☆ HOLLOW ☆

17/05/28 更新 目次          HOME
製作/販売 MMEU / Forever Entertainment S. A.        公式サイト     STEAM
配布状況  2017/05/20にアップデートされた物が最新バージョン。BETA という位置付けのデモとなる。Steamを通してのみダウンロードが可能。

 更新頻度: 公開から一度アップデートされている。

 現時点ではデモは無料で一般公開されている。リリース時に早期アクセスが行われるのかは定かでない。

概  要  ポーランドのForever Entertainmentからの発売。同社は2010年設立の若いパブリッシャーで、活動の中心を地元では無くアジア(特に中国と日本)に置いているそうだ。NCM Entertainmentという日本の会社とも提携している。このゲームが日本語対応予定なのもその関係なのだろう。SteamではFrederic: Resurrection of Music等10本ほどのゲームが既に発売されている。

 開発はMMEU。2012年にSlender: The Eight Pagesを発端としてスレンダーマンを題材としたフリーゲームが大量にリリースされたが、その中でも有名な作品としてHaunt: The Real Slender Gameという物があった。後に権利関連で単にHauntという名称になり、そしてHaunted Memoriesとして全6章構成の壮大な作品へと昇格。Steamでもリリースされたのだが、EP01が無料, EP02が有料でリリースされた後に開発のMadMan Theory GamesがForever Entertainmentに買収されて、そこからは明確な宣言は無いが開発がストップしてしまっている。Haunted Memoriesの頁は残っているが既に作品は無い。

 このMadMan Theory Gamesの中心人物だったのがポーランドのArtur Grzegorczyn氏で、彼が中心となって新しく構成されたのが“mad-man eu”= MMEUとなっている。よって無名の会社ではあるが(開発規模も不明)、HauntもUnreal Engineを使用していたし、有名なホラーゲームの製作経験があるという事で未熟な開発会社では無い。


 プラットフォームで確定しているのはWindowsのみでMac, Linuxについては未定。コンソール版も予定に入っているが時期は不明。PC版の発売予定は2017/Q2とされている。


 地球最初の資源採掘宇宙船Shakhter-One(ロシア産)。木星の資源を採取して地球へと送り届けるのが目的である。主人公はここで資源を地球へと輸送する宇宙船のパイロットだったが、ある日Shakhter-Oneの周囲をさまよう脱出カプセルの中で目を覚ます。しかも記憶が失われている状態で、ドッキングして戻ったものの自分が誰なのかも解らない。その上に何故かShakhter-Oneの船内には従業員も見当たらず、何か事件が発生したかの様な有様。プレイヤーはここからの脱出を目指すが、それは自らの精神状態との戦いでもあった。

動作環境
  必要環境 推奨環境
OS Windows 7 Windows 10
CPU Intel Core i5-4440 同左
MEMORY 6 GB 8 GB
VIDEO GeForce GTX 660, AMD Radeon HD 7850 DirectX 11, SM 4.0, 2GB
SOUND DirectX 互換 同左

DirectX 11以上要

 記載は無いがメモリ容量からして64bitOSが必須と考えられる。


 パッチで改善が図られているが、現状フレームレートの落ち込みが見られて問題となっている。特に銃器での戦闘時やホラー系のエフェクト時に顕著で、非力なマシンだとカクカクで一瞬止まってしまうというレベル。Shadowやポストエフェクトの設定を下げるのが効果的だが、ポストエフェクトの方はMedium以下にすると見え方が大幅に変わってしまうので注意。

BASICS  先に特殊な状況下でのデモの公開という件について。今回のデモはプロモーションの一環として「クリア動画のアップロード競争」というコンテストが行われており、YouTubeにクリア動画をアップロードした先着10名(後に追加で10名)に製品版のプロダクトキーをプレゼントという企画になっている。そのクリア達成という条件からやり直しが禁止されており、それ故にゲームのチェックポイントセーブ機能がオフに設定されている(セーブアイコンは表示されるが機能しておらず、死亡したら最初からやり直し)。開発はデモのクリアまで1〜1.5時間程度とコメントしているが、謎解きや探索もあるので2〜3時間掛かっても不思議では無い中で、クリアするには途中でゲームオーバーになってはならないという制限付きとなる。デモが出ないよりはマシなのだろうがあまり歓迎したくない制限ではある。


 ポーランドからのDead Space?といった注目のされ方もしているゲームで、未来世界の巨大な採掘宇宙船が舞台, ホラーゲームだが武器を持っての戦闘を含んでいるといった共通点を持つ。しかし視点は一人称固定だし、アクションホラーという風味で戦闘能力が高かったDSに比較すると主人公の戦闘能力は制限されている様だ。開発側はDSとSilent Hillシリーズに強い影響を受けているとしており、DSに比較するとサバイバルホラー的な要素が強まっていると言えそう。他には謎に富んだストーリーの解明に重きが置かれており、パズル要素も強いとされている。


・キーアサイン不可×, マウス感度設定可○, 明るさ調整可○, サウンドボリューム調整不可×
・難易度設定無し
・字幕有り(ムービーには無し)。製品版は日本語字幕に対応するがこのデモは未対応。
・セーブ機能無し


*一人称視点固定, FOV調整機能無し
*インベントリー画面無し
*照準有り
*スプリント○, 屈み○, ジャンプ○
*コントローラー対応(このデモでは未確認)
*現在のオブジェクティブ表示機能有り(ただしデモ内では変化しない)

 操作キー一覧はESCにて表示される。メディキット使用やアイテムドロップなどが必要となるので確認要。左上のバーは最上段の白がメディキットの数, 黄色がヘルス, 下段の青は不明。


GAMEPLAY  まずはインターフェース系に問題が多数ある件から書いておく。一つ目が画面表示されるHUDがボケた様な感じになってしまう点。没入感を損なわない為にHUDレスのデザインが流行りではあるのでその影響で目立たない様な透明風の表示なのか, 主人公の精神状態が安定してない事を示しているのか, 単なるグラフィックス表示が正常では無いという状態なのか不明である。

 第二が画面の明るさ調整。上記のHUDをよりハッキリと表示させるには明るさを上げるとマシになるのだが、それを優先させると通常画面が明るくなり過ぎてノート類が読み辛くなるといった別の問題が発生してしまう。コントラストも含めて微調整すればもっと適切な調整点が見付かるのかも知れないがそこまではやっていない。ちなみに動画を何本か視てみたがプレイヤーによって明るさ設定は様々で、HUDが全然見えない様な状態でプレイしている人も居た。そしてより直接的な影響が発電機作動のパズルで、これは何重かになっている円盤を回転させて埋められていない黒部分を無くすというシンプルな物なのだが、明るさによっては黒部分がどこなのかという識別が付け難く(更に円盤によって色が異なるのでどの円盤かによっても変化する)、判らないならばこの時だけでも明るさをいじりながら解かないとならなくなる。

 第三がインタラクト可能なオブジェクトの識別。基本的にはUse可能なオブジェクト類はハイライトされる仕組みで、これは壁越しに検知出来たりもする。ところがこれが機能していたりいなかったりとなっており、あまりにもハイライトに頼ると実際にはUse可能な物を見落とす恐れがある。アイテムも同様で、点滅してその存在を位知らせるのが基本だが、これもまた点滅したりしなかったりとバラバラ。特に弾薬やメディキットが希少な存在となっており見落としは避けたいのだが、風景に溶け込んだような判別し難い色と形状をしているので注意しないとならない。

 最後にノート類。各所に有る端末にアクセスしてメールを読んだり、入手した書類を参照したりが可能なのだが、どうも全てのノート類をいつでも参照可能という訳では無さそう。そして一度取ったメモ書きは置くと無くなって再度は取れなくなるケースもあり、そこに重要な事項が書いてあると困った事になる。見た目としては良くある「メモ書きその物は消えるが、その中の重要な情報は自動的に主人公のPDA等に転載される」という方式ではないかという感触なのだが、端末内のそれらしき項目をクリックしても何も保存されていない。デモなので未実装という可能性もある。


 全体の進行はパズルを解いたり必要な暗証番号を入手したりで進めていく形式。パズルは特に難解では無く、パズル重視とあるがどの程度の難度や数を想定しているのかはデモからでは何とも言えない。その途中で戦闘が挟まれたりするが、それほど敵が大量に出て来るデザインではない。ここはDS風ではなくてサバイバルホラー風という印象

 ホラーとしては周囲の見え方が正気度を失った影響で変化するかの様なエフェクトや、恐怖感を煽る様なBGMが鳴り響くという定番のスタイル。ただ背景設定が良く解らないので、プレイヤーからの世界の見え方が何か別の設定(精神世界等)になっている可能性もあり。暗さについてはヘッドランプが無限に使用出来るので特に問題では無く、敵も暗がりから襲って来たりは無いのであまり影響していない。

 船内の景観は古臭い(つまり現代風)という感じで、SF的な未来世界の宇宙船のイメージは希薄。SOMAを連想したがより普通(古い)という印象である。進行は一本道だが以前のエリアへと引き返す事もあり、特にマップ全体が繋がっているというのは一つの特徴と言える。デモの最後のエリアまで到達した時点で、そこからクリアしてきた相当に広いエリア内のほぼ全ての場所へと戻る事が可能。倒した敵の死体も全て残っている。マップが広いのでTABキーでスプリント切り替えが出来るのは便利。なお斜め移動時の速度補正が無いタイプなので斜めに走ればより速く移動は可能。

GAMEPLAY
(続)
 戦闘はデモだけではまだハッキリしない面もあり、全体で武器がどの位出て来るのかとか、弾薬不足は慢性的なのか等は不明。武器はアイアンサイトが無く、左右ボタンで別の攻撃方法を持つというシステム。照準のブレや拡がりは無い模様(移動しながら撃っても変化しない)。武器の持ち替えがデモではホイールでしか行えず、またその切り替え速度が鈍いというのは気になった(私のマウスでは二回転させる様にしないと切り替わらない)。回復は携帯するメディキット(シリンジ)を使う形式で、適用アニメーションの後に瞬時に全回復する。

 屈み(Ctrl)がスニークに割り当てられているのだが、これで普通の敵の検知から逃れられるという設定では無さそう。ただ走って逃げて無視したり、扉を閉めて追って来られなくしたりが可能なエリアはある。

 おそらく主人公の恐怖感を表しているのだと推測されるが、戦闘時に視界が変色したりノイズが乗ったようなエフェクトが発生するのだがこれがとても強い。よって酷くではないが、戦い難くなるのは確か。

 敵はバリエーションを除けば2種類のみでちょっと物足りない。ゴアは有りで四肢や頭部が取れてそのまま残るという仕様。


 メレー武器はレンチだがこれは現状では大きな問題あり。戦闘中のブラーや被ダメージ等のエフェクトの強さと、武器を振った際の自分の視点の移動によって敵が良く見えないという感じになり、特に大振りの2ndaryではそれが顕著となる。更に敵のアニメーションや命中サウンドがショボくて敵に当たっているという感覚がほぼ無いので根本的に使っていても面白くない。サバイバルホラーにおいては銃器の弾薬節約の為に近接を利用するのが定番だが、これだけ視認性が悪い(安定しない)物だと低ダメージで上手く乗り切るというのが困難であり、メディキットが希少なのにこれで戦おうとは考えない。銃器の弾をなるべく節約してレンチは使用を避け、最終手段としてのみ使う方が良いだろう。

 Pinner。ショットガン的なイメージの武器で連射速度はそれほどないが威力は高い。2ndaryでは遠距離攻撃。リロードは早いがリロードすると中の弾薬ごとマガジンを捨てる仕様なのでやらない方が無難。攻撃時もヘッドショットを心掛けないと弾薬数は厳しい設定。そして特に弾薬回収に注意。次の武器が手に入るまではこれが主力となるのだが弾薬は少ない。しかも上で書いた様に弾薬がむき出しで置いてあっても気付きにくい色と形状で、かつ棚の中などに入っているケースでもそれがハイライトされるとは限らない。よって入念に見落としが無いかを確認しながら進めるべき。ただし普通ならば尽きるというほどでは無いと思うので、マップを戻れるというデザインを利用して弾が無くなったら見落としが無かったかを確認して回るという手もある。

 Ripper。これは名称からして刃の様な弾を撃ち出しているのだと思われる。弾薬が入手出来るのかは不明だが(Pinnerとどう違うのか判らないため)、最初に手に入った時点の弾薬で結構持つという感じ。これが入手出来ればラストまで弾薬不足は気にならないであろう。


 難易度はあまり高いとは感じなかったが、かなり長い上にセーブが出来ないので慎重に行動するという必要はある。特にメディキットは初期装備1個の他には(私は)2個しか見付けられなかったので希少。ヘルスを全回復してくれるので出来るだけ少なくなってからが望ましいのだが、渋っていると死亡の危険性が高まる。初見でクリア出来るかは何とも言えないが、システムに慣れれば特別に難しくはないはず。

GRAPHICS
&
SOUND
 Unreal Engine 4を使用。クオリティのプリセットは無し。個別設定項目は4種。

 モーションブラーを多用しているという感じなのだがこれが重い(これだけを切る項目は無い)。障害項目で書いた様にパフォーマンスに問題を抱えている状況で、最適化も大事だがもっと細かくエフェクト系を制御出来るようにするべきだろう。と言うかこのゲームに限らないが、近年のゲームはモーションブラーを多用し過ぎというきらいはある。グラフィックスはプレイ前に想像していたほどではなく、特にテクスチャーはもっと多様で高精細にした方が良い。


 3Dサウンド対応なのは良し。ホラー物ではこれが重要というのを再認識させられる。ボイス有りだが優れているという感想は無し。特にラストで登場するNPCは聞き取り辛いという印象。

 戦闘になると鳴り出す脅迫的なホラー系のBGM自体は良いのだが、敵を全滅させてもそこから脱出するまで鳴り続けるというエリアも有り、脱出方法を思い付くまで大音量だったりするのはいただけない(ボリューム調整も出来ないので外部から下げるしかない)。

感  想  まだかなり改善の余地があるという感想だが、積極的にフィードバックを集めているので今後に期待は出来る。このまま良い方向に進めば面白くなりそうだし、個人的には購入候補として考えるようにもなった。ただしDead Spaceレベルのコンテンツの充実を求めるのは予算的にも無理だろうし、あくまでも低予算レベルでの期待値となるので念の為。考えてみるとこういったタイプのホラーゲームは少なくなっているという感もあるし、このデモによって知名度が上がって欲しいとは感じる。

 Dead Spaceとは違ってずっとサバイバルホラー寄りで、DSほど戦闘面が充実しているゲームではない。敵の数は少ないし部位切断といったユニーク要素も持ち合わせていない。武器改造なども無いようだ。一方で平均的なサバイバルホラーに比較すると銃撃戦のアクション要素が高いという面は持っている。いずれにしろこのデモは無料でボリュームもたっぷりなので、サバイバルホラーのファンの方には試しにでもプレイしてみる事をお勧めする。


 現在の完成度: ベータで6月までに発売予定となっているが、現状そこまで出来ているとはとても思えない。掲示板のやり取りをみてもまだこれからフィードバックを受けていろいろと治していこうという姿勢を見せており、そこからもそんなに早くは出すつもりは無いという雰囲気(早期アクセスでもない限りは)。Q3から年内といったレベルではないだろうか。

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解答・ヒント  解答&ヒント  基本として端末から読める謎の人物からの指示文(メール)が重要なので確認しておく事。


*エレベーターの使用(ヒント)
 断定は出来ないが、幾つか出て来るエレベーターはボタンは押せるが使用出来ない。唯一デモのマップの終点から元に戻ってくる際にショートカットとして使える物が在るだけで、それにはキーカードが必要となる。使用可能な場合はボタンを押すとその隣に呼び出し中のメッセージが表示される(出ないのならば動いていない)。なおキーカードが無い場合には徒歩で戻れるので使用は必須では無い。



*扉の暗証番号(クルーの寝台部屋の有るエリア)
 寝台部屋の中の一つに置いてあるメモに書いてある。ただしこのメモは戻してしまうと再度は読めず、また端末で現在の所持情報を参照しても出て来ない様なので注意。なので正解を書いておくと (以下反転) 1999



*格子状の壁に囲まれていて多数のベッドの並ぶエリアから先に進めない
 エリアの一番奥も格子になっていて、その先に何かが居るのだが通れない。 (以下反転) 外のエリアに居る大きな敵を倒さないとならない



*扉の暗証番号(従業員の死体の有るエリアの先) (以下反転)
 監視カメラ映像と大きなホワイトボードがヒント。カメラの映像から得られる3つの数値の順番は決める方法があるのか総当たり方式なのか不明。



*エレベーター用のキーカード (以下反転)
 カットシーン後にマップを戻る事になるが、そこにあるショートカット用のエレベーターの作動に必要となる。ただしそのキーカードの場所までこのカットシーン後にはもう戻れない(はず)なので、ダメならマップを辿って帰るしかない。キーカードの場所は Ripperの入手後, 格子状の壁に囲まれている, 敵が大量に襲って来る, ベッドが沢山並べられている エリアでノートPCの近くに置いてある。