☆ HELIOPHOBIA ☆

17/12/18 更新 目次          HOME
製作/販売 Glass Knuckle Games        公式サイト      STEAM (Greenlight)      INDIE DB
配布状況  2017/10/23にリリースされた Alpha 0.8.1 (1.04GB) が最新バージョン。ただし現在は既に配布が終わっており、またどこかで手に入れたとしても試用期限が設定されているのでプレイは出来ない(日付を変えて誤魔化すとかでもしないと)。ここは最初のバージョンも同じ仕様だったので、また新しい物が出るとしても同じ形態になる可能性が高いからプレイしたいなら期限に注意しておいた方が良い。

 更新頻度: これが2回目のリリース版

 Steam GreenlightにエントリーしているがGreenlitに到達はしていない(期限切れ)。

概  要  Glass Knuckle Gamesはボストンのインディーズ会社で現在は4人構成の様である。既にSteamにおいてDefragmented等3本のゲームをリリース済み。ジャンルはバラバラでホラー物としてはこれが最初になる。

 プラットフォームはWindows, Mac, Linux。2017リリース予定となっているがこれは遅れそう。価格については言及無し。

 なおHeliophobiaとは太陽光恐怖症の意味。あるいは強い光を嫌がるというタイプの精神疾患。


 背景設定等はほとんど明らかにされていない。情報公開が少ないというのではなく、そもそも何も解らない所からゲームが始まるというスタイルになっている。

動作環境  必要環境は明らかにされていない。

 ゲーム開始後の最初のイベントが正常にスタートしないトラブルに遭遇。やり直すと上手く行ったが、もう一回やるとまた失敗したりと再現性が高い。椅子から立ち上がれないのならば失敗しているのでやり直すしかない。

BASICS  最大の特徴はゲームの構造が断片化したランダム構成であるという点。短いレベル(マップ)が集まって全体を構成しているのだが、それ等のシークエンスがどういう順番でプレイされるのかはプレイヤーによって異なるという風になっている。更に言えば各レベル内部で発生するイベントの種類や周囲の環境設定なども変化するそうだ。

 全く異なるロケーションやシチュエーションが次々にランダムに出現する事になるが、ストーリーの解説(語り・文章類)はそれに合わせてちゃんと変化する様になっており、ノンリニアで進行するが集まった情報からストーリーは理解出来るという事にされているらしい。ちなみに影響を受けている作品として映画の『メメント』, 『マルホランド・ドライブ』の名前を挙げており、人間の記憶(の奇妙さ)にまつわるストーリーである事は想像出来る


 ホラーゲームの問題点としてどんなに怖い敵やゲームシステムを生み出しても、プレイヤー側が慣れてくると怖さが薄れてきてしまうという件がある。そこでフリーゲームでは1時間以内、安価な作品などでもせいぜい3時間以内とかプレイヤーが恐怖に慣れない内に終わらせる様にするという設定が多いのだが、高価格でボリュームが要求されるホラー作品ではそうも行かずに悩ましい課題として存在している。その問題に対してこのゲームではプレイヤーが対面する障害や恐怖は各レベル毎に異なっており、同じ様な形のゲームプレイが持続するという状態にならないようにしている

 ホラー要素としてはモンスターが登場し、これに対しては逃げる・隠れるといった手段で対抗し戦闘要素は含まれていない。


・キーアサイン可○, マウス感度設定可○, 明るさ調整可○, サウンドボリューム調整可○
・難易度設定無し
・字幕有り
・チェックポイントセーブ

*一人称視点固定, FOV調整機能有り
*インベントリー画面無し
*照準有り, マウス反転○
*スプリント○, 屈み○, ジャンプ○
*コントローラー対応
*現在のオブジェクティブ表示機能無し

GAMEPLAY  長さとしては30分程度。パズル的な要素は少ない感じで、このアルファ版での障害はモンスターを避けるという行為がメイン。

 このアルファ版でも意味の解らないままにロケーションが突然変化するという構成だが、そこにランダム性はまだ含まれていない模様。ストーリー解説は文章を拾って読んでいくという方式だが、謎めいた内容が多く一体何が起きているのかはほとんど解らない状況である。


 モンスターが何に起因して出現しているのかは解らず、主人公の精神世界内の出来事という話なのかもしれない。ゲームプレイとしてはある程度決まったルートを移動しているので、それを屈んで見付かりにくくしたり、左右へのリーンで観察したりしながら逃げ切るというゲーム性になっている。ただ上で書いた様にずっとこういうプレイ感で進められるという訳では無いと思われる。

 モンスターに遭遇した際の恐怖表現は画面に強いノイズが掛かるという演出で効果的ではあるのだが、プレイ済みだとSOMAと同じ画面演出という印象になってしまうのはややマイナス点。モンスター自体の造形はあまり怖くない。


 出口というかゴールを目指してさ迷っている内に次のマップに進むという構成だが、何とも言えない不思議な雰囲気が非常に良く醸し出されておりその謎の世界観が一番の魅力と言えるだろう。脈絡も無く置かれているカセットテープレコーダーから流れている音楽も効果的。

GRAPHICS
&
SOUND
 Unityを使用。クオリティのプリセットは4種。他に個別設定項目も有り。

 グラフィックスは雰囲気を出す為に意図的なのか、ややローポリ的でもあり優れてはいない。しかしエフェクト系は良い出来映えだし、窓から見える風景描写なども魅力的である。

 3Dサウンド非対応。ボイス有り。サウンドは全体的に良い出来。映画的な作品という観点から音楽には力を入れていると見られる。

感  想  ホラーとしてよりも雰囲気物として不思議な世界観が気に入った作品。これは既に購入候補に入れている。

 ただし心配な点もあって、一つはどの程度の断片化したレベルが用意されるのか。沢山用意するのは大変になるが、かと言ってあまりに少なくても魅力が損なわれることになってしまう。後はデヴィッド・リンチに影響を受けているとした場合、結局最後までやってもストーリーが理解出来ないという事にならないかどうか。


 現在の完成度: 完成予定が2017年中になっているので結構出来ているとは考えられるが、Steamにはまだ登録されていないのですぐにというタイミングでは無さそう。今回のアルファ版でもアンケートを実施したりしているので、フィードバックを受けて更に改善の為に時間が延びるという可能性もある。

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