☆ EXODEMON ☆

17/04/25 更新 目次          HOME
製作/販売 Kuupu        公式サイト     STEAM    GAME JOLT    itch.io    INDIE DB
配布状況  2017/03/07にリリースされた 0.4.0 (73MB) が無料配布版の最新バージョン。有料配信版はこれよりも新しいバージョンである。

 更新頻度: 正確には不明だが5,6回ほどアップデートされている

 Steam Greenlightにエントリーして、既にGreenlitに到達している。

 Patreon等にて寄付を募っており、$1以上の寄付者はフリー版に先行して最新バージョンを入手可能という方式。

 公式発売時の価格は$5〜$10の予定。

概  要  Kuupuはブラジルのインディーズ会社で、フリーゲームを既に10本ほど公開済み。以前のデータだと5人メンバーが掲載されているのだが、このゲームは2人で制作しているとあるので減ったのかも知れない。他者のゲーム制作に協力するというのが基本業務らしく、それで稼いだ金でこのゲームを作る為の時間を設けるという姿勢なので発売時期はユーザーの支援額がどの程度になるかによって大きく変わるとしている。

 元々はあるゲームジャムに参加した際の“Devil’s Hand”という作品の評判が良かったので本格的な制作を思い立ったというのがキッカケ。途中でSteamでも販売されているDevil Daggersというゲームとタイトルと見た目が似ているという観点から名称を変更している。

 プラットフォームはWindows, Mac, Linux。


 背景設定としては、ある科学者が悪魔の能力に感染してしまったという物だそうだ(まだ詳細不明)。

動作環境  必要環境は明らかにされていない。使用エンジンはUnity。

BASICS  FPSのクラシックな作品となるDoom, Hexen, Quake, Heretic等の影響を強く受けているゲーム。複雑なテクスチャーなどは貼られずにオブジェクトの造形もシンプルで粗いというレトロ風味のビジュアルとなっているが、マップやオブジェクト類は3Dで敵のグラフィックスは2D(スプライト)というスタイルを採用している。

 独特なのは世界観で、最もポピュラーな銃器を使った戦闘では無いし、また魔法系のファンタジー世界でも無い。悪魔の能力を駆使して戦うという形式になり、魔法攻撃風の右手と近接打撃の左手を組み合わせて戦うという風にされている。攻撃形態からしてHeretic, Hexenの影響が強く感じられるが、世界はファンタジーでは無く現実世界の未来という点で雰囲気は異なっている。


 製品版ではマップ数が30になる予定。定期的にボス戦も含まれている。

 マルチプレイ対応の予定は無い。


・キーアサイン不可×, マウス感度設定可○, 明るさ調整可○, サウンドボリューム調整可○
・難易度設定無し
・オートセーブ


*一人称視点固定, FOV調整機能有り
*インベントリー画面は無し
*照準有り
*スプリント×, 屈み×, ジャンプ○
*現在のオブジェクティブ表示機能は無い

 武器は数字キー1〜3かホイールで切り替える。


GAMEPLAY  これはフリー版では最新の0.4.0でのレビューとなる。収録されているのは9レベルで相当なボリュームが有り探索時間を含めて1時間半ほどプレイ出来た

 マップは景観的には施設の様な場所が続きそれほど変わらない。閉じている扉を開ける為にそのスイッチを探して内部を行ったり来たりしながら進めるという方式。マップ切り替えにはテレポーターの様なマシンが有り、作動させる前にシークレット類の見落としを探したりも出来る。


・Useキーは無く右クリックが打撃攻撃となっており、これでスイッチを叩き壊して作動させるのが基本
・現在のヘルスやエネルギー量は手の甲に表示される方式
・ヘルスとエネルギーはマップ内に置いてある物を回収するか、倒した敵が落とす物を拾う
・攻撃はマシンガン, レールガン, グレネードランチャー的な物が三種類。他に近接打撃も威力が高い。
・各攻撃は三段階にアップグレードが可能。アップグレード用のユニットはシークレット的な場所にも在る。


 スプリントは無いが移動は昔風に相当高速で常時スプリント状態の様な感覚。飛んでくる敵の攻撃を素早く避けて撃つという感じなのも90年代のFPSを想わせる。なお敵の当たり判定が狭い(攻撃によっては弾道のブレ幅が広い)という印象で、かなり正確に敵に当てないとならないゲーム性になっている。攻撃の中ではグレネードランチャー風が特殊な扱いで、敵に直撃で爆破だが壁等に当たるとフワリという感じで跳ねる特性を持つ。重力を無視した様に跳ねる為に上方等へと反射させての攻撃も可能。破壊力は高いが自爆ダメージがあるので危険でもある(間近の敵に当たっての自爆多し)。

 難易度選択はデモには無し。倒した敵からヘルスやエネルギーを得られる確率が高いので、両方の残量を見ながら近接と遠距離攻撃を切り替える戦法を採ればあまり難しくは無く、ボス戦のマップまでは死なずに進められた。しかしその後の二つのマップは急に難しくなる感じで数回死亡。敵の数が増えてエネルギー量も不足気味になってくる。

 敵は突然沸いて出てくる方式であるが、実際に出現して攻撃に移るまでには若干の間がある。だが背後や上方等の見え難い場所に湧いたりもするので不意討ちは避けられないケースも。現段階では敵はボス以外は4種類程度と少ないのは不満点。


 昔ながらと言えばジャンプして渡るプラットフォームの箇所は多いが、動いている物を飛び移る場所は少なく、また空中制御が効くのでそれほど難しいという印象は無かった。落下ダメージも無し。どちらかと言えばどこから登って(渡って)いくのかを考えさせられる方が多い。それとスペースバー押下からジャンプするまでにホンの少しだけ間がある感じで、縁ギリギリで踏み切ろうとすると落ちてしまう為にそのジャンプ感覚に慣れるまでにやや時間を要した。

 シークレットらしき場所は在るが、どれだけ発見したかを示す様な機能は持っていない。


 ラスト近くとは思うのだが最後までクリアは出来ず。そこではある物を撃って扉を開けたりするのだが、ある扉を開ける為のそれが見付からず。そこはマップ構造も非常に複雑でどうなっているのかが把握し辛い。(プレイ動画を探してみたが最後まで到達している物は無し)。出現した敵がその場で死んだりも発生していたので何等かのバグ発生の影響によって開かなかった可能性もある。

GRAPHICS
&
SOUND
 Unityを使用。クオリティのプリセットは無し。個別設定項目は少し有り。

 レトロなデザインなので当然グラフィックスは綺麗では無いが、高解像度は選べるのでスッキリしており当時ほど粗いというイメージでは無い。エフェクト系は昔の物よりは高クオリティとなっている。敵は2Dの一枚板表示となり、死体などもプレイヤーの向きに合わせて回転する。

 3Dサウンド非対応。ボイスは無し。BGMはずっと同じ短いフレーズがループしながら流れ続けているだけなのだが、このミニマルなサウンドが心地良い感じで気に入ってしまった。

感  想  90年代FPS風のデザインの作品だが、銃器で戦うという典型的なパターンでは無いという所が一つ。それと描画は簡素だが特にレトロ風味を強調してはおらず、単にシンプルな描画デザインでクリーンな印象のグラフィックスという面(実際には異なるがサイバースペース風の感触も有り)から興味を持ってプレイしてみた。

 プレイ感は高速で移動しながら敵を正確に撃ってというスタイルのアクションFPSで目新しさは特に無いが、余計なギミックが存在しないだけにここまでストレートな物は現在では逆に珍しいとも言える。Serious SamPainkillerの様な作品が大手から常時リリースされているならこういった低予算的な物の存在感も低くなるのだろうが、そういったゲームが近年では出ていないだけに需要がありそうとも取れる。そしてクラシックなFPSを再現となるとどうしてもDoomWolfenstein時代を想わせるレトロ感満載の物が多数派であり、その系統は私の好みでは無いのでこのExodemonの様な作風の方がずっと良い。

 ハイスピードなアクションFPSをプレイしたいならばお勧め。ただし描画や雰囲気にレトロ感は薄く(単にシンプル)、昔風のFPSという面を重視するならもっと他の作品が在る。なお既に有料購入者向けにリリースされている新バージョンでも結構変更されている点がある様なので、それほど急がずに更に無料公開版のバージョンが上がってからでも良いだろう。


 現在の完成度: 収録される全マップの外形はもうほぼ出来ているそうだ。後はシステム関連を含めた各部のグレードアップとなる。資金難で制作時間が思う様にとれないそうだが、既にこれだけ遊べるのならば2017年内には発売を期待出来そう。

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