☆ THE DARK INSIDE ME ☆

15/12/25更新 目次          HOME
製作/販売 Blue Arc Studios        公式サイト      STEAM      INDIE DB
配布状況  2015/09/22にリリースされた Alpha Demo V1.1 (479MB) が最新バージョン。Windows, Mac版が用意されている。ダウンロードはこちらの頁、或いはGamejoltから行える。

 更新頻度: 無し

 Steam Greenlightにエントリーして、既にGreenlitに到達している。

 Kickstarterでは35,000ユーロの目標に対して5,841ユーロと不調に終わっている。IndieGoGoでも上手く行かず。

 現在はPatreonにて資金を募集中だがこちらも芳しくない模様。PayPalでも寄付を受付中。

概  要   Blue Arc Studiosはトルコのインディーズ会社でメンバーは現在5人。主催のAkcay Karaazmakはミュージシャンで、また映画監督としてホラー映画『Reminiscence』を制作している経歴も持つ。そして今作にてゲーム業界にも進出を果たそうとしている。

 エピソード形式での分配配信を予定。チャプター単位では無くもっと細かい形式となり、初回はチャプター1の中のセクション1〜3までを予定。チャプター3までは確定しており、これで一応ストーリー的には一区切り。追加の延長ストーリーとなるCH4〜6の制作は資金次第。リリース開始は2016年の末を想定している。

 プラットフォームはWindows, Mac, Linux。コンソール版は資金や売れ行き次第となるだろう。


 主人公は病院の一室で目を覚ますが、大怪我を負って拘束されている状態であった。周囲の警察官達の会話から酷い事件に巻き込まれたらしいのだが、自分の身に何が起きたのか記憶が無い。自分が被害者なのか、或いは加害者なのかも判らない状況であったが、彼は脱出を試みる事を決意する。その後は様々なロケーションを訪れながら、過去の記憶を取り戻していくという風に進む様だ。設定としては現実世界路線では無く、悪霊が出現したりあの世や地獄等の場所を訪れたりと、空想的な世界観を持った設定となる。


 以下のトレーラーにはデモ内容のネタバレ(解答)を一部含むので注意(プレイするつもりなら終了後に視ることをお勧め)。

動作環境  情報無し。ただしWindows 10では互換性モードにして8互換を指定しないとならないとされている。

BASICS  ポイント&クリック方式のホラーアドベンチャーゲーム。スタイルとしては2Dや2.5Dで描かれたバックグラウンドに、3Dのキャラクターが動き回るという方式。謎解きの方はアイテムを集めてそれを利用するのが基本で、インベントリー上で合成し新しいアイテムを作り出したりも必要というポピュラーなシステムを採用している。

 サイコロジカルホラーとされており、Jump Scares(突然のイベントでショックを与える方式)は意図していない。また映画的な手法を重視しており、カメラアングルは固定でその見せ方に凝っていて、まるで映画を観ているかの様にプレイして貰えるのが理想だとしている。大きな特徴として18禁の過激な表現を謳っていて、エロ・ゴア・バイオレンスの三要素を強調したゲームとして制作されている。

 ロケーションは多彩で、世界中の様々な場所を旅することになるそうだ。飛行機等での移動シーンもあり。インドアからアウトドアまで非常にバラエティに富んだシチュエーションを用意している。更に詳細は不明だが、別のキャラクターを操作するシーンも含まれるとある。


 シナリオは分岐方式を採用。プレイヤーには多数の選択シーンが用意されており、それぞれどういう風に対応したのかによってその後の展開が変わっていく。例えば自分の復讐のターゲットを捕まえた際に、相手を許す事も出来れば殺す事や拷問するという選択肢も可能にされている。おそらくだがカルマの様なパラメーターが存在しており、平和的に解決するか悪魔的に済ませるかによって進行が変化するのだと想像される。ただし善悪の基準は存在しておらず、善行路線で進めればグッドエンディングに到達出来るといった設定では無いそうだ。単に変化するだけの意味。

 パズルの方も解決方法が一つではない物が用意されている。そしてその選択がその後の展開に影響を与えるという点も一緒。こちらもシナリオ分岐と同様に、どういう風に事態を解決するかについて善悪の基準は存在していない。単に展開が変わるだけであって、善人として進める事がゲーム展開を楽にする手段とは限らないとされている。自分にとって進行の障害となっている人物を殺して通り抜けるか、上手くかわして殺さずに切り抜けるかは選択次第。だが殺すとその人物からアイテムが手に入って先が楽になったり、反対に殺さずに通り抜けると生き残った人物がその先でも邪魔な存在として立ちはだかったりと、善行路線で進めるほど苦しくなるという風にされていたりもする。


 詳細は不明だがアクションが要求されるシーンも用意されている。これは戦闘や逃走シーンの他にセックスシーンなども含まれるらしい。


・キーアサイン不可, マウス感度設定不可, 明るさ調整不可, サウンドボリューム調整不可
・難易度設定無し
・字幕表示は会話シーンのみ
・チェックポイントセーブ方式。マニュアルでのセーブも行える(4スロット)。


*外部カメラからの3人称視点。カメラ位置は随時切り替わり一人称視点になる場面もある。プレイヤー側でのコントロールは不可。
*スペースバーでインベントリー画面
*右上クリックでセーブ/ロード画面

GAMEPLAY  このデモはチャプター1, セクション7に当たる箇所をプレイする。

 移動は画面上で進みたいポイントをクリックする方式。観察出来る箇所には虫眼鏡アイコン、作業が可能な箇所にはハンドアイコンが出る。アイテムを持っているケースにて、それが使える可能性のある場所では色が変わって知らせてくれる。アイテム類はインベントリー内で組み合わせで新しい物を作り出す事も必要。所持数制限は無い様だが、使い終わった物は自動的に消える。

 カメラアングルは様々に変わるが、中には意図が解らない様な特殊なシーンもあり。そして各種操作で正解を選んだ際には、やはり独自アングルからのムービーとなってその行為が実際に行われるケースが多い。

 複数の解法を持ったパズルが多いとあるが、このデモにおいては解法は複数存在していない様に思える。ある事をするかしないかという選択肢が在るのみ。気になってYouTubeのプレイ動画を何本か観てみたが、少なくともその中には異なる解法を実行しているシーンは無し。なお会話シーンは字幕が出るが選択肢は無し。ただしクリックさせる方式なので製品版では出て来るはずである


 デモをプレイしての第一印象として、アドベンチャーゲームとして見ると問題が山積みという感を受けた。I/Fに多くの問題を抱えており、それが原因で進行に詰まるケースもあってイライラさせられる

・アイテム類を指すとカーソルは変化するが、反応箇所(ホットスポット)が小さめなので見落とし発生
・ラグなのかバグなのか、繰り返しクリックしないと反応してくれないケースがある
・シーン切り替えアイコン(移動マーク)が出ない箇所有り
・特定のエリアをクリックしないと移動を認識してくれない時がある
・カメラアングルの問題で自キャラクターの姿とアイテムやオブジェクトが重なって見えなくなってしまうシーンがある
・持ったアイテムを使える場所に重ねた時のアイコンの色の変化が解り難いシーンあり
・インベントリー内のアイテム名が表示されず、更に悪い事に見た目で何かが判らない物もある
・主人公の喋りがボソボソと聞き取り辛い上に字幕が出ないので説明が理解出来ないケースあり


 それ程ボリューム的には長くないのだがクリアまでに1時間以上掛かった(上記プレイ動画では編集が加わるので実際のプレイ時間は不明であり平均的な値は判らない)。原因の第一として謎解きが難しいのでは無く、デザインの問題でそうなってしまっている。

 まずアイテムの使用箇所が限定されており不親切で大変に解り難い。ネタバレになるので具体的には書かないが、例えば壊れ掛かっている壁が在って、アイテムとしてハンマーを所持しているとする。その壁に対してハンマーを選んでUseしても壊せないので諦めるが、正解は「壁の小さな亀裂部分にまた別のオブジェクト判定があり、そこでハンマーをUseしないとならない」といった感じの解り辛さ。つまり対象物Xに対してアイテムYを使用するという点は合っているのに、それを使う場所が違うので進めなくなる。これだけの短いデモにおいてそのタイプの箇所が2つも出て来る。

 次にそこがクリック出来るとは思えない場所に取れるアイテムが在る。非常に小さい(or細長い等)アイテムに対してはもっとカーソルの反応範囲を拡げるべきであろう。結果的に詰まったらカーソルをゆっくりと動かして反応を探る人間画面スキャナーと化さないとならなくなる。移動範囲が限定されている為に「必ずこのエリア内だけで解決出来るはずだ」と確信出来るからまだ良いが、広範囲を移動可能なゲーム性だったら見落としアイテムを探して行ったり来たりで余計に酷くなる。ちなみにアドベンチャーゲームのコミュニティ内にて常時発生している議論の一つとして、「画面内でクリック出来る箇所を探すのはどれだけ解り易くするべきか?」という件があり、これは「どういうアイテムをどこで使うのかが謎解きの主眼であり、どこをクリックしたら良いのかを難しくするべきでは無い」派と、「クリック可能な場所を見付ける事こそがゲームの中核である」とする派に分かれるが、私は前者なのでこの件は大幅に減点とせざるを得ない。

 他にも、(明るさ調整機能を持たないが)普通だと思える明るさでは暗過ぎてそこに何かが在るという事自体が判らないケース。ある集合体の一部に見えるのだが、実際にはその中に別のアイテムとして紛れ込んでいるケース。定められた手順を踏まないと正解でも反応しない(最初にクリックして何なのかを確認してからでないとそこにアイテムを使えない)などがある。


 グロに関しては惨殺死体も出て来るし、死亡時のムービーにもその手のシーンが含まれている。また(非常に定番ではあるのだが)主人公がある残酷な作業を行うシーンも出て来る。その定番シーンは他のゲームだと日本では規制に引っ掛かってカットされる為に、仮に日本で出るとしたら修正される事になるはずである。ちょっと変わっているのは、そのシーンだけはムービーでは無くプレイヤー自身がそれを一種のアクションとして行う必要があるという所。アクションと言ってもスキルが必要とかではなく、単に残虐行為をプレイヤー自身が実感出来る形で行わせるという演出を狙っての物だと考えられる。

 セックスシーンの方は覗き見するシーンは出て来るのだが、女性がモンスター?なのでエロいという印象は無し。あまり派手にやるとレーティングを通らなくなったりの危険を孕むので、性的描写は別のシーンでも穏やかなレベルで済ませられると推測される。

GRAPHICS
&
SOUND
 使用しているのはアドベンチャーゲームとしては定番のVisionaire Studio。(アドベンチャーゲームにはそういう仕様も多いが)このデモにはグラフィックスの設定は無く、解像度の変更も出来ない(背景が2Dだと自由には変えられない事情がある)。背景グラフィックスの描き込みの質はなかなか高く、ゲームのテーマ的にもっとダークなトーンの方が良いとは感じるが、今の段階でこのレベルならば製品版ではより期待が出来そう。

 開発側もコメントしているが、現段階ではキャラクターのモデリング精度があまり良くなく、背景のディテールに比較して大分劣っているので何か背景から浮いているという感じがする。それとアニメーションの方でも単なる移動自体が不自然な見た目だし、フレーム数が少ないので流れも滑らかではない。対してムービーシーンの方は問題無し。


 サウンド全般については特に目立った部分も無く評価は保留。映画的な作品なので力を入れるとは話している。ただ不満としてこれが製品版でも使われる声優なのかは解らないが、デモにおいての主人公はボソボソと喋るので聞き取り辛い上に、主役というには声質が合っていないという感想。定期的に息を続けて吐く様な変な呻き声を出すのも意味不明。

感  想  プレイ前の期待感が大きかったのもあって、このデモ自体には結構な失望も感じられた。Kickstarter等のキャンペーンにおいてデモをリリースするのは大変に有効且つ重要な手段だと考えるが、残念ながら失敗の一因として私同様にこのデモの感想がマイナスに働いてしまったプレイヤーが多かったという可能性も否定出来ない。このデモだけで採点しろと言うなら50点がせいぜいといったところだろう。

 しかしいろいろとシステム周りには文句は付けたが雰囲気は割と良さ気だし、トレーラーを観る限りでは他に面白そうなシーンが多数含まれている様にも感じられる。それとアドベンチャーゲームにもホラー物は多いが、エログロ系を強調した作品は意外に少ないので独自性もアピールが可能。ストーリー設定も風変わりで個人的には好み。実際に発売まで漕ぎ着けられたら、私自身は買ってしまうのではないかと考えている。

 問題はやはり資金面で、とにかくいろいろとチャレンジしているが成功しておらず、また作り込むには金が相当に掛かりそうな雰囲気もあるので、金を出してくれるパブリッシャーを見付けないと厳しそう。或いは初回配信までは何とかして、後は各配信の売り上げで何とかやり繰りしていくという形になってしまいそうである。だがそうなると未完のままに終わる危険性も出て来る。


 現在の完成度:初回配信はチャプターの半分程度なのに、それがまだ出来ていない様だし、システム面でも改善が必要という段階。3章までがストーリー上での一区切りとなるのでそこまでは作らないとならないとすると、まだ2割とかその程度の完成度ではないか。

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ヒント・解答  解り辛い箇所が多いのでヒントと解答を掲載。ネタバレなので反転させている。


*女性のベッドルームの前を通過する方法(ヒント)
 必要なアイテムとして毛糸玉, ナイフ, ハンガーを見付けているかどうか。見付けていないならば現在エリア内に有るので再度探してみる。ただしハンガーは暗くて存在が解り辛い。ナイフは剥き出しで置いてあるが小さい。毛糸玉は引き出しの中。

 次にこの中で組み合わせにより新しいアイテムを制作しているかどうか。そこまで済んでいれば後は実行だけ。



*女性のベッドルームの前を通過する方法(解答)
 鏡により背後を通過する際に気が付かれるのでこれを移動させる。ハンガーに毛糸を結び付けたアイテムを使用するが、問題はこれが有効となるのが鏡自体では無く、鏡台の脚の一部分であるという点。特定の箇所にのみアイコンが出現するのでそこでUseする必要がある。


*潜って隠れた状態からどうするか(解答)
 左端部分に反応する箇所が在るので、そこに対して毛糸玉を使う。ただし最初にクリックして主人公に喋らせてから使わないと成功しないように思える(いきなり毛糸玉を持って使用してもダメ?)。上手く行ったら移動アイコンが出る箇所から這い出せば良い。


*ベッドルーム内で詰まった(ヒント)
 それが取れるとは見た目に解り辛いアイテムが有る。ベッド周辺を良く探してみよう。探すのは死体の見えるベッド内ではなくベッドの外のエリア。なおここでの目的は灯りを点けて明るくする事であり、その為に必要なアイテムとなる。それと椅子の肘掛けに乗っている丸まった感じの白いアイテムは布の固まりであり、何かと組み合わせて利用する。


*鍵をどうやって掛ける(解答)
 切断した手首を使って鍵を開ける所までは簡単。問題は扉を閉めた後に鍵を掛け直せない点。これは何故か鍵の引っ掛かっていた箇所をクリックしても駄目で、扉のどこかをクリックすると鍵を掛けられる。