☆ DEAD HUNTING ☆


14/07/14 更新 目次          HOME
製作/販売 Worldgame Entertainment        公式サイト      STEAM      INDIE DB
配布状況  無料配布のデモ有り。Alpha V1.0 (727MB)。 ダウンロード可能なのは現在作者が設けたここだけ。

 公式サイトやDesuraにて£3.50で販売中。これはアルファ版と明記されており、(明記はないが)早期アクセスの形態となっている。

 更新頻度: 今回レビューしているのは最初のリリースとなる無料デモ版。

 Steam Greenlightにエントリー中。

概  要  Worldgame Entertainmentは英国の新興会社でこれがデビュー作。Michael Odetolaを中心に8人程度で運営されているらしいが、その大上段に振りかざした会社名とは異なり、相当小規模で趣味的な色合いが濃い様である。

 このゲームはアルファ版を既に早期アクセス方式で販売しているが、正式版の完成及び発売は2014/09〜10頃を想定。その後も随時アップデートを追加する方針で、将来的にはUunreal Engine 4への移植も考えられている。プラットフォームは現在WindowsとMac。

 7月の頭には売れ行きが芳しくない為にもう制作費が無く、Greenlightの頁を閉鎖してゲームの開発を停止させる事になるだろうと宣言。しかしそこから一週間後には、「Greenlitが間近にまでなって来ているので投票をお願いしたい」とアナウンスされており、達すればSteamで早期アクセスに掛けて開発続行を狙うのだと思われる。


 舞台はベトナムのジャングル。かつて軍による特殊な実験が行われていたエリアで、周囲の水源はZyferと呼ばれる特殊な物質により汚染されていた。そしてその物質によって周辺住民が感染してゾンビ化。プレイヤーは医師でそのエリアからの脱出を図らないとならない。

動作環境  必要環境などは公開されていないようだ。制作にはUnity 3Dを使用。

BASICS  サバイバルホラーとあるが、戦闘はアクションFPS寄り。その他にサバイバルに関連する要素が含まれているというデザインである。壮大な野望を持っている訳では無く、あくまでもインディーズ会社による安価でそれなりなゲームというスタンスであり、グラフィックスなどに過度な期待はしないで貰いたいそうだ。

 特徴としては第一にオープンワールド形式を採用しており、広大なマップを自由に移動可能となっている。将来的にはストーリーを持ったキャンペーンモードを実装したいと考えているが、現状では何等かの条件を満たせばOKで次のエリアへというスタイルらしい。リアルさにはこだわっておらず、マップ内の移動にはポータルを使ったりも可能。

 これから予定しているその他の実装要素は以下の通り。

・最大4人までのCo-op
・武器やアイテム類のクラフト要素
・車やボートなどの運転可能なビークル
・多種多彩なゾンビ

GAMEPLAY  販売されているバージョンのプレイ動画も存在するが、ちょっと見た限りでは、ゾンビのスキンがバラエティに富んでいる, 出現する武器の種類が多い, フラッシュライトが実装されている、等がこのデモバージョンとは異なる。それとデモはプレイ時間が7分間に制限されており、タイマーがゼロになると強制的に終了してしまう(そして一度ゲームを終了させないとリトライ出来ない)。


・操作キー変更不可(HELPにて参照)
・マウス感度変更不可。画面輝度変更不可。
・屈みはCTRLキー, Mでマップ表示, Rでリロード
・武器は二種携帯可能
・スプリント可能。制限があるがスタミナバー表示は無し。
・メディキットによるアイテム回復方式
・セーブ機能などは無い(製品版ではどうなのか不明)

 サバイバル要素として水と食料の概念があり、何もしていなくても減って行ってしまう(無くなると死亡)。拾えるアイテムには水分と食料が有るので、少なくなったらこれ等を消費してバーを復活させないとならない。このデモだと時間制限がある為にそれを気にする必要性はほぼ無いし、落ちているアイテムも多いので設定はシビアではない。だがシビアにして面白くなるか?というと疑問符も付く。次に何をすれば良いのか解らずに彷徨っている状態で死ぬのはストレスになるし、かと言って緩くしてしまってはこの要素を導入する意義が薄れてしまう。長期間生活する概念を持つオープンワールド系には合うと思うのだが、アクションFPSをメインに据えるならやり方を変えるとかしないと単なる邪魔になりそうな気がする。

 アイテムの装備スロットは3〜7までとなり数字キーに対応。アイテムの出現は一部の固定を除いて大半がランダムで、弾薬も含めて全てUseキーで拾わないとならない。その位置はオブジェクトを透過して表示される為に、逐一建物の中を探し回る必要が無いのは親切設計。一方で使用の際に自動的に番号が詰まる事から、連続して使用する際に目的以外の番号を押してしまう危険を持つ。

 アイテムの中で鍵はポータルを通る際に使用。携帯電話はその場で応援ヘリを呼び、特殊なパワーアップアイテムを投下して貰える(ワンヒットキル等)。両方使い切りだが複数個持てる。


 銃器はアイアンサイトにて命中率が高まるはずだが、腰撃ち状態での照準のサイズは移動, 連射, 屈み等で変化しないという純粋なアクションFPSスタイル。敵の種類(能力タイプ)が走って寄ってくる者だけなので、少なくともこのデモにおいては戦闘は簡単な部類である。ここはバランス改善の必要ありと言える。弾薬は割と少な目だが、敵の方もマップの広大さに比較すると疎らで少ないし、打撃武器を入手すればこれが強いのでそれで間に合ってしまう。

 敵の移動パス判断は未熟で引っ掛かったりもするし、酷く蛇行しながら追って来たりもある(故意にそうしている可能性もあるが)。命中時の出血エフェクトやノックバックなどで当たっている感触は良いし、被弾時の敵アニメーションも細かい。ただし当たっている部位や威力によって物理演算やラグドール処理を行っているのではなく、予め用意されている数種類の中から適用しているだけに見える(アニメーションは細かいが同じ動きばかりの意味)。


 まだいろいろなバグやおかしな点が結構見受けられた。

・幾つかのオブジェクトは接触判定が無く、敵も自分もすり抜けてしまう
・アイテム出現位置がオブジェクトと重なって取れないケースあり
・スロットが空いていてもアイテムを拾えない時がある(Useで取得のメッセージが出ない)
・ジャンプが引っ掛かって凄く高く跳べてしまう時がある
・敵が段差に乗り上げてから宙に浮いて移動してしまう事がある
・水中に入った時の描画がおかしい

GRAPHICS
&
SOUND
 クオリティはランチャーで6段階に設定出来るのみ。グラフィックスにはそれ程こだわっておらず、実際に見た目としてもアマチュアっぽさは感じられる。よってこのパートは大きく改善される可能性は少なそうで、この程度ではダメだと感じられる人には向かないゲームと言えよう。

 サウンドの方も迫力が足りない感じで音数も少ない。環境音が一応用意されてはいるのだがもっとバラエティさが必要である。

感  想  低予算で制作されたそれなりのアクションFPSという印象。完成版になっても$10位で売るみたいなので、実装予定要素は結構在るがそれが全部実現するのかとなると怪しい。とりあえずCo-opの実装は達成して貰いたいし、それがあれば売り上げにも大きなプラスとなるであろう。

 オープンワールド要素を導入した事で目新しさは感じられるが、シングルプレイとしてはやはりキャンペーン+オープンワールドでないと面白くならないのではないかと思える。単に何所に行っても良いし何でも出来るではすぐに飽きが来そう。食料と水のサバイバル概念も現状では面白さに貢献していない。

 今は戦闘時の爽快感アップに集中してリソースを注ぎ込んだ方が良さそうに見える。武器を増やす, 武器のサウンドやエフェクトを良くする, 敵の種類や数を増やす, 敵のAI改善, 敵の被弾アニメーションの多彩化, 物理エンジンの導入等々。それで人を集めてから他の要素を作ると言う方が成功する確率が高そう。アクションFPSとして面白くなりCo-opも実装されれば、他要素がカットされたり失敗していても、私としては安目でそれなりのゲームとして買っても良いかなと考えている。


 現在の完成度: アルファ版とある通りに有料版の方でもまだ初期段階という印象。とても安いので先行投資もありかとは思うが、かなり資金的に苦戦中らしいので早期にポシャる危険性も考慮しておく必要がある。まだ無名なのでSteamの早期アクセスに到達出来るかが鍵となるだろう。

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