライフ数が画面上に常時表示される仕様だったが、現在のデモ版ではHUDへの表示機能は無くされている。ライフ表示はポーズ画面に、そしてミニマップは自らが携帯している装置にてプレイ中に随時参照するというシステムに変更されている。 もっと具体的に書くと二つの方法があり、一つはプレイヤーが下を向くと自動的にミニマップが迫り上がってきて参照可能となる。ただし下を向いた状態となる為に、前方の敵が把握し辛くなるというデメリットが生じる。もう一つはCキー押下で視界の正面に掲げるというやり方で、こちらも視界が遮られるが正面を見て移動する事は一応可能となる。個人的には後者のやり方の方がプレイし易く感じたが、Cキーは押下したままにしないとならないのでWASDとの併用はやり難く、またキー設定の変更は出来ない仕様。そこでマウスのユーティリティを使ってサイドボタンに指定してプレイした。だがこの方法は「敵がとても大きいのでデバイスを前に掲げていても発見し易い」からこそ成立しており、背が低いとか体が小さな敵のマップでは通用しないかもしれない。 第三にマップ全体を俯瞰出来ないし、完全に遠くまで見通す事も出来ない。ミニマップ表示機能では自分の周囲しか表示されず、且つマップが広いので限定された範囲しか同時には見られない。破片がどちら方向に残っているのかを指し示す機能は持っているが、数が少なくなってくると実際にどこに残っているのかは簡単には探せなくなる。視界範囲も限定されており、長い直線などに入ると一定の距離までしか先が見えなくなる。そして自分の移動速度が速い為に、向こうからやって来た敵に正面から突っ込んでしまう危険性が高くなるという罠が仕掛けられている。 なおDDではこの視界距離を難易度設定に用いており、プレイ中に何時でもFog(霧)の範囲を変更可能。もし画面が暗いケースならば明るさ調整機能を使って視認距離を伸ばせる可能性があるが(デモではメニュー内で変更しても元に戻ってしまう)、この黒い霧は強制的に視界範囲を制限してしまう物で、最大にするとほぼ前が見えないというレベルにまで達する。おそらくハイスコア(高XP)を稼ぐには霧のスライダーを上げた方が有利なのだと思うが、デフォルトよりも上げてしまうとかなり難しくなる。なお製品版には通常の難易度設定も設ける予定とコメントしており、スライダーでは無く難易度により固定の霧範囲が設定されるのではないかと想像される。 一方でオリジナルには無い機能として、周囲の状況をヘレンがボイスでヒントをくれる様になっている。「すぐ後ろに居る」, 「そっちに向かっている」等。 その他ではボーナス機能を持つ。大きな赤い破片が稀に出現するのでそれを取ると高ポイント(これはオリジナル作品にもあり)。それとこのマップではホテルなのでそこら中にドアが有り、その中で幾つかは開けられる物が在って発見するとボーナス取得。後はクリア後にクリア時間等の項目別に成績が表示されて、全てを合計したランキングも計算される。 プレイしてみた感想としては、敵の位置が正確には判らないという点が良くも悪くもある。モンキーは刃物をカシャカシャと鳴らしながら移動するのである程度は接近すれば音で解るのだが、正確にどちらの方角のどの程度の距離に位置しているのかまでは判らない。その為に音がしている時に曲がり角や通路が存在している箇所などを通り抜ける場合、確実に「今通っても鉢合わせしない」とまでは判断出来ない。だからこそ突っ切る際に怖さがあるのだが、一方で運ゲー的な一面を感じさせてしまうとも言える。ライフが3個有るのでこのマップはクリアするだけならばそれ程難しくはなく、思い切って行ったら遭遇して死亡となってもあまりストレスは感じさせないのだが、高難易度になってくるとどれだけプレイヤーに正確な位置情報を知らせるかは調整が難しくなってくるだろう。特殊能力で敵の位置をミニマップ表示させるにしても、あまりにもそれが有効になり過ぎると今度はバランスが崩壊してしまう恐れがある。 やり込んでいないので何とも言えないが、敵のAIがどうなっているのかも良く解らず。例えば残りの破片が有る場所付近をうろついたり出来るのか、それとも単純にプレイヤーの居る方角を目指して進むだけなのか。或いは誘導可能ならば上手く集めてから袋小路を突破したりと作戦が立てられるので面白くなりそうだが、そこまでの能力を持っているのかどうか。このデモでは角に引っ掛かったりのバグ的な現象も時折見られて改善の必要はありそう。 |
GRAPHICS & SOUND |
グラフィックス設定はUnity標準の6段階。特別にグラフィックスに凝っているという印象は無し。制作者のコメントにもグラフィックスへのこだわりなどは見られない。ただ敵(オモチャのモンキー)の気持ち悪い姿は良いと感じられた。 悪魔であるHelen BierceのボイスはGears of WarやMass Effectにも参加している女優 (Carolyn Seymour)を採用しておりなかなか良い。BGMも良く出来ていると思える。サウンドでは破片を取る毎にオリジナル作品の様にゲーム的な音がする点はホラー的にはマイナスか。 |
感 想 | このデモを数回プレイする分には面白いが、その面白さを長時間持続出来るのかとなると疑問もある。まずマップ毎にテーマを変えると言っても、見た目が違った物になるだけではプレイ感は単調となってしまう。ホテルのマップでは開くドアを見付けるシークレット探しという要素が有るが、他もこの類では大した変化は生まれそうにない。構造を3D化したりギャップやトラップを設けたりとか、大胆な変化を計画しているのかは不明である。同じ様なプレイ感でも繰り返し遊べる面白さというのはパックマンも持っているが、その系統の2Dゲームではゲーム内の全てを俯瞰視点でプレイヤーが把握しており、それが解った上でアクション(操作)の精度を磨いていくという意味でのリプレイ性である。それに対してDDでは敵の位置をプレイヤーが正確には把握出来ない為、練習してのやり込みのモチベーション維持という点では弱いと考えられる。 次に敵のバリエーションについても同様。どんなタイプの敵でも作る事は可能だが、あまりに奇抜な物(遠距離攻撃を放ってくる等)だと面白くなくなってしまう恐れがある。かと言って追って来る際の性格(AI)を変えるだけだとバリエーションに乏しくなるので難しい。 逆に面白くする可能性を持った要素は特殊能力。敵が特異な能力を持っていたとしても、プレイヤー側にもそれに対抗出来るだけの能力が有ればバランスは取れるようになる。ただし自由に能力を選択可能だと、取得能力によって難易度に大きな差が生じるかもしれないのは難題である。 現在の完成度: 基本システムは簡素なゲームなので、後はマップとそこに出現する敵の制作が一番大変である。その辺りはどの程度完成しているのか不明。新規バージョンの発表は遅れているが、おそらく発表さえされればそこからは短期間での発売が成されるのではないかと想像している。 |
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