☆ HEAT GUARDIAN ☆

17/04/13 更新 目次          HOME
製作/販売 Denis Rudoy      公式サイト     STEAM    GAME JOLT    INDIE DB
配布状況  2017/01/25にリリースされた V2.6.0 (115MB) が最新バージョン。ただゲーム起動画面上では3.0.0になっている。32bit版はダウンロードファイルが別。

 更新頻度: これが2回目のリリース版

 Steam Greenlightにエントリーして、既にGreenlitに到達している。

 販売価格は$5〜10の予定。

概  要  ウクライナのDenis Rudoy氏の個人プロジェクト。商業作品としてはこれが最初のゲームとなる。

 プラットフォームはPC以外は不明。発売時期は2017年中を予定。

 シングルプレイ専用。個人制作の為に制作負荷が高いマルチプレイの導入は想定していない。


 近未来の寒波で地球上の生命が絶滅の危機に曝されている時代。生き残った人間達はコミュニティを作って生活していたが、異変による影響でミュータントも出現しており行動可能範囲は狭く、少ない資源の奪い合いとなる人間同士での闘争も発生していた。プレイヤーの目的は世界のどこかに存在するという、以前の様な暮らしを送れる伝説のシェルターを探し当てる事にある。

動作環境  必要環境は明らかにされていない。

 Construct 2で制作されている。これはHTML5にて2Dのゲームをプログラミングの知識は無しでも制作可能なツールで、Windows, Mac, Linuxにもエクスポートが可能。

 現バージョンでは状況によってはフレームレートがガタ落ちする箇所が出る恐れあり。私の環境でも発生していた。

BASICS  2Dトップダウン型のゲームは数多いが、このゲームは扱っている舞台がまるでS.T.A.L.K.E.R.の様だというのもあって注目度が高く、Greenlightの方でも相当な人気だったそうである。

 製品版では多彩な武器, ドラマチックなストーリー, 他のサバイバー達との遭遇とバックストーリーという要素も盛り込まれる予定。

 このデモにはメニューには在るトレーニングとアリーナモードは収録されていない。


 移動はWASDで、マウスを使って照準を動かして狙う方向を定める方式。カメラは移動出来ないが、Shiftキー押下にて少し遠くを見渡せる様になる。他には双眼鏡を最初から持っており、これを使うと更に遠くを双眼鏡を覗いているかの様な表示で見られる。ただし自由には動かせない為に使い勝手は良くない(一体どこを見ているのか自体が解り辛い)。内部構造のある建物は接近すると屋根が消えて内部が見られる様になるというシステム。

・メイン武器一つとピストルを所持。最初から双眼鏡やナイフ等は持っている。
・メディキットを複数携帯可能
・グレネードや地雷も持ち運べる
・フラッシュライトは無限使用可能


・キーアサイン不可×, マウス感度設定不可×, 明るさ調整不可×, サウンドボリューム調整不可×
・難易度設定無し
・字幕は有り
・セーブ機能はマップ先頭のみのオートセーブ


*トップダウン視点固定, FOV調整機能無し
*インベントリー画面有り
*照準有り
*スプリント○, 屈み×, ジャンプ×
*現在のオブジェクティブ表示機能有り(方向ガイドも表示可能)


GAMEPLAY  まず難易度は相当に高い(選択も出来ない)。そういうポリシーだとするなら仕方が無いが、もっと低い難易度を設けないと一般受けはしないだろう。何とかクリア後に他人はどういう方法を使っているのか参考にしようとプレイ動画を視てみたが、途中で諦めて投げてしまっている人も数人居た。なお高難易度ゲームのタイプとしては「方法が解っていてもそれを実行する際のスキルが重要であり、スキルが足りなければクリアは困難」という物と、「どうやってやるかという方法を思い付くかが重要であり、それを思い付けなければスキルが高くてもクリアは困難」という物が在るが、このゲームは後者寄り。

 マップはスタート以外は2個収録。片方はミュータントが出現し、もう一つは人間相手となる。


 問題点は幾つも在るので順に書いていく。キーの操作がやり辛く、割り付けを変更出来ないのが大きな難点。難易度が高いだけに余計にストレスとなる。スペースバーでスプリントするがこれはShift等に割り振りたいところだし、Useが右クリックになっているのもEに変えたい。と言うのは会話も右クリックなので、うっかり左クリックしてしまうと相手を撃ってしまうから。

 レスポンスが若干鈍い感じで、この点は戦闘に大きな影響を及ぼす。これは実際にやってもらわないと解らないと思うのだが、それが理由で複雑な形状のマップ内を移動する際にやたらといろいろな箇所に引っ掛かる(普通に移動する事自体に苦労するゲーム)。変と言えばスプリントの移動感覚が独特で、加速モードに入ったかの様なスピードとエフェクトが生じる為に移動し難くなる。またアイテムを拾う右クリックもホットスポットが狭く、位置を変えてクリックし直しが結構発生してしまう。


 トップダウンビューでほぼ真上からなのでオブジェクト類の詳細形状が掴み難いというのはあるにせよ、現バージョンでは色合いの変化に乏しい故にそれが何なのかという見分けすらも付け難いケースあり。またどれが内部構造を持っている建物なのかが解り難い, 通れる場所がどこなのか判断が難しい, 草木の茂っている箇所は速度が落ちるが通れるのかどうかはやってみないと判らない, 箱等はそこに隠れられるだけの高さがあるのか判らない, といった具合。

 戦闘時も木々に隠れて敵が見えなくなるケースがあり、対して相手側からは見えているので厳しい。カメラ位置的に画面外から撃たれたりもあり。ラスト付近など屋内の窓から撃ってくる敵が居てさすがに参った(屋根は近付かないと消えないから存在が解らない)。プレイヤーのキャラクターと接近すると重なったかの様に描写されてしまうのも良くない点である。


 続いては難易度を高めている点を順に挙げていく。

 暖を取らないとならず、ヒートバーがゼロになるとヘルスが減少し出す。屋内に入ればゆっくりと回復、火の周囲ならば高速回復する仕組み。よくあるルールではあるのだが、あまりにもインジケータの減りが早過ぎる。最初は落ちている木々を拾う事で担いでいる燃え木?を燃焼させてそれを遅らせる事が出来るのに気付かずに余計に苦労したが、それをやっていたとしても早い。一般的なサバイバルホラー程度の難易度であるならそれでも良いのだろうが、基本的な難易度がこれだけ高いゲームでそれを追加されると相乗効果で難易度が跳ね上がる。木々が幾らでも落ちている訳では無く、頻繁に屋内へと戻って行動しないとならない面倒さと、戦闘時にもそれを考慮しないとならないという困難さが付きまとう。

 インベントリーを開いてもポーズが掛からず、メディキットの使用や所持アイテムの切り替えにショートカットキーは無い。つまり戦闘の真っ最中に武器の持ち替えやメディキットの適用は困難。

 探索してのアイテム集めは重要だが、長引くとそれだけ凍える危険性が高まる。よって死にながらマップを憶えて効率的に回るというのが重要となり、その手の死んで憶えるタイプのゲームとしてデザインされている可能性もある

 ピストルの弾はかなり入手出来るが威力は弱い。ライフルはある程度強いが、こちらは無駄に撃っていると足りなくなる恐れもある。


 2面のミュータント相手のマップはアノマリーが多く、気を付けて通らないと範囲内に入ってしまう。しかし敵が出現するのでゆっくりと移動している訳にも行かない。そして戦闘になったら逃げているうちにうっかりアノマリーに突っ込んでしまう恐れあり。更に草木に突っ込んでスローダウンして死亡, 実は進めない場所に入ってしまい逃げ場が無く死亡, 戦闘中にヒートバーが切れてヘルスが減りだした影響で死亡....といった感じになる。

 3面の人間相手は戦闘が始まると敵が集まって来てしまうのが問題。撃ち合いになった場合、敵のヘルスが高目で倒すのにはかなり撃ち込まないとならない, リロード時間がそこそこ長いのでそのスキに撃たれる, 隠れられる場所が少ない, 操作性が悪く通れるルートを移動しながら逃げる操作そのものがやり辛い, 屋外での戦闘が長引くとヒートバーが無くなる等。そこでナイフに持ち替えてのステルスキルが有効とはなるのだが、全ての敵を狙える様にはなっていないのでそれだけでは無理。そもそも敵に背後から近付いて殺すという操作自体が慣れないと難しい(程度に操作性が悪い)。また周囲を見渡して敵を観察するにはShiftキーか双眼鏡を使わないとならないケースが多く、それでは届かない敵の観察の為に屋外に移動して敵の巡廻タイミングを待っていたのではその間にヒートバーが切れる可能性もあり。音の範囲がどの程度まで敵に聞こえるのかが判断し難いというのも厄介である。

 地雷に自分自身は反応しない。だが敵が通った瞬間には爆発しない為に仕掛けても敵を倒すのは難しい。自分の銃撃がその上を通る(命中)と爆発してしまうのでそれを利用するという手はあるが、仕掛けて移動している状況では自らも危険。敵が引っ掛かった際にも近くに居れば巻き込まれる。置いてある爆薬缶も利用価値は在るが、このゲームでは敵の撃った弾も爆薬缶に当たるという仕様なので、自分が近くに居れば即死級ダメージを受けてしまう事になる。先に撃っておいて破壊するのが安全だが、音に気が付いて敵が集まってしまうケースもあり。



 雰囲気や設定は魅力的だと感じられるし、銃撃の感覚なども悪くない。難易度に対しての不満は残るが、まだ何とかなるという程度なので許容範囲ではある。この手のゲームはコツが解れば難易度は下がるので、序盤(デモ)のマップとしては難易度が高過ぎなのが問題とも言える(慣れてきた中盤以降にこの位ならばOKの意味)。

 どういう風にするのが正解なのか(作者が意図しているのか)は判らないが1時間以上掛けてどうにか乗り切った。頁の最下部に方法を書いておくので、自分で研究しながら試してみたいという方はプレイ前には見ない事を推奨する。

GRAPHICS
&
SOUND
 Unreal Engine 4を使用。クオリティのプリセットが2種。個別設定項目は無し。

 グラフィックスのクオリティに不満は残るが、個人制作なので大幅な改善は望み薄だろう。とりあえずはキャラクター動作やオブジェクト類の識別がやり易いようにはして欲しい。背景に溶け込んだり、アニメーション不足で何をしているのかが判り辛いという状況が生じてしまっているため。真上からだと2Dなので制作は楽になるが、アイソメトリックに比較して様々な描写が判りにくくなる。それとダメージエフェクトも派手過ぎで視界が悪くなるのは邪魔。


 3Dサウンド無し。ボイス無し。銃器のサウンド関連は良い方だと思える。全般的に音数は少な目で、もっと環境音は多彩な方が望ましい。

感  想  ハッキリ言えばゲーム内容は非常に面白そうな設定なのに対し、このデモの出来映えはギリギリ合格点程度でしかない。Greenlightでの成績の良さもこのデモをプレイしての判断では無く、ゲーム設定への期待値が大きいという事なのだろう。

 アクションゲーム好きでトップダウンビューをやりたいならばもっと良いゲームが幾つも在る。しかし背景設定としてはとても魅力的に感じられる方も多いと思う。私自身も、ロシア(ウクライナ), アポカリプス, ミュータントという定番のお題をトップダウンビューの作品として制作しているという点に大いに興味を惹かれている。ストーリーなども充実してくれればなお良い。

 基礎的な操作性やインターフェース面に改善の余地が多々在るというのは確か。しかし治せそうな箇所も多いし、この辺は今後のアップデートに期待したい。興味を持たれた方も、試すのはもっと修正が進んでからの方が良いかも知れない。


 現在の完成度: 2017年中とはしているが具体的には未定。フィードバックを受けていろいろと修正したいとコメントしており、完成までには結構掛かる可能性もある。

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ヒ ン ト  以下反転。

・屋内に居るならバーは減らないので、屋内からShiftや双眼鏡を用いて周囲を探る様にする。当然まずは入れる建物の場所を把握する事から始めないとならない。

・バーを気にしてあまり急がない方が良さそう。アノマリーに突っ込みやすくもなるし、焦りで戦闘が失敗したりもする。探せばメディキットは結構有る為に、それを考慮してバーの消失でヘルスが減ってもメディキットで治せば良いという割り切りも大事となる。

・ルートが解ったら戦闘をなるべく避けて通る。Shiftを押しながらでも移動は可能(撃てない)なので、これを用いて道を辿り易くしても良い。

・戦闘中にでも素早い操作でメディキットの適用を実行出来る様にしておく。真正面からの撃ち合い時はさすがに無理だが、ある程度でも隠れられれば可能。

・人間相手では音の大きさでは無く、気が付く設定範囲内で音が鳴ったかが反応の基準となっている様に感じられる。近くの味方が遠くから撃たれて殺されても反応しない。

・火薬缶はとりあえず撃ってしまって付近の敵を倒すのに使った方が無難

・同時に多くの敵は相手に出来ないし、かと言ってステルスを貫くのは難しいので、先にステルスで数人倒してから銃撃戦に切り替えというのが一番楽だと思える。

・グレネードは効果範囲がかなり広く、離れた敵に投げて倒すのに役立つ。

・ミュータントも音に影響されるのかも。巣の近くで銃撃戦になると多数出て来る様な気がする。なるべく撃たなければ数は減る。